2020年1月28日更新

実話ベースのおすすめ映画15選 リアルとは信じ難いエピソードを基にした傑作の数々【2020最新】

デトロイト (プレス)
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事実は小説よりも奇なりといますが、実話をベースにした映画も数多くあります。あの歴史的出来事に隠された人間ドラマ。今回は、そんな驚きの事実を描いた実話をベースの映画を15作紹介します。

目次

事実は小説よりも奇なり!実話を基にした傑作映画を紹介

どんな小説や映画よりも、実際に起こった事件や出来事の方がより衝撃的だったりします。あまりにも驚くべき内容でも、実は実話を基にした映画だったということも!まさに「事実は小説よりも奇なり」です。 ここでは、そんな衝撃的な実話や実際にあった出来事を題材にした映画を紹介していきます。作品の概要とともに、映画の元となった人物やエピソードなども詳しく解説。2000年代に入って公開された作品をメインに、2020年最新バージョンでお届けします。

1. 『フォードvsフェラーリ』(2020)

ル・マン王者フェラーリに挑んだフォードを支えた男たちの知られざる友情

ジェームズ・マンゴールド監督によるル・マン24時間レースの王者フェラーリへのフォード・モーターの挑戦を描いた物語。フォードのル・マン挑戦に参画したカーデザイナーのキャロル・シェルビーをマット・デイモン、テストドライバーのケン・マイルズをクリスチャン・ベールが演じました。 本作で描かれたのはフォードが行ったフェラーリ買収と失敗、そしてフェラーリを倒すために総力を挙げてレース参戦を決め、1964年からル・マンに参戦したこと。紆余曲折の末、フォードは1966年のル・マンから4連覇を果たすのです。 大迫力のレースシーンはもちろん、シェルビーとマイルズの友情に胸が熱くなります。特に、破天荒なイギリス人レーサーのマイルズ役を務めたクリスチャン・ベールの熱演は絶賛されました。

2. 『デトロイト』(2018)

1967年のデトロイト暴動を題材にしたキャスリン・ビグロー監督作

社会派監督キャスリン・ビグローが、1967年に起こったデトロイト暴動を題材に人権問題を取り上げた作品。暴動発生から50年を迎える2017年に公開されました。 デトロイト暴動は、ミシガン州デトロイトで1967年7月23日から27日にかけて起こった黒人暴動。その中でも市内のホテルで起きた「アルジェ・モーテル事件」にスポットを当てています。ホテルに狙撃手がいると報告を受けた警察によって、結果的に罪のない民間人が殺された事件です。 アメリカではこうした警察による黒人殺害事件が起こる度、人種差別問題として取り上げられますが根絶していません。容疑者を撃った警官フィリップをウィル・ポールター、現場に駆け付けた民間警備員メルヴィンをジョン・ボイエガが演じました。

3. 『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2018)

フィギュアスケート界を震撼させた「ナンシー・ケリガン襲撃事件」の真実に迫る

1994年にフィギュアスケート界で起こった「ナンシー・ケリガン襲撃事件」の全貌を、事件を起こしたトーニャ・ハーティングの視点から描いています。マーゴット・ロビーがハーティングを熱演し、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。 ハーディングは1991年の全米フィギュアスケート選手権でアメリカ人初のトリプルアクセルを成功させたフィギュアスケーター。しかしこの栄光とは裏腹に、ライバルのナンシー・ケリガンを襲撃する事件を起こします。それは、リレハンメル・オリンピックの選考会に勝つためでした。 なぜハーディングは自らの業績を捨ててまで愚かな行為に走ってしまったのか?本作ではそこに重点を置いて、彼女の半生を振り返っています。

4. 『パッドマン 5億人の女性を救った男』(2018)

インドの女性たちを救った実在の発明家!生理用ナプキン開発に人生をかけた男

インドの発明家アルナーチャラム・ムルガナンダムが、低価格で衛生的な生理用ナプキンを開発した実話を基にした伝記映画。発明好きの主人公ラクシュミカントが妻ガヤトリのためにナプキン開発を始め、社会的偏見に負けずに挑む姿を追っています。 インドでは女性の地位は低く、さらに生理を「穢れ」として口にするのも憚れる社会的背景があります。しかも市販されていたナプキンはとても高価。そんな中、変人扱いされながらも開発を続け、ついに女性たちを味方につけて普及に成功していくのです。 モデルとなったムルガナンダムは、2014年に「世界で最も影響力のある100人」(TIME誌)に選ばれ、2016年にはインド政府から、社会福祉に多大な貢献を果たしたとしてパドマ・シュリー勲章を授与されています。

5. 『ドリーム』(2017)

女性・黒人差別を超えて〜NASAの宇宙開発を計算で支えた女性たち

マーゴット・リー・シェッタリーのノンフィクション小説「Hidden Figures (原題)」を原作とした伝記映画。NANAの宇宙開発を計算手として裏で支えた女性たちの物語です。 ソ連との宇宙開発競争が激しくなった1960年代、NASAは有人宇宙飛行を目的とした「マーキュリー計画」を遂行していました。この計画に参画した実在の黒人女性スタッフたち、キャサリン・ゴーブル、ドロシー・ヴォーン、メアリー・ジャクソンを主人公としています。 キャサリンをタラジ・P・ヘンソン、ドロシーをオクタヴィア・スペンサー、メアリーをジャネール・モネイが演じました。60年代という女性にも黒人にも差別が残る時代に、自分の能力を信じて果敢な挑戦をしてきた先駆者たちがいたことに感動を覚えます。

6. 『イントゥ・ザ・ワイルド』(2008)

ショーン・ペン監督・脚本作!裕福な生活を捨ててアラスカへ向かった青年の実話

1992年にアラスカでクリス・マッキャンドレスという青年の死体が発見された事件を基に、ショーン・ペンが監督・脚本を手がけた作品。原作はジョン・クラカワーによるノンフィクション小説「荒野へ」です。 クリスは裕福な家庭に育った青年。成績も優秀でしたが、金ばかり与える両親と恵まれた環境を捨て、アラスカへ世界の真理を求めて旅立ちます。そこで古いバスを見つけて生活の拠点としますが、程なくして食料が底付き、バスで最期を迎えるのです。 クリスを演じたのは、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でシャロン・テートの元恋人ジェイ・セブリングを演じたエミール・ハーシュ。クリスが最後に求めたのが“誰かと分かち合う幸せ”だったことがあまりに深く、考えさせられます。

7. 『最強のふたり』(2012)

車椅子の大富豪と貧困層の黒人青年が出会ったら?真逆の境遇から生まれた真の友情とは

頚椎損傷で車椅子生活を送る大富豪フィリップと、スラム街に住む移民の若者ドリスの交流をユーモアを交えて描いたフランス映画。フィリップをフランソワ・クリュゼ、ドリスをオマール・シーが演じました。 二人のモデルとなったのは、フランスに住む実在の人物フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴと彼の介護人アブデル・ヤスミン・セロー。映画で描かれたフィリップとドリスの友情物語は、フィリップが著した本と二人のドキュメンタリー番組が基になっています。 人種も境遇も超えて真の友情を育んだ二人のまさに「最強のふたり」!本作は本国フランスはもちろん、世界各国でヒットを記録。ハリウッドでのリメイク作『THE UPSIDE 最強のふたり』が、日本でも2019年12月に公開されました。

8. 『止められるか、俺たちを』(2018)

若松プロダクションを築いた若者たち!若松プロ出身の白石和彌が監督・若松孝二を描く

映画監督の若松孝二が設立した若松プロダクションを舞台に、助監督の吉積めぐみの視点から設立当時の若松プロを描いた青春映画。若松プロ出身の白石和彌が監督を務め、若松プロ再始動の第1作目として制作されました。 若松プロダクションは、1965年に若松孝二を代表として設立された独立系映画製作会社です。設立当時はピンク映画が中心でしたが、低予算でも芸術性の高い作品を次々と発表。映画界に優秀な人材を送り出したことも評価されています。 主人公の吉積めぐみを門脇麦、若松孝二を井浦新が演じ、岡部尚や大西信満など若松プロ作品に出演した俳優も名を連ねています。若松プロ作品の特徴は社会性と人間性を重視した作風で、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2008)や『キャタピラー』(2010)などが有名です。

9. 『チェンジリング』(2009)

驚愕の実話!行方不明になったわが子が別人にすり替わって戻ってきたら?

クリント・イーストウッド監督が、「ゴードン・ノースコット事件」の被害者の実話を基に製作した作品。主人公のクリスティン・コリンズをアンジェリーナ・ジョリーが演じました。 ゴードン・ノースコット事件とは、1920年代に起きた連続少年誘拐殺人事件。カリフォルニア州で養鶏場を営む青年ゴードン・ノースコットが、20人もの少年たちを誘拐・監禁し、レイプして殺害した凶悪犯罪です。クリスティンの息子ウォルターもその中の一人に含まれていました。 映画ではウォルター失踪から、LA市警の怠慢な捜査によってウォルターとは別人の少年を母の元に返すというとんでもない展開に。しかもクリスティンはその少年を息子と認めなかった故に、精神病院に強制入院までさせられました。一つの事件がまた別の事件を生んだ、信じがたい実話です。

10. 『マイ・バック・ページ』(2011)

評論家・川本三郎の回想録が原作!60年代の「暴力の季節」をリアルに映し出す

評論家の川本三郎の回想録『マイ・バック・ページ ある60年代の物語』を原作とし、川本三郎が取材した安保闘争やベトナム反戦運動など新左翼運動が盛んだった70年前後の時代を映し出した作品。川本三郎がモデルの主人公・沢田雅巳を妻夫木聡が演じました。 川本三郎は1968年から「週刊朝日」や「朝日ジャーナル」の記者として活動。新左翼運動の取材で左翼思想に共感を覚え、菊井良治と出会ったことから、赤衛軍テロ事件「朝霞自衛官殺害事件」に関与して逮捕され、1972年に懲戒免職となりました。 映画では、週刊朝日などは週刊東都・東都ジャーナル、菊井は梅山(演・松山ケンイチ)、赤衛軍は赤邦軍に変更されています。新左翼による暴力革命を信じた若者たちが世を動かした、60年代のリアルがそこにあります。

11. 『アルゴ』(2012)

イランアメリカ大使館人質事件が題材!CIAが実行した奇想天外な作戦とは?

ベン・アフレックが監督・製作・主演を務め、アカデミー作品賞を受賞した作品。1979年から1980年に発生した「イランアメリカ大使館人質事件」を題材としています。 1979年10月にイランで起きたこの人質事件は、同年2月に成立したイラン革命とパフラヴィー元皇帝のアメリカ亡命をきっかけに起こりました。アメリカ大使館で学生による反米抗議デモが起こり、52人の人質をとって大使館を占拠。その中から6名の館員が脱出し、カナダ大使公邸に逃げ込んだのです。 『アルゴ』は、この6名をカナダ人映画撮影スタッフとして国外脱出させる作戦を描いています。ベン・アフレックが演じたのは、作戦を立てたCIAのトニー・メンデス。『アルゴ』とはこの作戦で使われた架空のSF映画のタイトルです。

12. 『余命1ヶ月の花嫁』(2009)

余命1ヶ月の末期乳がんと闘った24歳の花嫁とその家族の感動の実話

24歳で余命1ヶ月の乳がんと診断された長島千恵を追ったドキュメンタリー番組「余命1ヶ月の花嫁/乳がんと闘った24歳 最後のメッセージ」を基に映画化された作品。映画では長島千恵を榮倉奈々、恋人の赤須太郎を瑛太が務めました。 ドキュメンタリー番組は2007年、長島千恵がすでに末期の乳がんに冒され、1ヶ月という余命宣告を受けたところから始まります。がんと闘う同世代の人たちに自分の思いを伝えたいと語った彼女の夢は「ウェディングドレスを着ること」でした。 映画では2005年に太郎と千恵が出会うところから始まり、乳がん発症とその再発が二人の幸せを阻んでいきます。しかし彼女が遺したものは大きく、乳がん検診全国キャラバン実施やピンクリボン運動の活性化に繋がっていきました。

13. 『ソーシャル・ネットワーク』(2011)

Facebook創業者・ザッカーバーグはいかにして億万長者になったのか?

SNSサイト「Facebook」を創業したマーク・ザッカーバーグを主人公とし、その創業秘話を描いた作品。ザッカーバーグをジェシー・アイゼンバーグが演じ、アカデミー主演男優賞にノミネートされました。 ハーバード大学に通うマーク・ザッカーバーグは、恋人にフラれた腹いせに大学のコンピュータをハッキングし、女子学生の写真を集めて顔の格付けサイトを立ち上げ、サーバーをダウンさせるという事件を起こします。これで有名人となったザッカーバーグはハーバード大学生専用コミュニティサイトの制作を依頼されますが、それにヒントを得て現在のFacebookの元となる「The Facebook」を完成させるのです。 SNS時代を先取りしたアイデアが実は盗用だったり、創業をともにした友人から訴訟を起こされたりと、成功者ザッカーバーグの光と闇を描いた秀作です。

14. 『誰も知らない』(2004)

母に捨てられた「誰も知らない」子どもたちをリアルに描写した是枝監督作

是枝裕和監督が15年もの構想期間を経て、1988年に起きた「巣鴨子供置き去り事件」を題材に映画化した作品。この事件は、東京都豊島区に住む女性が恋人と同棲するため、4人の子どもを放置していたという残酷なものです。 妹たちの面倒を任された長男ですら推定14歳でした。その下に7歳の長女と3歳の次女、そして白骨化していた乳児の次男が1988年に発見されて事件が発覚。実は2歳の三女は長男の友人から暴行を受け、死亡していることも明らかになりました。 このあまりにも衝撃的な実話を、是枝監督はシビアな目線でリアルに描き、遠い国のことでもない現実を目の前に突き出しました。長男を演じた柳楽優弥がカンヌ国際映画祭で史上最年少・日本人初の最優秀主演男優賞を受賞しています。

15. 『シンドラーのリスト』(1994)

ナチスから千人を超えるユダヤ人を救った実在のドイツ人実業家・シンドラーの物語

スティーブン・スピルバーグ監督が、第二次世界大戦時のポーランドで多くのユダヤ人を救ったドイツ人実業家シンドラーの実話を映画化した作品。リーアム・ニーソンがオスカー・シンドラー、冷酷なSS将校アーモン・ゲートをレイフ・ファインズが演じています。 元々シンドラーは1935年にナチ党員となり、1939年のドイツのポーランド侵攻に合わせて戦争で儲けるためにクラクフへやってきた人物。そこで軍需工場を立ち上げ、ユダヤ人を含む800人近い従業員を雇っていました。 そんな金儲け主義だったシンドラーを変えたのが、ナチスへの不信感です。彼らのユダヤ人に対する仕打ちを目にし、全財産をユダヤ人救済に投じる意思を固めていきました。「シンドラーのリスト」とは、彼の工場で雇って救うユダヤ人リストであり、命のリストだったのです。

実話ベースの映画は事実より面白い!その奥深さを体験

世界を巻き込むような大事件や個人的な体験談、さらには衝撃の事件まで、実に様々な実話ベースの映画が次々と製作されています。それはやはり、実際に起こったことは想像より格段のドラマ性を秘めているからかもしれません。 アカデミー賞には脚色賞という賞がありますが、実話を基にした作品はこの賞を受賞する機会も多いようです。事実をより面白く興味深い角度で脚色するのは、脚本家の腕の見せ所でもあります。 作品を鑑賞する前にベースとなった実話を知り、どんな脚色がされているかもチェックしてみると、さらにその奥深さを堪能できるかもしれませんね。