2017年12月29日更新

ポール・トーマス・アンダーソン監督映画おすすめランキングトップ7

このページにはプロモーションが含まれています
映画館 客席 フリー画像

AD

PTAことポール・トーマス・アンダーソン監督

ポール・トーマス・アンダーソンは1970年6月26日生まれ、ロサンゼルス出身の映画監督・脚本家・プロデューサーです。 9人兄弟の3番目で特に父と仲が良く、12歳の時、映画監督を夢見ていたアンダーソンに、ビデオカメラを買い当たえてもらい、応援されていたようです。ティーンエイジャーの頃に脚本を書き始め、ニューヨーク大学の映画学科に進学したものの数日で退学し、テレビ番組や映画のアシスタントの仕事に就いた後、短編映画を製作するようになりました。 1992年短編『シガレッツ&コーヒー』がサンダンス映画祭で注目を浴び、それを1996年に長編に作り直した『ハードエイト』で長編映画監督デビューし、第49回カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品されるという華々しい登場となりました。また、高校時代に撮った短編『The Dirk Diggler Story』を長編に作り直した『ブギーナイツ』がスマッシュヒットして一躍有名になり、アカデミー脚本賞にノミネートされました。 その後、2000年にトム・クルーズらを起用した『マグノリア』では、興行的にはやや振るわなかったものの、ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞し、2002年に制作したアダム・サンドラーを主演『パンチドランク・ラブ』では、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞、2012年『ザ・マスター』では、ヴェネツィア国際映画祭監督賞を受賞しました。監督デビューをし、わずか6本のフィルモグラフィで、世界三大映画祭すべての監督賞を総なめした天才映画監督として知られいます。

AD

7位:真面目で情緒不安定の青年の不器用にも愛を育もうと努力する物語【2002年】

いつものアダム・サンドラーじゃない!! 癇癪持ちの主人公が一生に1度の恋に落ちて衝動だけで突っ走るラブロマンス。 アダム・サンドラー演じる主人公のバリーは絵に描いたような変人。そこでいつものお下品な方向に持ってくのかと思っていたら意外にもアートな作品でした(笑) 賛否両論なアダム・サンドラー主演の意外作って印象! ヴィンセント・ギャロ系が好きな人は楽しめるかも。

6位:ヒッピー探偵が元カノの依頼から事件に巻き込まれていくコメディサスペンス【2014年】

YU66 冒頭から音楽が格好良くて聴き入り、エンドロールでPTA作品の常連またしてもジョニーグリーンウッドで納得。 主人公ドックのヒッピーファッションがえらく格好良くて夢中になります。 70年代カリフォルニアの陽気な裏にあるジャンキーだったりカオスな世界。 内容はシンプルからどんどん入り組んで、登場人物が増えて理解に苦しみます。 ですが様々なジョークやドラッグばっかりキメまくりのドックの行動に夢中になります。 お洒落だけど難解なこの映画をまた何度も観てクリアしてやりたいと思います。

5位:初老のプロ賭博師の過去をミステリアスに描く【1996年】

Satoko_Suzuki デビュー作と思えない、渋い作品でしたね。人間臭い演出とヒネリも効いていて、面白かったです。
Shinya_Ago 渋い。

4位:新興宗教を題材にカリスマ教祖と元海兵の愛憎入り交じる関係性を描く人間ドラマ【2012年】

fafnir_dpimpct 一筋縄では理解できない映画を作り続けているPTA監督ですが、今作も難解と言われそうな作風となっています。 まずは、映像が凄い!うっとりするような長回しや、乾いた平原のパノラマ映像、船の上での何とも言えない陶酔感のある画など映像を見ているだけでも映画的興奮が沸き起こってくるものとなっています。 そして俳優が凄い!ストーリーはホアキン・フェニックス、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムスの3人が軸となって進むのですが、前2者の演技の格闘ともいうべき説得力には平伏しました。登場人物がコインの表裏の関係性となっている作品に面白いものは多いですが、今作ではそこに奥さんという影で実権を握る存在も出てくるので、より濃厚な人間ドラマとなっているのではないでしょうか。 宗教など色々悩ませる要素は多いですが、人間に絞って観てみるとラストの切なさに感動し、愛おしさまで生まれる映画となりました。

3位:関係のない人々が一つの出来事によって不可思議に繋がっていく感動作【1999年】

ykiwkr 純文学っぽい群像劇3時間。長かった…。嫌いな話ではないし音楽も雰囲気もいいのですが、長さをしんどく感じてしまった。とは言え、様々な人間の生活と過去と胸の内が淡々と語られていく中で、色んな偶然の重なりや他者を求める気持ちの表現がとても印象的だった。トム・クルーズのあのセミナーみたいなのはもうおなかいっぱいです。

2位:ポルノ産業を舞台に、人々の心の葛藤と業界の裏側を描く辛辣な人間ドラマ【1997年】

ririri511 巨根を見込まれスカウトされたマーク・ウォールバーグ演じる高校中退青年がポルノ業界での成功と挫折によって成長していくストーリー。 長尺な作品ですが、青春ドラマとして観ると面白いです。 ポルノ業界では基本的に女優が花形として扱われ、男優はスポットを当ててもらえないイメージだけど、70~80年代のポルノ映画大当たりの時代は男優、女優共に甘い蜜を吸いハリウッドスター並のバブリーな暮らしが出来ていたってのが驚く。 しかし世間の風当たりは正直で低俗な職業と見なされ、それなりの代償があったり良くも悪くも厳しい世界。 何がまともで何が正しいのか考える程分からなくなっちゃうような面白さがありました。 マーク・ウォールバーグの最後のポロリンは自前なのか特殊メイクの賜物なのか…(笑)

1位:富と権力を手に入れた男の欲望と裏切りの破滅的な人生模様を描く【2007年】

southpumpkin 石油の採掘家の半生。久々の星5。 大きなポイントとなるのは「息子の存在」と「資本主義と宗教」と言えます。自身を人間嫌いだ、と豪語する男は子供に対してとりわけ自分の息子に対してのみ優しくする。その理由は資本主義的に言えば投資なのです。息子に石油の匂いを嗅がせ、採掘の現場を見せ、自分の跡取りとさせようとした。様々な原因で、うまくはいかないのですが、ラストの激昂も自分への未練を断ち切らせるための優しさだと捉えれば、結局主人公の資本主義の勝利と言えます。賢い息子は、父のその優しさに気づくことができたのでしょうか。僕は出来たのだと思います。 その主人公と対極にある存在が「宗教」でした。その土地に根付いた怪しげな宗教(いかにも園子温に出てきそう)は利益ばかりに目をくらませるものを悪とする。簡単に言えば宗教のために金を稼ぐのか、金を稼ぐために宗教をするのか、というわかりやすい対立構造が物語で発生します。最終的にどちらが勝つのか。これも主人公のラストの展開、そしてラストの言葉ですべて判明します。そしてその勝敗と真逆の皮肉な末路。渋くもあり、滑稽でもあり、それでいて深い。 PTA作品の中では最も良かった。一人の人間の栄光を描いたという意味では『ブギーナイツ』っぽくも映像は『パンチドランク・ラブ』っぽい。作風が洗練されてきていますね。間違いなく傑作です。