タップできる目次
- 1:ベストセラー小説を原作にした、美しくも儚い北欧ラブ・ミステリー(2008)
- 2:ハリウッド映画化もされた人気作品のオリジナル版(2009)
- 3:美しいフレンチアルプスを舞台に繰り広げられる、スウェーデン人一家の物語(2014)
- 4:実在の人物をモデルに、激動の時代を生きた女性写真家の物語(2008)
- 5:パンク・ロックに青春をかけた少女たちの物語(2013)
- 6:構想15年、撮影4年という巨匠スウェーデン人監督によるによるアナログ大巨編(2014)
- 7:奇跡の様な経歴を辿ったアメリカ人ミュージシャンのドキュメンタリー(2012)
- 8:移民の物語を長期ロケによって再現(1971)
- 9:映画史に残る、アート映画の傑作(1921)
- 10:オリジナルは5時間にもなる超巨編(1982)
- 11:映画史に残る作品を生み出した巨匠の歴史的名作(1957)
- 12:『ダ・ヴィンチ・コード』の元になったテンプル騎士団がテーマの歴史活劇(2007)
- 13:激動の国民人権運動をスウェーデン人カメラが収めたドキュメンタリー(2011)
1:ベストセラー小説を原作にした、美しくも儚い北欧ラブ・ミステリー(2008)
小説『MORSE -モールス-』を原作にした吸血鬼映画です。
12歳の少年オスカーは、ストックホルム郊外に父親と二人で暮らしています。彼は学校でいじめにあっており、オカルトや犯罪関係の本ばかり読んでいました。そんな彼の元にある日、不思議な雰囲気を持った少女・エリが現れます。
オスカーの隣に父親と越してきたエリは、学校にも行かずいつも一人きり。次第に惹かれあっていくオスカーとエリですが、彼女の周りで謎の殺人事件が発生していきます。
2:ハリウッド映画化もされた人気作品のオリジナル版(2009)
スウェーデン人作家、スティーグ・ラーソンの推理小説を原作にした映画です。原作は三部構成となっており、スウェーデンではすべて映画化されています。また、2011年にはハリウッドでも『ドラゴン・タトゥーの女』として映画化されました。
ストーリーは、突如失踪した姪を捜索するために、名家ヴァンゲル一族の重鎮・編リックが雑誌「ミレニアム」のジャーナリスト、ミカエルを雇うところから始まります。そして、そして、ミカエルが協力を求めた女性が、調査員のリスベットです。
リスベットは天才ハッカーで、背中にドラゴンのタトゥーがあるのが特徴。性的虐待を受けた過去を持ち、ミカエルと出会うまで他人との関わりを絶って生きていました。次第に心を通わせていくミカエルとリスベットが、少女失踪事件の真相に迫っていきます。
3:美しいフレンチアルプスを舞台に繰り広げられる、スウェーデン人一家の物語(2014)
第67回カンヌ国際映画祭の「ある視点部門」で 審査員賞を受賞しています。
舞台はフランスの高級リゾート地。そこにスキーを楽しみにやってきたスウェーデン人一家が主人公となっています。
普段忙しい父親のトマスが家族サービスに張り切る中、人工的に起こした雪崩に家族は巻き込まれることに。幸いにも大事には至りませんでしたが、雪崩が直撃した時のトマスの“予想外の行動に”家族の仲がぎくしゃくし始めてしまい・・・。
バカンスが終わる前に、家族の信頼を取り戻そうとトマスは奮闘します。
4:実在の人物をモデルに、激動の時代を生きた女性写真家の物語(2008)
スウェーデンで最も著名なヤン・トロエル監督による作品です。日本では、2014年2月に開催された“トーキョーノーザンライツフェスティバル”で初公開となりました。
20世紀前半を舞台にした作品で、スウェーデンで中産階級の人々をテーマにしています。主人公の主婦、マリア・ラーションは、オークションでカメラを落札したことをきっかけにプロの写真家になっていきますが、これは実在の人物をモデルにしています。
貧しさと家庭内暴力に耐えながら、カメラで人生を変えていった女性の物語です。
5:パンク・ロックに青春をかけた少女たちの物語(2013)
ココ・ムーディソンが自身の経験をもとにしたグラフィック・ノベルが原作です。映画は、第26回東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、東京サクラグランプリを受賞しました。
舞台は1982年のストックホルム。2人のパンク・ロック好きの少女、ボボとクララは周囲から仲間はずれにされていました。同年代の男の子に対抗する為にバンドを結成することにした2人ですが、楽器が弾けません。
そこで、内気ですがクラシックギターが弾ける女の子、ヘドウィグを誘います。反対する母親も説得し、髪をショートにした3人のパンクバンド活動がスタートします。
6:構想15年、撮影4年という巨匠スウェーデン人監督によるによるアナログ大巨編(2014)
第71回ヴェネチア国際映画祭で、グランプリを受賞した作品です。
主人公は、サラリーマンのサムとヨタナン。面白グッズを売ることを生業にしているさえない二人ですが、いろんな人生模様を目撃していきます。哀しいけど、ちょっと可笑しい人々の人生模様は、まるで万華鏡をのぞいているようです。
監督のロイ・アンダーソンは40年の映画人生の中で、本作を含め5つしか映画を撮っていませんが、どの作品も現代スウェーデンとそこに生きる残念な人々にスポットを当てた傑作コメディです。
7:奇跡の様な経歴を辿ったアメリカ人ミュージシャンのドキュメンタリー(2012)
ロドリゲスというアメリカ人ミュージシャンのドキュメンタリー映画です。通称“シュガーマン”の彼の歌は、南アフリカ共和国で反アパルトヘイト闘争のテーマソングとして大ヒットしました。
監督のマリク・ベンジェルールは、他にもクラフトワークやビヨーク、エルトンジョンなど多くのミュージシャンのドキュメンタリーを手掛けています。
しかし、アメリカでデビューし、たった2枚のアルバムしか収録していないにも関わらず、遠く離れた南アフリカで大ヒットを記録したというロドリゲスの経歴は、どのミュージシャンよりも特徴的で面白いものに違いありません。
8:移民の物語を長期ロケによって再現(1971)
ヴィルヘルム・モーベルイ著の長編小説を原作としています。第45回アカデミー賞では4部門にノミネート、第30回ゴールデングローブ賞では主演女優賞と外国語映画賞を受賞しました。
舞台は19世紀の中頃。スウェーデンからアメリカへと渡った農民一家を描いた映画です。現代では考えられないような苦労をして、移民という選択をした小作人の長い道のりを、アメリカでの長期ロケ撮影により再現しています。
9:映画史に残る、アート映画の傑作(1921)
後世の映画監督にも多くの影響を与えた、シェストレム監督の最高傑作と言われるサイレント映画です。フラッシュバックを多用したり、二重露光を使用して撮影したり、当時としては革新的な映像表現が使われています。
物語の主人公は、ダヴィッド・ホルムという中年男です。自堕落な生活をしていたダヴィッドは、大晦日の夜に仲間たちと喧嘩をし、命を落としてしまいます。
霊魂となった彼のもとに、死者の魂を集めるという「幻の馬車」が現れますが、その馬車の馭者は一年前に亡くなったダヴィッドの友人でした。彼と共にダヴィッドは自分の罪を悔い改める旅に出ることに。
10:オリジナルは5時間にもなる超巨編(1982)
第56回アカデミー賞で、4つの賞(外国語映画賞、撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞)を受賞した作品です。
20世紀初頭のスウェーデンを舞台に、裕福な一家エクダール家を、年頃の兄妹・アレクサンデルとファニーを中心に描いた物語です。
1970年のクリスマスから始まり、一家に起こった出来事を約2年間にわたって丹念に描く本作は、全5部構成の超大作となってです。
11:映画史に残る作品を生み出した巨匠の歴史的名作(1957)
映画の歴史に燦然と輝く傑作を生み出し続けた巨星・イングマール・ベルイマン。実はスウェーデン人です。彼の作品について取り上げないわけにはいかないでしょう。
本作品は、1957年のカンヌ映画祭にパルム・ドール候補としてノミネートされていました。残念ながら、受賞とはなりませんでしたが審査員特別賞が監督のイングマール・ベイルマンに送られています。
物語の舞台は、十字軍の遠征が終わった直後のスウェーデン。10年の長期遠征から帰国した騎士・アントニウスと従者・ヨンスは、黒死病が蔓延し神に救いを求める国民たちを目の当たりにします。
アントニウスの背後には彼を追ってきた死神がついていて、彼の死を宣言します。アントニウスは自らの命を賭けて死神にチェスの勝負を挑みます。
12:『ダ・ヴィンチ・コード』の元になったテンプル騎士団がテーマの歴史活劇(2007)
十字軍の中でも活躍した伝説の部隊、「テンプル騎士団」をテーマにした作品です。この騎士団は映画『ダ・ヴィンチ・コード』のモチーフにもなっている謎めいた存在です。
戦乱の中世ローロッパに生まれたアーンは、剣の才能を生かし剣士として活躍していました。そんなアーンは、実は国の王女である美少女・セシリアと恋に落ちてしまいます。
しかしアーンの一家は、王と距離を置いていたため二人は引き裂かれ、アーンはテンプル騎士団として中東エルサレムへ、セシリアは北欧の修道院へ送られることに。
戦いを生き抜いて、セシリアを救い出すことを胸に、アーンはイスラム軍に挑んでいきます。
13:激動の国民人権運動をスウェーデン人カメラが収めたドキュメンタリー(2011)
スウェーデン人監督による、60年代~70年に代アメリカでおこった公民権運動のドキュメンタリー映画です。
当初アメリカでは、アフリカ系アメリカ人によるブラックパワー運動が起こっていました。権力に立ち向かい、自由と平等を主張したアメリカ系アフリカ人の迫真に迫る姿を、スウェーデンのテレビ局が映像に収めたものです。
監督であるヨーラン・ヒューゴ・オルソンは、現代のアメリカ社会で活躍するアフリカ系アメリカ人にそれらの映像を見てもらい、収集したコメントから映画を制作しました。