2017年7月6日更新

ヴァル・キルマー、バットマンも演じていた俳優を徹底紹介!

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ヴァル・キルマー
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ヴァル・キルマーって誰?

¥ヴァル・キルマーは、1959年12月31日生まれ、カリファルニア州ロサンゼルス出身の俳優です。 キルマーは2人の兄弟とともにサンフランシスコ・バレーで育ち、チャックワース高校や子役専門の学校であるハリウッド・プロフェッショナル・スクールに通いました。その後、当時史上最年少の17歳で名門ジュリアード音楽院演劇科に入学しました。

舞台でキャリアをスタート

ジュリアード在学中の1981年、キルマーはニューヨーク・シェイクスピア・フェスティバルで上演された舞台『How It All Began』で共同脚本を執筆し、出演もしました。 1993年にはケヴィン・ベーコンやショーン・ペンらとともに、ブロードウェイで『The Slab Boys』に出演しています。 キルマーはその後も数多くの舞台に出演しており、2004年にはミュージカル『十戒』のモーゼを演じました。2005年には『郵便配達は二度ベルを鳴らす』で、初めてイギリスの演劇の中心地、ウェストエンドでの公演を成功させています。

映画『トップガン』で一躍有名に

アメリカ海軍の若手戦闘機パイロットたちを描いた映画『トップガン』(1986)は、その年の全米興行収入第1位を獲得する大ヒットとなりました。 アメリカ海軍のエリートパイロット養成機関「トップガン」で、コールサイン:マーベリックことピート・ミッチェル(トム・クルーズ)らは空中戦の厳しい訓練を受けていました。当初マーベリックは、激しい性格で一匹狼のパイロットでしたが、訓練のなかで規律や協調性の大切さを身につけていきます。 しかし、ある日の戦闘訓練中、機体の故障により制御不能に陥ってしまいます。脱出の際の事故で相棒のグース(アンソニー・エドワーズ)を失ったマーベリックは自責の念にさいなまれ、持ち味であった強気な飛行技術はすっかりなりを潜めてしまいました。 この作品にヴァル・キルマーはクルーズ演じるマーベリックのライバル、アイスマン役で出演しました。コールサイン:アイスマンことトム・カザンスキーは、常に冷静で相手のミスを待つクールなキャラクターです。 作品のヒットを受け、主演のクルーズや助演のキルマー、メグ・ライアン、ティム・ロビンスなど多くの出演者が知名度を上げました。 2015年、『トップガン』の続編の製作が発表され、キルマーも出演オファーを受けたことを明かしました。続編には、主演のトム・クルーズもカムバックすることが決定しています。その他の詳細は不明ですが、続報を待ちたいですね。

主演を務めた『ドアーズ』が評価される

1991年のオリバー・ストーン監督作品『ドアーズ』は、アメリカのロックバンド「ドアーズ」のボーカル、ジム・モリスンの半生と恋人パメラとの関係を描いた作品です。 映画学を学び詩を愛する青年ジムは、一目惚れした少女パメラ(メグ・ライアン)と付き合うようになります。また、彼の才能を認めるレイ(カイル・マクラクラン)らとロックバンド「ザ・ドアーズ」を結成し、デビューしました。 自らの意思に関わらず、カリスマへと祭り上げられていくジムの苦悩をキルマーは見事に演じ、特に吹き替えなしで挑んだ歌とその容貌が、実際のジム・モリソンに瓜二つと話題になりました。

ヴァル・キルマーが演じた実在の人物たち

前述のとおり、映画『ドアーズ』でジム・モリスンを演じたキルマーは、他にも実在の人物を演じています。

エルヴィス・プレスリー【1993】

クェンティン・タランティーノ脚本、トニー・スコット監督のラブストーリー『トゥルー・ロマンス』で、キルマーはエルヴィス・プレスリーを演じています。 コミックショップに勤め、カンフー映画をこよなく愛するオタク青年クラレンス。そんな彼はある夜アラバマという少女と出逢い、恋に落ち、翌日結婚します。 しかし、アラバマは実は娼婦でした。クラレンスは彼女のポン引きを殺し、間違えてマフィアのものであるコカインを持ち帰ってしまいます。2人は必死でマフィアの追跡を逃れようとするという物語です。 キルマーが演じたエルヴィス・プレスリーは、1950年代に大人気を博したロックンロール歌手です。黒人音楽であるリズム・アンド・ブルースと白人音楽であるカントリー・アンド・ウェスタンを合わせた新しい音楽スタイルで世界的に成功し、キング・オブ・ロックンロールと呼ばれています。 本作の主人公クラレンスもエルヴィスの熱狂的なファンで、キルマー演じるエルヴィスは彼の幻覚として現れ、鏡越しに彼に語りかけます。

ドク・ホリデイ【1993】

映画『トゥームストーン』は、1881年にアリゾナ州で実際に起こった「OK牧場の決闘」に代表される抗争を描いた西部劇です。 トゥームストーンの町を舞台に、保安官ワイアット・アープとクラントン一家率いる無法者集団「カウボーイズ」の抗争を描いたこの作品で、キルマーはアープの友人ドク・ホリデイを演じました。 ドク・ホリデイは実在したガンマンです。歯学博士号をもっていたため「ドク」と呼ばれるようになりました。歯科医師の資格習得後アトランタで医院を開業しますが、間もなく結核を患い余命数ヶ月を宣告されてしまいます。 結核を悪化させないため乾燥した西部への移住を決意しますが、滞在していたテキサス州ダラスで口論から殺人を犯し、以降南部を放浪しました。その間に、トゥームストーンでワイアット・アープに味方して決闘に参加することになります。

マイケル・キートンからバットマンを奪う!

「バットマン」シリーズの第3作目『バットマン フォーエバー』で、ヴァル・キルマーはそれまで主演していたマイケル・キートンに代わり、バットマン/ブルース・ウェインを演じました。これは前作までの監督、ティム・バートンが企画を降りたことにより、キャストもスタッフも総入れ替えとなった結果です。 トゥーフェイス、リドラーの2大ヴィランとの戦いや、相棒ロビンの初登場など豪華キャストで盛りだくさんの内容となった『バットマン フォーエバー』は、前2作を超えるヒットを飛ばしました。

ヴァル・キルマーの知られざる5つのこと

1.大女優ベティ・ホワイトに不満タラタラ

ベティ・ホワイトは、1949年から活動を続けているアメリカの女優で、7度のエミー賞受賞を誇る名女優です。 キルマーは2012年にドラマCD『The Mark of Zorro』でグラミー賞最優秀スポークン・ワード・アルバム賞にノミネートしました。受賞を確信していたキルマーでしたが、実際にはホワイトが朗読CD『If You Ask Me (And of Course You Won't)』で同賞を獲得。 そのことに対し、キルマーはかなり腹を立てたようで、あるトーク番組でホワイトのことを「邪悪だ」と言い、次のように続けています。
「人前で言うつもりはなかったんですが、彼女は自分のしたことをわかっています……ベティは、私のグラミーを盗んだんですよ……。授賞式では本当にショックを受けました。彼女がどうやったのか、または誰と一緒にやったのかはわかりません。突然、彼女が受賞したんです。彼女は授賞式に来ていませんでした……。私は確かにノミネートしていましたし、確かに彼女が受賞しました……。彼女には、私をあざわらうより他にやることがあったでしょう」
どうやらキルマーは、まだこの件を根に持っているようです。

2.映画『ドアーズ』ではキルマー本人が歌声を披露

1991年にキルマーは伝説的ロックバンドの伝記映画『ドアーズ』に出演しました。キルマーが演じるボーカルのジム・モリスンを中心に展開するこの作品への評価はまちまちでしたが、キルマーの演技はその年で最高のものだと絶賛されました。 キルマーはこの映画のためにおよそ50曲を覚え、自ら歌のパフォーマンスもしています。彼はオリバー・ストーン監督を信頼し、完璧にモリスンを演じた8分間のパフォーマンスを撮影しました。キルマーの歌声は、ドアーズのメンバーたちもモリスンのものと区別がつかなかったそうです。

3.バイソンを飼っていたことがある

多くのセレブが変わったペットを飼っていることで知られていますが、キルマーも例外ではありません。 幼少期にニューメキシコの大牧場に住んでいたころ、彼は2頭のバイソンを飼っており、そのうちの1頭を”ジェームズ・ブラウン”と名付けました。あるインタビューでキルマーは次のように語っています。
「単にバイソンの見た目が好きなんです。子供のころも、今もバイソンを見るのは好きです。当然、このバッファローの高貴な瞬間を見ているわけではありませんが、それでも彼らを見るのは好きです。たぶん私にチェロキー族の血が流れている事に関係があるのでしょう。アメリカ原住民とバイソンには強いつながりがあります。原住民はバイソンを食べますし、その毛皮を着ます。食べた後の体の残りもすべて使います。人々とバイソンの間を隔てるものがないんです」

4.あの名作映画の主演第一候補だった

パトリック・スウェイジが主演した1987年の映画『ダーティ・ダンシング』は、80年代最大のヒット作となりました。 スウェイジ演じるジョニーとジェニファー・グレイが演じるベイビーのロマンスを描いたこの作品はスウェイジの出世作となりましたが、主演には当初ヴァル・キルマーが予定されていました。しかし、キルマーは自分の二枚目俳優としての名声に傷がつくと考え、出演を断ったそうです。

5.「仕事がやりづらい俳優」として有名?

ヴァル・キルマーは名門ジュリアードで演技の訓練を受け、自分の仕事を非常に真剣に受け止める俳優です。ハリウッドの彼の同僚たちの中には、そんな彼とは一緒に働きづらいと考える人も多くいます。 いちどは将来を約束されていたキルマーにとっては残念なことですが、彼の気難しい性格が彼自身を成功かた遠ざけたこともたびたびあります。『バットマン フォーエバー』の監督ジョエル・シューマッカーは、キルマーのことを「無礼で不適切」だと言いました。シューマッカーはさらに続けます。
「彼は子供っぽくて手に負えません。私は彼にもうこれ以上耐えられないと伝えなければなりませんでした。その後2週間彼は口を利きませんでしたが、その時は最高でしたね」
多くの批判にも関わらず、キルマーの役作りのメソッドを楽しみ、彼と働くことに喜びを見出す人たちもいます。1999年の映画『アット・ファースト・サイト/あなたが見えなくても』でキルマーとともに働いた映画監督アーヴィン・ウィンクラーは次のように語っています。
「さまざまなうわさを聞くので、彼について調べてみました。1995年の映画『ヒート』で共演したロバート・デ・ニーロとマイケル・マンに聞いてみたところ、2人とも彼をほめちぎっていたんです。否定的なことを言う人もいますが、彼と仕事をした事は素晴らしい経験でした」
これまでさまざまな役柄をこなしてきたヴァル・キルマー。実力派俳優に今後も活躍してほしいですね。