2020年6月19日更新

『SSSS.GRIDMAN(グリッドマン)』とは?実写版の特撮ヒーローや続編アニメ情報も紹介

このページにはプロモーションが含まれています
アニメ「グリッドマン」 編集記事 サムネイル

AD

円谷プロダクションの新境地を切り開いた、あの特撮ヒーローが復活!【ネタバレ注意】

漫画やアニメが実写化されことはあっても、特撮番組がアニメ化されるケースは、案外珍しいかもしれません。アニメ『SSSS.GRIDMAN』は、1993から1994年にテレビ放送された特撮番組『電光超人グリッドマン』を原案に、新しい登場人物たちの新たな冒険物語を描いています。 主人公は、中学2年生の男女仲良し3人組。グリッドマンと電脳世界で合体したり、窮地に陥ったときにサポートメカで助けたり……。世界観はやや時代を先取りしすぎた感があったものの、絶対無敵なヒーロー物語ではなく、ごく普通の少年少女が大活躍する面白さは、ウルトラシリーズとはまた違う魅力があります。 平成ウルトラマンシリーズの礎となったとも言われるなど、円谷プロダクションのヒーロー物として新たな境地を拓いた「グリッドマン」は、果たしてどんなアニメに生まれ変わったのでしょうか。 ※本記事ではアニメ『SSSS.GRIDMAN』のネタバレが含まれています。ご注意ください。

知っておきたい原作実写版『電光超人グリッドマン』のあらすじ

翔直人(小尾昌也)、馬場一平(須藤丈士)、井上ゆか(服部ジュン)は、いつも行動をともにしている中学2年生の仲良し3人組。中古のパーツを組んで作りだした自作パソコンを「ジャンク」と名付け、自宅裏の倉庫に集まってはパソコン三昧の日々を楽しんでいました。 ある日、ジャンクの中に保存されていたCGキャラクター「グリッドマン」に、異次元世界のエネルギー生命体がのりうつります。彼はコンピューターの中にある世界に逃げ込んだ異次元世界の悪魔カーンデジファーを追ってきた、ハイパーエージェントでした。 コンピューターワールドを侵略してリアルワールドまで支配しようとするカーンデジファーを捕らえるために、少年たちは「電光超人」グリッドマンとともに戦うことを決意します。  カーンデジファーは、直人たちの同級生で根暗なひねくれ者、藤堂武史(菅原剛)を使って、コンピューター管理されたシステムに次々に怪獣を送り込み、人々の生活を混乱させます。直人はグリッドマンと合体して怪獣と戦い、一平とゆかはそれをサポート。さまざまな危機を乗り越えて彼らはカーンデジファーを倒し、電脳世界と現実世界の平和を取り戻すことができたのでした。

AD

「グリッドマン」のキャラクターと声優を紹介

響裕太/広瀬裕也

アニメ『SSSS.GRIDMAN』でグリッドマンと行動をともにするのは、高校生3人組。中心となるのが、響 裕太(ひびきゆうた)です。 物語は、彼がある日突然、記憶を失ってしまうことからスタート。やがて彼は、旧式のパソコンに現れたハイパーエージェント、グリッドマンと出会います。自宅の場所までわからなくなってしまった割には、緊迫感のないどこかのんびり屋ですが、正義感は人一倍強いです。 声を担当したのは、声優の広瀬裕也。本作で初主演を果たし、今後の活躍が期待されています。

内海将/斉藤壮馬

もうひとりのメインキャラクター内海将(うつみしょう)。シニカルな一面はあるものの、友情に熱い少年です。 第1話では今ひとつ事態を飲み込めないままで、裕也と合体したグリッドマンを応援。怪獣の弱点をずばりと見抜くその様子は、実写版の天才的なひらめきを駆使ししてグリッドマンを助けた馬場一平を思わせるキャラクターです。 声を担当する斉藤壮馬は、2018年のアニメージュ・アニメクランプリの声優部門でグランプリを獲得した声優です。アニメ『天晴爛漫!』ではアル・リオンの声を務めています。

宝多六花(たからだりっか)/宮本侑芽(みやもとゆめ)

メインヒロインの宝多六花(たからだりっか)は、裕太や将の同級生。ちょっとクールな印象ですが、面倒見のいい姉御気質を持ちつつも、天然ボケな一面も。圧倒的なキーボードの打ち込みスピードを生かして、やはり実写版の井上ゆかに代わる優秀なオペレーターとしての活躍します。 ヒロインを演じるのは、女優としても活躍している宮本侑芽(みやもとゆめ)。アニメ版『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』(2017年)ではヒロインのひとり、ルミア・ティンジェル役で注目されました。

AD

新条アカネ/上田麗奈

もうひとりのヒロインは、新条アカネです。立花とは対照的なわかりやすい癒し系で、「才色兼備、才貌両全の最強女子」で「奇跡」みたいな存在だと将は言っています。心になにやら秘めたものがある様子の彼女が、果たしてどんな形で物語に関わってくるのでしょうか。 アカネの声を担当したのは実力派声優の上田麗奈です。2011年のデビュー以来さまざまな作品で活躍し、数多くの主要キャラクターを演じてきています。

そもそもグリッドマンとは何者?どんな超能力を持っている?

グリッドマンのイメージは、リアルだけでなくバーチャルでも活躍できるウルトラヒーローといったところでしょうか。強い正義感と使命感を持ち、電脳空間では空を飛ぶこともできます。必殺技は、グリッドビーム。「エージェント」ということで、一部「宇宙刑事」のテイストも盛り込まれているようです。 ユニークなのは、物凄く強い!というワケではないところ。怪獣との戦いではしばしば危地に陥り、ゆかの機転や一平発案のアシスト・ウエポンなどに助けられます。グリッドマンと仲良し3人組が力を合わせてはじめて、平和を守ることができるのです。

声を担当したのは、人気声優の緑川光!

グリッドマンの声を担当したのは、人気声優の緑川光です。アニメーションでもグリッドマン役で登場するということで、ファンは拍手喝采! 以前はひたすら爽やかで知的なヒーローという印象でしたが、新作のPVでの語り口は、より人間味がプラスされている印象があります。そんな新しいグリッドマンが、主人公たちとどのようなやり取りを見せてくれるのかも見どころのひとつです。

AD

新世紀中学生がグリッドマンをアシスト!

『SSSS.GRIDMAN』におけるグリッドマンも、アシスト・ウェポンをフル活用していきます。そして、そのアシスト・ウェポンの役割を果たすのが、新世紀中学生と呼ばれる4人組です。 まずはじめに、「グリッドマンキャリバー」の人間態であるサムライ・キャリバー。普段は六花の護衛を務めています。声優は、特撮俳優の経験もある高橋良輔です。 続いて、「バトルトラクトマックス」の人間態であるマックス。担当は裕太の護衛役です。彼の声は、特撮声優も務める小西克幸が演じています。 そして、「バスターボラー」の人間態であるボラー。彼は、内海の護衛役を担当しています。彼を演じるのは、子役時代に特撮出演経験のある悠木碧(ゆうきあおい)です。 最後に、「スカイヴィッター」の人間態であるヴィッター。六花の家でもあるジャンクショップ「絢」の警護に当たっています。声優は、俳優・声優の両方で特撮経験のある松風雅也が担当しました。

黒幕は○○!世界に隠された謎とは

怪獣に襲われる度にグリッドマンによって守られてきました。その怪獣で人々を襲わせていたのはなんと、新条アカネだったのです。 アカネが怪獣を生み出す理由は、一言で言えば憂さ晴らし。少しでも自分が気に入らないことをした者は、怪獣の標的としてしまうのです。そんな彼女のストレス要因が怪獣によって死ぬと大喜び。サイコパスのような一面も見せます。 また、アカネは作中の世界を作った神でもありました。“現実”で折り合いの悪い彼女は、コンピューター世界の中に架空世界を作り上げます。そしてその街や住人たちを、彼女に都合の良い存在として“設定”しました。彼女にとってこの世界は創造物であり、命を持たぬものなのです。 しかし世界はときにバグを吐き、彼女の意図しない方向に進むこともあります。そんなとき、彼女は怪獣を使ってバグの除去と世界を復元を繰り返してきたのです。

AD

「グリッドマン」最終回の意味は?アカネのその後どうなった?

新条アカネが「この世界」から旅立つ

『SSSS.GRIDMAN』の最終回で、怪獣化してしまったアカネ。しかし意志が統合されたグリッドマンによって彼女は救われました。裕太たちの言葉で目を覚ました彼女は、現実に戻ることを決意し、「この世界」と六花たちに別れを告げます。 アカネとの別れのシーン、六花は渡せないでいたプレゼントのパスケースを贈りました。そして立花は、アカネと一緒にいたいという願いがずっと“叶わない”ようにと願います。この、切なくも温かい願いを受け止めたアカネは消え去り、現実へと戻っていきました。 すると突然、本編が実写パートへと切り替わります。そこには、目を覚ましたばかりの少女がいました。 部屋の様子を見る限り、彼女はどうやら、現実世界のアカネのよう。そこには、六花からプレゼントされたパスケースもありました。こうして彼女は、長らく引きこもっていた架空の世界から、再び現実へと戻ってきたのです。

MVに隠された意図とは?立花はアカネの理想像?

最終回の最後の最後で実写を入れるという、斬新な発想を試みた『SSSS.GRIDMAN』。実は、本作OPのMV映像が、現実から目覚めたアカネのその後を描いているのです。 O×T(オクト)が歌う『UNION』のMVの始まりは、『SSSS.GRIDMAN』最終回の実写シーンから。目を覚ましたアカネは、六花からもらったパスケースを握りしめて、学校へと向かいます。途中、同級生と出くわしますが、彼女はもう今までの新条アカネではありません。彼女たちに声を掛けた後、みんなで学校へと向かうところまで描かれています。 この現実のアカネですが、見た目が六花にそっくりです。MVを見ても、見た目や制服の着こなしまで似ています。おそらく、自分の親友として作り上げた六花は、彼女が描く自身の理想像だったのでしょう。それゆえ、六花は現実のアカネに似た姿で出来上がったのではないかと考えられます。

AD

雨宮哲監督のユニークな演出に注目!脚本は特撮ヒーロー物の「神様」だ

「グリッドマン」の監督は、ガイナックスでさまざまな作品に関わってきた雨宮哲。これまで『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』、『スペース☆ダンディ シーズン2』など、とびきりユニークなことで知られる作品にも数多く関わってきました。個性的な作画・演出テクニックは、ファンの間でも定評があります。 もともとこの企画は、ウルトラシリーズのアニメ化を彼自らが円谷プロに打診したところからスタートしました。制作も、彼が現在所属するTRIGGER(トリガー)が担当しています。 脚本を担当したのはアニメーション作品を手がけるかたわら、平成ウルトラシリーズのメインライターとして活躍してきた長谷川圭一。『仮面ライダーW』以来、仮面ライダーシリーズも数多く執筆していて、特撮ヒーローファンにとっては神様的存在と言えるでしょう。

アニメ版第1話から気になる!実写版とのシンクロ率にも注目

新旧作品の時間的な連動性を強く感じさせるのは、グリッドマンが姿を表すパソコン。原作でも「ジャンク」と呼ばれていた中古パーツを寄せ集めたマシンですが、アニメでもそっくりそのままのボロさで登場しています。さらに原作ままの「ジャンクに食われちまった」という発言も!シンクロ率の高さを強く感じさせるエピソードですね。 演出的には、怪獣を人間がデザインしそれをPC内の怪人が実体化させるプロセスが原作同様です。その造形や動きがどこか着ぐるみっぽいところが、特撮マニアにササる見せ場でしょう。グリッドマンが実体化、地上に降りる瞬間に土砂が激しく巻き上がるシーンも、まさに「円谷」! 公開されているPVでは、ツインドリラーといったアシストウエポンの存在も確認済み。ゴッド・ゼノンなどの「合体技」も展開されることになりそうです。 ちょっと違うのは、戦いの舞台がオリジナルの電脳空間ではなく、怪獣が初めから現実世界に実体化してしまうことでしょうか。原作のカーンデジファーは、怪獣をリアルワールドに出現させようと苦心惨憺(くしんさんたん)していました。何より破壊されたはずの学校が翌朝、無傷のまま出現。謎めいた展開が、緊張感を煽ります。

AD

「グリッドマン」の続編『SSSS.DYNAZENON(ダイナゼノン)』が制作予定

2019年12月、『SSSS.DYNAZENON(ダイナゼノン)』の制作が発表されました。「グリッドマン」と同様、円谷(つぶらや)プロダクションとTRIGGERがタッグを組みます。2020年5月には、キービジュアルと出演声優が発表されました。 『SSSS.DYNAZENON』は、完全新作アニメーション作品。つまり、『電光超人グリッドマン』のようにもととなる作品はありません。しかし本作の原作は“グリッドマン”となっており、タイトルには“SSSS”が付いています。従って、何らかの共通点や関連性があることはほぼ間違いないでしょう。 なお、本作のあらすじは2020年6月時点で解禁されていません。ただ、本作も“SSSS”(Special Signature to Save a Soul)を掲げています。このことから、本作もまた、アカネのように誰かを救う話ではないかと考えられます。