2017年7月6日更新

名作『ビューティフル・マインド』を振り返る!悲しき数学者の運命とは?

ラッセル・クロウ主演に実在した数学者の半生を描いた、名作『ビューティフル・マインド』。こちらでは、今作のあらすじや知られざる事実などをご紹介しています。

アカデミー賞に輝いた名作『ビューティフル・マインド』

『ビューティフルマインド』は、ラッセル・クロウを主演に2001年に全米で、翌年2002年には日本でも公開された作品です。

今作は、ゲーム理論から展開し見出した「ナッシュ均衡」を発見、その功績が称えられ1994年にノーベル経済学賞に輝いた数学者ジョン・ナッシュの半生を、同名の小説をベースに描いた自伝的ヒューマンドラマ映画です。

作品が高く評価された今作は、第74回アカデミー賞作品賞、監督賞、助演女優賞、脚色賞の4部門を受賞しました。

また、主役を演じたラッセルは、今作での演技が高く評価され、第74回アカデミー賞主演男優賞ノミネート、及び、第59回ゴールデングローブ賞 ドラマ部門主演男優賞受賞、2001年英国アカデミー賞主演男優賞受賞を獲得しています。

映画『ビューティフル・マインド』のあらすじ

プリンストン大学大学院数学科に通いはじめたジョン・ナッシュは、“この世の中すべてを支配し得る様な理論を研究したい”として、研究に力を入れます。そして、彼はゲーム理論のひとつであるナッシュ均衡という理論を見出したのです。

大学院を卒業したジョンは、その後の進路先にウィーラー研究所を選び、そこでも研究を続けていきました。

ある日、ジョンはCIAの諜報員にソ連の暗号を解読してほしいという依頼を持ちかけられます。それを承諾した彼は解読作業をする一方で、大学の講師をする日々を送っていました。そして、聴講生として講義に参加していたアリシア・ナッシュと恋に落ちるのです。

幸せな結婚生活続くかと思われた矢先、ジョンはソ連の暗号解読任務をするにつれて時には命の危険すら感じるほどの精神的ストレスを感じ、幻覚症状にも見舞われていくのでした。

映画を彩ったキャストたち

ジョン・ナッシュ役:ラッセル・クロウ

今作の主人公ジョン・ナッシュを演じたラッセル・クロウは、1964年4月7日にニュージーランドのウェリントンに生まれた俳優です。

彼は荒々しい振舞いや言動が度々話題になりますが、ニュージーランド人俳優でありながらハリウッドで大きな成功を収めた俳優のひとりであり、『グラディエーター』や『ロビン・フッド』、『レ・ミゼラブル』などへも出演しています。

アリシア・ナッシュ役:ジェニファー・コネリー

ジョンの講義の聴講生で、後に彼の妻となるアリシア・ナッシュ役は、女優のジェニファー・コネリーが演じました。

1970年12月12日にニューヨークで生まれたジェニファーは、1984年『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』でスクリーンデビューし、その後『ハルク』や『レクイエム・フォー・ドリーム』へ出演でも知られています。

また、ジェニファーはアリシア役の演技が高く評価され、第74回アカデミー賞助演女優賞に輝きました。

ウィリアム・パーチャー役:エド・ハリス

ジョンに諜報員としての仕事を依頼してきたCIAのウィリアム・パーチャーを演じたのは、1950年11月28日にニュージャージー州に生まれた俳優のエド・ハリスです。

カルフォルニア芸術大学で演技を学んだエドは、1978年全米公開された『コーマ』でスクリーンデビューし、その後も『アポロ13』や『トゥルーマン・ショー』をはじめ、数多くの映画に出演しています。

ローゼン医師役:クリストファー・プラマー

幻覚症状にも見舞われだしたジョンの担当医ローゼン医師を演じたのは、1929年12月13日にカナダのトロントに生まれた俳優のクリストファー・プラマーです。

クリストファーは、ミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』の主人公マリアが結婚するトラップ大佐役を演じたことでも非常に有名ですね。

彼は、82歳の時には映画『人生はビギナーズ』のハル・フィールズ役で第84回アカデミー賞助演男優賞を獲得。これは演技部門受賞者の中では過去最高齢での獲得としても知られています。

史実との相違点

今作では、ジョンが幻覚症状を引き起こしたのは大学を卒業した直後の頃からという設定で物語が展開されていきます。今作のモデルにもなったジョン・ナッシュ本人も統合失調症ではあったのですが、異常な行動が顕著に表れ実際に病に苦しみ出したのは彼が30歳の頃で、丁度妻アリシアの妊娠が発覚した辺りでした。

また、映画では一切描かれていませんが、ジョンは同性愛者でもあり、複数のパートナーもいたそうです。最終的には、これが原因で妻アリシア離婚となりますが、彼女は同居人というかたちで彼と生活をし、闘病生活を支え続けたそうです。

映画にゆかりの深い人物が事故で他界

多くの人に愛されている『ビューティフル・マインド』ですが、作品に深く関わりある人物が2015年に立て続けに他界してしまいました。

2015年5月23日には、今作のモデルとなった数学研究者のジョン・ナッシュとアリシア・ナッシュが交通事故により逝去。

また、今作で音楽を担当した作曲家のジェームズ・ホーナーも、同年6月22日に飛行機事故によって亡くなっています。ジェームズは『タイタニック』の音楽とテーマ曲『マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン』を作曲し、第70回アカデミー賞歌曲賞及び作曲賞を獲得した人物でもあります。

有名ホラー映画と同じ場所で撮影!?

ジョンが国防総省へ訪れた場面では、実際の国防総省ではなくニューヨークにあるフォーダム大学ブロンクスキャンパスのキーティング・ホールで撮影されました。

ここは、ホラー映画の代表作『エクソシスト』の撮影に使用した部屋とまったく同じ場所でもあります。正反対な世界観を持つ映画ですが、同じ場所で撮影している点が面白いですね。