2019年5月22日更新

映画『関ヶ原』あらすじ&豪華キャスト一覧【なぜ「つまらない」と評価されているのか考察】

映画『関ケ原』
(C)2017「関ヶ原」製作委員会

司馬遼太郎の人気歴史小説『関ヶ原』が2017年に実写映画化されました。主人公の石田三成役に岡田准一を迎えたほか、豪華キャストが脇を固めます。今回はそんな本作のあらすじ・キャスト、さらに気になる映画の評価を紹介します。

映画『関ヶ原』に豪華キャストが集結!作品はどう評価された?

司馬遼太郎の同名小説を、映画『駆込み女と駆出し男』などの原田眞人監督が、25年にもおよぶ構想の末に映画化した2017年公開の『関ヶ原』。 NHK大河ドラマを筆頭に、様々な媒体で取り上げられてきた「関ヶ原の戦い」を初めて真正面から、映画作品として描いた意欲作です。主演は岡田准一、有村架純や役所広司ら豪華キャストを迎え、「戦国エンタテインメント超大作」と銘打ったのですが……。 実は本作、興行成績に反して、評価には「つまらない」「駄作」という声も少なくありません。 この記事では、映画『関ヶ原』のあらすじやキャストとともに、映画の評価を紹介します。

映画『関ヶ原』あらすじ

石田三成は幼くして豊臣秀吉に才を認められ、小姓から大名へ取り立てられた後に、猛将と名を馳せた牢人・島左近(しまさこん)を家来としました。 伊賀の忍び・初芽も三成に仕え、2人は許されない恋を育みます。そんな中、秀吉の不調に乗じて、徳川家康が天下取りの「野望」を燃やし暗躍。彼は「正義」を信じる三成と折り合いが悪く、1598年に秀吉が死去すると、家康の影響力が急速に増していくのでした。 そして、西暦1600年10月21日。三成は決戦の地・関ヶ原に盟友、大谷刑部らと「西軍」として赴き、家康率いる「東軍」と相対することに!数で勝る「西軍」はなぜたった6時間で敗北したのか、隠された真実とは?初芽との恋の行方は……?

主演は岡田准一!映画のメインキャスト

石田三成/岡田准一

豊臣秀吉の忠実な家臣で、秀吉が病に伏せた途端、天下への野心を表面化していく徳川家康へ強い憎悪を抱くようになる石田三成。己の正義を貫き、最後まで戦った男を演じたのは、ジャニーズ所属の人気グループ「V6」の岡田准一です。 本業はアイドルでありながら、俳優としても実力を認められ、映画『永遠の0』(2013)などで多くの映画賞を受賞しています。 三成と言えば、小賢しく嫌味なイメージで描かれがちでしたが、義を重んじる故に不器用な“純粋すぎる”武将という新たな三成像を体現した岡田。撮影現場では”岡田”三成と呼ばれるハマりっぷりで、第41回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞しました。

初芽/有村架純

有村架純
©︎ciatr

羽柴(豊臣)秀次の側室候補だった、最上家の駒姫お付きの忍び・初芽。駒姫の処刑後、度胸を買われて三成に仕えることになるくノ一を演じたのは有村架純です。 有村はNHK連続テレビ小説『あまちゃん』や映画『ビリギャル』(2013)などに出演し、可愛いだけでなく、演技もできる女優として知名度を上げました。近年では、ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』で月9初主演を果たし、その切ない演技が話題に。 原作の初芽は武家の「間者」でしたが、映画では伊賀の「忍び」に変更され、初の本格時代劇で殺陣などのアクションにも挑戦しました。

徳川家康/役所広司

役所広司 関ヶ原
(C)2017「関ヶ原」製作委員会

徳川家康は秀吉の死後、その遺訓を無視し、三成を挑発。天下を取るために野望を燃やし、狡猾な一面も持つ戦国武将です。劣勢に見えた東軍を天才的な指揮で勝利に導き、歴史上の人物の中でも特に有名な彼を、名優・役所広司が演じました。 役所は原田組の常連で、2015年版『日本のいちばん長い日』などで主演を務めただけあり、原田監督との相性はぴったりです! 「泣かぬなら鳴くまで待とう時鳥」のように慎重で、臆病者とされてきた家康ですが、今回は老獪で狡猾な「古狸」のイメージに。役所が”善人”として振る舞うほどに、逆に”悪人”に見えてくると評価され、日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞しました。

石田三成率いる“西軍”キャスト

島左近/平岳大

石田三成の側近で、破格の待遇をもって迎えられた猛将・島左近を演じるのは、平岳大です。平幹二朗と佐久間良子の息子であることは言うまでもありません。

2002年に舞台『鹿鳴館』で俳優としてデビューし、同作で父母と共演も果たしています。

その甘いマスクと父親譲りの鋭い目力で、ドラマ、映画において活躍しています。2013年には時代劇映画『蠢動 -しゅんどう-』で初主演に挑戦しました。2016年に一般女性と結婚しています。

小早川秀秋/東出昌大

東出昌大 関ヶ原
(C)2017「関ヶ原」製作委員会

豊臣秀吉の養子で、関ヶ原の戦いで家康に寝返った小早川秀秋。演じるのは俳優、ファッションモデルの東出昌大です。妻は女優、モデルの杏。

高校時代からモデルとして活躍し、2006年から2011年までパリコレにも出演していました。2012年に映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビュー。以来、ドラマ、映画に出ずっぱりです。

高身長のイケメンである身体的特徴を活かして、『クローズEXPLODE』(2014)、『GONIN サーガ』(2015)、『デスノート Light up the NEW world』(2016)などの映画で主演も果たしています。

直江兼続/松山ケンイチ

石田三成と結託し、家康を討とうとする直江兼続。本作の中で関ヶ原の戦いの発端を作るという、とても重要な役どころです。家康を怒らせるために直江状を送りつけるなど、肝が据わった男です。

そんな直江兼続を演じるのは松山ケンイチです。2006年映画『デスノート』でLを演じたことで人気を博し、その演技力から数々の映画・ドラマに出演。役柄によって外見を自在に操ることから”カメレオン俳優”と呼ばれることも多く、2016年に公開された映画『聖の青春』では体重を20キロ増量して撮影に挑みました。

花野/中越典子

うふふ❤️ 雑誌撮影でテンション上がってるの、ず。 #たまごクラブ

中越典子さん(@nakagoshi_noriko.official)がシェアした投稿 - 2017 3月 12 10:52午後 PDT

島左近の妻・花野を演じるのは、中越典子。1979年生まれのタレント、女優です。

1999年のドラマ『天国のKiss 』で女優としてデビューし、『王様のブランチ』などの情報番組にも出演していました。

女優としてのキャリアは2007年からの『必殺仕事人』シリーズ、2007年の『夕凪の街 桜の国』、2011年の『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』などの映画があります。2016年に夫・永井大との間に第一子を妊娠・出産したことを発表しました。

尼僧・妙善/壇蜜

石田三成の腹心である島右近の、昔馴染みの尼僧・妙善を壇蜜が演じます。

壇蜜は、1980年生まれのグラビアアイドル・女優。女優としての活動はドラマ『アラサーちゃん』やNHK連続テレビ小説『花子とアン』などがあり、妖艶な雰囲気と上品な仕草からグラビアアイドルという職業ですが女性からの指示も集めています。

また、セクシーな役柄を演じることが多い壇蜜ですが、今回の役柄は尼僧ということからセクシーとは少し離れた新しい壇蜜を見ることができます。

家康率いる”東軍”キャスト

井伊直政/北村有起哉

北村有起哉

徳川家康を支え、東軍指揮の中心的存在であった井伊直政を演じるのは、北村有起哉です。1974年生まれ、俳優・北村和夫の息子で、主に舞台、映画を中心に活動してましたが、2010年前後からテレビドラマにも多数出演しています。

1998年、今村昌平監督の『カンゾー先生』で俳優デビュー。以来、いぶし銀のようなバイプレーヤーとして活躍しています。

『赤い橋の下のぬるい水』(2001)、『トリック劇場版2』(2006)、『駆込み女と駆出し男』(2015)などの出演作があります。北村有起哉は写真右下の人物です。

蛇白/伊藤歩

伊藤歩

伊賀忍者として徳川家康に仕える蛇白を演じたのは、女優の伊藤歩です。1980年生まれで、1993年に大林宣彦監督の『水の旅人-侍KIDS-』でデビューします。

1996年に岩井俊二監督の『スワロウテイル』に出演し、日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。以来、岩井俊二作品の常連になります。

また、CHARA、YUKIらとバンド「Mean Machine」を結成し、ヴォーカルを担当していました。2015年には『その男、意識高い系』で連続テレビドラマ初主演と、充実した活動を行っています。ドラマ、映画と出演した『昼顔』では、彼女の演技がSNSで話題になるほどでした。

福島正則/音尾琢真

福島正則は、豊臣秀吉の家臣でしたが、石田三成と険悪な仲になり徳川方につく人物です。演じたのは音尾琢真。1976年生まれのタレント、俳優で、大泉洋、安田顕らも所属する演劇ユニット・Team Nacksのメンバーです。

当初は舞台を活動の場に定めていましたが、2005年前後からテレビドラマ、映画など活動の幅を拡げていきました。また、自身の舞台で作詞・作曲も行うなどのマルチな才能をかいま見せています。

近年は『日本で一番悪い奴ら』(2016)、『牝猫たち』(2017)など白石和彌監督作品に出演しています。写真右が音尾琢真です。

黒田長政/和田正人

織田信長、豊臣秀吉に仕え、最後は徳川家康につき、東軍の武将として活躍する黒田長政。演じるのは、俳優の和田正人です。1979年生まれで、元々は陸上の選手でしたが、俳優に転身したという変わった経歴をもっています。

2005年に『ミュージカル テニスの王子様』の千石清純役で俳優デビュー。2007年『死化粧師 エンバーマー 間宮心十郎』でテレビドラマ初主演を務め、2013年のNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』の主人公の幼なじみ・泉源太役でブレイクします。

2017年にタレントの吉木りさとの結婚を発表しました。

映画を盛り上げたその他のキャスト

豊臣秀吉/滝藤賢一

滝藤賢一

天下統一を成し遂げた関白、豊臣秀吉を演じるのは名脇役・滝藤賢一です。1998年から2007年まで、仲代達矢が主催する養成所「無名塾」に在籍し、舞台を中心に活動していました。同期には真木よう子がいます。

2008年に、原田眞人監督の『クライマーズ・ハイ』に出演し、新聞記者役が注目されます。これ以降、映画、テレビドラマに頻繁に顔を出すように。

2010年の『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』の中国人刑事役、2013年のテレビドラマ『半沢直樹』における主人公の同僚役などでブレイクします。

北政所/キムラ緑子

キムラ緑子

豊臣秀吉の正室、北政所役は、女優・キムラ緑子です。1961年生まれで、夫は俳優、劇作家、脚本家、演出家のマキノノゾミ。

1984年にマキノノゾミが旗揚げした劇団「M.O.P.」に参加して以来、劇団の看板女優となります。2000年前後からドラマや映画にも出演。近所のおばちゃんから高貴な婦人まで演じ分けられることから、「カメレオン女優」と呼ばれています。

特に2013年のNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』で、主人公・杏をいじめる義理の姉役で注目を集めました。2015年には、『駆込み女と駆出し男』、『海街diary』、『日本の一番長い日』と立て続けに話題作に出演しています。

松平忠吉/吉村界人

#Other#Cut #シネコン#吉村界人

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徳川家康の息子であり、関ヶ原の戦いで活躍した若き武将、松平忠吉を演じるのは吉村界人です。

美男であったと後世に伝わっている忠吉なので、イケメン若手俳優である吉村にはぴったりの役柄となりました。

前田利家/西岡德馬

西岡徳馬

豊臣秀吉の五大老の1人、前田利家を演じるのはベテラン俳優・西岡徳馬です。もともと子役として活躍していましたが、1970年に文学座に入団します。

数々のドラマ、映画に出演していますが、「極道の妻たち」シリーズなどでヤクザの幹部役が多かったことから、強面のイメージがあります。また、1991年のドラマ『東京ラブストーリー』でヒロインのダンディーな上司役も注目されました。

バラエティー番組への出演も多く、2016年の『ダウンタウンガキの使いやあらへんで‼︎大晦日年越しSP 絶対に笑ってはいけない科学博士24時』でのコメディアンぶりが話題になりました。

その他にも多くのキャストが登場!

天下分け目の戦いと称され、日本史上最も有名な戦いと言っても過言ではない関ヶ原の戦いを実写化するにあたり、メインキャスト以外にも数多くのキャストが出演しています。

島津の退き口で知られる島津豊久や、徳川の家臣として活躍した本多忠勝なども登場し、島津を三浦誠己が、本多を天乃大介が演じています。さらには上杉景勝を辻本晃良、本多正信を久保酎吉が、赤耳は中嶋しゅうが演じるなど、実力派揃いです。

史実「関ヶ原の戦い」と司馬遼太郎による原作小説を解説

『関ヶ原』
(c)2017「関ヶ原」製作委員会

慶長5年9月15日(西暦1600年10月21日)に、三成率いる「西軍」(約10万)と家康率いる「東軍」(約7万)が、美濃国(岐阜県)関ヶ原で激突した「関ヶ原の戦い」。 戦国史上最大の合戦の発端は、上杉景勝の家老・直江兼続が、西笑承兌(さいしょうじょうたい)に宛てた書簡「直江状」でした。この書簡が挑発的な内容であったことから、家康はその内容に激怒し、後の合戦に繋がる「会津征伐」を決意したようです。 豊臣政権も盤石ではなく、秀吉の死後、家康は諸大名を糾合して三成と対立。西軍の多くが家康の巧みな根回しにより陣を動かず、秀吉の養子であった小早川秀秋の裏切りもあって、三成は惨敗します。三成は処刑され、秀吉の三男・秀頼は60万石の大名に転落、徳川の覇権が確立しました。 日本を二分し、国の行く末を決めた戦い、”天下分け目の戦い”とも呼ばれてきました。

原作は歴史小説の大家・司馬遼太郎の代表作の一つ『関ヶ原』

司馬遼太郎の歴史小説『関ヶ原』は、「週刊サンケイ」誌上で1964年~1966年にかけて連載され、書籍の累計部数は590万部を突破しました。 石田三成と徳川家康周辺の人間模様と謀略戦を軸に、各地の有力大名の内情も交えつつ、マルチな視点で天下分け目の戦いに至るまでを描きます。ほぼ史実に基づきますが、後世に語り継がれる過程で脚色された「通説」を取り入れており、現代では見直された事実も。 特に三成と恋に落ちる初芽については、1974年発売の文庫版下巻の解説で架空の女性だと明記されているため、史実通りではありません。

評価には「駄作」「つまらない」との声も!?原因は早口?

映画『関ケ原』
(C)2017「関ヶ原」製作委員会

映画『関ヶ原』は濃密な人間ドラマを描き、京都・東本願寺、姫路城など各地の国宝級・歴史的建造物で大々的なロケを行っています。総勢3000人規模のエキストラに、のべ400頭に及ぶ騎馬や鉄砲隊が入り乱れる大迫力の合戦シーンが見どころでした。 もちろん、それらは評価を得ているのですが、厳しい意見も目立ちました。 特に多いのが、原作未読、史実を知らない観客に優しくない、という指摘です。原作3巻分の内容を2時間に収めるためか、短いカット割りで次から次へ話が進み、膨大な登場人物たちの事情が交錯するにもかかわらず、字幕などによる解説はほぼありません。

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原作既読。さすがにサクサク進む。思ってたよりよかった。とにかくセリフが聞き取りづらいので字幕が欲しい。

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三成カッコよすぎの、司馬遼太郎原作(未読)映画。 原田監督特有のテンポの良い編集は今作でも健在。 もともと史実として結果の判っている題材を扱っている「〜あさま山荘」、「〜いちばん長い日」が直近の原田作品にはあるが、それらと違うのは視点の数。 前二作は対立する一方に寄り添い、他方にはあまり重点を置かない構成だったが、関ヶ原は家康と三成の2人に焦点を定め、その周りで翻弄される人間模様が描かれる。権謀術数渦巻く群像劇故、誰が何を言っているのか、誰のことを言っているのか、早い台詞回しとカットの切り返しで一瞬見失うと取り戻すのに必死になる。 また、その情報の洪水の中、更に周到で計算づくの家康に対し、仁や義で豊臣家を守ろうとする三成の姿は、話が進むにつれてどんどん痛々しさを増してゆく。劇中で家康(役所広司)が、「ワシが時間をかけて三成を育てた」と言うように、打つ手打つ手が最終的に家康に絡め取られてゆく。だからだろう。たまに見せる妙に人間臭い挿話にグッと気持ちを持っていかれてしまう。 クライマックスの合戦シーンは流石の迫力。(若干小競り合いの積み重ねに見えなくもないが)前半で溜め込んだ諸将の鬱憤はここで爆発。戦場にまで持ち込まれた感情や情報のもつれが三成を追い詰める。(ここまでくると、流石に余裕綽々の家康が憎たらしく思えてくる。) 最後に、やはり戦の陰には女あり、なんだなと。 2017.08.28 TOHOシネマズベイシティ

頼りは台詞ですが、全編通してとにかく早口で、ほとんど聞き取れないとの声も!役者の熱量は素晴らしいのに、他の音と重なって聞こえないシーンもあり……。一部の観客は”置いていかれた”状態になり、「つまらない」=「駄作」と評価されました。 一方で、歴史・原作ファンからは「オリジナルの忍者描写は良いが、そのせいで本来の見せ場が省略された」などの指摘もあるようです。

映画『関ヶ原』は興行的には大ヒット!なぜ厳しい声がある?

興行面での評価を見ると、興行収入は24.0億円を記録。2018年の第41回日本アカデミー賞では最優秀賞こそ逃すも、優秀作品賞を獲得しました。 その他に、監督賞、撮影賞、美術賞含む最多タイ計10部門で優秀賞を受賞し、「失敗」とは言えない成績でした。ではなぜ、厳しい声があるのでしょうか?理由はやはり、「豪華キャストで国民的ベストセラーを初映画化!」などの前評判が高すぎたことかもしれません。 原田監督は『クライマーズ・ハイ』(2008)も評価が高く、『日本のいちばん長い日』で第39回日本アカデミー賞の優秀監督賞、優秀脚本賞を受賞。ブルーリボン賞、日刊スポーツ映画大賞といった大きな賞をいくつも受賞してきました。そんな監督が映画化を熱望した、となれば自然とハードルは上がっていきます。 俳優自身のファンや、普段歴史にあまり興味のない層からの期待値が高かったことも、厳しい評価に繋がったと言えるでしょうね。

「関ヶ原の戦い」の緊迫感をリアルに描いた映画『関ヶ原』

関ヶ原
(C)2017「関ヶ原」製作委員会

映画『関ヶ原』が「駄作」と言われたのは、原作を時間内に収めるための措置や、公開前から期待値が高すぎたことが影響していました。

それと同時に、原田監督は「エンタメOVO」のインタビューで「合戦の時は当然早口でしゃべるでしょうし、せりふを聞き取るということが、それほど重要なことなのか?」と語っており、「早口」なのは緊迫感を出す演出だったことも伺えます。

従来とは違う視点で描かれた武将たち、キャストの熱演や戦のシーンなどは見応えがあり、「駄作」と断じるほどではないのでは?二度、三度観て世界観から読み取る作品と言えますし、「関ヶ原の戦い」をより知ろうと思える入門編になるかもしれません!

ちなみに、同じく司馬遼太郎原作の『燃えよ剣』(2020年公開)でも、原田監督×岡田准一が再タッグを組むのでこちらもお見逃しなく!