トゥーフェイス(ハービー・デント)とは何者?「ジョーカー2」前に正体・闇落ちの理由を復習!最後は死亡してしまうのか
DCコミックス「バットマン」シリーズに登場するヴィラン「トゥーフェイス」。1942年の初登場からバットマンの強敵として人気の高いキャラクターです。 実写では2008年の『ダークナイト』に登場し、2024年10月公開の『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』にも出演予定です。 この記事では、トゥーフェイスの基本情報やトリビアを紹介し、これまで登場した実写作品を振り返ります。
トゥーフェイスの正体はハービー・デント
本名 | ハービー・デント |
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職業 | 検事 |
俳優 | ダークナイト版:アーロン・エッカート ジョーカー2版:ハリー・ローティ |
トゥーフェイスの正体は、ゴッサム・シティで活躍する敏腕検事ハービー・デント。法廷で犯罪者によって顔に硫酸をかけられ、顔の半分が焼けただれたことで狂って犯罪者に変貌してしまいます。 片方は正義感の強い検事の顔、焼けただれた半分の顔は狂気の犯罪者という二面性を持つことに。それ以来「トゥーフェイス(2つの顔)」と名乗るようになりました。常に両面表で片方に傷があるエラーコインを持ち、コイントスですべての行動を決め、傷の面が出たら犯罪を犯すのです。 バットマンとは旧友で宿敵の間柄。素手での格闘が得意ですが、45口径の2丁拳銃も武器としています。
【ネタバレ】「ジョーカー2:フォリ・ア・ドゥ」での活躍は?
「ダークナイト」でも登場したハービー・デントですが、『ジョーカー』の続編『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』にも、ハービー・デントが登場しています。劇中でジョーカーことアーサーの裁判が行われますが、その法廷に検事として出廷しているのがハービーです。演じているのは、BBC製作ドラマ「インダストリー」シリーズのロバート役で知られる俳優ハリー・ローティ。 「ジョーカー2」では、前作で犯した5つの殺人を裁く裁判における検察官として登場。5つの殺人はアーサー・フレックが作り出したジョーカーの人格が行ったものだという弁護側の主張を一蹴していきます。のちにトゥーフェイスと呼ばれ二重人格が表出するハービーがジョーカーの二重人格説を否定する構図は印象的です。 物語のクライマックスでは、ジョーカーの有罪を勝ち取ったハービーですが、判決が読まれる最中に法廷が爆破されてしまいます。爆破によってハービーの顔は半分焼けただれており、トゥーフェイスの誕生がひっそりと描かれていましたが、彼が今後どのような活躍をするのかは不明です。
【ダークナイト】ジョーカーに唆され闇落ちするトゥーフェイス
正義感の裏で見え隠れする強迫観念
ハービー・デントはゴッサム・シティの地方検事で、市民に「光の騎士」として信頼される存在として登場。一方で強すぎる正義感が強迫観念になり、正義の名のもとに自分の行動すべてを正当化する傾向もあります。 内部調査部に勤めていた時は監視と協力の二面性を持っていたため、ゴッサム市警では「ハービートゥーフェイス」と呼ばれていました。
ジョーカーの企みでトゥーフェイスとして覚醒
ゴッサム市警との確執が深まったのは、マフィアの検挙でゴードン本部長と意見が分かれたことから。しかし実はこれはすべて、ジョーカーがハービーに目を付け、彼を悪の道へ引きずり込むための罠でした。 ハービーはジョーカーと手を組んでいた汚職警官たちの一斉摘発を主張しましたが、警察内部の失態を隠したいゴードンはそれに反対。そこにつけ込んだジョーカーの手引きで汚職警官に裏切られ、恋人だったレイチェルは倉庫の爆発で死亡し、自分も左半身に大やけどを負ってしまいました。 左半身が焼けただれたハービーは入院中にジョーカーの訪問を受け、言葉巧みに操られて正気を失います。そして「運こそがこの世で唯一公平な正義」だと確信し、婚約者を死に至らしめた者すべてをコイントスで復讐していく犯罪者「トゥーフェイス」に変貌したのでした。
最後はバットマンに敗れ死亡
ハービーが持ち歩いていたエラーコインも片面だけが焼け焦げ、彼同様に表裏が出来ていました。「運こそ正義」と信念を変えたハービーは、コイントスによってレイチェルの死に関わった人々に裁きを下していきます。 さらにレイチェルの死のきっかけを作ったゴードンを許さず、彼の家族を標的にして復讐しようとします。しかしそこにバットマンが駆けつけ、もみ合いになった挙句、ハービーは廃ビルから転落死してしまいました。 ハービーの死は、市民の希望の光だった彼が犯罪者になったことを公表することになるため伏せられることに。その咎はすべてバットマンが被り、ハービーの名誉を守るためにゴッサム・シティを去りました。ジョーカーがハービーに目を付けたのは、市民に芽生えた正義と希望を打ち砕くためだったのです。
【ダークナイト ライジング】デント法として名前が登場
『ダークナイト』の続編『ダークナイト ライジング』では、ハービーは死亡しているため回想と名前のみでしたが、彼の名が付けられた「デント法」が登場します。バットマンに名誉を守られたハービーを市民は称え、犯罪者をより厳しく罰するデント法を制定しました。 しかしその内容は後々ゴッサム・シティの人々をきつく縛り上げる法で、軽微な罪でも重罰が課せられることも。市民の不満は募り、そこをゴッサム・シティの壊滅を目論むヴィラン「ベイン」につけ込まれて扇動され、ハービーの裏の顔が暴露されて名声を失うことになるのでした。
トゥーフェイス(ハービー・デント)が抱える幼少期のトラウマ
原作コミックスのハービー・デントは幼少期に精神障害を持つ父親のもとで成長し、虐待を受けていた過去があります。そのためか、双極性障害と統合失調症を発症していたようです。 それでも自らを抑制して、強い正義感を持つ若き地方検事になったハービー。ゴードン本部長とバットマンとともにマフィア一掃を試みますが、ハービーは法廷でマフィアに硫酸をかけられ、顔半分が焼けただれてしまいます。 この事件がきっかけになり、幼い頃に受けた虐待で生まれていた二面性が表出し、犯罪者「トゥーフェイス」が覚醒。共闘していたバットマンとも敵対することになります。
トゥーフェイス(ハービー・デント)の強さと能力
敏腕検事だったトゥーフェイスは法律の知識に富み、人並み外れた推理能力を有しているキャラクター。スレイド・ウィルソンから指導を受けた射撃技術、バットマンから指導を受けたカンフーも一級品です。 これまで拳銃、スナイパーライフル、ナイフ、ロケットランチャー、毒ガスなど様々な武器を使いこなしてきました。 コインに異常なまでに執着を持ち、コイントスによって重大な決断をすることが多々あります。
トゥーフェイス(ハービー・デント)にまつわるトリビア
トゥーフェイスのオリジンはパクリ!?
二重人格であり二重顔面のトゥーフェイスというキャラクターがロバート・スティーブンソンの名作小説『ジキル博士とハイド氏』から影響を受けていたことは明らかです。 『バットマン』のクリエイターであるボブ・ケインは、1931年に公開されたルーベン・マムーリアン監督バージョンの『ジキル博士とハイド氏』から特に多大な影響を受けていたと語っていました。 またトゥーフェイスのオリジンは、1930年代のパルプヒーロー「ブラックバット」のオリジンのパクりだと言われています。 ブラックバットのオリジンは、酸をかけられた弁護士の男が自身で制裁を加えるヒーローになるというものでした。
トゥーフェイスはロビンが嫌い!?
トゥーフェイスはバットマンの相棒ロビンがとにかく嫌いなことで有名。ロビンが登場するコミック『Year One』の中で、トゥーフェイスは初代ロビンのグレイソンに「バットマンとゴッサムの判事ローレンス・ワトキンスの命をどちらかしか救えない」という究極の選択を迫っていました。 また、2代目ロビンとなるジェイソン・トッドの人生にも大きく関わっていました。ハービー・デントはジェイソンの父親を殺害して、ジェイソンを孤児にしています。
双子の父親!?
コミックの中でハービー・デントはギルダという女性と結婚しますが、「子供を授からなかった」というコミックのスーパーヴィランとは思えない理由で離婚しています。 その後、ギルダはポールという男性と再婚して双子を出産。しかし、驚愕の事実が発覚します。ギルダは冷凍保存したハービー・デントの精子で妊娠していたため、双子はギルダとハービーの子供だったのです。
ゴッサムを守る使命を背負ったことも?
DCコミックの「The One Year Later」シリーズで、ハービー・デントは整形手術を受けて比較的普通の生活を取り戻すことになります。 バットマンが不在の中、ゴッサムシティを守る使命を担ったのがハービー・デントでした。 しかし、犯罪者たちに対するエクストリームな制裁の数々により信頼を失い、すぐにトゥーフェイスの人格に戻ってしまいます。
一時期DCコミックから姿を消していた!?
トゥーフェイスはバットマンの主要ヴィランですが、10年以上DCコミックから姿を消していた時期がありました。コミックのトレンドが変わり、バイオレントで卑劣なヴィランが時代遅れになったことが1つの要因だと言われています。 そして、彼はマイルドになってコミックに帰還することになるのです。1968年発売の『World's Finest #173』で登場したトゥーフェイスは、バットマンから「最もフレンドリーなヴィラン」として認められていました。 70年代初頭、本格的に復帰してからは再びダークなアイデンティを取り戻すことになります。
スーパーマンと混同を避けた!?
1942年に『BATMAN #66』でトゥーフェイスがデビューした際、彼には「ハービー・ケント」という名前が付けられていました。 しかし、スーパーマンの地球名「クラーク・ケント」との混同を懸念したDCは、すぐ「ハービー・デント」に改名することを決断したそうです。
ランド・カルリジアンがトゥーフェイスを演じるはずだった!?
ティム・バートンがメガホンをとった1989年公開の『バットマン』でハービー・デントを演じたのは、「スターウォーズ」シリーズのランド・カルリジアン役で知られるビリー・ディー・ウィリアムズでした。 しかし、本作のハービー・デントがトゥーフェイスに変身することはありません。続編『バットマン・リターンズ』でも当然登場するものとファンは思っていましたが、ハービー・デントそのものがカットされてしまいます。 そしてティム・バートンがシリーズを去ることに。結局、第3作『バットマン・フォーエバー』でトゥーフェイスを演じたのはウィリアムズではなくトミー・リー・ジョーンズでした。
幻のイーストウッド版トゥーフェイス!?
1968年に『バットマン』の映像化が決定した際、映画界のレジェンドであるクリント・イーストウッドがトゥーフェイス役としてキャスティングされていたそうです。 しかし不運なことにプロジェクトがキャンセルとなり、イーストウッド版は幻となってしまいました。
奇妙なエッカート繋がり!?
コミックの中でハービー・デントの顔を再構築して、文字通りトゥーフェイスを整形したのがドクター・エッカートという人物です。 意図していたかは定かではありませんが、クリストファー・ノーランの「ダークナイト」シリーズではアーロン・エッカートがハービー・デント(トゥーフェイス)を演じていました。
トゥーフェイス(ハービー・デント)は「ジョーカー2」でどんな活躍を見せるのか
DCコミックス「バットマン」シリーズに登場するヴィラン「トゥーフェイス」を掘り下げて紹介しました。オリジンのハービー・デントと『ダークナイト』のトゥーフェイスの違いをおさらいしたところで、「ジョーカー2」に登場するハービー・デントの描かれ方にも注目していきましょう!