実写映画『ターザン:REBORN』はディズニーアニメバージョンとどこが違う?
「ターザン」はアメリカの小説家エドガー・ライス・バローズの創りだしたキャラクター。古典作品として古くから親しまれ、アニメ化、映画化も数多くされています。 2016年新たに生まれ変わった『ターザン:REBORN』は、「ハリー・ポッター」シリーズの監督デイヴィッド・イエーツが指揮をとり、人気ドラマ『トゥルー・ブラッド』で一躍スターとなったアレクサンダー・スカルスガルドの演技も見どころ。 日本では2016年に公開された本作のあらすじ・キャストをはじめ、ディズニーアニメーション版との違いを見ていきましょう。
『ターザン:REBORN』のあらすじを紹介
舞台は1880年代。故郷コンゴのジャングルを去り、文明社会に復帰したターザン。 イギリスの貴族クレイトン家の3世、ジョン・クレイトンとして国務に携わりながら、妻ジェーンと共にロンドンで暮らしています。 ある日ジョンは、政府の命を受け炭鉱現場の活動を調査するため、かつての故郷であるコンゴへ視察へ行くことに。同時にアメリカ特使のウィリアムズから「コンゴで行われている奴隷労働の実態を暴きたい」と協力を持ちかけられます。 一方、ベルギー国王レオポルド2世は、コンゴの領有権を確保したものの、経営に行き詰まり莫大な負債を抱えていました。彼の側近であるレオン・ロムはコンゴ奥地の部族と接触し「ターザンと引き換えにダイヤモンドを渡す」という契約を交わしていました。 コンゴに到着したターザン一行は、ロム率いる公安軍にジェーンをさらわれてしまいます。 愛する者たちを守るため全てを捨てることを決意したターザンは、再び野生の姿を復活させていくのですが……。
ターザン役は北欧イケメン俳優のアレクサンダー・スカルスガルド!
主役のターザンを演じるのは、映画『バトルシップ』(2012)や「ズーランダー」シリーズのアレクサンダー・スカルスガルド。 スウェーデン出身、身長194cmのイケメン俳優で、父ステラン・スカルスガルド(「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ、「マイティ・ソー」シリーズ)を筆頭とする俳優一家の長男です。また、レディー・ガガ『パパラッチ』のMVではガガのボーイフレンド役で出演。 代表作となったドラマ『トゥルー・ブラッド』では、スラリとしたヴァンパイアのエリックノースマン役で大人気になりました。
スカルスガルドが死ぬほど努力して手に入れた“ターザンボディ”も見どころ!
「ターザン」では、超ハードな体型改造により10kgの体重増と7.6cmのウエスト引き締めを達成したアレクサンダー・スカルスガルド。その見事な肉体美も本作の見どころのひとつ。 スカルスガルドはこの「ターザンボディ」を作り上げるまでの苦労を、米エンターテインメントサイトE!onlineのインタビューで語りました。 トレーナーと栄養士をつけての肉体改造を行うのは初めてだったスカルスガルドは、何ヶ月も鶏肉ばかりを食べ、腹筋運動をこなしながら肉体づくりに励む日々で、とても神経質になったといいます。また、たった1日だけ何を食べてもいいと一緒にランチに出かけたトレーナーから言われ、パスタとピザ、そしてティラミスを注文することを許されると、涙を流したと明かしていました。
そのほかにも豪華キャスト・スタッフが集結
ターザンの妻・ジェーンを演じるのはマーゴット・ロビー
2014年のレオナルド・ディカプリオ主演作『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のナオミ役で一躍スターの仲間入りを果たしたマーゴット・ロビー。 2016年には、DCコミックスの人気ヴィランが集結した映画『スーサイド・スクワッド』でハーレイクインを演じ、大人気に。その後も主演作『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017)など話題作に出演し、人気・実力ともにトップ女優となりました。
ターザンの敵役レオン・ロムをクリストフ・ヴァルツが演じる
クエンティン・タランティーノに見出され、2009年のタランティーノ監督作『イングロリアス・バスターズ』でハリウッドデビューと果たしたクリストフ・ヴァルツ。彼は同作と2011年の『ジャンゴ 繋がれざる者』で2度のアカデミー賞助演男優賞を獲得しました。 ヴァルツは本作で、ターザンの敵役のレオン・ロムを演じています。
サミュエル・L・ジャクソンは歴史上の人物ジョージ・ワシントン・ウィリアムズを演じる!
サミュエル・L・ジャクソンは、1994年のクェンティン・タランティーノ監督作『パルプ・フィクション』で殺し屋ジュールズを演じ、一躍注目を集めた俳優です。その後も「スター・ウォーズ」新三部作やMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)でのニック・フューリー役、『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)など、幅広い作品で活躍しています。 本作でジョージ・ワシントン・ウィリアムズ役を演じるにあたってジャクソンは、体重を20ポンド(約9キロ)ほど増やす必要があったため、ビーガニズム(完全菜食主義)をやめたのだとか。
監督は「ハリポタ」シリーズのデヴィッド・イェーツ
イギリスの映画監督デヴィッド・イェーツは、ハリー・ポッター映画全8作品のうち、第5作目「不死鳥の騎士団」(2007)から最終作「死の秘宝 PART2」(2011)までの4作品を監督しています。 そして、3部作で制作されるハリーポッターのスピンオフ『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)とその続編『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018)も監督しました。
『ターザン:REBORN』の評価は?
『ターザン:REBORN』の世界興行収入は、約3億5670万ドルを記録。これはスタジオの想定よりも4000万ドル少ない金額だったそうです。 しかし、その内容については古典の物語を現代的にアップデートさせた点が評価されました。主演のアレクサンダー・スカルスガルドは、都会では品格のある紳士、ジャングルでは鍛え抜いた肉体を持つ野生の英雄を見事に演じ分けています。また、マーゴット・ロビー演じるジェーンも、ただ受け身で助けを待つだけの存在ではなく、自ら主張して果敢に行動する現代の女性として描かれています。 また、デヴィッド・イェーツ監督は最新鋭の空撮システムを駆使し、ターザンがジャングルを飛び回る姿を躍動感いっぱいに表現。冒険映画として高評価を得ています。
ディズニーアニメーション映画の『ターザン』とどう違うの?
『ターザン』と言えば、ディズニーのこのキャラクターを思い出す人も多いはず。こちらは1999年に制作されたアニメ映画です。このアニメ映画は人気を博し、少年時代を描いた『ターザン2』(2005年)も制作されました。
『ターザン:REBORN』はディズニー版とは全く違うストーリー!
『ターザン:REBORN』は、ディズニーのアニメーション映画『ターザン』(1999)につづく続編的なストーリーになっています。 というのも、実は原作小説である「ターザン」シリーズは、1912年から1924年にかけて10巻が刊行された長編シリーズ。ディズニーの『ターザン』では、その第1巻をもとにターザンがで類人猿に育てられ、ジャングルの英雄となるまでの物語が描かれています。 多くの人が知っているのは、ここまでの物語なのではないでしょうか。 一方で『ターザン:REBORN』は小説第2巻をベースに、文明社会の一員として暮らすターザンがジャングルに戻り、その危機を救うというもの。 ディズニーアニメ版も実写版も原作小説からの改変があり、一見全く違ったものに思えますが、ひとつづきの物語なのです。
実写映画ならでは!ジャングルや動物たちがよりリアルに表現されている
また、ディズニー版との大きな違いはなんといっても実写版であるという点。2016年当時の最先端技術を駆使した空撮システムによる迫力とスピード感のある映像や、CGIで表現されたリアルな動物たちの姿も楽しむことができます。
【ネタバレ】『ターザン:REBORN』の結末は……
ベルギー軍に囚われたジェーンを救うため、ジャングルへ向かったターザンたち。そこで彼は、兄弟同然に育ったオスゴリラの群れや、古い友人であるゾウの群れと再会します。 一方ジェーンは、ロムと取引をした白い部族がターザンを欲しがる理由は、彼が族長の一人息子を殺したからだと話します。その後ベルギー軍の隙をつき、仲間とともに逃亡。仲間と別れひとりになった彼女は、ゴリラの群れと遭遇し、敵でないことを伝えようとしますが、追ってきたベルギー軍が次々とゴリラたちを殺してしまいます。その音を聞いたターザンはツタを渡りながらジェーンのもとへ。同じころ、オスゴリラの群れもそこへ向かっていました。
しかし、ターザンとゴリラの群れが到着するころにはほとんどのゴリラが殺され、ジェーンもベルギー軍とともに姿を消していました。後を追うターザンでしたが、彼を狙う部族に襲われてしまいます。なんとか反撃に転じたターザンは、族長の息子を殺したのは彼がターザンの母親同然だったメスゴリラを殺したからだと言います。そして、ベルギー軍はいずれコンゴを支配しに戻ってくる、仲間割れはよそうと族長を説得します。 港でダイヤモンドを船に積み込むベルギー軍。ターザンはバッファローの大群やオスゴリラたちを率いて船に突進していきます。ジェーンを助け出したターザンは、いよいよロムと対決。沈みかける船からターザンがロムを突き放すと、彼はワニに食べられてしまいました。 それから1年後、部族の男たちとともに過ごしていたターザンは、女たちが歌い踊る声を聞いて彼女たちのもとに歩いていきます。するとひとりの女が生まれたばかりの赤ん坊をターザンに渡し、彼はジェーンと共にしあわせそうに微笑み合うのでした。
ターザンの新たな一面を描いた映画『ターザン:REBORN』は一見の価値あり!
アクションや映像の迫力も去ることながら、実力派俳優が揃い踏みの『ターザン:REBORN』。主演のアレキサンダー・スカルスガルドの肉体美はもちろん、その演技にも注目です。 デヴィッド・イェーツ監督の空撮による躍動感溢れる映像と、CGIで生み出された動物たちのリアルさも見どころの本作は、エンターテインメント性の高い作品に仕上がっています。わくわくするような冒険映画であると同時に、時代に合わせて進化したターザンを見ることができる本作は、一見の価値ありです。