バットは主人公・ケンシロウを追いかけながら旅を続けた少年です。最初に登場した頃はズル賢く力が全てという性格でしたが、ケンシロウの強さに惹かれ、共に旅をする事となりました。
旅の中で出会った男たちの生きざまから様々なものを学び、成長していきます。青年になると反乱軍の若きリーダーにまで成長し、奴隷解放のために戦い続けました。
初めはこそドロとして登場
バットが最初に暮らしていた村は井戸が枯れた事で大人たちが出ていってしまい、トヨが1人で孤児と暮らしており、バットはその孤児の1人でした。バットは自分がいれば他の子どもの食料が減るという考えで村を出ますが、最初に登場した時はお調子者で生意気なコソ泥でした。
バットはとある村でタネモミを盗もうとし、なんとか誤魔化そうとするのですがその甲斐もなく捕まってしまいます。ケンシロウとの出会いは、ケンシロウが水を狙う暴漢の仲間と間違われ、バットと同じ牢に入れられたのがきっかけでした。
ケンシロウとの旅路での成長
登場した時のバットはずる賢く利己的で、ケンシロウの事をバカにするようなキャラクター。寧ろケンシロウの強さを利用してやろう、くらいに思っていました。
しかし、ケンシロウの己の利益や見返りを考える事なく弱気者を守るために悪党との闘いに身を投げる誠実な姿に憧れを抱くようになります。
心の中では密かにアニキ、と慕っていました。盗みの技を生かして相手の元に潜り込んだり。時には単身でリンを助けに行くシーンもあり、旅の中で出会ったレイ、シュウ、トキなどの生き様を目にし、自らも育ての母であったトヨの死を乗り越えて成長していきます。
ラオウとケンシロウの決戦を見守る
最初は決戦には自分たちはいらないと判断し留まったバットでしたが、リンとともに最後の戦いを見届ける事になりました。
ラオウとケンシロウの戦いは己の力同士のぶつけ合いでもありましたが、ユリアを巡る物悲しい愛の物語でもありました。
悲しくも辛い結末をリンとバットの2人は最後まで見届けます。ラオウに打ち勝ったケンシロウはユリアを共に荒野へと消えていき、追いかけたい気持ちを堪えながらバットはリンと共にその姿を見送ったのでした。
「北斗の軍」のリーダーに筋肉ムキムキになって成長
ラオウが天へ還り、ケンシロウとユリアが旅立ってから数年。ラオウが倒され平和が訪れたはずの世界でしたが、世の中は再びの混迷の時代へと向かっていました。
バットは数年前とは別人のような逞しい青年となり、帝都への反抗勢力である北斗の軍を率いる若きリーダーへと成長を遂げます。その後の彼は、奴隷解放の為に尽力する戦士となってゆきます。
成長後のバットの活躍
帝都へ向けての進軍中バットはある男と出会います。アインと名乗るその男は賞金稼ぎを生業とする男で、ケンシロウの噂を聞いてやってきていました。
アインには愛娘アスカがおり、バットはアインに「愛するものの為に時代を変える」という生き方を教えます。かつて生意気なコソ泥だったバットの面影はなく、ケンシロウや出会った男達から学んだ信念を掲げる青年へと変わっていました。
自らが軍を率いて進軍し、ケンとヒョウを救い出す活躍ぶりも見せています。
リンとの関係は?
バットはリンに思いを寄せていましたが、リンがケンシロウの事を慕っている事も知っていました。
ある時リンは破孔死環白という秘孔を突かれて記憶を失い気絶してしまいます。破孔死環白は情愛を失いながら気絶し、目覚めた時に見た者を愛するというものでした。
その結果リンはバットを愛する事となり結婚まで行きつくのですが、リンは本当はケンシロウの事を思っているのだとバットは勘違いし続けていました。
リンとケンシロウの秘孔をついて記憶を奪い、2人を結びつけようと画策までしてしまいます。愛するが故の行動でした。
バットの声優は?
北斗の拳にはゲームや劇場版もあり、その都度声優が変わっていますが、テレビアニメではずっと鈴木三枝が担当しています。(後半では鈴木みえの名義を使用しています)
鈴木三枝は一龍斎貞友という名前でも活躍しており、女性講談師、ナレーターとしても活躍しています。
テレビアニメでは1981年の『怪物くん』や『うる星やつら』が初期の出演作品となっており、現在位は長寿番組である『ちびまる子ちゃん』にも登場。この時は子供の役ではなく母親役を演じました。