【ネタバレ】映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』徹底解説!重要用語 アストロファージからロッキーの生態まで深堀り
アメリカ発のベストセラーSF小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が、ライアン・ゴズリング主演で待望の映画化! 本記事では、物語の結末まで踏み込んだネタバレあらすじをはじめ、アストロファージやタウメーバといった重要用語、さらにはロッキーの生態まで徹底解説します。 ※本記事は映画・小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のネタバレを含みます。 原作未読の方や、「ネタバレ厳禁」とも言われる本作の魅力を損ないたくない方は、十分ご注意ください。
タップできる目次
- 映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』作品概要・あらすじ【ネタバレなし】
- 映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』結末までネタバレ解説
- 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』計画を時系列の年表で整理
- 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』重要用語を解説
- 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』計画・目的・意味を分かりやすく解説!地球はなぜ危機的環境に?
- 宇宙船ヘイル・メアリー号の秘密に迫る
- ロッキー(エリディアン)の未知なる生態を紐解く
- アンディ・ウィアーの原作と映画版に違いはある?
- 映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』キャスト・登場人物を解説
- 小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ネタバレなしあらすじ
- 【ネタバレ】小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』上巻のあらすじをラストまで
- 【ネタバレ】小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』下巻のあらすじをラストまで
- 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が面白い理由は?かわいいロッキーも魅力
- 映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』監督・スタッフを解説
- 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』とリュウ・ジキン作『三体』が似ている?
- 【感想】小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の評価は?星野源も絶賛
- 映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の公開は2026年3月20日!
映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』作品概要・あらすじ【ネタバレなし】
| 邦題 | プロジェクト・ヘイル・メアリー |
|---|---|
| 原題 | PROJECT HAIL MARY |
| 原作 | アンディ・ウィアー「プロジェクト・ヘイル・メアリー」(早川書房刊) |
| 日本公開日 | 2026年3月20日(金・祝)全国公開(日米同時公開) |
| 監督 | フィル・ロード & クリストファー・ミラー |
| 脚色 | ドリュー・ゴダード |
| 撮影 | グレイグ・フレイザー |
| 音楽 | ダニエル・ペンバートン |
| 出演 | ライアン・ゴズリング , ザンドラ・ヒュラー |
| IMAX上映 | あり(Filmed For IMAX) |
| 配給 | ソニー・ピクチャーズ |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』あらすじ
未知の原因によって太陽エネルギーが奪われる異常事態が発生。このままでは地球の気温は急激に低下し、全人類は滅亡する——。前代未聞の危機を前に世界中の叡智が集結した調査の結果、同じ現象は宇宙に散らばる無数の恒星にも及んでいたが、11.9光年先に唯一"無事な星"が発見されます。 人類に残された策は、宇宙船でその星へ向かい、太陽と全人類を救うための謎を解くこと。その“イチかバチか(ヘイル・メアリー)”のプロジェクトのため、宇宙へと送り込まれたのは——しがない中学校の科学教師・グレース(ライアン・ゴズリング)でした。 地球から遠く離れた宇宙空間でたったひとり、自らの科学知識だけを頼りに奮闘するグレース。しかし、昏睡状態から目覚めた彼には記憶がなく、なぜ自分がここにいるのかすら分からない状態から物語は始まります。そして宇宙の果てで起こる、思いもよらない"出会い"が、彼の運命を、そして地球の未来を大きく変えることになります——。
映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』結末までネタバレ解説

グレースの目覚め(現在)
病室のような無機質な部屋で、ひとりの男が目を覚まします。ロボットアームによって健康状態を確認されますが、彼には一切の記憶がありません。 やがて彼は、自らの科学的知識を手がかりに、この場所が地球ではなく宇宙船の内部であることに気づきます。 そして少しずつ記憶を取り戻し、自分がライランド・グレースという名の中学教師であることを思い出します。
中学教師グレースが人類最後の計画へ―参加の理由とは?(過去)
グレースが教師として働いていたころ、太陽エネルギーの低下により、地球は深刻な寒冷化の危機に直面していました。 そんな中、かつて異端とされたグレースの論文に目をつけたESA長官エヴァ・ストラットから、宇宙で採取された謎のサンプルの分析を命じられます。 その正体は、熱や電磁波を吸収する単細胞生物でした。グレースはこの未知の生命体を「アストロファージ」と名付けます。 やがて、このアストロファージこそが太陽エネルギー低下の原因であり、地球だけでなく複数の惑星が同様の危機に陥っていることが判明します。 しかし一方で、太陽系から11.9光年離れた恒星タウ・セチは、この影響を受けていないことが明らかになります。 この謎を解明するため、現地へ向かう極秘ミッション――「プロジェクト・ヘイル・メアリー」が始動するのです。
未知の生命体ロッキーとの遭遇―地球帰還への希望が生まれる(現在)
記憶を取り戻したグレースは、ミッションの遂行に動き出します。そんなある日、ヘイル・メアリー号に巨大な宇宙船らしき物体が接近してきました。 グレースは、その宇宙船が外に放出した物体を回収するため、宇宙遊泳へ向かいます。内部にあった星図を解析した結果、その宇宙船「ブリップA」はエリダニ40(エリド)から来たものであることが判明しました。 やがて彼は宇宙船同士をドッキングさせ、異星人との接触を試みます。そこで出会ったのは、体表が岩のような甲殻に覆われた異形の存在でした。 その姿から、グレースは彼を「ロッキー」と呼ぶことにします。 ロッキーの母星もまた地球と同様の危機に直面しており、2人は協力して調査を進めることになります。交流を重ねる中で、ロッキーたちの文明は高度な科学技術を持ちながらも、相対性理論や放射線に関する知識を持たないことが明らかになります。 そして、ブリップAには大量のアストロファージ燃料が残されているため、ロッキーはグレースの地球帰還に向けてそれを提供すると申し出ます。
タウメーバ採取に挑む―危険なミッションの行方(現在)
グレースとロッキーの調査により、タウ星系においてもアストロファージは恒星と惑星を往復しながら繁殖していることがわかりますが、その数は一定に保たれていました。その理由は大気中にアストロファージの捕食者がいるためだと推測されたため、2人は大気のサンプルを採取することにします。 グレースとロッキーは捕食者がいると見られる惑星「エイドリアン」に到達しますが、ヘイル・メアリー号がエイドリアンに近づきすぎてしまい、墜落の危機に。グレースは重力に逆らおうと必死で操縦しますが、強いGがかかり、椅子ごと壁に激突してしまいます。 ロッキーは危険を顧みず、キセノナイトのボールから出てグレースを助けました。グレースが目覚めたときにはロッキーは瀕死の状態に。グレースはロッキーをボールに戻し、その回復を待ちます。その間にも調査を進め、アストロファージを捕食する「タウメーバ」を発見。 その後ロッキーは目を覚まし、2人は研究の成果をよろこび合うのでした。
地球で起きた悲劇―グレースが乗船した本当の理由(過去)
ヘイル・メアリー号打ち上げの直前。事故によって正規クルーと予備クルーが相次いで亡くなってしまいます。彼らと同等のスキルを持っているのはグレースしかいなかったため、ストラットは彼にヘイル・メアリー号に乗るよう強要します。 時間の制約のなか、燃料となるアストロファージが充分な量培養できなかったため、ヘイル・メアリー号には片道分の燃料しか積まれていません。そのためクルーは調査結果を地球に送り返したあと、現地で安楽死する計画でした。 ストラットはグレースが確実に任務を遂行するよう、彼が昏睡から目覚める直前に記憶喪失になる薬剤を注入することで、この経緯を忘れさせると言います。 必死の抵抗も虚しくグレースは鎮痛剤を打たれ、意識を失ったままヘイル・メアリー号に乗せられたのです。
ミッション完了のはずが―新たな問題が立ちはだかる(現在)
タウメーバは窒素に非常に弱いことがわかり、グレースとロッキーは力を合わせて、タウメーバを品種改良しました。 そして別れのとき。お互いに旅の安全を祈りながら、グレースとロッキーはそれぞれの故郷に旅立ちます。 グレースがほっと一息ついたのもつかの間、タウメーバが繁殖器から抜け出していることに気がつきます。品種改良したタウメーバは、キセノナイトも通り抜けられるようになっていたのです。 グレースはなんとかタウメーバを封じ込めることに成功しますが、そのときブリップAはすべてキセノナイトでできていることを思い出します。ブリップAが向かった方角を見ると、エンジンのライトが消えていました。 グレースはロッキーたちエリディアンを見捨てて地球に帰るか、彼らを救ったあとに餓死するかの選択を迫られます。
【ラスト・結末】地球か、エリディアンか―グレース最後の選択(現在)
グレースは自分の家のベッドで目を覚まします。そこへロッキーが迎えに来ました。エリディアンを救うことを選んだグレースは恩人としてエリドに迎え入れられ、できるだけ快適な環境と栄養バランスの取れた合成食料を提供されていました。 グレースはロッキーを助けに向かう前に「ビートルズ」でタウメーバを地球に送りました。ロッキーはグレースに、地球の太陽が本来の光度に戻ったと報告します。地球は文明を維持しながら氷河期を耐え抜き、タウメーバを金星に散布してアストロファージ問題を解決したのです。 グレースがある場所にたどり着き、鍵盤のようなものを鳴らすと、子どものエリディアンたちが集まっていました。グレースはエリドで科学教師として生きているのです。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』計画を時系列の年表で整理
| 2020年代後半 | ペトロヴァ・ラインの発見。アストロファージによる太陽の侵食が発覚 |
|---|---|
| 2030年代前半 | 「プロジェクト・ヘイル・メアリー」始動。恒星調査ミッションの準備 |
| 2037年ごろ | グレースが地球を出発 |
| 2041年ごろ | グレースがタウ・セチに到着。ロッキーと出会い、協力関係になる |
| 2040年代前半 | 解決策を発見し、グレースとロッキーはそれぞれの故郷へ旅立つが…… |
| 2050年ごろ | グレースがエリドで生活する |
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』重要用語を解説
アストロファージ
太陽に感染し、熱を吸って増殖する単細胞生物。太陽でエネルギーを吸収し、金星に移動して二酸化炭素を取り込み繁殖するサイクルを持っています。 赤外線を利用して光速で移動することが可能で、その驚異的なエネルギー貯蔵能力と質量変換で生み出される推進力は宇宙船の燃料にもなります。
ペトロヴァ・ライン
ロシアのペトロヴァ博士が発見した、太陽と金星をつなぐ謎の光の筋。 その正体は、赤外線を放ちながら太陽と金星の間を移動するアストロファージの群れです。
タウ・セチ
アストロファージの影響を受けていない唯一の惑星。 「プロジェクト・ヘイル・メアリー」は、タウ・セチに行って同惑星が影響を受けていない理由を研究し、解決策を地球に送信することを目的としています。
タウメーバ
タウ・セチの大気中に生息する、アストロファージを捕食するアメーバ。 窒素にきわめて弱く、地球で使用するためには品種改良が必要でした。グレースは品種改良に成功し、地球に持ち帰ろうとします。
エリディアン
惑星エリドに生息する知的生命体。 溶岩のような硬い外殻に覆われ、クモのような星型の形状をしています。視覚を持たないため音でコミュニケーションをとり、音波の反響で周囲を認識しています。非常に高い科学技術を持ち、平均寿命は約689年と長命です。
キセノナイト
地球上では気体として存在する「キセノン」からできた強力な物質。非常に軽量かつ、高温高圧の過酷な環境下でも形状や性能を維持する驚異的な耐久性を持っています。 エリドの主要な物質で、宇宙船の船体構造材料としても使用されています。
ビートルズ
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」において、調査結果を地球に送り返すための小型ポッド。 当初の計画では、人間の研究者は地球に帰還する予定がなかったため用意されました。「ジョン」「ポール」「ジョージ」「リンゴ」の4機があります。
ブリップA
エリディアンのロッキーが乗る宇宙船。レーダー上の「輝点(ブリップ)A」から名づけられました。 キセノナイトで作られており、ヘイル・メアリー号よりも高い加速能力を持っています。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』計画・目的・意味を分かりやすく解説!地球はなぜ危機的環境に?
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」は、太陽エネルギー減少の原因を探り、その解決を図る計画です。 2020年代後半、太陽エネルギーの低下により、地球は氷河期到来の危機に見舞われます。ロシアのペトロヴァ博士は「ペトロヴァ・ライン」を発見し、その明るさと反比例して太陽の光度が減少していることが判明。 その後、グレースの研究によりペトロヴァ・ラインの正体は、太陽の熱エネルギーを吸収する単細胞生物「アストロファージ」であることがわかります。 多くの惑星がアストロファージの影響を受けるなか、太陽系から11.9光年の位置にあるタウ・セチはその影響を受けていないことがわかりました。そこでタウ・セチに行って同惑星がアストロファージの影響を受けていない理由を調査し、解決策を地球に送り返す「プロジェクト・ヘイル・メアリー」が始動します。
宇宙船ヘイル・メアリー号の秘密に迫る
ヘイル・メアリー号はグレースたちが乗船する宇宙ステーションです。 人類の最後の希望として、最新のテクノロジーが搭載され、寝室、研究室、コクピットなどの区画が割り当てられています。各区画は世界各国が分担して建造しました。居住区画を分離して船を回転させることで重力を生み出すことができ、区画によって加速重力、遠心力重力、無重力の3種類の重力状態になります。 動力はアストロファージですが、一刻も早く地球を出発しなければならなかったため、アストロファージを大量に培養する時間がなく、タウ・セチまで行く分の燃料しか積まれていません。 クルーたちの健康状態はロボットアームによって常に管理されており、彼らはタウ・セチにたどり着くまでの4年間、昏睡状態で航行していました。
ロッキー(エリディアン)の未知なる生態を紐解く
グレースが出会ったロッキーは、惑星エリド(エリダニ40)から来たエンジニアで、グレースはエリドの住人を「エリディアン」と呼ぶことにしました。 エリディアンは岩石のように硬い五角形の外殻と、クモのような5本の脚が特徴。目が無いため視覚ではなく音波の反響で周囲の状況を知覚し、音を使ってコミュニケーションをとります。 エリディアンはキセノナイトを使って巨大な宇宙船を建造し、宇宙を旅するほどの高度な技術力を持っていますが、相対性理論や放射線に関する知識はありません。 当初ロッキーはキセノナイトで作った人形や模型などでグレースとの意思疎通を図り、のちにグレースはロッキーの出す音を英語に変換するプログラムを作ってコミュニケーションを取るようになりました。 映画内では、CGではなくパペットとアニマトロニクスでロッキーの外見や動きが表現されており、現実感のある描写となっています。
アンディ・ウィアーの原作と映画版に違いはある?
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の原作と映画は、大筋では大きな違いはありません。しかし映画は原作に比べて、地球でのシーンが少し簡略化されています。 ヘイル・メアリー号に乗り込む予定だったデュボアや予備クルーのシャピロとグレースのやりとりがあまりなかったり、ほかのクルーのキャラクター描写が掘り下げられていなかったり、グレースが広範囲に渡ってプロジェクトに関わっていく様子はやや駆け足で語られていきます。 しかしそのぶんロッキーとの交流や2人で問題を解決していく様子は丁寧に描かれており、グレースとロッキーのバディ感が強調されています。
映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』キャスト・登場人物を解説
| ライランド・グレース役/ライアン・ゴズリング | 中学の科学教師。宇宙生物学者として「プロジェクト・ヘイル・メアリー」に強制的に参加させられる |
|---|---|
| エヴァ・ストラット役/サンドラ・ヒュラー | 「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の責任者 |
| ヤオ・リー=ジエ | 宇宙飛行士。ヘイル・メアリー号の船長 |
| オリーシャ・イリュヒナ | ヘイル・メアリー号のクルー。エンジニア |
| スティーヴ・ハッチ | 無人宇宙船「ビートル」を設計・開発したエンジニア |
ライランド・グレース役/ライアン・ゴズリング
中学校の科学教師にして、地球救済ミッションの唯一の担い手グレースを演じるのはライアン・ゴズリング。『ラ・ラ・ランド』(2016年)でゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞し、『ブレードランナー2049』(2017年)では複雑な感情を体現する演技で高い評価を獲得。近年は映画『バービー』(2023年)でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされるなど、コメディからシリアスまで幅広いジャンルで世界的なトップスターとして活躍しています。 実は本作の映画化を最も強く推し進めたのはゴズリング本人。刊行前の原稿を読んですぐに夢中になり、読み終える前から監督にフィル・ロード&クリストファー・ミラーを指名してスタジオに働きかけたといいます。自らプロデューサーとしても参画した本作への情熱は、演技にも確実に反映されているはずです。 ライアン・ゴズリングは2018年の『ファースト・マン』で宇宙飛行士役を演じており、2027年公開予定の『スター・ウォーズ/スターファイター(原題)』で主演を務めます。
エヴァ・ストラット役/サンドラ・ヒュラー
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を立案し、強力な権限を持って強行に実行していく強者の責任者エヴァ・ストラット。演じるのは、ドイツ出身の俳優サンドラ・ヒュラーです。 2023年公開の『落下の解剖学』と『関心領域』で重厚かつ冷酷な演技を見せ、両作ともアカデミー賞5部門でノミネートされています。ストラット役はハマリ役になること間違いなし!
ロッキーの操演と声/ジェームズ・オルティス
タウ・セチに到着したグレースが出会ったロッキーは、惑星エリドからやってきたエンジニアです。エリドも地球と同様の危機に見舞われており、その解決策を探るためにタウ・セチにやってきました。 ロッキーの操演と声は、パペットを取り入れた演劇で知られるジェームズ・オルティスです。
小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ネタバレなしあらすじ
目が覚めると病室のような場所で寝ていて、天井からはロボットアーム、話しかけてくるのはコンピュータ、隣には見知らぬ男女2人の干からびた死体。自分の名前さえ思い出せず、舌がもつれてコンピュータからの簡単な問いにすら返事ができない。 しばらくして格闘して、徐々に記憶の端々に過去の自分を見つけ始め、思い出したのは自分が科学者であること、ここが宇宙空間であること、そしてライランド・グレースという自分の名前でした。
【ネタバレ】小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』上巻のあらすじをラストまで
ライランド・グレースは自分の名前も忘れ、今の状況もわからないまま宇宙船「ヘイル・メアリー号」の中で目を覚ましました。 科学の知識を使って自分が宇宙船の中にいることを理解した彼は、自分が中学校の科学教師であること、太陽エネルギーを奪う微生物「アストロファージ」の出現により人類滅亡の危機(「ペトロヴァ問題」)が迫り、地球を救うプロジェクトに無理やり参加させられたことを思い出します。 宇宙船は目的地であるタウ・セティ星系にたどり着きますが、一緒に搭乗した仲間はすでに命を落としていました。孤独にミッションをこなすなか、グレースは同じくアストロファージ問題に直面する別の惑星からやってきた異星人に出会います。彼は体の表面が岩のような甲殻で覆われた異星人を、「ロッキー」と名付けました。 そして2人は、アストロファージ問題の解決のために協力することにします。
【ネタバレ】小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』下巻のあらすじをラストまで
ロッキーとともにアストロファージの生態を解明していくグレース。2人はタウ・セティ星系だけがアストロファージに「感染」していなかったのは、周囲にアストロファージを捕食する微生物「タウメーバ」が生息していたからだと突き止めます。 グレースとロッキーは、タウメーバを金星やロッキーの星に適応できるように品種改良します。それぞれの星を救うため別れを告げる2人。しかし品種改良を経たタウメーバは、ダイヤモンドより硬いロッキーの星の鉱物キセノナイトで作った繁殖器をすり抜けられるようになっていました。 燃料であるアストロファージを食い尽くされてしまえば、一巻の終わり。グレースはタウメーバを閉じ込めることに成功しますが、ロッキーの宇宙船はキセノナイトでできていることを思い出します。ロッキーの船のタウメーバはすでに燃料を食い尽くしていました。グレースはロッキーを助けに行けば自分は地球に戻れなくなるのを知りつつ、友人を助ける決意をします。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が面白い理由は?かわいいロッキーも魅力
宇宙だけで展開されない重厚な物語
本作は宇宙が舞台の「現在パート」と地球が舞台の「過去パート」、この2つのパートが謎の提示と解明という具合に交互に展開していきます。主人公のグレースは現在パートではずっと宇宙にいて、宇宙船「ヘイル・メアリー」号の中で「プロジェクト・ヘイル・メアリー」と名付けられた地球規模のプロジェクトを担って探索を続けているのです。 その間に挟まれる過去パートでは、彼がなぜこの任務を請け負うことになったのかが徐々に明らかに。この構成がまるで上質なミステリーのように絶妙で、本作が「ネタバレ厳禁」の傑作と謳われる所以でもあります。
地球パートがとにかく面白い!
地球パートにはクセ強で魅力的な登場人物が次々に現れ、プロジェクトに参加していきます。「プロジェクト・ヘイル・メアリー」とは、謎の宇宙生物「アストロファージ」が太陽エネルギーを“食べている”ことで地球に氷河期が迫っており、それを回避するために立ち上げられた計画です。 登場人物の中でも一際異彩を放っているのが、プロジェクトの責任者であるエヴァ・ストラット。彼女の実行力は半端なく、グレースとの丁々発止の掛け合いがとにかく面白い!他にもアストロファージ研究を担う科学者たちやヘイル・メアリー号に携わる技術者やクルーなど、彼らのドラマも地球パートを面白くしている要素でしょう。
下巻のネタバレが厳禁になる理由は"アレ"との遭遇
本作は上下巻で構成されており、地球パートと宇宙パートが交互に展開されるまま進んで行きますが、物語を急転回させる要素が上巻後半の宇宙パートに現れます。そう、それこそ「ネタバレ厳禁」の大きな理由である「未知との遭遇」です。 グレースは孤独な宇宙空間で偶然にも、異星人とのファーストコンタクトを果たします。それがこの後にグレースのバディとなっていく「ロッキー」です。ロッキーは地球とはまったく異なる環境を持ちつつも同じレベルの科学を発展させた惑星エリドの住人で、グレースと同様にアストロファージ調査のプロジェクトで宇宙に旅立っていました。 下巻の展開はロッキーとグレースのバディが挑む冒険にハラハラし通し!異種間の文化交流が胸アツで、さらに彼らの友情には涙も……。
謎を残したまま終了する展開も計算されていた?
上下巻ともに謎の提示と解明を交互に繰り返してきた本作。そのラストにも少しの謎を置いて、読者に想像の余白を残して締めくくっています。それは、エリドで生き延びたグレースが結局地球に帰還したのかどうかという点。 彼はその時点で53歳程度になっていますが、ヘイル・メアリー号は無事、食料・燃料問題もエリディアンが解決してくれています。そして最後に、グレースは地球が無事である知らせを受け取っていました。 しかし彼はエリドで子どもたちに科学を教えるという教師の仕事に就いており、帰還するのは「今ではない」と語ります。あまりにもきれいな伏線回収に喝采を送りたい気持ちとともに、余白を残す仕掛けも素晴らしく、緻密に計算し尽くされた結末に驚かざるを得ません。
ロッキーなどの魅力的なキャラクター
本格SFである本作ですが、登場するキャラクターたちも魅力的です。 なかでもロッキーは、グレースと少しずつ意思疎通ができるようになっていく過程がかわいらしく、多くの読者が夢中になっています。下巻ではグレースとロッキーのバディ感の強い描写が多く、お互いの専門分野を活かしながら、ともに難題を解決していく科学者2人の様子がコミカルに描かれています。
映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』監督・スタッフを解説
監督:フィル・ロード & クリストファー・ミラー

メガホンをとるのはフィル・ロード&クリストファー・ミラーのコンビ。映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018年)でアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞し、続編『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023年)でも世界的な評価を獲得したクリエイターデュオです。 ゴズリング自身が「この壮大な物語を映画にするには彼らしかいない」と確信し、スタジオへの起用を直接働きかけたことで実現したコラボレーションです。
脚本:ドリュー・ゴダード
『オデッセイ』で脚本を務めた脚本家ドリュー・ゴダードが、本作の脚本も担当しました。他に手がけた作品に、ドラマシリーズ「LOST」や映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008年)などがあります。
原作:アンディ・ウィアー

2014年のデビュー作『火星の人』が、マット・デイモン主演の『オデッセイ』として映画化された小説家アンディ・ウィアー。『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は長編小説の3作目で、2度目の映画化作品となります。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』とリュウ・ジキン作『三体』が似ている?

- 科学者が主人公
- 世界各国の科学者たちが地球を救うためのプロジェクトに参加
- 地球外生命体とのファーストコンタクト
- 異星間の文化交流
- 壮大なスケールのハードSF
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』はいくつかの点で、中国の作家・劉慈欣によるハードSF小説『三体』と共通する部分があります。『三体』もNetflixでオリジナルドラマが制作されましたが、どちらも科学者を主人公にしており、地球を救う大規模プロジェクト×謎解きミステリー仕掛けが特徴です。 さらに両方とも、地球外生命体とのファーストコンタクトと異星間の文化交流まで描いています。しかも群像劇のヒューマンドラマ×本格的なハードSFという一見すると矛盾しそうな点ですら共通項!ただし、異星人との関係性は真逆なものになっているのが興味深いところです。
【感想】小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の評価は?星野源も絶賛
ネタバレ厳禁とは思うけど、正直ネタバレされてもそれで面白くなくなるような作品ではない。なにもわからない状況からスタートして、科学の知識で状況を理解していく主人公。序盤から本格SF全開!でもやっぱりロッキーとグレースのコミカルなやりとりが魅力。人と感想を語り合いたくなる。
ストーリー全体を通した大問題があるなか、小さな問題が発生する→解決する→また別の問題が発生する→解決する、がくり返されるので、読んでて飽きない。SFの設定やらが難しくて最初はとっつきにくく感じたけど、上巻の中盤からどんどん面白くなっていって夢中で読んでいた。キャラクターたちも魅力的で愛着が湧く。
原作小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』には、多くの称賛の声が寄せられています。ミュージシャンで俳優の星野源も自身のラジオで本作を紹介し、知人になるべくなにも知らない状態で読むことを勧められ、「それで読んだら、もう面白くて面白くて」と語りました。
映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の公開は2026年3月20日!
アカデミー賞受賞・ノミニーのスタッフ・キャストが集結した映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は、2026年3月20日に日米同時公開。鑑賞までに原作小説にも触れ、万全の態勢で映画に臨むもよし、映画鑑賞後に原作を読むもよしで、余すところなく作品世界に浸れることでしょう。
Filmed For IMAX——11.9光年先の宇宙を最大画面で

本作は最先端のIMAX認証デジタルカメラで撮影されたFilmed For IMAX作品。IMAX専用の画角と大画面でしか体験できない映像スケールで、宇宙の果てで繰り広げられる壮大なミッションに没入することができます。劇場体験として、IMAX上映での鑑賞を強くおすすめします。








