2021年8月16日更新

映画「バットマン」シリーズの歴史を振り返る!おすすめの観る順番や各作品のあらすじも紹介

ダークナイト,バットマン
©Warner Bros. Entertainment Inc./Photofest/ZetaImage

「バットマン」映画シリーズはどの順番で観ればよい?

数多くのアメコミヒーローの中でも、トップクラスの実写映画作品数を誇るバットマン。それぞれ個性の異なる監督によって、基本的にシリーズとして製作されているので、どれから観ればいいか迷ってしまいますね。 そこで今回は、バットマンを楽しみやすい映画鑑賞の順番を紹介。また番外編として初期作品やアニメ作品なども紹介します。

そもそもバットマンってどういうヒーロー?

バットマンvsスーパーマン
© Warner Bros.

DCコミックス社の人気シリーズを原作に、アニメや実写でも大人気のバットマン。まずはバットマンとはどんなヒーローなのか、ポイントを押さえておきましょう。

努力と根性と財力で強くなったバットマン

スーパーヒーローとしては珍しく、バットマンはスーパーパワーを持たないキャラクターです。 のちにバットマンとして活躍することになるブルース・ウェインは、幼いころ目の前で強盗に両親を殺されてしまいます。犯人への復讐心から、ブルースは世界中を旅して格闘技などあらゆる“強さ”を身につけました。 生まれ育ったゴッサムシティに戻ってきたブルースは、表の顔である実業家として築き上げた財産で数々のハイテク機器を開発。 そしバットマンとして街の悪人たちを懲らしめるようになったのです。

バットマンの誓い

クリスチャン・ベール『ダークナイト』
©︎Warner Bros Pictures/LMK

バットマンは悪と戦うヒーローですが、基本的に人を殺さないという信条を貫いています。悪人にコウモリの焼印などを押して、最終的に警察が身柄を確保できるようにしているのです。 普通の人間でありながら、努力で手に入れた力と独自のポリシー、そしてテクノロジーで悪に立ち向かっていく姿が、多くのファンの心を捕らえています。

おすすめの観る順番を解説!

【公開順】バットマンの歴史年表

初期作品 1943年 連続活劇『バットマン(原題)』
1949年 『バットマン&ロビン(原題)』
1966年 初長編『バットマン』
ティム・バートン版 1988年 『バットマン』
1992年 『バットマン リターンズ』
ジョエル・シュマッカー版 1995年 『バットマン フォーエバー』
1997年『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』
ノーラン3部作 2005年 『バットマン ビギンズ』
2008年 『ダークナイト』
2012年 『ダークナイト ライジング』
DCEU版 2016年 「バットマンVSスーパーマン」
2017年 『ジャスティス・リーグ』
その他 2017年 『レゴ®️バットマン ザ・ムービー』
2018年 『ニンジャバットマン』
最新作 2022年 『THE BATMAN ザ・バットマン』

バットマン映画作品の歴史を最初から振り返ると、上記のようになります。最初から順を追って鑑賞するのももちろん面白いのですが、しかし全てを観るのはなかなか大変なこと。 最新作『THE BATMAN ザ・バットマン』を楽しみたいなら、最低限クリストファー・ノーラン監督による「ダークナイト」3部作を鑑賞すれば大丈夫です。 さらに深く楽しみたいなら、その次にDCEU2作、そしてティム・バートン2作……という風にこれから紹介する順番で鑑賞していくことがおすすめです。その理由と各作品の特徴を以下で紹介していきます。

1. クリストファー・ノーラン監督版「ダークナイト」トリロジー

なぜ「ダークナイト」3部作を最初に観たほうがいいの?

ダークナイト,ジョーカー
©WARNER BROS

ヒーロー映画の第1作目でオリジンを描く流れを作った、クリストファー・ノーランの「ダークナイト」3部作。 それまでにも多くのバットマン映画が作られていましたが、ブルース・ウェインがなぜ、どうやってバットマンになったのか、というオリジンを描いた作品はありませんでした。 バットマンとういヒーロー像と行動理念を理解するために、最優先で「ダークナイト」3部作を観ることをおすすめします

①『バットマン ビギンズ』(2005年)

『バットマン・ビギンズ』(2015年)クリスチャン・ベール
© WARNER BROS./All Star Picture Library/Zeta Image

2005年、クリストファー・ノーラン監督によって新たなバットマンが誕生しました。 主演のクリスチャン・ベールをはじめ、マイケル・ケイン、ゲイリー・オールドマン、リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマンといった豪華なキャストが勢ぞろいし、シリアスでリアルな作風が特徴的な作品となっています。 また、その世界観が高く評価され、続編の製作が決定。結果として「ダークナイト3部作」の1作目となりました。

②『ダークナイト』(2008年)

ヒース・レジャー、クリスチャン・ベール『ダークナイト』
©︎Warner Bros Pictures/LMK

3部作の2作目『ダークナイト』は前作に引き続き、監督はクリストファー・ノーラン、主演はクリスチャン・ベールが務めています。最凶のヴィラン・ジョーカーは、本作の撮影終了後に亡くなったヒース・レジャーが演じました。 バットマンの“不殺の誓い”を揺るがそうとするジョーカーの狂気は、観客を釘付けに。 本作は非常に評価が高く、アカデミー賞8部門にノミネート。音響編集賞と助演男優賞(ヒース・レジャー)を受賞しています。

③『ダークナイト ライジング』(2012年)

ダークナイトライジング,バットマン,ベイン
©WARNER BROS

クリストファー・ノーラン「ダークナイト」3部作完結編『ダークナイト ライジング』。主演も前2作同様クリスチャン・ベールが演じます。新アン・ハサウェイがキャラクターのキャットウーマンを演じ、ヴィランのベインをトム・ハーディが演じたことでも話題になりました。

2. ザック・スナイダー監督のDCエクステンディッド・ユニバース版

DCEU作品を次に観るのはなぜ?

ジャスティス・リーグ
Supplied by LMK

DCEU(DCエクステンディッド・ユニバース)作品、特にザック・スナイダー監督の作品は「ダークナイト」3部作の影響が濃厚な作品になっています。 それはDCEU1作目『マン・オブ・スティール』(2013年)も以下に紹介する2作も、クリストファー・ノーランが製作総指揮を務めているためです。2シリーズとも雰囲気が似ているので、続けて楽しむことができます。 DCEUではまだバットマンの単独作品は製作されていません。しかしこれまでに同ユニバースの2作品に登場していますので、ここでの彼の活躍もチェックしましょう。

①『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生
© Supplied by LMK/zetaimage

2013年公開の映画『マン・オブ・スティール』の続編として、2016年に公開された『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』。 『マン・オブ・スティール』のザック・スナイダーが監督を務め、前作に引き続きスーパーマンはヘンリー・カヴィル、バットマンはベン・アフレックが演じました。 DCEUで初めてバットマンが登場した本作。2大ヒーローの世紀の対決が描かれており、ワンダーウーマンも初登場しています。

②『ジャスティス・リーグ』(2017年)

『ジャスティス・リーグ』DC
(c)Warner Bros./Photofest/zetaimage

本作では、バットマンが中心となりヒーローチーム“ジャスティス・リーグ”を結成します。 単独映画も大ヒットを記録したワンダーウーマンをはじめ、『スーサイド・スクワッド』(2016年)にカメオ出演したフラッシュ、そして初登場となるアクアマンやサイボーグが集結したアメコミファンにはたまらない1作。 このチーム結成の経緯には、前作「バットマンVSスーパーマン」で描かれた出来事が深く関わっているので、必ず前作を観てから鑑賞してください。

3. 独特の世界観で人気のティム・バートン監督版

ティム・バートン版では個性的なヴィランが魅力!

『バットマン』(1989年)ジャック・ニコルソン
© WARNER BROS./All Star Picture Library/Zeta Image

「ダークナイト」3部作、DCEU作品の次は、1989年製作の『バットマン』から始まるティム・バートン監督版2作品がおすすめです。 バットマンへの関心をより高められるとともに、個性的なヴィランが多く登場するという意味でも、さらにバットマンワールドに浸れるでしょう。

①『バットマン』(1989年)

『バットマン』(1989年)マイケル・キートン
© WARNER BROS./All Star Picture Library/Zeta Image

1989年に公開された『バットマン』では、ティム・バートン監督の『ビートルジュース』(1988年)に主演したマイケル・キートンが、監督たっての希望で主演に起用されました。 彼が演じた陰鬱な雰囲気のバットマン像は、後々量産されることになる心に傷を負ったアメコミヒーロー映画の原点となります。 また本作のヴィランはジャック・ニコルソン演じるジョーカー。彼のオリジンも描かれましたが、なんと言ってもジョーカーになった後の強烈な印象から、今でも根強いファンを獲得しています。

②『バットマン リターンズ』(1992年)

『バットマン・リターンズ』(1992年)ダニー・デヴィート、ミシェル・ファイファー
© WARNER BROS./All Star Picture Library/Zeta Image

ファンの間で評価が高い原作コミック『バットマン:ダークナイト・リターンズ』のテイストも活かしているのが特徴のバートン監督による2作目。主演は前作にひきつづき、マイケル・キートンです。 しかしバートン版は、ヴィランに重きを置いた作りになっている面もあり、それが顕著に表れたのが本作。 ミシェル・ファイファー演じるキャットウーマンと、ダニー・デヴィート演じるペンギンという、2人のヴィランの悲哀が強烈すぎて、ヒーローとしてのバットマンの存在感が薄れてしまった印象もあります。

4. ティム・バートンから引き継いだジョエル・シュマッカー監督版

バートン版とは切っても切れないシュマッカー版

1989年からスタートした「バットマン」シリーズ3作目ですが、監督はティム・バートンからジョエル・シュマッカーに交代。また「バートンがメガホンを取らないなら出演しない」と主演のマイケル・キートンも降板し、シリーズの方向性が大きく変わります。 バットマンが悪と戦う理由や狂気的なヴィランの存在など、ダークな設定を引き継ぎながらもファミリー向けの明るい作品を目指しました。 バートン版と世界観を共有しているので、続けて観たほうがいいでしょう。

①『バットマン フォーエバー』(1995年)

『バットマン フォーエバー』(1995年)ヴァル・キルマー、クリス・オドネル
© WARNER BROS./All Star Picture Library/Zeta Image

キートンの降板のあと、主演に抜擢されたのは『トップ・ガン』(1986年)で知られるヴァル・キルマー。 本作では、バットマンの相棒であるロビン(クリス・オドネル)が映画作品に初登場しました。さらにヴィランはリドラー(ジム・キャリー)、トゥーフェイス(トミー・リー・ジョーンズ)と2人も登場。 そのほかのキャラクターにもニコール・キッドマンやドリュー・バリモアなど、豪華キャストが出演しています。

②『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』(1997年)

『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』(1997年)アリシア・シルヴァーストーン、ジョージ・クルーニー、クリス・オドネル
© WARNER BROS./All Star Picture Library/Zeta Image

前作で主役を務めたヴァル・キルマーが降板し、ジョージ・クルーニーが新たなバットマン役に起用された本作。 ヴィランを演じたアーノルド・シュワルツネッガーやユマ・サーマン、バットマンの新たな仲間・バットガールをアリシア・シルヴァーストーンが演じるなど、他のキャストも豪華。 しかし作品の評価は……。「家族向けの映画に」という思いで作られましたが、観客からは批判が相次ぎ、ついには監督のシュマッカーが謝罪するという事態に。 本作はゴールデンラズベリー賞に9部門もノミネートし、史上最悪のスーパーヒーロー作品とも言われ、5作目の計画案がつぶれた原因になりました。 批評的には酷評が目立つシュマッカー版ですが、全作品の中で最もヒーローらしいバットマンが観られるという点では見逃せません。

【番外編】順番を気にせず楽しめるバットマン映画は?

ここからはバットマンの基本設定さえ覚えておけば楽しめる作品を紹介します。 初期の作品は今では視聴困難ですが、近年のアニメ版などは評判も良いので誰でも楽しめるでしょう。

コロンビア映画が製作した最初の『バットマン』

全15章で製作された短編連続活劇『バットマン(原題)』(1943年)

『バットマン』(1943年)
© Columbia Pictures/Photofest/Zeta Image

1943年、コロンビア映画によって初めてのバットマン実写映画が製作されました。短編映画が15回に分けて公開された連続活劇『バットマン』は、戦争中という背景もあり、バットマンはアメリカ政府のエージェントとして日本のエージェントと戦うストーリーとなっています。

前作の人気を受けて製作された続編『バットマン&ロビン(原題)』(1949年)

1943年公開作品の続編となる『バットマン・アンド・ロビン』が1949年に公開となりました。こちらも全15回の連続活劇。ストーリーは、バットマンと相棒のロビンが正体不明の敵、ウィザードに挑むというものです。

人気テレビドラマの映画化『バットマン』(1966年)

『バットマン』(1966年)
© ABC/All Star Picture Library/Zeta Image

『バットマン』(ビデオ題:『バットマン/オリジナル・ムービー』)は、テレビドラマ『怪鳥人間バットマン』の映画版で、DCコミックヒーローとしては始めての長編映画です。 テレビ版でもバットマンを演じているアダム・ウェストが主演。監督は、同ドラマのエピソード監督を務めたことのあるレスリー・H・マーティンソンが担当しています。 安っぽいスーツや滑稽なプロット、独特な効果音にも関わらず、世界中で大人気となったドラマ版の放送開始から半年後に映画版が公開されました。

レゴになったバットマンたちがふざけまわる『レゴ®️バットマン ザ・ムービー』(2017年)

『レゴ(R)バットマン ザ・ムービー』(2017年)
© WARNER BROS./All Star Picture Library/Zeta Image

本作はこれまでのバットマン映画とは違い、コメディタッチなのが特徴。前作『LEGO®ムービー』(2014年)にも登場したバットマンの単独主演となる本作では、ナルシストで自己中心的な性格なのに、友達が欲しくてたまらないというバットマンが描かれます。 今作はバットマンと相棒ロビンの出会いや師弟愛、そしてバットマン(ブルース・ウェイン)の孤独が強調されているため、一見子供向けにのようですが大人にも訴えかける感動作。 ジョーカーをはじめとしたバットマンユニバースのヴィランや、あの有名ファンタジー・シリーズの悪役が一気に登場する点も、映画ファンにとってアツい展開も見逃せません。 逆になんの予備知識がなくても楽しく観られる作品なので、バットマン初心者にもおすすめです。

日本の戦国時代にバットマンが『ニンジャバットマン』(2018年)

ニンジャバットマン
BATMAN and all related characters and elements (C) & TM DC Comics. (C) 2018 Warner Bros. Entertainment All rights reserved.

2018年6月に劇場公開された『ニンジャバットマン』は、「日本の戦国時代にバットマンがいたら?」という設定の日本製アニメ映画です。 日本の戦国時代を舞台とした本作は、タイムスリップ・アクション・エンターテインメント。現代のゴッサムシティからタイムスリップし、大名となったジョーカーをはじめとするヴィランたちを追って、バットマンも戦国時代へ。 乱世でテクノロジーとも切り離されてしまったバットマンは、歴史改変を阻止することはできるのでしょうかーー? 日本のトップクラスのクリエイターが集結した本作は、海外でも高い評価を獲得しました。

若きブルース・ウェインを描く『THE BATMAN ザ・バットマン』(2022年春公開予定)

『TENET テネット』(2020年)などのロバート・パティンソンが主演を務める『THE BATMAN ザ・バットマン』が2022年春に公開されることが決定しました。 『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』(2017年)などのマット・リーブスがメガホンをとった本作は、キャラクターの解釈を一新し、若き日のバットマン/ブルース・ウェインと、のちにヴィランとなるキャラクターたちが描かれます。 ミステリー要素の強い作品になっていると言われており、予告編からも不穏な雰囲気が察せられますね。 主演のパティンソンのほかにも、ペンギン役にコリン・ファレル、キャット・ウーマン役にゾーイ・クラヴィッツ、リドラー役にポール・ダノ、執事のアルフレッド役にアンディ・サーキスと、豪華出演陣も話題になっています。

「バットマン」映画シリーズ あなたのお気に入りの順番を見つけよう!

ダークナイト,バットマン
©Warner Bros. Entertainment Inc./Photofest/ZetaImage

以上、観る順番をざっと紹介しましたが、これはあくまでも「提案」。決して、「必ずこの順番で観なければならない」というものではありません。 実のところ、いずれのバットマン映画も、全くバットマンという存在を知らない人でも楽しめるように作られています。記事のテーマとは矛盾していますが、製作順通りに観ても、DCEU版から観始めても問題ないでしょう。 これまで監督の作家性などによってバットマンは違った描かれ方をされてきました。数多くの作品が製作されているからこそ、バットマン映画には観比べる楽しさがあるのです。ぜひ、あなたのお気に入りのバットマンを見つけてくださいね! そしてさらにバットマンに興味を持った方は、原作コミックやテレビアニメ版などにも視野を広げてみてはいかがでしょうか。