名作『最強のふたり』の名言を紹介!
『最強のふたり』(さいきょうのふたり、Intouchables)は、2011年公開のフランス映画です。事故で全身不随の富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)と、彼に介護役として雇われた服役歴のある黒人青年ドリス(オマール・シー)。正反対の境遇の二人の心の交流と友情を、実話をもとに、ときにコミカルに描いた作品です。この記事では、映画に登場する心に突き刺さる名言をご紹介!
フィリップの名言
「体の苦痛は去っても、心の痛みは残るんだ」
ドリスの前ではじめて激しい発作を起こしたあとのフィリップは、落ち着いたあとに自分の過去を語ります。その中での印象深いセリフがこちら。 人間をもっとも苦しめるものは、肉体の痛みではなく心の痛みだとフィリップは言います。
ドリスの名言
面接官「あなた、推薦はある?」
ドリス「推薦? あるよ。クール&ザ・ギャングとアース・ウィンド・アンド・ファイアーはおすすめだね」
フィリップとドリスの最初の出会い、フィリップの介護人を選ぶ面接の場でのドリスのセリフです。 面接官の女性が「推薦状は持っているか?」という意味でたずねたのに対し、おすすめの音楽を答えてしまったドリス。その後に満面の笑みで「冗談だよ」と続ける彼を、フィリップはひと目で気に入り、翌日から住み込みで働くよう言います。 毎日一緒に過ごす相手なら、ノリやフィーリングが合うことはとても大切。私たちも、もしそういう相手を見つけたら、大切にしなければいけませんね。
フィリップの名言
アンソニー「注意したまえ。ああいう輩は容赦ない」
フィリップ「そこがいい…容赦ないところがね」
スラム育ちのドリスのことを良く思わないフィリップの友人アンソニーは、ドリスには実は前科があることをフィリップに告げ、注意するよう忠告します。 それに対するフィリップの答えがこちら。 真に対等で平等な関係とはどういうことなのかと改めて考えさせられます。
ドリスの名言
ドリス「イヤだよ。あんたを馬みたいに荷台に載せるなんて」
フィリップを障害者用の車に乗せることになったドリス。 しかしドリスは、フィリップをバンの荷台に押し込めることを拒否し、自分が高級車を運転するから車椅子を降りて助手席に乗らないかとフィリップに提案します。 ドリスがフィリップのことを「障害者」としてではなくひとりの人間としてみていることがよく伝わるシーンですね。
フィリップの名言
フィリップ「彼の素性や過去など、今の私にはどうでもいい事だ」
ドリスがフィリップをたんなる「障害者」として扱わなかったように、フィリップもドリスのことをを「スラム育ちの前科者」という目では見ません。 大切なのは、過去にとらわれず現在の相手のありのままの姿を受け入れることだと主張するフィリップ。フィリップの寛大な人間性がよくあらわれたセリフですね。
ドリスの名言
ドリス「きいてきいて。 障害者はどこにいるでしょう? 答えは…置き去りにされた場所」
フィリップの車椅子を押しながら、こんなブラックなジョークも屈託のない笑顔で言うドリス。フィリップが怒らないのも、二人のあいだに確かな信頼と友情がある証拠です。
フィリップの名言
フィリップ「なぜ人は芸術に興味を持つのか? この世に残せる唯一の足跡だからだ」
フィリップの趣味はクラシック音楽と絵画の鑑賞。難解なアート作品に大金を払うフィリップを見て、ドリスは驚きます。しかしフィリップの趣味に付き合ううちに、少しづつ芸術への興味を芽生えさせていったドリス。 真の友情とは、たとえ趣味や境遇は異なっても、お互いに良い影響を与えられるものなのでしょう。
フィリップの名言
フィリップ「フライパンに投げられた凍ったままのステーキ肉みたいだ。麻痺しているのにまだ痛むんだ」
最愛の妻を亡くし、さらに全身麻痺の障害を負ったフィリップ。発作を起こしたあとに、フィリップが自分の過去をドリスに語り、現在の心境を打ち明けるシーンでのセリフです。 とても詩的な表現ですが、フィリップの抱える心と体の痛みがリアルに伝わってきます。
ドリスの名言
ドリス「これは何?」
フィリップ「ヴィヴァルディの四季」
ドリス「トム&ジェリーみたい」
フィリップの誕生会のシーンでの二人の会話。クラシック音楽がまったくわからないドリスに、フィリップはいろいろな曲を次々と聴かせていきます。 それに対してドリスはいちいち感想を言うのですが、そのやりとりはまるで息の合った漫才のようで、おもわずふきだしてしまいそう。 この映画のコミカルさがよくあらわれたシーンです。
ドリスの名言
ドリス「踊れない音楽なんて、音楽じゃないぜ」
クラシック音楽を聴かせてくれたお礼に、今度はドリスがフィリップにおすすめの音楽をおしえます。ノリのいい音楽にあわせて、来客全員を巻き込んだダンスシーンがスタート。 車いすのフィリップも含め、その場にいる全員が笑顔となり、とても幸せそうなシーンです。
ドリスの名言
フィリップ「彼女の体重がわかったよ。116ポンドだって」
ドリス「116ポンド? いいね。彼女の身長が3フィートでない限りね」
半年間、一度も会ったことのない女性と文通を続けるフィリップに対し、ドリスは「電話をしろ」「写真を送ってもらえ」とけしかけます。 「すごいブスだったらどうするんだ?まずは体重を教えてもらえ!」 そのアドバイスに従い、少しづつ彼女との距離を縮めていくフィリップ。 こんなふうにざっくばらんな恋愛トークができる友人の存在は、人生でもっとも大切なもののひとつかもしれませんね。
フィリップ「私は銀行預金口座以外の魅力で勝負したいね」
文通相手の女性と会う勇気を出せないでいるフィリップに対し、ドリスは「あんたは金持ちなんだから自信を持て。」と激励します。 それに対してフィリップが言ったセリフ。彼は「障害者」「富豪」というレッテルを貼られることを嫌い、ひとりの人間として内面を評価してもらうことを望んでいるのです。
フィリップの名言
フィリップ「白衣を脱いでくれ、病院みたいじゃないか」
家庭の事情でフィリップの介護役を辞めることになったドリス。 その後に雇われた介護人は、常に白衣を着て、フィリップがタバコを吸うのも禁止します。最大の理解者であり親友を失ったために、ふさぎ込んで体調も悪化してしまったフィリップ。裕福で何一つ不自由ない暮らしを送っているように見えるフィリップですが、彼がもっとも望んでいたものは何だったのかがわかります。
ドリスの名言
ドリス 「俺はやらないよ! あ、靴が脱げた!」
そもそもフィリップが障害を負った原因は、パラグライダーでの事故でした。ドリスと出会い自信を取り戻したフィリップは、なんともう一度パラグライダーに挑戦したいと言うのです。いつもは強気なドリスも、この時ばかりは「俺は下から見てるよ」と弱腰に。ドリスは高所恐怖症のようです。 しかし有無を言わさず無理矢理参加させられるドリス。このセリフのように最初は嫌がって抵抗していましたが、生まれて初めて体験する爽快感と美しい自然の景色に息を飲みます。 真の友人とは、あなたに未知の世界を体験させてくれる人かもしれません。
ドリスの名言
ドリス「俺はランチに残らないけど安心して。デートの相手が来るから」
再会したフィリップとドリスは景色の良いレストランへ。しかし、ドリスはこう言い残して席を外します。実はドリスはフィリップには内緒で、文通相手の女性とのデートをセッティングしていたのです。 緊張するフィリップに対し、窓の外から「幸運を祈る」とばかりに手を振るドリス。とてもほほえましい光景。 ドリスが介護人を辞めたあとも、彼女がいればフィリップはきっと大丈夫。ドリスの優しい心遣いと親友への愛情に、心打たれるクライマックスシーンです。