2023年4月9日更新

【2023年最新】おすすめギャング・マフィア映画ランキングTOP49!裏社会を描いた名作を観よう

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歴史に残る名作ぞろい!おすすめギャング・マフィア映画TOP49を紹介

ギャングやマフィアを題材にした映画は、これまで数多くの名作が生み出されてきました。その多くで取り上げられる主なテーマは、ファミリー対警察の抗争、ファミリー間の仁義や裏切りとなっています。 “裏社会に生きる者たちの生きざまを描く”と聞けばかっこよく感じるかもしれませんが、その実は人間の醜さや虚しさといった、決して華やかではない要素も込められています。だからこそ観客はギャングやマフィアが登場する映画に惹きつけられるのでしょう。 この記事では、おすすめのギャング・マフィア映画をciatr独自のランキングで紹介していきます。どれも見逃せない作品ばかりです!

49位:『プッシャー』(1996年)

『ドライヴ』の監督が世に放つ麻薬争奪戦を描いた三部作

「プッシャー」
©︎Magnolia Pictures/Photofest/Zeta Image

コペンハーゲンの裏社会で麻薬密売人(プッシャー)をしているフランクは、ある取引に失敗して大ボスの麻薬を紛失してしまいます。そのためフランクは警察とボスの双方から追われ、さらには借金地獄に陥ってしまうことに……。 後年の『ドライヴ』が高い評価を得たデンマーク映画の俊英ニコラス・ウィンディング・レフンが、初監督を務めたクライム・サスペンス。プッシャーたちの転落人生を三部作で描いています。 シリーズ第1作目と第2作目には、『偽りなき者』やテレビドラマ「ハンニバル」シリーズで世界的人気を博すこととなるマッツ・ミケルセンも出演しました。

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48位:『新しき世界』(2014年)

裏社会に潜入する警官の葛藤を描く韓国版『インファナル・アフェア』

警官のジャソンは8年もの間、韓国最大の犯罪組織におとり捜査官として潜入し続け、組織のナンバー2であるチョン・チョンの右腕的存在となっていました。 ある日、組織の会長が急死したことにより後継者争いが勃発。これを利用しようと警察は、「新世界」と名付けた組織壊滅作戦を進めるのでした。 潜入警官を主人公にしていることから、韓国版『インファナル・アフェア』と評されたクライム・ドラマ。本職を全うするか、マフィア幹部との友情を選ぶか葛藤する警官の姿を描きました。

47位:『L.A. ギャングストーリー』(2013年)

ロサンゼルスに実在したギャングと警察との抗争劇

1949年のロサンゼルス。ギャングのミッキー・コーエンは、警察や政治家も手が出せない存在となっていました。そんな状況を打破すべく、ロサンゼルス市警のジョンをリーダーとする6人のチームはおとり捜査を決行していきます。 1940年代に実在したとされる大物ギャングと警官たちとの抗争を描いたクライム・アクション。ショーン・ペンがギャング王を演じ、市警チームのメンバーにジョシュ・ブローリンやライアン・ゴズリングらが扮しています。 テーマこそ重厚なものの、至る所に軽妙なギャグが盛り込まれているあたりから、『ゾンビランド』も手がけた監督のルーベン・フライシャーらしさが伺えます。

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46位:『白熱』(1949年)

マザコンギャングが裏切りと暴走の果てに見たもの

『白熱』
©︎Warner Bros./Photofest/Zeta Image

凶悪ギャングのコーディは列車を襲い現金を強奪、そしてアリバイ作りのために同日に起きた事件の犯人として自首を図ることに。 列車強盗の主犯がコーディだと睨んだ警察はおとり捜査官ファロンを近づけさせることで、コーディの信頼を得ていきます。一方で、母親を溺愛するコーディに愛想を尽かしていた妻のバーナと、彼女と内通していたコーディの部下ビッグ・エドは、とある策略を企てるのでした……。 戦前のギャング映画の大スターだったジェームズ・キャグニーが主演を務めた、フィルム・ノワールのクラシック。マザコンのギャングが次第に暴走する様子を描きます。主人公がマザコンという設定は、キャグニー自身のアイデアによるものです。

45位:『欲望のバージニア』(2013年)

密造酒ビジネスを取り巻く無法者たちの生きざま

『欲望のバージニア』
©︎The Weinstein Company/Photofest/Zeta Image

禁酒法時代のアメリカのバージニア州で、密造酒ビジネスをしていたボンデュラント3兄弟。 彼らはFBIなどの権力者に賄賂を渡していましたが、そこへ新たに着任した特別補佐官レイクスが法外な賄賂を要求します。兄弟たちはあまりの横暴ぶりにその要求を拒否しますが、報復としてさまざまな妨害を受けることに……。 生きるために違法行為に手を染めていくボンデュラント兄弟と、そんな彼らにつけ込んでいく権力者たちとの、ある種の階級闘争を描いた実録ドラマ。兄弟に扮したシャイア・ラブーフやトム・ハーディ、訳アリな女性のジェシカ・チャステインたちの演技にも注目です。

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44位:『レジェンド 狂気の美学』(2015年)

ロンドンに実在した双子ギャングの栄光と破滅

『レジェンド 狂気の美学』 トム・ハーディ
© Universal Pictures/Photofest/Zeta Image

1960年代初頭のロンドン。レジーとロニー・クレイの双子のギャングは町を牛耳りつつありました。 その勢いはとどまるところを知らずにアメリカのマフィアにまで及びますが、そんなときにレジーは部下の妹フランシスとの結婚を機に、足を洗う事を考えはじめます。それを不満に思うロニーは破滅的な行動を繰り返し、組織に不協和音が発生していくのでした。 ロンドンに実在した双子のギャング、クレイ兄弟の栄光と破滅を映画化。性格から体型などがすべて異なる双子を演じわけたトム・ハーディがとにかく圧巻です。ロニーの部下にしてゲイの恋人マッドを演じた、タロン・エガートンを筆頭とした共演陣にも注目!

43位:『ロックンローラ』(2008年)

不正の不動産ビジネスをめぐる醜い連中の群像劇

不動産ビジネスがもっとも盛んとなっていたロンドンでは、不正な土地取引をすべく、街のゴロツキやロシア人大富豪といった多種多様な連中が市場参入を目論んでいました。 その波に乗るべく、ワンツーとマンブルズもひと儲けしようとするも、犯罪組織の親玉レニーに多額の借金をする羽目に。そのレニーも不動産にうま味を求め暗躍を始めるなか、新たな複合商業施設の建設に絡んだ利権争いが勃発します。 『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』や『スナッチ』で知られるガイ・リッチー監督によるお得意のクライム・ドラマ。ロックテイストを土台に、ロンドンの犯罪社会をスタイリッシュに描いていきます。

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42位:『ウォリアーズ』(1979年)

休戦中だったはずのギャングたちが抗争に巻き込まれていく

『ウォリアーズ』(1979年)
©Paramount Pictures/Photofest/Zeta Image

ある夏の日の夜のこと、ニューヨークの各地から集まったストリートギャングたちが、ブロンクス公園に大集結。一大集会中の彼らは休戦協定を結んでいたにも関わらず、トップに君臨していたサイラスが何者かによって殺害されてしまいます。 サイラスの死をきっかけに状況は一変し、濡れ衣を着せられてしまったウォリアーズのメンバーたち。ベースボール・フューリーズ、グラマシー・リフスなどの各グループから追撃を受けながら、決死の思いで自分たちの居場所であるコニーアイランドへと逃げようとします。

41位:『夜に生きる』(2017年)

愛を求めて闇社会でのし上がっていく青年の半生

1920年代の禁酒法下のボストンで、警官幹部である父に反発するかのようにギャングの世界に入りこんだジョーは、野心と度胸でのし上がっていきます。しかし敵対組織の情婦や協力組織の2人の女幹部との出会いで、ジョーの運命は大きく変わっていくこととなります。 『ザ・タウン』や『アルゴ』と名作を立て続けに発表したベン・アフレックが、前作同様に監督・主演・脚本を担当したフィルム・ノワール。 自身もボストン出身であるアフレックが、愛に生きるギャングの生きざまを描きます。なお本作の原作小説を書いたデニス・ルヘインは、アフレックの監督デビュー作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』の原作者でもあります。

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40位:『パブリック・エネミーズ』(2009年)

伝説の銀行強盗の半生をジョニー・デップ主演で映画化

『パブリック・エネミーズ』(2009年) ジョニー・デップ
© 2009 Universal Studios. All Rights Reserved.

1933年の大恐慌下のアメリカで銀行強盗を働くジョン・デリンジャーは、ターゲットを悪徳銀行だけに限定し、世間一般人からは奪わないという姿勢から市民のヒーロー的存在となっていました。 そんな状況を苦々しく思っていた司法省のエドガー・フーヴァーは、デリンジャーをなんとしても捕らえるべく捜査官のメルヴィン・パーヴィスを送り込みます。 伝説の銀行強盗にして「社会の敵ナンバーワン」として知られたデリンジャーの半生を、マイケル・マン監督×ジョニー・デップ主演で映画化。デリンジャーと恋人ビリーの逃亡劇に重点を置いた内容となっています。

39位:『ブロードウェイと銃弾』(1994年)

ド派手なショーの裏側で起きた事件の顛末

『ブロードウェイと銃弾』(1994年) ジョン・キューザック , ダイアン・ウィースト
© Miramax Films/Photofest/Zeta Image

「狂騒20年代」といわれたブロードウェイの裏側を描くバック・ステージコメディ映画。 鬼才ウディ・アレンが監督を務め、脚本はアレンとダグラス・マクグラス、プロデューサーにはヘレン・ロビン、ジャック・ロリンズとチャールズ・H・ジョフィが名を連ねるなど、製作スタッフにはアレン作品おなじみのメンバーが勢ぞろいしています。 若い劇作家のデビットは、新作の上演が決まったのはいいものの思いがけないトラブルに続々と見舞われる始末。演技力ゼロのショーガール、主演女優をめぐる三角関係、脚本のリライト、さらには殺人事件が起きてしまうのでした。

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38位:『キング・オブ・ニューヨーク』(1990年)

ブラック・マフィアの白人リーダーが抱く野望とは

『キング・オブ・ニューヨーク』
©︎ Seven Arts / Photofest / Zeta Image

監督をアベル・フェラーラ、脚本をニコラス・セント・ジョンが務めたほか、エグゼクティブ・プロデューサーにジェイ・ジュリアンとヴィットリオ・スクァランテが名を連ねたアクション。 主役を演じたのは『パルプ・フィクション』などのクリストファー・ウォーケンです。「マトリックス」シリーズのローレンス・フィッシュバーンも出演しています。 舞台は闘争の止まないニューヨーク。5年ぶりに出所したフランク・ホワイトは、黒人マフィアを統率するカリスマ的存在でした。 相棒のジミー・ジャンプと再会するも喜んでばかりはいられず、勢力拡大のために対立している組織を次々と襲いボスを殺していきます。彼がここまでの闘争を繰り広げるのには、とある目論見があったのです。

37位:『ミラーズ・クロッシング』(1991年)

暗黒街でしのぎを削る男たちの友情と裏切りを描く

1929年、禁酒法時代のアメリカ東部の街ではアイルランド系とイタリア系のマフィア同士の争いが起こっていました。 アイルランド系のボスであるレオとその片腕のトムは固い友情で結ばれていたものの、娼婦のバーナが原因で仲違いしてしまいます。トムが敵対していたイタリア系マフィアに入ったのを機に、裏切りや陰謀が渦巻くマフィアの行動が激化することに……。 ジョエル&イーサンのコーエン兄弟による3本目の作品ですが、彼らの持ち味であるコミカル要素は鳴りを潜め、硬派なギャング映画として仕上がっています。ジョン・タトゥーロやスティーヴ・ブシェミといった、後年のコーエン兄弟映画の常連スターがここから登場しているのも注目。

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36位:『アメリカン・ギャングスター』(2007年)

ハーレムの麻薬王と正義感あふれる刑事の激突を描く実録映画

『アメリカン・ギャングスター』
©︎Universal Studios/Photofest/Zeta Image

キング牧師が暗殺された1968年のニューヨーク。ハーレムの黒人ギャングのボスを引き継いだフランクは、東南アジアからヘロインを密売するルートを確立し、麻薬王として君臨していきます。 それに対し特別麻薬取締局は、汚職に屈しない刑事リッチーを抜擢し、フランク摘発を目論むのでした。 デンゼル・ワシントン扮する麻薬王と、ラッセル・クロウ扮する正義感あふれる刑事の対決を描く骨太な実録ドラマ。『デュエリスト/決闘者』や『ブレードランナー』など、2人の男の対決をテーマにした作品を得意とするリドリー・スコット監督ならではの演出が光ります。

35位:『フェイク』(1997年)

元FBI捜査官のノンフィクションをジョニー・デップ&アル・パチーノ主演で描く

『フェイク』アル・パチーノ、ジョニー・デップ
©TriStar/Photofest/zetaimage

1978年のニューヨーク・ブルックリン。FBIのジョーはかねてからマークしていたマフィアの一員“レフティー”ベンジャミン・ルッジェーロへの接触を図るべく、偽名を使って潜入捜査をします。 レフティと交流するうちにマフィア内で存在感を高めていくジョーでしたが、身元がバレるのを恐れる日々と潜入捜査を明かせない妻との不仲などから、精神が追い詰められていくのでした。 数多くのマフィアを摘発した元FBI捜査官のジョー・ピストーネ自身が記したノンフィクションを、ジョニー・デップとアル・パチーノの初共演で描きます。これまで幾多のマフィア役を演じてきたパチーノですが、本作では打って変わって冴えない中年マフィアを見事に演じています。

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34位:『イースタン・プロミス』(2007年)

人身売買が絡んだロシアン・マフィアの血みどろ抗争劇

『イースタン・プロミス』
©︎Focus Features/Photofest/Zeta Image

ロンドンで産婦人科医をしているアンナのもとに、出産間近のロシア人の少女が運び込まれます。しかし彼女は赤ちゃんと日記を残して死んでしまうのです。 アンナは日記を手がかりに赤ちゃんの家族を探そうとしますが、その裏には恐るべきマフィアの人身売買が隠されていました……。 『ヒストリー・オブ・バイオレンス』のデヴィッド・クローネンバーグ監督とヴィゴ・モーテンセンが、再タッグを組んだバイオレンスドラマ。ミステリアスで寡黙なロシアン・マフィアを演じたヴィゴが全裸で繰り広げる、サウナでの大乱闘シーンがとにかく凄まじいです。

33位:『ロード・トゥ・パーディション』(2002年)

『子連れ狼』をアメリカンギャングに置き換えたクライムドラマ

1931年の大恐慌中のアメリカ。ギャングの殺し屋マイケルは、父親的存在であるボスのルーニーの片腕を務めていました。しかしある日、マイケルに嫉妬するルーニーの息子コナーが、マイケルの妻と次男を殺害。マイケルは長男のジュニアとともに復讐を誓います。 小池一夫の劇画『子連れ狼』をアメリカンギャングに置き換えた同名コミック『ロード・トゥ・パーディション』を、サム・メンデス監督が映画化。 このタイトルは、『子連れ狼』の主人公である拝一刀の言葉「冥府魔道」を英訳したものです。一刀にあたる主人公マイケルをトム・ハンクス、バカ息子のコナーをのちにメンデス監督が手がける「007」シリーズでジェームス・ボンドを演じたダニエル・クレイグが担当しています。

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32位:『ブラック・スキャンダル』(2016年)

ギャング対FBI対政治家による巨大汚職事件の全容

1975年のサウスボストンで、マフィア摘発に取り組むFBI捜査官のコノリーは、アイルランド系マフィアのボスであるジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーに、共通の敵であるイタリア系マフィア排除の協力を求めます。 一方でコノリーの幼馴染である政治家のビリーも、コノリー協力のもと、実権を握ろうとします。立場の違う三者が手を組んだ汚職事件が起ころうとしていました……。 1970年代のボストンに暗躍した凶悪犯ジェームズ・バルジャーを中心とした実録ドラマ。ジョニー・デップが、薄毛オールバックに革ジャンをまとったバルジャー役を怪演しています。コノリー役のジョエル・エドガートンと、ビリー役のベネディクト・カンバーバッチにも注目です。

31位:『いぬ』(1963年)

主人公を陥れた密告者「いぬ」はいったい誰?

『いぬ』(1963年) ジャン=ポール・ベルモンド , ジャン・ドザイー
© Pathé Contemporary Films/Photofest/Zeta Image

ギャングのモーリスは服役中に妻を失ったものの、出所後は新しい女性テレーズと付き合い始めます。 しかし妻を殺した男ジルベールを射殺し、次の仕事も親友シリアンの手引きで万事順調かと思いきや、警察に包囲され逮捕されてしまうのでした。そこでモーリスは、シリアンを警察の「いぬ」だと疑うのですが……。 タイトルの「いぬ」とは密告者を示す隠語で、誰が本当の「いぬ」なのかが物語の鍵となっています。原作はフランスの推理作家ピエール・ルズーの同名小説で、『リスボン特急』のジャン=ピエール・メルヴィルが監督・脚本を務めました。 同監督にはほかにも1966年の『ギャング』や1970年の『仁義』など、犯罪をテーマにしたフィルム・ノワールの名作があります。

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30位:『ボルサリーノ』(1970年)

2大スター初共演!不思議な友情で結ばれた2人のギャング

『ボルサリーノ』
©︎Paramount Pictures/Photofest/Zeta Image

『気狂いピエロ』などのジャン=ポール・ベルモンドと、『太陽がいっぱい』などで知られるアラン・ドロンという当時大人気を誇った2大スターの初共演が話題となった本作。 舞台は1930年代のマルセイユ。3ヶ月の刑期を終えて出所したシフレディは、女性をめぐってカペロという男と殴り合いのケンカになります。しかしそのことがきっかけで2人は友情を結び、ともにギャングとしての野望を叶えるために協力しあうことになるのでした。

29位:『ゴモラ』(2008年)

元組織の一員が出演したリアルなイタリアン・マフィア映画

『ゴモラ』
©︎IFC Films/Photofest/Zeta Image

イタリア・ナポリに実在する犯罪組織「カモッラ」の知られざる暗部を描き、実際にあった出来事をもとにした5つのエピソードから構成されたマフィア映画。組織の一員となる少年トトや給料係のドン・チーロなど、組織のなかで悲劇的な運命を辿る人物に焦点を当てています。 原作はロベルト・サヴィアーノの「死都ゴモラ」で、この作品を執筆したことでサヴィアーノはマフィアから殺害予告を受けたといいます。しかも本作には、実際の元カモッラの一員が出演。そのリアリティからか、2008年のカンヌ国際映画祭では審査員特別グランプリを受賞しています。

28位:『ボニーとクライド/俺たちに明日はない』(1967年)

ともに悪の道に走った2人が迎える運命とは

『俺たちに明日はない』
©︎ WARNER BROS./zetaimage

アメリカン・ニューシネマの原点ともいえる犯罪映画の金字塔。大恐慌時代のアメリカに実在したボニーとクライドの青春を中心に描いています。 舞台となるのは1930年代のテキサス。変わりばえのない日常に辟易していたウェイトレスのボニーは、刑務所から出所してきた青年のクライドが食品店を強盗する姿に恋に落ちてしまいます。 2人で過ごすようになってからは、盗んだ車を乗り回し各地で銀行強盗を繰り返す日々。やがて仲間も加わり、5人の強盗団として名を轟かせて行きますが……。 第40回アカデミー賞では助演女優賞と撮影賞を受賞。ウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイをトップスターに押し上げました。

27位:『カジノ』(1995年)

ラスベガスで大金を操るギャンブラーたちの攻防を描く

『カジノ』ロバート・デ・ニーロ
©UNIVERSAL PICTURES/zetaimage

ラスベガスで天才的なギャンブラーとして知られたサムは、その腕を買われカジノのマネージャーとして君臨していました。しかしかつての相棒ニッキーが現れたことで、事態は急変。カジノの売上金をめぐるマフィアと警察との激しい抗争が勃発することとなります。 ノンフィクション作家のニコラス・ピレッジによる、カジノの裏側に暗躍するマフィアの実態をまとめた小説を、マーティン・スコセッシ監督およびロバート・デ・ニーロとジョー・ペシ主演で映画化。 この4人は1990年の『グッドフェローズ』でも組んでおり、本作はいわば姉妹作品にあたります。

26位:『ゴッド・ファーザーPART3』(1990年)

巨大ギャングファミリー・サーガの最終章

ゴッドファーザー PARTⅢ
©︎PARAMOUNT

1979年、長らくファミリーのボスに君臨していたマイケル・コルレオーネは、年輪を重ねていくうちに過去に犯した罪に苦しんでいました。 その贖罪の一環としてビジネスの合法化を進めていき、兄ソニーの遺児で甥のヴィンセントを新たに加えます。ヴィンセントがマイケルの娘メアリーと恋仲になっていく一方で、マイケルの考えに反発する一部ファミリーが策略を企てるのでした。 コルレオーネ・ファミリー・サーガの完結を描く本作は、公開当時大きな話題を呼び、アカデミー賞8部門にノミネートされます。しかし結果は、無冠に終わりました。 メアリー役に演技経験ゼロだったコッポラ監督の実娘ソフィア(後年監督に転身)を配したことなども非難されましたが、マイケルの波乱に満ちた大河ドラマとして観るのも悪くありません。

25位:『エグザイル/絆』(2008年)

香港裏社会に生きる男たちの絆を描くハードボイルド

1999年の中国返還を控えたマカオ。かつて仲間だった5人の殺し屋は、年月を重ねるうちに立場が変わり、組織に忠誠を誓う者と裏切った者とに分かれていました。そして久々に5人が顔を合わせた時に、事態は思わぬ方向へ進んでいくことに……。 『エレクション』や『ザ・ミッション/非情の掟』で知られる香港映画の監督ジョニー・トーが、裏社会に生きる男たちの絆を描く香港ノワール。 殺し殺される関係に陥った5人が、赤ん坊の泣き声で銃撃戦を止めて仲良く食卓を囲むシーンなど、トー監督ならではの独特の演出が冴えわたっています。

24位:『ミーン・ストリート』(1973年)

ニューヨークを生きる若きチンピラたちの青春と挫折

ニューヨークのリトル・イタリーで出世を夢見るチンピラのチャーリーは、自堕落な友人のジョニー・ボーイと気ままな生活を送っていました。 ある日チャーリーは、チンピラの顔役でもある叔父からイタリア料理店経営を任されるも、ジョニーや恋人テレサとの絶縁を条件に出され苦悩します。そんな折、ジョニーが起こしたトラブルが思わぬ事態を呼び……。 マーティン・スコセッシ監督が、自身の体験を反映して描いた半自叙伝的な青春物語。チャーリー役にハーヴェイ・カイテル、ジョニー・ボーイ役をロバート・デ・ニーロとのちに大スターとなる面々が顔を揃えました。 なかでもデ・ニーロは、本作を機にスコセッシの友人であるフランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴッドファーザー PART2』に抜擢されることとなります。

23位:『現金に体を張れ』(1957年)

スタンリー・キューブリックが贈るクライム・ドラマ

『現金に体を張れ』
©︎United Artists/Photofest/Zeta Image

刑務所を出所したばかりのジョニーは、大金を必要とする5人の仲間と組んで競馬場の売り上げ金200万ドルを強奪する計画を企みます。 競馬場の会計係やバーテンダーといった内通者の協力を得て計画は成功しますが、メンバー間の不協和音が次第に大きくなっていき、予期せぬ顛末を迎えることになるのでした……。 後年、『2001年宇宙の旅』で巨匠となるスタンリー・キューブリック監督がハリウッドデビューを果たした長編作。原作小説を書いたライオネル・ホワイトはほかにも『気狂いピエロ』、『私は誘惑されたい』などの映画化作品があります。

22位:『カリートの道』(1993年)

足を洗うことを決意した元麻薬王のプライドと挑戦

『カリートの道』
©︎Universal Pictures/Photofest/Zeta Image

1975年のニューヨーク。5年間の刑務所暮らしを終えたプエルトリコの麻薬王カリート・ブリガンテは、犯罪から足を洗うことを決意しました。 しかし捜査当局からは執拗にマークされ、新興マフィアとのいざこざが続きます。そんな折カリートは、出所に尽力してくれた弁護士デイブがマフィアに脅迫されていることを知り手助けしますが、それがきっかけで命を狙われることとなります。 『スカーフェイス』のブライアン・デ・パルマ監督とアル・パチーノが、再びタッグを組んだクライム・ドラマ。マイノリティとしての維持と誇りを持った男の挑戦記として、プエルトリカン版『スカーフェイス』ともいえる見ごたえある作品となっています。

21位:『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年)

父を殺したギャング団ボスを狙うアイルランド移民青年の復讐譚

1846年のニューヨークでは、移民たちが各々ギャング団を結成して縄張り争いを繰り広げていました。そんな折に少年アムステルダムは、抗争により先住民グループ「ネイティブズ」のボスであるブッチャーに父を殺されてしまいます。 15年後、成長したアムステルダムは、父の仇であるブッチャーへの復讐を果たそうと、再びニューヨークの地へ向かうのです。 ニューヨークを舞台にした作品を数多く手がけてきた、いわゆる「ニューヨーク派」のマーティン・スコセッシ監督が、アイルランド移民青年の復讐譚を軸にニューヨークギャングの起源と隆盛を描きます。 宗教の違いを発端としたギャング同士の抗争という、スコセッシ監督ならではの世界観が際立ちます。

20位:『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998年)

どうしようもない連中が繰り広げるテンポ良い大金強奪戦

『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』
© HANDMADE FILMS/zetaimage

ロンドンの下町で暮らすエディら幼なじみ4人組は、10万ポンドでギャングの顔役ハリーを相手にポーカー賭博をします。 ところが逆にワナにハマって、50万ポンドの借金を背負う羽目に。そこで4人は、ギャングたちが麻薬密売の金を強奪する計画を聞きつけ、その金を横取りしようと企てますが……。 ガイ・リッチーの長編第1作目にして、彼ならではのテンポ良い構成がすでに確立されたシニカルなクライム・ドラマ。のちに人気アクションスターになるジェイソン・ステイサムのデビュー作でもあります。

19位:『ザ・タウン』(2010年)

犯罪者としての宿命から逃れようと模索する男

アメリカ屈指の強盗犯罪多発地区とされる、通称「タウン」と呼ばれるボストンのチャールズタウン。ここで生まれ育ったダグも、仲間とともに強盗稼業に勤しんでいました。 彼はとある銀行を襲撃した際に、人質に取った支店長のクレアがどこまで事態を把握したか探りを入れるべく、正体を隠して彼女に近づきます。そのうち彼女を愛するようになったダグは、タウンからの脱出を考えるようになるのでした。 俳優ベン・アフレックが、初監督作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』に続いて監督・脚本・主演を務めたクライム・ドラマ。犯罪者になることをある意味宿命づけられて育った男が、故郷や仲間と縁を切って新生活を図ろうと模索する姿が描かれました。

18位:『暗黒街の顔役』(1932年)

ギャング映画の要素をすべて網羅したクラシック中のクラシック

禁酒法時代のシカゴで、大ボスのコステロの用心棒をしていたトニー・カモンテは、敵対組織のボスのロボに寝返りコステロを射殺。トニーはロボの片腕としてのし上がっていきますが、その野心が増幅していき、ついにはロボはおろか警察から狙われる存在となっていきます。 1930年代の大物プロデューサーであるハワード・ヒューズと、監督のハワード・ホークスが、当時暗躍していたギャング王アル・カポネをモデルとしたギャング映画のクラシック。 仁義や裏切り、復讐といった後年のギャング映画のフォーマットがすべて盛り込まれています。1983年には、バイオレンス要素をさらに高めたリメイク作『スカーフェイス』が製作されました。

17位:『ディパーテッド』(2007年)

『インファナル・アフェア』の見事なハリウッドリメイク

『ディパーテッド』
©︎Warner Bros./Photofest/Zeta Image

ボストンで犯罪者の一族に生まれたビリーは、そんな出自と訣別するために警察官を目指します。そして同じくボストン南部のアイルランド系マフィアのもとで育ったコリンも、警察内部を探るべく警官を志すことに。 お互いの顔を知らぬまま、ビリーはおとり捜査官としてマフィア入りし、コリンは裏ではマフィアと通じる捜査官として活動しますが……。 2002年の香港映画『インファナル・アフェア』を、舞台をボストンに置き換えてマーティン・スコセッシがリメイク。 アイルランド系アメリカ人が抱える人種問題や、オリジナル版には登場しなかったキャラクターが加わるなどの脚色がなされています。スコセッシは本作で悲願のアカデミー監督賞を受賞しますが、彼自身は当初この企画にあまり乗り気ではなかったそうです。

16位:『波止場』(1954年)

若きマーロン・ブランドが1人でギャングに立ち向かう往年の名作

『波止場』
©︎Columbia Pictures/Photofest/Zeta Image

元ボクサーのテリーは、今では波止場で荷役をする日雇い労働者。ギャングの一味だった兄チャーリーのために八百長に加担し、ボクサーを辞めていました。 波止場を仕切るボスのジョニーに逆らえずにいる彼でしたが、兄を亡くしたイディと出会い、ジョニーと戦う決意を固めていきます。 ニューヨークの波止場を牛耳るギャングの実態に迫った記事「波止場の犯罪」を脚色した作品で、『エデンの東』のエリア・カザンが監督、『ゴッド・ファーザー』のマーロン・ブランドが主演を務めました。本作は1954年のアカデミー賞で、作品賞や監督賞など8部門を受賞しています。

15位:『レザボアドッグス』(1991年)

裏切り者は誰?強盗グループ内で起こる血なま臭いコン・ゲーム

『レザボア・ドックス』
©︎Live Entertainment/Photofest/Zeta Image

ロサンゼルスの宝石店強盗計画を実行した6人の男たち。計画は簡単に遂行できたと思いきや、警察の奇襲を受けて失敗しています。どうやら6人のなかにおとり捜査官がいるらしいと知ったメンバーは、裏切り者の探りあいを始めますが……。 のちに『パルプ・フィクション』などを手掛けるクエンティン・タランティーノが書いた脚本を、本作に出演しているハーヴィイ・カイテルらの力添えで映画化しました。 冒頭で6人が交わす本筋とまったく関係のない会話劇や強烈なバイオレンス描写、『サブウェイ・パニック』などのクライム映画にオマージュを捧げた構成といった、タランティーノワールドが早くも確立されています。

14位:『シティ・オブ・ゴッド』(2002年)

リオデジャネイロのスラム街をたくましく生きる少年ギャング

『シティ・オブ・ゴッド』
©︎Photofest/Zeta Image

ブラジルのリオデジャネイロ郊外にある貧民街ファヴェーラ。そこは通称「神の街」と呼ばれ、子どもたちですら平気で銃を手にするという、抗争が絶えない場所です。その街で生き抜く少年ギャングたちは、危険と背中合わせの生活を送りつつ、それぞれの将来を夢見ていました。 1960年代後半から80年代までのリオのスラム街の変貌を、少年ギャングの成長を絡めて描いた群像劇。少年を演じる大半のキャストに素人を起用し、アドリブ主体の演技を導入しています。 実際にあるスラム街で撮影を行ったという、徹底的にリアルさを追求した手法が高く評価されました。

13位:『現金に手を出すな』(1955年)

昔気質なギャングと新興ギャングとの金塊強奪戦

『現金に手を出すな』
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老齢に差し掛かったマックスとリトンの2人組ギャングは、引退前の大仕事としてパリのオルリー空港から5千万フランの金塊を奪います。 ところが、リトンがそのことをナイトクラブの踊り子ジョジィに漏らしてしまうのでした。パリの闇社会を牛耳りつつあった麻薬密売組織のボス・アンジェロは、情婦のジョジィからそのことを聞き、金塊強奪を企てます。 仁義を重んずる昔気質なギャングが、新興勢力となりつつあるギャングたちとの世代闘争を絡めた抗争を描きます。マックスを演じたフランスの名優ジャン・ギャバンは、ベネチア映画祭主演男優賞を受賞しました。 なお本編は金塊を奪い合う話なのにも関わらず、邦題ではなぜか「現金(げんなま)」となっています。

12位:『インファナル・アフェア』(2002年)

警察とマフィアそれぞれに潜入した2人の男の激突

『インファナル・アフェア』(2002年)
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香港を暗躍するマフィア入りした青年ラウは、スパイとして警察内部に送り込まれます。 一方で警察学校生のヤンは、マフィア撲滅に執念を燃やす上司に見込まれ、おとり捜査官としてマフィアに潜入。2人は10年のあいだにそれぞれ頭角を現わしていきますが、本職との葛藤にさいなまれていくのでした。 立場を入れ替えた2人の青年が苦悩を抱えながらも対決を迎えていく様を描き、世界中で大ヒット。続編も2本製作されました。2006年にはマーティン・スコセッシ監督が『ディパーテッド』としてハリウッドリメイクし、アカデミー作品賞を受賞しています。

11位:『L.A.コンフィデンシャル』(1997年)

警察内部の汚職に立ち向かう3人の刑事

1953年のロサンゼルスでは、現地を仕切るマフィア幹部の逮捕をきっかけに利権争いが繰り広げられていました。ある日、コーヒーショップで元刑事を含めた6人が惨殺されるという事件の捜査していたロス市警のバドは、そこから警察内部の汚職に直面していきます。 犯罪小説の大家ジェームズ・エルロイによる通称「L.A.4部作」の1本を映画化。ラッセル・クロウ演じるエドを含めた3人の刑事が、警察内部の汚職に立ち向かいます。 アカデミー賞で9部門にノミネートされるも、結果は助演女優賞と脚色賞のみの受賞に終わりますが、上質なクライム・ドラマとして高い評価を受けました。

10位:『パルプ・フィクション』(1994年)

クエンティン・タランティーノの才能が爆発!

『パルプ・フィクション』サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・トラボルタ
©︎Miramax/Photofest/zetaimage

殺し屋のヴィンセントは、ボスの命令で彼の妻ミアと食事をします。しかしミアは麻薬を吸ってしまって、オーバードース状態となってしまうのです。 一方で八百長ボクサーのブッチは負け試合を裏切って勝利し、大金をせしめて逃げようとしていました。 ヴィンセントと相棒のジュールズは、ボスの命令を済ませてレストランに入ります。ところがその店には、強盗を企むカップルがいたのです。 前作『レザボア・ドッグス』で注目を集めたクエンティン・タランティーノが放ったフィルム・ノワール。時系列をランダムにしていくつかの話が展開されますが、物語が進むにつれて1つのストーリーとして繋がっていくオムニバス形式で構成されています。 カンヌ国際映画祭パルムドールやアカデミー脚本賞といった数々の栄誉に輝き、タランティーノの代表作となりました。

9位:『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984年)

裏社会を生き抜いたユダヤ移民ギャングの一大叙事詩

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』
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1921年のニューヨーク。コソ泥をしていたユダヤ移民の少年ヌードルスは、似たような境遇のマックスと出会い友人となります。2人は禁酒法を利用して次々と犯罪行為を行い、次第に徒党を組むまでに大きくなりますが、次第に友情や愛が複雑に絡み出す悲劇に発展していきます。 『荒野の用心棒』などのセルジオ・レオーネ監督が、ある1人のギャングの栄光と挫折を、現在と過去を交錯させて描いた大作。 レオーネにとっての遺作となり、彼の作品に欠かせないエンニオ・モリコーネの音楽も印象深い作品です。青年時から老年時までの主人公をロバート・デ・ニーロが1人で演じ分けている点は、さすがの一言に尽きるでしょう。

8位:『フレンチ・コネクション』(1971年)

フランスとアメリカの麻薬密売ルートを追う型破り刑事

フランスとアメリカを結ぶヘロインの密輸ルート、通称「フレンチ・コネクション」の摘発を狙うニューヨーク市警のドイル(ポパイ)とラソーは、マルセイユから訪れていたコネクションの黒幕シャルニエの追及を開始します。 しかしその強引な捜査方法が仇となり、ドイルたちは逆に命を狙われることになるのでした。 1実際のヘロイン密輸事件をまとめたノンフィクションを映画化。アカデミー賞では作品賞を含む5部門を受賞するなどの高い評価を受け、なかでも高架線下のカーチェイスは映画史に残る名場面となりました。続編『フレンチ・コネクション2』も製作されています。

7位:『ヒート』(1996年)

マイケル・マン監督によるクライム・ドラマのマスターピース

ロサンゼルス市警のヴィンセントは、ニール率いる強盗グループによる現金輸送車強奪事件の捜査に乗り出します。 家庭を犠牲にしてまで仕事に打ち込むヴィンセントと、1人の女性のために足を洗うことを考え始めたニール。正反対の立場にある2人のあいだにはある種の共感が生まれますが、同時に避けられない直接対決も近付きつつありました。 『インサイダー』や『コラテラル』の監督マイケル・マンが、1989年のテレビ映画『メイド・イン・L.A.』をセルフリメイクしたクライムアクション。アル・パチーノ&ロバート・デ・ニーロという名優の競演や、中盤で繰り広げられる凄まじい銃撃戦が大きな話題を呼びました。

6位:『アンタッチャブル』(1987年)

禁酒法時代のボス、アル・カポネに戦いを挑んだ4人の男たち

『アンタッチャブル』
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1930年、禁酒法下のシカゴは、ギャング王として名高いアル・カポネに牛耳られていました。 そこへ財務省から派遣された特別捜査官エリオット・ネスは、3人の仲間を率いてチーム「アンタッチャブル」としてカポネ摘発に挑みます。しかしカポネが差し向けた刺客により、1人、また1人と犠牲者が……。 ギャングの代名詞とも云われるアル・カポネに闘いを挑む男たちの実話を、ブライアン・デ・パルマ監督が映画化。 エリオット・ネスに扮したケヴィン・コスナーもさることながら、相棒のベテラン警官マローン役のショーン・コネリー、カポネを演じるために頭髪を抜き体型を太らせたロバート・デ・ニーロなどの競演に注目です!

5位:『アイリッシュマン』(2019年)

マーティン・スコセッシ監督×ロバート・デ・ニーロ9度目のタッグ

アイリッシュマン
Netflixオリジナル映画「アイリッシュマン」 11月27日(水)独占配信開始

トラック運転手のフランク・シーランは、奇妙な縁からペンシルバニアの裏社会を仕切るマフィアのボスであるラッセル・バッファリーノの運転手兼殺し屋に。そして彼から紹介された全米トラック運転手組合委員長ジミー・ホッファとも、強い絆を結んでいきます。 1950年代から70年代のアメリカ裏社会史を3時間半で描き上げた、マーティン・スコセッシ監督によるマフィア映画の集大成といえる大作。 アメリカ現代史最大の謎とされるホッファ失踪事件が、「アイリッシュマン」と呼ばれた殺し屋シーランの視点で描かれています。ロバート・デ・ニーロのシーラン、アル・パチーノのホッファ、ジョー・ペシのバッファリーノという夢の豪華キャストにも注目です。

4位:『ゴッドファーザー PART Ⅱ』(1974年)

ファミリーを継いだ息子の孤独と、ファミリーを築いた父の軌跡

ゴッドファーザー PARTⅡ
© Paramount Pictures

父親ヴィトーの死後ファミリーを継いだマイケル・コルレオーネは、冷静かつ非情な頭脳でドンとして君臨していました。しかし彼を狙うライバル組織の襲撃が激化。そんななかマイケルは、父ヴィトーが若くしてファミリーを築いていく日々を回想するのでした。 前作『ゴッドファーザー』のラストでファミリーを継いだマイケルが、ボスとして組織を束ねていく姿と、父ヴィトーがファミリーを築いていく青年時代を入れ子構造的に取り上げていきます。 アカデミー賞では、前作を超える6部門を受賞。特に第1作目と第2作目が揃って作品賞を受賞したシリーズは、ほかに類を見ません。

3位:『グッドフェローズ』(1990年)

裏社会に憧れた男の視点から見た「グッドフェローズ」の実態

『グッドフェローズ』
© WARNER BROS. / BARRY WETCHER/zetaimage

アメリカのブルックリンを牛耳っていた「グッドフェローズ」と呼ばれるマフィアの顔役たちに憧れていた青年ヘンリー・ヒルは、育ての親である大物ギャングのポーリーのもとで1人前のマフィアに鍛えられます。 次第に彼は強盗専門のジミーや癇癪持ちのチンピラのトミーらと犯罪を重ねていきますが、FBIの捜査網が徐々に迫ってくるのでした。 実在したマフィアであるヘンリー・ヒルの半生を綴ったニコラス・ピレッジのノンフィクションを、マーティン・スコセッシ監督が映画化。ピレッジはスコセッシとともに脚色も担当しています。 大物マフィアたち「グッドフェローズ」の友情と裏切りを、時代時代を象徴するヒットナンバーに乗せて描いた傑作です。

2位:『スカーフェイス』(1983年)

アメリカンドリームを求めてマフィアのトップを目指した男

1980年にキューバの港からアメリカに渡ってきたトニー・モンタナは、ギャング組織の一員となってすぐさま頭角を現していきます。 しかし富と権力と愛を求めるあまり、組織のボスを裏切って殺害。ついには巨大なコカインビジネスを取り仕切るまでになりますが、次第にその横暴ぶりが敵を生み、孤立していきます。 ハワード・ホークス監督の『暗黒街の顔役』を、ブライアン・デ・パルマ監督、アル・パチーノ主演でリメイク。成功を追い求めすぎた男のデカダントな生涯を、のちにオスカー監督となるオリバー・ストーンの脚色により描き、オリジナルをも凌駕する出来栄えとなりました。

1位:『ゴッドファーザー』(1972年)

コルレオーネ一家の血塗られた隆盛を描くマフィア映画の金字塔

ゴッドファーザー
©︎PARAMOUNT PICTURES

1940年代のニューヨークマフィアを仕切っていたドン・ヴィトー・コルレオーネ。「ゴッドファーザー(名付け親)」の異名を持つ絶対権力者となっていた彼がある日、対立するファミリーによって狙撃されてしまいます。 これにより、第二次大戦から復員した温厚な性格の三男マイケルによる報復が始まったことで、マフィア同士の抗争が激化するのでした。 巨大マフィア・ファミリーを描いたマリオ・プーヅォのベストセラー小説を、フランシス・フォード・コッポラが映画化。 マフィアの世界に身を置いた家族ドラマとして、爆発的ヒットとなりました。ヴィトー・コルレオーネを演じたマーロン・ブランドが、アカデミー主演男優賞を辞退したことでも大きな話題となりました。

ギャング・マフィア映画には決して体感できないスリルとドラマがある!

この記事では、普段は知り得ない裏社会の一面を垣間見られるおすすめのギャング・マフィア映画を紹介してきました。 21世紀に入っても、『ザ・タウン』や『アイリッシュマン』のように裏社会に生きる者たちを主人公とした良作が生まれています。ぜひこの機会に、気になる1本を鑑賞してみてください。