2017年7月6日更新

『ロスト・イン・トランスレーション』の知られざる10の事実

ロスト・イン・トランスレーション

東京を舞台に孤独な男女の恋愛を描く『ロスト・イン・トランスレーション』。ソフィア・コッポラの監督作として有名で、スカーレット・ヨハンソンの出世作でもあります。そんなこの映画にまつわる10のエピソードをご紹介します。

目次

ソフィア・コッポラの出世作『ロスト・イン・トランスレーション』

ソフィア・コッポラ2本目の長編監督作品にして出世作となった『ロスト・イン・トランスレーション』は、東京を舞台にした作品。アカデミー賞脚本賞を受賞しました。

ビル・マーレイ演じるハリウッドスター、ボブ・ハリスとスカーレット・ヨハンソン演じるアメリカ人の若い人妻シャーロットが東京で出会い、別れるまでを描いています。他言語とのコミュニケーションに象徴される、人と人との相互理解の難しさを静謐に描き切り、高い評価を受けました。

1. 主役が撮影に現れない可能性があった

この映画の主役、人生に疲れたハリウッド俳優ボブ・ハリスを演じたビル・マーレイ。監督ソフィア・コッポラと映画以外の話で5時間も盛り上がった後にオファーを受けたのですが、なんと契約書にサインはしなかったのです。

契約書がないため、撮影地の東京にビルがやって来なくても不思議ではない状態。一方で制作前の段階で100万ドルを投資していたコッポラは気が気ではありませんでした。いよいよクランクインの一週間前になったとき、ようやくビルは東京に現れたと言います。

2. ソフィア・コッポラはどうしてもパークハイアット東京で映画を撮影したかった!

数年間東京でファッションや写真を学んだ経験のあるソフィア・コッポラ。1999年、デビュー作『ヴァージン・スーサイズ』のプロモーションで来日したときに滞在したパークハイアットを「世界で一番好きな場所」と言うほど気に入り、『ロスト・イン・トランスレーション』の撮影にとホテル側に交渉したのだとか。

彼女に許されたのは廊下とコモンスペースのみ、夜のわずかな時間。おまけにビル・マーレイが大声で叫ぼうものならすぐさま宿泊客から苦情が。しかし、ビルは「俺を誰だと思っているんだ?」と日本語で追い返したのだそうです。

3. ボブとシャーロットのモデルは往年の映画スター

ボブと恋に落ちる孤独な人妻シャーロットを演じたのはスカーレット・ヨハンソン。実はこのボブとシャーロットは『三つ数えろ』のハンフリー・ボガートとローレン・バコールがモデルだったそうです。

他にもシャーロットの夫ジョンはスパイク・ジョーンズ(コッポラの元夫)がモデルになっています。また、ハリウッド女優を絵に描いたような(金髪でおバカな)ケリーはキャメロン・ディアスがモデルではないかと言われていましたが、コッポラ自身が否定しています。

4. スカーレット・ヨハンソンはオープニングシーンを撮影したくなかった

シャーロットのお尻と太ももがアップで映る、鮮烈なオープニングシーン。コッポラはアメリカ人画家ジョン・カセールにインスパイアされてこのシーンを思いついたのだと言います。ところが撮影されるスカーレット・ヨハンソンにとってはいい迷惑だったようで、彼女は次のように話しています。

私、下着のシーンは大丈夫だってソフィア(・コッポラ)に話したの。もしそれがシアー(透けるほど薄い生地)じゃなければね…。
引用:www.yahoo.com

撮影中うどんを堪能していたというヨハンソンは膨れ上がった体でそのシーンを撮影することを拒否。コッポラ自身がモデルになって、どのように見えるかを実演したところでようやくこのシーンをとる決心をつけたそうです。

5. ビル・マーレイの演技は監督の無茶振りによるもの!?

ボブを演じるのはビル・マーレイしかいないと決めていたソフィア・コッポラ。撮影中、彼女はあの手この手でビルの演技を引き出していました。

CM撮影のシーンでは監督に日本語で支持されて戸惑うボブが見られますが、ビル自身も監督が何を言っているのか事前に教えてもらえませんでした。これは彼の混乱した演技をよりリアルにするためだったと言います。

また、ボブとシャーロットが寿司屋で食事をとるシーンの台本には「彼は彼女を笑わせる」としか書かれていなかったそうで、ビル・マーレイはアドリブで演技しました。

6. ボブはハリソン・フォードがモデル

この撮影でビル・マーレイがモデルにしたのはハリソン・フォード。理由は簡単で、その当時の東京ではビールの広告を務めていたハリソン・フォードの看板が所狭しと貼られていたからだそうです。

7. ウイスキーCMの元ネタは監督の父親フランシス・フォード・コッポラと黒澤明

ビル・マーレイ扮するボブが撮影するサントリーウイスキーのCM。このシーンはコッポラの父親フランシス・フォードがサンフランシスコの自宅で撮影したサントリーウイスキーのCMを元にしています。日本の映画界の巨匠、黒澤明も共演しています。

8.ビル・マーレイとスカーレット・ヨハンソンはベッドシーンに時間を費やした

この映画で一番タフだった撮影シーンはボブとシャーロットのベッドシーン。コッポラは主演の2人がいいムードを作り出せなければこのシーンは撮影できないとして、撮影をとりやめ。翌日に撮り直したのだそうです。

9.ボブがシャーロットに言った言葉は誰も知らない

クライマックス、ボブがシャーロットとの別れ際に彼女の耳元で何か囁くシーンがあります。コッポラは台本に「寂しくなるよ」というセリフを書いたのですが、果たしてビル・マーレイが実際に何と囁いたのかは誰も知りません。この謎は度々ファンの間で話題になりますが、当の本人は絶対に誰にも言わないと公言しています。

10.パークハイアット東京には映画の名前のドリンクがある

この映画の撮影後、パークハイアット東京のバーには『L.I.T.』という名前のカクテルが登場しました。「ロスト(L)・イン(I)・トランスレーション(T)」を意味するこのカクテルは、日本酒、桜のリキュール、ピーチのシュナップス、クランベリージュースで作られています。