『アデル、ブルーは熱い色』にまつわる13のトリビアを紹介します
『アデル、ブルーは熱い色』は2013年に公開されたフランス映画です。主人公のアデルという女学生が、ある日青い髪の女性・エマと出会って恋におちる恋愛映画です。
第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、パルム・ドール賞を受賞した話題作にまつわる13個のトリビアを紹介します。
1:女優はノーメイク
この映画の撮影現場にはメイクアップアーティストやヘアスタイリストはいませんでした。女優はほとんどのシーンにノーメイクで出演していたそうです。
2:ほとんどのシーンがアドリブ
出演者たちは1度しか台本を読む機会を与えられなかったそうです。
そのため、撮影の際は台本はほぼ忘れて、アドリブで臨んだことの方が多かったとか。そのため、強要されることなく、自然に出てきたセリフによって映画は構成されています。
3:過酷すぎる撮影にクレーム?
アブデラティフ・ケシシュ監督の撮影方法は、なかなかに過酷なもののようです。
彼はわずかなシーンでも何度も何度も撮影を重ねて、リアリティを追及していきました。その際、演者に対して厳しい口調をとることもあるようです。本映画では、2人の女優によるリアルなシーンが見られますが、それも監督の激しい指導によるものだったそう。ちなみに、本作に出演した女優二人は、もう二度とアブデラティフ監督の作品には出たくないと言っています。
4:異例のパルムドール章受章
本作は第66回カンヌ国際映画祭で、最高賞であるパルム・ドール章を受章していますが、賞は監督だけでなく主演女優の2人にも贈られています。通常は監督にしか送られない中、異例の受賞となりました。
5:レア・セドゥが真剣に取り組んだ役作り
レアが演じたエマは、ボーイッシュな雰囲気のある美学生。その役作りの為に、レアは絵画や彫刻のレッスンを受けたり、美術や心理学に関する本を大量に読んだりしたそうです。
監督は、マニッシュな雰囲気を出すために、身体的なトレーニングをすることも勧めました。また、マーロン・ブランドやジェームス・ディーンの映画を見て、彼らのような特徴を出せるように指示したそうです。
6:撮影中、監督がエマの青髪を染めていた
レアは撮影の数か月前に髪を切り、青くそめました。しかし撮影中は毎日染め直さなければならず、アブデラティフ監督自ら彼女の髪を染めていたそうです。
7:最初の撮影はベッドシーンだった
主人公・アデルを演じたアデル・エグザルホプロスは、レアのことを彼女が出演したCMで見て、知ってはいたのですが共演したことはありませんでした。
そんな二人が初めて一緒に撮影に臨んだのはベッドシーン。初対面の相手といきなり裸で接するのはおかしかったと、アデルは語っています。しかし、このことによって2人はお互いに打ち解けることができ、後の撮影にも影響を及ぼしました。
監督がこのシーンを最初に撮影することにしたのも、レアの役に対する覚悟を計る為と、2人の女優の関係性を作る為だったそうです。
8:カットされた重要なシーン
アデルとエマが一緒にベッドにいるところを目撃したアデルの両親が二人を追い出すというシーンが実は撮影されていましたが、本編ではカットされています。
なので、映画ではいきなりアデルとエマが二人で暮らし出したような印象を受けます。
9:撮影中に流血
アデルとエマが喧嘩をするシーンで、エマはガラスのドアにアデルを押し付けます。その際、アデルはガラスで怪我をしてしまい、血が撮影現場中に飛び散りましたが、監督は撮影をやめなかったそうです。
10:ベッドシーンよりも難しかった別れのシーン
この映画はリアルすぎる女性同士のベッドシーンが話題になりましたが、それよりも別れのシーンのほうがずっと難しかったとアデルは語っています。
別れのシーンでアデルは本当に涙を流しましたが、それは撮影が休憩なしで一晩中行われたからだそうです。
11:主人公の名前がアデルになった理由
主演のアデル・エグザルホプロスの撮影現場外で撮られた映像が、映画中に使われています。電車の中で寝ていたり、撮影前の準備中の映像などですが、当然そこでは、原作の役名のクレメンティンではなく、みんな本名のアデルで彼女を呼んでいます。
その映像を使うために、役名はクレメンティンから本名と同じアデルに変更されたそうです。
12:何時間、何百回と行われた撮影
一つのベッドシーンを撮影するために、10日間かけたそうです。また、歩くだけのシーンを100回も撮影したそうです。
13:レア・セドゥが嫌がったこと
撮影にあたり、レアは監督が望むことはすべて受け入れましたが、唯一拒否したのは役名を本名と同じにすることです。
アデルと同様に、本名と役名を同じにすることを監督はレアに提案しました。しかしレアはエマと自分の性格の違いを主張し、役柄と自身を切り離して演じたかったため、その提案を受け入れませんでした。