『機動新世紀ガンダムX』荒涼とした世界が語りかけるものとはだN

2017年7月6日更新

ガンダムシリーズの中でも、宇宙世紀を描かない、人間ドラマや、主人公とヒロインの心の交わりなどが丁寧に描かれています。また、「ガンダムを考えるガンダム」として、これまで曖昧だったものに答えを出したことでも注目されました。

『機動新世紀ガンダムX』とは?

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『起動新世紀ガンダムX』とは、1996年4月5日から同年12月27日まで放送されたテレビアニメです。

『新機動戦記ガンダムW』の後に放送され、ガンダムシリーズとして、サンライズ制作のアニメでは7番目の作品です。1994年〜1996年にかけて放送された『機動武闘伝Gガンダム』、『新機動戦記ガンダムW』、『機動新世紀ガンダムX』の三作品は、G〜Xとそれ以降との区切りをつけるために、宇宙世紀を描かない「平成三部作」と称されています。

ガンダムの中でも、人間ドラマが丁寧に描かれ、主人公のガロードとティファの心の交わりにガンダムを知らないという人でも入り込みやすい内容となっています。また、賛否両論ありながらも本家ガンダムシリーズに登場する架空の概念「ニュータイプ」という存在を否定ているのでは? と話題になった作品でもあります。

『機動新世紀ガンダムX』のストーリー

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第7次宇宙戦争から15年が経った、A.W.0015(アフターウォー・ダブルオーフィフティーン)。荒廃した地球で、戦災孤児のガロード・ランは、モビルスーツ狩りをし、その機体を売りさばきながら生活をするという、その日暮らしの毎日でした。

そんなある日、謎の人物にティファという名の少女を助け出してほしいと依頼を受けます。

しかし、ティファに一目惚れしてしまったガロードはティファを連れ出し、逃亡してしまうのです。そして、ティファが導いてくれた先で、幻のモビルスーツ「ガンダムX」を発見し、ガロードの毎日は一変していきます。

メインキャラクター

ガロード・ラン

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戦災孤児となり、モビルスーツを奪って、売りさばきながら生活をしていた、強くたくましい少年です。謎の少女ティファを救ってほしいとの依頼を受けてから、幻のモビルスーツを手に入れるなど、ガロードの毎日は一変しました。

ガロードはガンダムの主人公には、珍しく特殊能力等を持たない一般人で、ものすごく不器用な少年です。しかし、失敗や間違いを重ね、愛するティファのために困難を乗り越え徐々に成長していく姿には胸を打たれます。

ティファ・アディール

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出典: gundamlog.com

戦後唯一見つかったニュータイプの少女であり、幼い頃から、ニュータイプの研究をしている様々な組織に狙われていたため、無口で物静かなヒロインです。

内気な性格でしたが、ガロードと出会い、様々な経験を重ねていくことで、次第にティファにも変化が訪れます。

ジャミル・ニート

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出典: gundamlog.com

バルチャー艦〈フリーデン〉の艦長で、クルーからは「キャプテン」と慕われ、信頼も厚く頼りになる男性です。しかし、そんな姿とは裏腹に、戦争のトラウマからコックピット恐怖症に陥っていました。しかし、ガロードらのおかげで見事克服することに成功します。

サブタイトルは劇中のセリフ

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出典: gundamlog.com

『機動新世紀ガンダムX』のサブタイトルは劇中のセリフから引用されています。そのため、特徴的で印象に残るものばかりです。

・第1話 「月は出ているか?」/ジャミル・ニート
・第3話 「私の愛馬は凶暴です」/シャギア・フロスト
・第30話 「もう会えない気がして」/ティファ・アディール

「私の愛馬は凶暴です」なんて、一体どんな話の内容になるのか気になって仕方ないですよね。

『魔法少女まどか マギカ』や『亜人』も劇中のセリフをサブタイトルとして引用していますが、やはり印象に残りますし、タイトルとしても特徴的でおもしろいですね。『新世紀エヴァンゲリオン』や『銀魂』などのサブタイトルくらいインパクトを感じます。

監督は高松信司

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出典: www.hulu.jp

『機動新世紀ガンダムX』の監督は高松信司です。1961年生まれのアニメ監督であり、演出や音響など幅広く手がけている方です。

高松信司の他の作品といえば、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の3第目監督や、『銀魂』『男子高校生の日常』など多くのギャグアニメを世に送り出してきました。現在でこそ、ギャグアニメのイメージが強い高松信司ですが、サンライズ入社時は『機動戦士ガンダムΖΖ』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』などの多くのガンダムシリーズに携わってきたのです。

ガンダム

『機動新世紀ガンダムX』はガンダムシリーズの中でも、宇宙世紀を描いていない作品ですので、どちらかというと人間ドラマに重点を置いた作品となっています。

ガロードとティファの恋愛模様や、戦争によってもたらされた傷跡、決して完璧ではない主人公が失敗を重ね成長していく姿。そして、なんといってもガロードの純情っぷりが、どこかあたたかい気持ちにさせてくれます。

戦争後の荒れ果てた地で、二人の少年少女がどう生きていくか、これまでのガンダムシリーズから切り離して見ても、面白いのではないでしょうか。

ガンダムを考えるガンダムとは

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高松監督は、『機動新世紀ガンダムX』で「ガンダムを考えるガンダム」を目指したと発言しています。そのため、1stガンダムを思わせるオマージュやメタファーが多々見られます。

主なオマージュやメタファーと思われる点は、ガンダムの初起動シーンや、1stの次回予告「君は生き延びる事が出来るか?」だったのに対し、「生き延びた先に何があるのか」というキャッチコピーのもと、展開されるなど、その他にもたくさんのメタファーがちりばめられているのです。

全体的に、これまでのガンダム的な要素は控えめとなっていますが、ガロードとティファのボーイミーツガールを軸に、「ニュータイプとは?」という、ガンダムシリーズ通して曖昧だった概念を考える、まさに「ガンダムを考えるガンダム」として確立したのではないでしょうか。