2021年3月29日更新

【2021年版】実話をもとにしたおすすめ映画20選!感動を呼ぶドラマから衝撃的な事件まで

ボヘミアンラプソディ
© 2018 Twentieth Century Fox

「事実は小説よりも奇なり」といいますが、実話をもとにした映画も数多く存在します。その内容は、感動を呼ぶヒューマンドラマから、信じられない衝撃の事件までさまざま。この記事では、実話をもとにしたおすすめの映画を20作品紹介していきます!

目次

事実は小説よりも奇なり?実話をもとにしたおすすめ映画20本を紹介!

実際に起こった事件や出来事をもとにして、これまで数多くの映画が製作されてきました。時にはあまりにも衝撃的な内容で、緻密に作り込まれた小説や映画よりもはるかにドラマチックな場合さえあります。まさに「事実は小説よりも奇なり」ですね。 この記事では、そんな衝撃的な実話や実際にあった出来事を題材にした映画を20本紹介していきます。作品の概要とともに、映画のもとになった人物やエピソードについても詳しく解説。 2000年代に入って公開された作品をメインに、2021年最新バージョンでお届けします。ぜひ気になる作品を見つけてみてくださいね。

【感動を呼ぶヒューマンドラマ】

心を震わせる感動のヒューマンドラマが、実話をもとにしたものだった!ということはよくあります。 異なる世界に住む2人が固い絆を築いていく物語や、逆境のなかで培った親子や夫婦の絆など、本当にあった出来事だと知ると、感動も倍増することでしょう。

『フォードvsフェラーリ』(2020年)

フェラーリに挑む!フォードを支えた男たちの知られざる友情

『フォード VS フェラーリ』マット・デイモン、クリスチャン・ベイル
©︎ 20TH CENTURY FOX/zetaimage

ル・マン24時間レースを題材にした、ジェームズ・マンゴールド監督による映画です。 レースの王者であるフェラーリに、フォード・モーターが挑む過程を描いています。ル・マン挑戦に参画したフォードのカーデザイナーであるキャロル・シェルビーをマット・デイモン、テストドライバーであるケン・マイルズをクリスチャン・ベールが演じました。 本作で描かれたのは、フォードが行ったフェラーリ買収と失敗から、フェラーリを倒すために総力を挙げてレース参戦を決め、1964年からル・マンに参戦するまでの物語。紆余曲折の末に、フォードは1966年のル・マンから4連覇を果たすのです。 大迫力のレースシーンはもちろん、シェルビーとマイルズの友情に胸が熱くなります。特に破天荒なイギリス人レーサーのマイルズ役を務めたクリスチャン・ベールの熱演は、世界中で絶賛されました。

『LION ライオン/25年目のただいま』(2016年)

迷子になった少年が25年後に帰郷!Google Earthが道案内?

『LION ライオン 25年目のただいま』
(C)2016 Long Way Home Holdings Pty Ltd and Screen Australia

サルー・ブライアリーによるノンフィクション『25年目の「ただいま」 5歳で迷子になった僕と家族の物語』を原作としたヒューマンドラマ。5歳の時にインドで迷子になった少年が、25年後にGoogle Earthを使って自分の故郷を探し出した実話を描いています。 1986年、兄と出かけた先で回送列車から降りれなくなり、1人カルカッタまで来てしまった少年サルー。家から遠く離れた大都市で迷子になり、その後オーストラリアへ養子に出されます。 25年が経ったある日、彼は友人から教わったGoogle Earthでおぼろげな記憶を辿りながら、故郷探しを始めるのでした。 成長したサルーを演じたのは、『スラムドッグ$ミリオネア』(2009年)で知られるデヴ・パテル。 サルー本人はインドの実家を見つけ出した後もオーストラリアに住み、インドにもたびたび戻っているそうです。彼の産みの親であるカムラと、育ての親であるスーも対面を果たしています。

『最強のふたり』(2012年)

車椅子の大富豪と、貧困層の青年が出会ったら?

『最強のふたり』
©︎ THE WEINSTEIN COMPANY/zetaimage

頚椎損傷で車椅子生活を送る大富豪フィリップと、スラム街に住む移民の若者ドリスの交流をユーモアを交えて描いたフランス映画。フィリップをフランソワ・クリュゼ、ドリスをオマール・シーが演じました。 2人のモデルとなったのは、フランスに住む実在の人物フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴと、彼の介護人アブデル・ヤスミン・セロー。映画で描かれたフィリップとドリスの友情物語は、フィリップの著書と2人のドキュメンタリー番組がもとになっています。 人種も境遇も超えて真の友情を育んだ2人は、まさに「最強のふたり」!本作は本国フランスはもちろん、世界各国でヒットを記録しました。

『イントゥ・ザ・ワイルド』(2008年)

裕福な生活を捨ててアラスカへ向かった青年の実話

『イントゥ・ザ・ワイルド』
©︎ PARAMOUNT/zetaimage

1992年にアラスカでクリス・マッキャンドレスという青年の死体が発見された事件をもとに、ショーン・ペンが監督・脚本を手がけた作品。原作はジョン・クラカワーによるノンフィクション小説「荒野へ」です。 クリスは裕福な家庭に育った青年。成績も優秀でしたが、お金ばかり与える両親と恵まれた環境を捨て、アラスカへ世界の真理を求めて旅立ちます。そこで古いバスを見つけて生活の拠点としますが、程なくして食料が底付き、バスで最期を迎えるのです。 クリスを演じたのは、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年)でシャロン・テートの元恋人ジェイ・セブリングを演じたエミール・ハーシュ。クリスが最後に求めたのが“誰かと分かち合う幸せ”だったことがあまりに深く、考えさせられます。

『レナードの朝』(1990年)

30年の昏睡から目覚めた患者と、彼を救おうとする医師の交流

『レナードの朝』ロビン・ウィリアムズ、ロバート・デ・ニーロ
©Columbia Pictures / Photofest/zetaimage

実在の医師オリバー・サックスと彼の患者をモデルに、人間の生きる意味を問うヒューマンドラマに仕上げた作品。主人公のセイヤー医師をロビン・ウィリアムズ、患者のレナードをロバート・デ・ニーロが演じました。 1969年のニューヨーク、神経病患者を専門とした病院に赴任したセイヤー医師は、そこで嗜眠性脳炎の患者レナードに出会います。回復を願ってセイヤーがパーキンソン病の新薬を投与したところ、レナードは30年ぶりに目を覚ましました。 オリバー・サックスは、1920年代に世界中で流行した「嗜眠性脳炎」による意識障害者の患者を、実験用医薬品「レボドパ (L-ドーパ)」を使って目覚めさせることに成功した神経学者です。この映画は彼の実体験を綴った医療ノンフィクションがもとになっています。

『余命1ヶ月の花嫁』(2009年)

余命1ヶ月の末期乳がんと闘った24歳の花嫁

余命1ヶ月の乳がんと診断された長島千恵を追うドキュメンタリー番組「余命1ヶ月の花嫁/乳がんと闘った24歳 最後のメッセージ」をもとに、映画化された作品です。映画では24歳の長島千恵を榮倉奈々、恋人の赤須太郎を瑛太が演じました。 ドキュメンタリー番組は2007年、長島千恵がすでに末期の乳がんに冒され、1ヶ月という余命宣告を受けたところから始まります。がんと闘う同世代の人たちに自分の思いを伝えたいと語った彼女の夢は、「ウェディングドレスを着ること」でした。 映画では2005年に太郎と千恵が出会うところから始まり、乳がん発症とその再発が2人の幸せを阻んでいきます。しかし彼女が遺したものは大きく、乳がん検診全国キャラバン実施やピンクリボン運動の活性化に繋がっていきました。

【輝かしい伝説を描いた伝記】

実話をもとにした映画のなかでも多く取り上げられるのが、実在する人物の伝記や実際に起こった歴史を描いたもの。 戦争に翻弄された人々、偉大な発明家や研究者たち、そして歴史に名を刻んだ芸術家たちなど、知っておくべき人物ばかりです。

『太陽の子』(2021年)

太平洋戦争下、原爆開発に関わった科学者の苦悩を描く

NHKが国際共同制作したドラマ『太陽の子』の映画版が、2021年に公開されます。ドラマは終戦75周年の2020年、終戦記念日の8月15日に放送されました。 太平洋戦争末期の1944年、海軍から原子爆弾の開発依頼を受けていた京都帝国大学の物理学研究室。そのなかには、純粋に実験が好きな学生・石村修(柳楽優弥)もいました。 しかし研究員たちのなかには、兵器開発に加担することに葛藤する者も。そんな状況で、戦地から修の弟・裕之(三浦春馬)が一時帰宅し、幼なじみの朝倉世津(有村架純)も家を失って、修の家に住むことになります。 京大で行われた原爆開発は「F研究」と呼ばれ、これを率いた実在の人物である理学部教授・荒勝文策(國村隼)も登場。 メインキャラクターはフィクションですが、史実をもとにした青春群像劇となっています。映画版はドラマ版とは違った視点で描かれるようです。

『パッドマン 5億人の女性を救った男』(2018年)

インドの女性たちを救う!生理用ナプキン開発に人生をかけた男

インドの発明家アルナーチャラム・ムルガナンダムが、低価格で衛生的な生理用ナプキンを開発するまでの実話をもとにした伝記映画。発明好きの主人公ラクシュミカントが妻ガヤトリのためにナプキン開発を始め、社会的偏見に負けずに挑む姿を追っています。 インドでは女性の地位は低く、さらに生理を「穢れ」として口にするのも憚れる社会的背景があります。しかも市販されていたナプキンはとても高価。 そんななかで、ラクシュミカントは変人扱いされながらも開発を続け、ついに女性たちを味方につけてナプキンの普及に成功していくのです。 モデルとなったムルガナンダムは、2014年に「世界で最も影響力のある100人」(TIME誌)に選ばれました。また2016年にはインド政府から、社会福祉に多大な貢献を果たしたとしてパドマ・シュリー勲章を授与されています。

『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)

世界的ロックバンド「クイーン」の挫折と成功の軌跡を辿る

ボヘミアンラプソディ
© 2018 Twentieth Century Fox

今もなお世界的な人気を誇るイギリス発のロックバンド「クイーン」。そのバンド結成からチャリティーコンサート「ライブエイド」までの、挫折と成功の軌跡を辿った音楽伝記映画です。ボーカルのフレディ・マーキュリーの半生をメインに取り上げています。 1970年代初頭のロンドン、ペルシャ系移民の青年ファルーク・バルサラは移民差別を受けながらも、好きなロック音楽に傾倒していました。彼はお気に入りのバンド「スマイル」のメンバーに自分をボーカルとして迎えるよう売り込み、新たに「クイーン」として活動をスタートします。 フレディを完璧に演じきったラミ・マレックが、アカデミー賞で主演男優賞を受賞。クイーンの現メンバーであるロジャー・テイラーとブライアン・メイが音楽総指揮を務め、知られざるバンドの歴史を名曲誕生の秘密とともに明らかにしました。

『ドリーム』(2017年)

差別を超えてNASAの宇宙開発を支えた女性たち

『ドリーム』タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ
©︎Twentieth Century Fox Film Corporation/Photofest/zetaimage

マーゴット・リー・シェッタリーのノンフィクション小説「Hidden Figures (原題)」を原作とした伝記映画。NASAの宇宙開発を計算手として裏で支えた女性たちの物語です。 ソ連との宇宙開発競争が激しくなった1960年代、NASAは有人宇宙飛行を目的とした「マーキュリー計画」を遂行していました。この計画に参画した実在の黒人女性スタッフたち、キャサリン・ゴーブル、ドロシー・ヴォーン、メアリー・ジャクソンを主人公としています。 キャサリンをタラジ・P・ヘンソン、ドロシーをオクタヴィア・スペンサー、メアリーをジャネール・モネイが演じました。60年代という女性にも黒人にも差別が残る時代に、自分の能力を信じて果敢な挑戦をしてきた先駆者たちがいたことに感動を覚えます。

『止められるか、俺たちを』(2018年)

若松プロを築いた若者たちを、若松プロ出身の白石和彌監督が描く

止められるか、俺たちを
(C)2018若松プロダクション

映画監督の若松孝二が設立した若松プロダクションを舞台に、助監督の吉積めぐみの視点から設立当時の若松プロを描いた青春映画。若松プロ出身の白石和彌が監督を務め、若松プロ再始動の第1作目として制作されました。 若松プロダクションは、1965年に若松孝二を代表として設立された独立系映画製作会社です。設立当時はピンク映画が中心でしたが、低予算でも芸術性の高い作品を次々と発表。映画界に優秀な人材を送り出したことも評価されています。 主人公の吉積めぐみを門脇麦、若松孝二を井浦新が演じ、岡部尚や大西信満など若松プロ作品に出演した俳優も名を連ねています。若松プロ作品の特徴は社会性と人間性を重視した作風で、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2008年)や『キャタピラー』(2010年)などが有名です。

『ソーシャル・ネットワーク』(2011年)

Facebook創業者ザッカーバーグは、いかにして億万長者になったのか?

『ソーシャル・ネットワーク』ジェシー・アイゼンバーグ、ジョセフ・マッゼロ
©Columbia Pictures/Photofest/zetaimage

SNSサイト「Facebook」を創業したマーク・ザッカーバーグを主人公とし、その創業秘話を描いた作品。ザッカーバーグをジェシー・アイゼンバーグが演じ、アカデミー主演男優賞にノミネートされました。 ハーバード大学に通うマーク・ザッカーバーグは、恋人にフラれた腹いせに大学のコンピュータをハッキング。女子学生の写真を集めて顔の格付けサイトを立ち上げ、サーバーをダウンさせるという事件を起こします。 これで有名人となったザッカーバーグはハーバード大学生専用コミュニティサイトの制作を依頼されますが、それにヒントを得て現在のFacebookのもととなる「The Facebook」を完成させるのです。 SNS時代を先取りしたアイデアが実は盗用だったり、創業をともにした友人から訴訟を起こされたりと、成功者ザッカーバーグの光と闇を描いた秀作です。

『シンドラーのリスト』(1994年)

ナチスからユダヤ人を救った実在するドイツ人実業家の物語

『シンドラーのリスト』リーアム・ニーソン、ベン・キングズレー
©︎ UNIVERSAL/zetaimage

スティーブン・スピルバーグ監督が、第二次世界大戦時のポーランドで多くのユダヤ人を救ったドイツ人実業家シンドラーの実話を映画化した作品。リーアム・ニーソンがオスカー・シンドラー、冷酷なSS将校アーモン・ゲートをレイフ・ファインズが演じています。 もともとシンドラーは1935年にナチ党員となり、1939年のドイツのポーランド侵攻に合わせて戦争で儲けるためにクラクフへやってきた人物。そこで軍需工場を立ち上げ、ユダヤ人を含む800人近い従業員を雇っていました。 そんな金儲け主義だったシンドラーを変えたのが、ナチスへの不信感です。彼らのユダヤ人に対する仕打ちを目にし、全財産をユダヤ人救済に投じる意思を固めていきました。「シンドラーのリスト」とは、彼の工場で雇って救うユダヤ人リストであり、命のリストだったのです。

【信じがたい衝撃の事件】

にわかには信じがたい、実際に起きた衝撃の事件を取り上げた映画も数多くあります。 ネグレクトや子どものすり替え、暴動や襲撃事件など内容はさまざま。ここでは特に衝撃的で、知られざる事件の裏側を描いた作品を紹介していきます。

『MOTHER マザー』(2020年)

『MOTHER』
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『日日是好日』(2018年)の大森立嗣監督と『新聞記者』(2019年)の河村光庸プロデューサーがタッグを組み、長澤まさみが毒親を演じた衝撃のヒューマンドラマ。2014年に埼玉県川口市で起きた「川口祖父母殺害事件」に着想を得ています。 男関係にだらしないシングルマザーの秋子(長澤まさみ)は、息子の周平(奥平大兼)に異様な執着を見せ、常に自分に忠実であるように強いてきました。母以外に頼る者もなく、その歪んだ愛に応えようと、周平はある事件を起こすことになります。 ネグレクトを受け、学校にも行かせてもらえず、社会から孤立したまま17歳になった少年の過酷な体験をもとにした本作。なぜ少年は祖父母を殺さなければならなかったのかという理由に驚愕し、根深い社会問題や親子関係について考えさせられる作品です。

『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017年)

タクシー運転手が民主化運動の実態を伝える立役者に

タクシー運転手 約束は海を越えて
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韓国で起きた民主化運動「光州事件」を世界に伝えたドイツ人記者の体験をもとにしたヒューマンドラマ。ドイツ人記者のピーターをトーマス・クレッチマン、彼を現場に送り届けたタクシー運転手のマンソプをソン・ガンホが演じています。 1980年5月、韓国で民主化を求める大規模なデモが起こり、光州では市民と軍が対立して厳戒態勢が敷かれていました。取材のため現地に行こうとしていた記者のピーターは、ソウルのタクシー運転手マンソプに声をかけます。 2人のモデルとなったのは、実在のドイツ人記者ユルゲン・ヒンツペーターとタクシー運転手のキム・サボク。民主化を求める市民を暴徒とみなし、銃弾を浴びせた軍の実態をいち早く世界に伝えることができたのは、一市民であるサボクの助力あってのことでした。

『チェンジリング』(2009年)

行方不明になったわが子が別人にすり替わって戻ってきたら?

『チェンジリング』(2008)
© Universal Pictures/zetaimage

クリント・イーストウッド監督が、「ゴードン・ノースコット事件」の被害者の実話をもとに製作した作品。主人公のクリスティン・コリンズをアンジェリーナ・ジョリーが演じました。 ゴードン・ノースコット事件とは、1920年代に起きた連続少年誘拐殺人事件。カリフォルニア州で養鶏場を営む青年ゴードン・ノースコットが、20人もの少年たちを誘拐・監禁し、レイプして殺害した凶悪犯罪です。クリスティンの息子ウォルターも、そのなかの1人に含まれていました。 映画ではウォルター失踪から、LA市警の怠慢な捜査によってウォルターとは別人の少年を母のもとに返すというとんでもない展開に。しかもクリスティンはその少年を息子と認めなかった故に、精神病院に強制入院までさせられました。 ひとつの事件がまた別の事件を生んだ、信じがたい実話です。

『デトロイト』(2018年)

1967年のデトロイト暴動で失われた罪のない命

デトロイト (プレス)
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社会派監督キャスリン・ビグローが、1967年に起こったデトロイト暴動を題材に人権問題を取り上げた映画です。暴動発生から50年を迎える2017年に公開されました。 デトロイト暴動は、ミシガン州デトロイトで1967年7月23日から27日にかけて起こった黒人暴動。そのなかでも市内のホテルで起きた「アルジェ・モーテル事件」にスポットを当てています。 ホテルに狙撃手がいると報告を受けた警察によって、結果的に罪のない民間人が殺された事件です。アメリカではこうした警察による黒人殺害事件が起こる度、人種差別問題として取り上げられますが根絶していません。 容疑者を撃った警官フィリップをウィル・ポールター、現場に駆け付けた民間警備員メルヴィンをジョン・ボイエガが演じました。

『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2018年)

フィギュアスケート界を震撼させた事件の真実に迫る

アイ、トーニャ
© 2017 AI Film Entertainment LLC

1994年にフィギュアスケート界で起こった「ナンシー・ケリガン襲撃事件」の全貌を、事件を起こしたトーニャ・ハーティングの視点から描いています。マーゴット・ロビーがハーティングを熱演し、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。 ハーディングは1991年の全米フィギュアスケート選手権で、アメリカ人初のトリプルアクセルを成功させたフィギュアスケーター。しかしこの栄光とは裏腹に、ライバルのナンシー・ケリガンを襲撃する事件を起こします。それはリレハンメル・オリンピックの選考会に勝つためでした。 なぜハーディングは自らの業績を捨ててまで、愚かな行為に走ってしまったのか?本作ではそこに重点を置いて、彼女の半生を振り返っています。

『アルゴ』(2012年)

イランアメリカ大使館人質事件で、CIAが実行した奇想天外な作戦とは?

『アルゴ』ブライアン・クランストン、ベン・アフレック
©︎ WARNER BROS./zetaimage

ベン・アフレックが監督・製作・主演を務め、アカデミー作品賞を受賞した作品。1979年から1980年に発生した「イランアメリカ大使館人質事件」を題材としています。 1979年10月にイランで起きたこの人質事件は、同年2月に成立したイラン革命とパフラヴィー元皇帝のアメリカ亡命をきっかけに起こりました。 アメリカ大使館で学生による反米抗議デモが起こり、52人の人質をとって大使館を占拠。そのなかから6名の館員が脱出し、カナダ大使公邸に逃げ込んだのです。 『アルゴ』はこの6名をカナダ人映画撮影スタッフとして国外脱出させる作戦を描いています。ベン・アフレックが演じたのは、作戦を立てたCIAのトニー・メンデス。「アルゴ」とはこの作戦で使われた架空のSF映画のタイトルです。

『誰も知らない』(2004年)

母に捨てられた“誰も知らない”子どもたちをリアルに描き出す

誰も知らない
© ARP Sélection

是枝裕和監督が15年もの構想期間を経て、1988年に起きた「巣鴨子供置き去り事件」を題材に映画化した作品。この事件は、東京都豊島区に住む女性が恋人と同棲するため、4人の子どもを放置していたという残酷なものです。 妹たちの面倒を任された長男ですら、推定14歳でした。その下に7歳の長女と3歳の次女、そして白骨化していた乳児の次男が1988年に発見されて事件が発覚。実は2歳の三女は長男の友人から暴行を受け、死亡していたことも明らかになりました。 このあまりにも衝撃的な実話を、是枝監督はシビアな目線でリアルに描き、遠い国のことではない現実を目の前に突き出しました。長男を演じた柳楽優弥が、カンヌ国際映画祭で史上最年少・日本人初の最優秀主演男優賞を受賞しています。

フィクションよりも面白い?実話をもとにした映画の奥深さを体験しよう

世界を巻き込む大事件や個人的な体験談、さらには衝撃の事件まで、実にさまざまな実話ベースの映画が次々と製作されています。それはやはり、実際に起こったことは想像よりも格段のドラマ性を秘めているからかもしれません。 アカデミー賞には脚色賞という賞がありますが、実話をもとにした作品はこの賞を受賞する機会も多いようです。事実をより面白く興味深い角度で脚色するのは、脚本家の腕の見せ所でもあります。 作品を鑑賞する前にベースとなった実話を知り、どんな脚色がされているかもチェックしてみると、さらにその奥深さを堪能できるかもしれませんね。