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ベネディクト・カンバーバッチの軌跡【『シャーロック』から『ドクター・ストレンジ』まで】

2018年6月16日更新

シャーロック・ホームズやスティーヴン・ホーキング博士役で知られるベネディクト・カンバーバッチ。マーベル映画『ドクター・ストレンジ』の主演も決定しました。今回は、そんな彼の軌跡と知られざるエピソードを紹介します。

ベネディクト・カンバーバッチとは

ベネディクト・カンバーバッチ(画像左、右はジョン・ヘイミッシュ・ワトソン役のマーティン・フリーマン)は1976年7月19日生まれのイギリス俳優です。2010年から放送されているドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』で主人公シャーロック・ホームズを演じブレイクしました。今回は、人気俳優ベネディクト・カンバーバッチのデビュー前から現在までの軌跡をご紹介いたします。

ベネディクト・カンバーバッチの軌跡

ベネディクト・カンバーバッチが女王役に?

ベネディクト・カンバーバッチは13歳の頃、シェイクスピアの戯曲『夏の夜の夢』(A Midsummer Night's Dream)で妖精の女王、タイターニアでした。13歳の少年カンバーバッチ演じる妖精は、きっと例えようのない魅力にあふれていたことでしょうね。

将来有望な学生だった

イギリスの名門パブリックスクールである全寮制男子校ハーロー校に通っていたベネディクト・カンバーバッチ。16歳だった当時のGCSE(全国統一試験)の結果を公表はしていませんが、「オックスブリッジ(オックスフォードとケンブリッジの混語)に行けるAレベル(最も良い)を取ることにプレッシャーを感じた」と、成績が優秀であったことが伺える発言をしています。

しかし、ハーロー校の最終年で「大麻と女の子と音楽」に目覚め、勉強をなまけてしまった結果、オックスブリッジ進学の可能性はゼロに......。しかしその後マンチェスター大学で演劇を学び、卒業後もロンドン音楽芸術学院で演技の学習を続けました。

チベットの修道院で英語を教えていた

大学進学前のギャップイヤーに、インドのチベット系仏教寺院で英語を教えていました。彼はその資金作りのためにロンドンの香水店Penhaligon'sで半年間働き、その後すぐにインドのダージリンへと向かいました。 そこでの生活は簡素でしたが、思う存分満喫したそうで、このことを「とても素晴らしい経験」だったと述べています。また、「僧侶と一緒に生活していたので、働く姿や祈りを捧げる彼らの様子を見ることができました。僕は彼らに英語を教えながら関係を築きました」と語っています。

俳優になることに両親は猛反対だった

彼の代表作である『SHERLOCK(シャーロック)』をみなさんはご覧になりましたか?そのシーズン3でシャーロックとマイクロフトの両親が登場する場面があるのですが、この両親役を演じているのは、なんと、ベネディクト・カンバーバッチの実の両親なんです! 彼の両親であるティモシー・カールトンとワンダ・ヴェンサムは、舞台や映画、テレビシリーズを中心に活躍する俳優ですが、ショービズ界が不安定で、人気がいかに一過性のものであるかを十分理解していました。そのため、実の息子には名門大学に進学し、弁護士といった地に足のついた仕事に就いてほしいと思っていたのです。 しかし、彼が大学在学中に参加した『Glengarry Glen Ross』での芝居を鑑賞した父ティモシーは、「お前の演技は俺より素晴らしい。これで喰っていける」とベネディクト・カンバーバッチを後押したそうです。

初期は舞台俳優として活動

ベネディクト・カンバーバッチは、2001年からイギリスの劇場で活動を開始します。オープン・エア・シアター、アルメイダ・シアター、王朝劇場、英国立劇場といった歴史ある舞台で経験を積み、2005年には『ヘッダ・ガブラー』のテスマン役ではローレンス・オリヴィエ賞助演部門にノミネートされました。

『Hawking/ホーキング』の徹底した役作り

2004年のテレビ映画『Hawking/ホーキング』において主役のスティーヴン・ホーキング博士を演じるため、撮影の前に本人と2度会うなど、カンバーバッチは徹底した役作りを行いました。 のちに『SHERLOCK(シャーロック)』や「イミテーション・ゲーム」など、天才を演じ高い評価を受けるカンバーバッチのルーツはここにあります。

南アフリカで誘拐される

ベネディクトは、2005年、英BBCのミニ・シリーズ『To the Ends of the Earth(原題)』に出演した際に生命の危機に直面する恐ろしい体験をしたことを明かしています。 南アフリカで同作の撮影中に、友人2人と共にスキューバ・ダイビングに出かけたベネディクト・カンバーバッチは、セットに戻る帰り道で、車がパンクしてしまいハイウェイで立ち往生するはめに...。するとすぐに6人の武装グループが彼らのもとへやって来たのですが、金目のものがないと分かると、茂みへと連れていき、ベネディクト・カンバーバッチらが履いてきた靴紐で彼らを拘束したそうです。 ベネディクト・カンバーバッチはこの経験を、「ここで僕たちは死ぬのだと思いました」と振り返っています。

ドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』で大ブレイク!

2010年から放送されている、コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』が原作のドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』で主人公シャーロック・ホームズを演じ大ブレイクしました。本作は2014年までに3シーズン放送されている人気ドラマで、2017年にシーズン4の放送されました。 『SHERLOCK(シャーロック)』は1シーズンにつき3話しか放送されないという珍しいタイプのドラマです。1話約90分でひとつの事件を扱うというスタイルで、映画のようなハイクォリティと高評価を得ています。 ガイ・リッチーによる映画版『シャーロック・ホームズ』はアクション映画として新しいシャーロック・ホームズを提示しましたが、カンバーバッチ主演のドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』もまた新しいシャーロック・ホームズを提示しています。本作はなんと現代が舞台。カンバーバッチ演じるシャーロック・ホームズが、スマートフォンを駆使して捜査をします。 第1シーズンを観たら、第2シーズンも観たくなること間違いなしです。

シャーロック役を断るつもりだった!?

ベネディクト・カンバーバッチはシャーロック・ホームズ役を断ろうとしていたのはご存知ですか? シャーロック役のオファーが来た時、シャーロック・ホームズはとても有名なキャラクターなので、自分が演じることによって安っぽくなってしまうのではないかと思い、この話に懐疑的でした。しかし、ドラマのクリエイターであるスティーヴン・モファットとマーク・ゲイティスの熱意に押され、台本読みに参加。すると、すぐに彼は同作を気に入り主演を演じる運びとなりました。 同作で不動の人気を掴み、今では映画やドラマにひっぱりだこのベネディクト。このオファーを蹴っていたら、後悔していたかもしれません。

実際にいた!?「シャーロック・ホームズ」のハドソン夫人

ベネディクト・カンバーバッチの演じるシャーロック・ホームズは、ハドソン夫人ととてもあたたかい関係を築いていますが、これは彼自身の実生活におけるユナ・スタッブス(ハドソン夫人役)との関係そのものと言ってもよいでしょう。 実は彼女はカンバーバッチの母親(女優のワンダ・ヴェンサム)と仲が良く、幼い頃から彼の成長を見守ってきたのです。

映画『ホビット』シリーズではモーション・キャプチャに挑戦

『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚である映画「ホビット」シリーズで竜のスマウグと死人うらない師のモーションキャプチャと声優をつとめました。 どちらのキャラクターも作品上の重要なキャラクターであり、カンバーバッチのモーションキャプチャーは高く評価されました。

『スター・トレック イントゥ・ダークネス』でジョン・ハリソンに

リブート版「スター・トレック」第2弾『スター・トレック イントゥ・ダークネス』で、カンバーバッチはジョン・ハリソンという謎めいたキャラクターを演じました。

オーディション映像はiPhoneであわてて撮影した!?

カンバーバッチは、この役をゲットするまでの面白いエピソードを明かしています。 12月後半、イギリスで休暇を過ごしていた彼のもとにJ・J・エイブラムス監督から「オーディション用のビデオテープを送ってほしい」と電話がかかってきました。ところが、ちょうどクリスマス時期ということもあって、アシスタントや関係者はみんな休暇中だったため、彼は仕方なくロンドンに赴き、親友宅のキッチンで夜遅くにiPhoneを使って映像を録画したそうです。

衝撃の事実!カンバーバッチの先祖とは!?

スティーヴ・マックイーン監督作『それでも夜は明ける』で、奴隷を買う大農園主のウィリアム・フォード役を演じたベネディクトですが、彼の先祖はなんと綿花農場のオーナーだったらしいのです! 1705年に、ブリストルで生まれたジェイコブ・カンバーバッチは、新たな植民地を求めてカリブ海諸島のバルバドスにイギリスからやって来ました。そして後に、彼の子孫がいくつかの農園を所有し、1834年に奴隷制が廃止されるまで、カンバーバッチ家が農園主としてこの土地を支配していたそうです。

ベネディクト・カンバーバッチのもうひとつの代表作『イミテーション・ゲーム』

第二次大戦中にエニグマ暗号の解読に取り組んだイギリスの暗号解読者アラン・チューリングを描いた本作で、ベネディクト・カンバーバッチは主人公アラン・チューリングを演じ、ハリウッド映画賞男優賞を受賞、アカデミー賞主演男優賞ノミネート、米タイム誌「2014年俳優による演技トップ10」第1位に選ばれるなど、演技派俳優として高く評価されました。 ベネディクト・カンバーバッチが演じたアラン・チューリングは現在のコンピューターの元となるチューリング・マシンを発明した天才。しかし、変わり者であるがゆえ周囲と折り合いが悪く暗号解読チームに軋轢をもたらしてしまいます。 変わり者といえば、ベネディクト・カンバーバッチの得意分野。『SHERLOCK(シャーロック)』に負けず劣らず魅力的な変わり者アラン・チューリングを演じています。カンバーバッチの最高傑作という評価もされている本作、『SHERLOCK(シャーロック)』でカンバーバッチの魅力にはまった人にはぜひとも観ていただきたい作品です。

『ブラック・スキャンダル』で極悪ジョニー・デップの弟役を演じる

FBI最大とも言える汚職事件をテーマにしたクライムサスペンス『ブラック・スキャンダル』。ジョニー・デップが悪役を演じることでも話題となりました。ベネディクト・カンバーバッチはジョニー・デップ演じる極悪マフィア、ジェイムズ・“ホワイティ”・バルジャーの弟で政治家のビル・バルジャーを演じています。ズブズブの悪徳政治家を演じるベネディクト・カンバーバッチは必見です。 映画『ブラック・スキャンダル』は2016年1月30日に公開されました。

『ハムレット』に主演!

2015年8月から10月にかけて上演された舞台『ハムレット』において、ベネディクト・カンバーバッチは主人公ハムレットを演じています。舞台からキャリアをスタートさせたカンバーバッチは、ブレイクを経て、舞台に舞い戻ってきたのです。 カンバーバッチは本作で、イギリスの第16回ホワッツ・オン・ステージ・アワードの主演男優賞にノミネートされました。舞台自体も9部門でノミネートされるなど高い評価を受けています。 また、2016年1月に発表された「英国演劇で最も影響のある100人」で15位にランクイン。14位以上は劇作家、プロデューサー、劇場オーナーなどが占めており、俳優としてはカンバーバッチの15位がトップとなります。映画、ドラマ、だけでなく演劇の世界でもトップ俳優と認められました。

映画『SHERLOCK(シャーロック)』が2016年に公開!

『SHERLOCK(シャーロック)』の特別篇『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』は2016年に日本で公開されました。 今回の主な舞台は現代ではなく、19世紀のロンドンになっており、ドラマ版ではスマートフォンなどを駆使していたカンバーバッチホームズがどのように捜査するのかが見どころとなっています。また、パイプをくわえ、ハンチング帽をかぶった19世紀スタイルのホームズにも注目です。

ベネディクト・カンバーバッチがドクター・ストレンジに!

2016年の『ドクター・ストレンジ』以降のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)映画で、カンバーバッチはドクター・ストレンジを演じています。 マーベル・スタジオズの製作社長ケヴィン・フェイグは「ストレンジというキャラクターには卓越した深みや誠実さを持った俳優が必要だ」と語り、彼が起用されたのです。

「ドクター・ストレンジ」とは?

マーベル・コミックのスーパーヒーローの一人、ドクター・ストレンジ。天才的な脳外科医だったが事故にあってしまい両腕の感覚が衰えてしまう。彼は治療を受けるためチベットの魔術師に会い、そこで起こった事件から彼に弟子入り、魔術を身につけます。現在ではマーベル最高の魔術師として知られています。

カンバーバッチは過去を隠そうとしない

先祖の恥ずべき過去を認めているベネディクトは、『それでも夜は明ける』以外にも、18世紀後半のイギリス帝国で奴隷貿易の廃止に努めたウィリアム・ウィルバーフォースの伝記映画『アメイジング・グレイス』で、ウィルバーフォースの親友で若くして首相になったウィリアム・ピットを演じています。 彼の母親は、珍しい苗字ということもあり、この暗い過去を自ら暴くことになるためカンバーバッチという名前を芸名として使用しないよう、彼にアドバイスをしていたそうです。 また、15世紀のイングランド王リチャード3世の"はとこ"の子孫でもあるそうです。

発明王エジソンを演じる!

2017年11月に全米公開される映画『The Current War(原題)』では、ベネディクト・カンバーバッチは蓄音機や発熱電球など数々の歴史的な発明で、世界に多大なる影響を与えたトーマス・エジソンを演じています。エジソンと彼のライバルであったジョージ・ウェスティングハウスの電力システム覇権をめぐるヒューマンドラマです。 ライバルのジョージは、『エベレスト 3D』の出演が記憶に新しいジェイク・ギレンホールが演じています。

『マイティ・ソー バトルロイヤル』でドクター・ストレンジを続投!

『マイティ・ソー バトルロイヤル』にもカンバーバッチはドクター・ストレンジ役で出演しました。 MCU映画の「マイティ・ソー」シリーズの第3弾となる本作で、ドクター・ストレンジはロキと対決する重要な役どころを演じました。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でも大活躍!

そして、記録的な大ヒットを飛ばした『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でも、ドクター・ストレンジは大活躍します。 今回の宿敵は、サノス。アベンジャーズとガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーが結集し、このシリーズ史上最強最悪の強敵に立ち向かいます。

カンバーバッチにまつわるトリビア

モノマネは天才レベル!

ベネディクトは、過去にアメリカの人気長寿アニメ番組『ザ・シンプソンズ』に声優として参加した経歴があります。参加したエピソードはバレンタインエピソードで、彼は2人の人物の声優を担当しています。 まず1人目は、『ラブ・アクチュアリー』でヒュー・グラントが演じたイギリスの首相役、2人目は映画「ハリー・ポッター」シリーズでスネイプ先生を演じたアラン・リックマンなのですが、このモノマネがめちゃくちゃ似てるんです! また、ハリソン・フォードと共にBBCアメリカのトークショーに出演した際には、チューバッカのモノマネを披露し、それを横で見ていたハリソンは、あまりにも似すぎた彼のモノマネに目が点......。ハリソンの驚いた表情とベネディクトの情熱溢れるモノマネのコラボが最高です。

世界一セクシーな男!

2013年にはイギリスの映画雑誌エンパイアがオンラインで一般投票を募って行った「最もセクシーな映画スター」の男性編で1位に選ばれました。 ちなみに、女性編の1位はエマ・ワトソン。また、2015年に同じくイギリスのGQ誌のベストドレッサー賞で第2位にも選ばれており、根強い人気が継続していることを印象づけました。

2014年婚約!2015年には息子が誕生

2014年11月5日に、ベネディクト・カンバーバッチは舞台監督・女優として活躍しているソフィー・ターナーとの婚約を発表しました。ベネディクト・カンバーバッチとソフィー・ターナーは「Burlesque Fairytales(原題)」(2009)で共演しています。英タイムズ紙の慶弔欄での報告というイギリスの伝統的な方法で発表したことでも話題となりました。 2015年には第一子が誕生しました。ベネディクト・カンバーバッチ自身、さらに父のミドルネームでもある”カールトン”というミドルネームを引き継ぎ、クリストファー・カールトン・カンバーバッチと名付けました。

結婚式の立会人にもなる

実はベネディクトが立会人として、ある友人カップルの結婚を執り行いました。結婚式はスペインのイビサ島で執り行われ、彼にとってはこれが初めての立会人。「結婚式の後は子供の誕生日パーティーの司会もするし、バルミツバー(ユダヤ教の成人式)の立会人にもなるよ」とイギリスジョークを交えながら当時の様子を語っています。

ベネディクト・カンバーバッチの今後

モーグリ

2016年にディズニーが映画化した『ジャングル・ブック』を映画化した同名小説を、ワーナー・ブラザースが映画化した本作は、主人公の名前をタイトルにしています。 カンバーバッチはトラのシア・カーンを演じることが明らかになっています。日本公開日は未定ですが、アメリカでは2018年10月19日に公開されることがわかっています。

グリンチ

過去にアニメ化・映画化され、クリスマスの風物詩とも言えるドクター・スースの児童文学『いじわるグリンチのクリスマス』三度目の映像化となる本作は、『ミニオンズ』などで知られるイルミネーション・エンターテインメントによる3DCGアニメ映画となります。 カンバーバッチはタイトルロールであるグリンチの声を演じます。アメリカでは2018年の11月に、日本では12月に公開されます。