新旧ドラマ『西遊記』のキャストを比較してみた

2017年7月6日更新

2006年に放送されたドラマ『西遊記』はまだ記憶に新しところですが、1978年には初代『西遊記』が放送されていました。当時の大人気ドラマであったこの二つの『西遊記』の新旧キャストを比較してみました。

中国の伝奇小説『西遊記』が2度も実写ドラマに!

新『西遊記』2006年

西遊記

三蔵法師が旅の途中で出会った弟子たちとの天竺までの冒険を描いた物語です。旧『西遊記』では、その昔石から生まれた凶暴な猿である孫悟空でしたが、今作ではその設定はなく、三蔵が旅を続ける中で最後に出会った仲間が孫悟空でした。

原作や旧『西遊記』にはない新『西遊記』ならではのオリジナルな設定が1番の見所。筋斗雲が羽であったり、孫悟空、沙悟浄、猪八戒の三人の弟子たちに差はなく共に旅する仲間同士という描かれ方をしている、三蔵法師の乗っている馬が登場しない、などがありました。

旧『西遊記』1978年

『西遊記』2

出典: laughy.jp

その愚かな行いが祟り、天界から追放され山に封印されてしまった孫悟空は、天竺へと旅をする三蔵法師に助けられ、自由の身になります。しかし、菩薩の命令で三蔵法師に弟子入りをした悟空は三蔵と旅を続けなくてはいけない事に。その後の旅の途中で出会った二番弟子沙悟浄、三番弟子猪八戒と共に天竺を目指し、それぞれに助け合いながら成長をしていきます。

比較的原作に忠実な旧『西遊記』ですが、男性の僧侶である三蔵法師を女優が演じる、という演出はこのドラマから。また、それぞれのキャストの個性を反映させたキャラクター設定もこのドラマの大きな魅力です。

孫悟空

香取慎吾/2006年

香取慎吾の演じる孫悟空は初代『西遊記』の孫悟空のキャラクター設定とは異なっており、三蔵法師の一番弟子ではなく三番目に出会った弟子であったり、筋斗雲が羽状であったりします。豪快で聞き分けがなくお調子者、単純でちょっとバカだけれど正義感がとても強く純粋、と香取慎吾ならではの魅力を生かした新しい孫悟空像を見せてくれています。

香取慎吾は、1988年にSMAPのメンバーとしてデビューします。テレビドラマへの出演は、1995年に放送された『透明人間』初の主演となり、2000年には慎吾ママというキャラクターで、シングル『慎吾ママのおはロック』を発表したり、バラエティ番組『SmaSTATION!!』で司会を務めるなど幅広い分野で活躍をしています。

2004年の大河ドラマ『新選組!』では近藤勇役で主演を務め、大きな話題となり2009年には漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の実写ドラマで両津勘吉役を演じました。

堺正章/1978年

堺正章『西遊記』

出典: mimizun.com

(右から2番目が堺正章)

堺正章と言えばこの孫悟空役が思い浮かぶほど、リアルタイムでこの『西遊記』を見た人にとっては忘れらないほどのハマり役です。短気な性格の乱暴者ですが、明るくひょうきんなところがあり、旅を続けるうちに次第に優しく面倒見の良い性格へと変化していく悟空の心の成長も堺正章は見事に演じています。

堺正章はバンド「ザ・スパイダース」のボーカルとしてデビュー後、歌手、役者、コメディアン、司会者として幅広い分野で活躍を続けています1970年から放送された『時間ですよ』シリーズで役者としての人気を得て、1980年に主演を務めた『天皇の料理番』の秋山徳蔵役や1998年の大河ドラマ『徳川慶喜』での新門辰五郎役は広く知られています。

沙悟浄

内村光良/2006年

内村光良1『西遊記』

出典: prcm.jp

2006年版『西遊記』で沙悟浄役に大抜擢されたのは内村光良です。三蔵法師の一番弟子であり、そのため悟空や八戒には兄弟子っぽく振舞うことが多くあります。いつも落ち着き払っている冷静な性格で、頭の回転の速いキレ者。しかしどうしょうもない女好きで、女性に頭の皿を見られるのをとても嫌がっています。

ウッチャンナンチャンとして活動するお笑いタレントである内村光良ですが、役者としても精力的に活動し、テレビドラマでは2000年『バスストップ』や2002年『僕が地球を救う』では主演を務め、また映画監督としても作品を発表しています。2013年の監督作品映画『ボクたちの交換日記』では売れないお笑いコンビの葛藤と青春の日々を描き、話題となりました。

岸部シロー/1978年

岸部シロー2『西遊記』

岸部シロー演じる初代『西遊記』の沙悟浄は、つかみどころがなく少々難解なキャラクターです。一見クールで理知的に見えますが、実は心配性で涙もろく、ロマンチストという意外な一面があります。悟空の短絡的な行動や八戒の女好きな一面を軽蔑している素振りを見せていますが、何度となく簡単に恋に落ちては破局しており、女性には弱い性格であると思われます。

岸部シローはバンド「ザ・タイガース」のギタリストとして活躍した後は、アイドルや歌手のステージで司会業を行う傍らテレビドラマにも多数出演しました。この『西遊記』の沙悟浄役でさらに人気者となった岸部は、活動の場を広げ1984年に『ルックルックこんにちは』の司会を務め、この番組は13年間放送される長寿番組となりました。

猪八戒

伊藤淳史/2006年

内村光良 『西遊記』

(右が伊藤淳史)

2006年版の『西遊記』で一番キャラクター設定が大きく異なっていたのは、この猪八戒ではないかと思います。伊藤淳史のこれまで演じてきた役どころにも通じる泣き虫で気弱、いじめられた過去があるという、損な性格の猪八戒はとても意外性があり、歴史あるストーリーに新鮮な色を投じていました。

伊藤淳史は子役タレントとして幼い頃から多数のテレビ番組に出演しており、中でも『とんねるずのみなさんのおかげです』のチビノリダー役は有名です。伊藤淳史が注目を集めたのは2005年放送の『電車男』で、アキバ系オタクの青年を演じ話題となりました。2008年には『チーム・バチスタの栄光』で単独での初主演を果たします。

西田敏行/1978年

西田敏行『西遊記』

西田敏行演じる猪八戒は、女好きで大食漢であり、常に邪な心を抱いており隙あらば三蔵法師に取り入ろうとするような抜け目のない性格です。しかしその独特のユーモアと愛嬌にあふれた振る舞いがどこか憎めず非常に魅力的なキャラクターとなっていました。

西田敏行は、1980年に主演を務めたドラマ『池中玄太80キロ』で人気と注目を集め、その後はドラマ出演以外にもバラエティ番組でのコントやトークでも人気を得ました。1988年に公開された映画『釣りバカ日誌』ではお気楽でマイペースな浜崎伝助を演じ、この映画は22年も続く大人気シリーズとなりました。

三蔵法師

深津絵里/2006年

深津絵里『西遊記』

高貴な生まれであり、お師匠さんと慕われているはずであるのに、深津絵里の演じる三蔵法師は泣き虫であったり打たれ弱かったりと、とても頼りなげです。そのくせ頑固で融通が効かないところがあり、それを自分で気づいていない少し天然な一面もあります。深津絵里ならではのとてもキュートな三蔵法師でした。

JR東海のCMガールとして注目を集めた深津絵里は、1997年放送のドラマ『踊る大捜査線』で知られるようになり、1998年に主演を務めた『きらきらひかる』は、続編が何度も放送されるほどの人気ドラマとなりました。2000年の『天気予報の恋人』や2001年『カバチタレ!』、2002年『恋ノチカラ』での役柄で働く女性の恋や日常を等身大に演じ、多くの女性ファンを得ました。

夏目雅子/1978年

夏目雅子『西遊記』

クールで憂いを帯びた美しさが印象的な夏目雅子が演じた初代三蔵法師は、真面目すぎるほどの堅苦しい性格の頑固者です。少し独りよがりでヒステリックなところもありましたが、旅を続けるうちに自分の性格の欠点に気づき、徐々に寛大さや優しさを表していくようになります。

1976年に放送されたドラマ『愛がみえますか』のヒロイン役オーディションで勝ち取りデビューした夏目雅子。翌年には『トラック野郎・男一匹桃次郎』で映画に初出演し、人気を得ます。1982年に主演を務めた『鬼龍院花子の生涯』ではヌードも辞さない迫真の演技で大変な話題となり、夏目雅子の代表作となりました。

新シリーズのみのキャラクターたち

凛々/水川あさみ

水川あさみ

行く先々で盗むを働いている娘で、悟空とはいつも喧嘩ばかりしているけれど、実は密かに想いを寄せています。子供っぽい性格のためなかなか素直になることができず、悟空に気持ちを伝えられないまま時を過ごしてしまいます。

2006年に放送開始された『のだめカンタービレ』での三木清良役で人気女優となる水川あさみですが、デビューは『劇場版 金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』です。その飾らないキャラクターとクールなルックスからシリアスからコメディまで幅広く演じることのできる女優として活躍し、2013年『シェアハウスの恋人』、2014年には『東京スカーレット~警視庁NS係~』で主演を勤めています。

老子/大倉孝二

大倉孝二

天上界にいて、悟空たちが退治した妖怪を連行する役人であるのがこの老子です。明るくひょうきんなところは憎めませんがスケベで女好き、軽薄なところが目立つため、悟空たちからはまったく尊敬されていないという残念なキャラクターです。

ユニークで個性的、飄々としたキャラクターを演じることが多い大倉孝二ですが、2002年に出演した映画『ピンポン』のアクマ役で人気と知名度を得ます。2010年にはNHK連続テレビ小説にも出演し『ゲゲゲの女房』で村井茂の兄の村井雄一役を演じました。

『西遊記』の主題歌を務めたのはこのバンド!

Around The World/2006年

モンキーマジック

2006年放送の『西遊記』の主題歌はMonkey Magicの『Around The World』です。メンバー全員ゴダイゴの大ファンというだけあってファンクテイストあふれる楽曲の中にも異国情緒あふれる番組の雰囲気に良く合った楽曲となっています。サビの壮大なスケール感が旅を続ける三蔵法師一行の胸の内を思わせます。

Monkey Magic/1978年

ゴダイゴ『Monkey Magic』

出典: eigaflex.com

初代『西遊記』の主題歌はゴダイゴの『Monkey Magic』です。ゴダイゴの8枚目のシングルであるこの曲は全英語詩で描かれており、異国情緒あふれる不思議な雰囲気をドラマに添えています。歌詞の内容も西遊記の物語を歌っており、ドラマと一体となって一つの世界を作り上げていました。