100年以上愛される「シャーロック・ホームズ」の名言
「シャーロック・ホームズ」は、アーサー・コナン・ドイルの推理小説『シャーロック・ホームズシリーズ』に出てくる探偵です。数多く映画化、舞台化されており、なんとギネスブックには「最も数多く映画化された作品」として載っているそうです。
2009年にはロバート・ダウニー・Jrとジュード・ロウがそれぞれシャーロック・ホームズとジョン・ワトスン博士を演じて、大ヒット映画となりました。
そんなシャーロック・ホームズの名言を厳選してみました!
『フランシス・カーファックス姫の失踪』(1991年)より
「失敗するのは人の常だが、失敗を悟りて挽回できる者が偉大なのだ。」
多くの作品の中で、教唆に富んだ失敗に関する名言は数多くありますが、その中でも失敗した人への温かみを感じられる一言。
多くの犯罪者を見てきたホームズだからこそいえる言葉かもしれません。
『恐怖の谷』(1914年)より
「自分の考えた正しいと得心できるまで、口外せずに熟慮する。」
実にシャーロック・ホームズらしい発言です。
彼は様々な謎を解いてきましたが、すべてきちんと証拠を集めてから、論理を組み立て推理を展開させてきました。それは口に出す前にとことん考え抜くということをしていたからこそ、真実にたどり着くことができたということでしょう。
『ボスコム谷の惨劇』(1891年)より
「明白な事実ほど、誤られやすいものはないよ。」
人はすぐにでもわかりやすいものを求めます。はっきりと理解しやすいものに飛びついて誤ってしまうことしばしば。
多くの複雑な謎を解決してきたホームズは、人とは違う視点を持っていました。「本当にそうだろうか」と疑う視点です。その姿勢がよく表れている言葉ですね。
『ボヘミアの醜聞』(1891年)より
「君はただ眼で見るだけで、観察ということをしない。見るのと観察するのとでは大違いなんだ。」
ワトスンはじめ、周囲の人にアドバイスをするのも惜しまないホームズの、厳しさとやさしさの滲むセリフです。出来事に対して、ただ「見る」だけではなく「観察」する、いろいろなことを考えながら様々な視点で物事に対峙する、ホームズならではの哲学ですね。
二つの違いくらいわかっている、と言いたいとことですが、なかなか実際に行うのは難しいものです。
『黄色い顔』(1892年)より
「不眠は働くよりも遊ぶよりも人の神経を悩ますものだ。」
100年前を生きたホームズの言葉ですが、現代にも通じるずしっとした重みがあります。
彼は睡眠をこよなく愛していました。が、それは怠惰故ではなく、神経を研ぎ澄ませ、日ごろのパフォーマンスをあげるために他なりません。
どうしても自分を犠牲にしてふらふらになりながらがんばるのが疑問視されつつある現代にこそ、響く名言です。
『緋色の研究』(1887年)より
「自分の失敗を語るのに躊躇はしない。」
このセリフをホームズがいうのは、「緋色の研究」という作品で、ホームズと後のパートナーとなるワトスンとの出会いが描かれた物語です。
普通、人は自分の失敗を人に話すのはプライドが邪魔をしてしまい、なかなかできないものです。しかし、ホームズはなんのてらいもなく、自分の間違いを言葉にします。それはホームズが失敗から立ち直り、学ぶことを知っている人物だからですね。
ホームズの飾らない、それでいて懐の広い性格がよく表れているセリフです。
『四つの署名』(1890年)より
「仕事それ自体、すなわち自分の特殊な能力を発揮する場を得る喜びこそが、最高の報酬だ。」
こちらも、現代においても色あせない名言ですね。
ホームズは自分の探偵という仕事に誇りを持っていました。お金を稼ぐため、というよりも、自分の能力を発揮することに喜びを覚えていたのです。
現代で仕事をしている時に思い出したいセリフです。自分の能力が、ホームズほど特殊なものではなくとも、多少なりとも仕事において発揮できていたら、それは最高の喜びにつながるかもしれません。
『チャールズ・オーガスタス・ミルバートン』(1904年)より
「絶望の淵にある淑女に助けを求められたら、紳士たるもの、危険を顧みるべきではない。」
イギリス紳士らしいホームズの一面が垣間見られるセリフです。
スマートに振る舞いますが、女性に潔癖といわけではなく、時折のぞかせるチャーミングな彼の一部分が良く表れています。
ただ推理をして犯人を追い詰めるだけではなく、こんな風に女性や弱い人を惜しみなく助けるホームズだからこそ、今なお愛され続けているのです。
「オレンジの種五つ」(1891年)より
「窮地を脱するには、気力あるのみだ。」
数えきれないほどのピンチを乗り越えてきたホームズだからこそ言える、深みのある言葉です。
通常ならあきらめてしまうような場面でも、ホームズは決して後ろ向きになったり投げやりになったりすることなく、最後まで立ち向かってきました。どのような危機でも、必ず脱するという気力をもっていたからこそ、真実を手に入れることができたのでしょうね。
『緑柱石の宝冠』(1892年)より
「不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる」
物事について推理するとき、多くの人は信じられるかどうかといった主観で判断を下しがちです。そんなことはありえない、おかしい、という感情が先立ってしまうのです。
ホームズは、そういった主観を排除して物事を考えることをこのセリフで教えてくれます。考え抜いて最後に残ったものに対し、奇妙だと感じる心は必要ないのです。
普通の人がたどり着けない真実に迫ってきたホームズならではのセリフです。
『最後の事件』(1893年)より
「君を確実に破滅させることが出来るならば、公共の利益の為に僕は喜んで死を受け入れよう。」
シャーロック・ホームズファンが最もしびれるセリフだ、とよく口にするのがこちら。宿敵モリアーティ教授との戦いの最中に放つセリフです。
モリアーティ教授がどれほど世の中にとって害悪かわかっているからこそ、自分が犠牲になってでも彼を排除したいという強い思いを、端的に表しています。ホームズの正義感の強さと、熱い思いが伝わってきますね。
『シャーロックホームズ』には現代にも通じる、かっこいい名言だらけ!
約100年前の作品とはいえ、現代にも通じるような名言ばかりでしたね。
今回は小説からの紹介でしたが、映画、舞台など他にもホームズの作品はたくさんありますので、ぜひ全部チェックして、自分だけの名言を見つけてみてください。