伝説のお化け退治映画『ゴーストバスターズ』
『ゴーストバスターズ』はアメリカで製作され1984年に公開されたSFコメディ映画です。シュールな世界観、印象的なコスチュームや小物、そして忘れられないセリフの数々が、公開から30年以上経った今でも、人々の心を掴んで離しません。
2016年にリブート版が公開されたこともあって、近年その注目度は急上昇中。皆さんもこの機会に、このカルト的名作を見て笑ってみませんか?
この記事では『ゴーストバスターズ』のあらすじ、キャスト、監督、そして見どころやトリビアを紹介します!
『ゴーストバスターズ』のあらすじ
主役となるのは超自然現象や超能力、お化けなどを研究しているピーター・ヴェンクマン博士レイモンド・スタンツ博士、イゴン・スペングラー博士の3人。彼らの研究は所属する大学から馬鹿にされ、挙げ句の果てには研究費を打ち切られて追い出されてしまいます。
しかしこれを機会に3人は、長年の夢であったお化け退治専門業者「ゴーストバスターズ」を開業。はじめは相手にされませんでしたが、ある時ホテルの幽霊を退治したことをきっかけに大人気となります。
ニューヨーク中のお化けを退治するには3人では人手が足らず新しく助っ人としてウィンストン・ゼドモアが雇われます。またピーターは依頼主の一人であるディナを口説くことに夢中に。
そんな中、絶大なエネルギーを持つ破壊神ゴーザがニューヨークに接近していたのでした。果たしてゴーストバスターズの運命は?
『ゴーストバスターズ』キャスト
ビル・マーレイ:ピーター・ヴェンクマン博士
主役は1950年生まれのビル・マーレイが演じています。今となっては一大俳優のマーレイも、実はこの『ゴーストバスターズ』で初めて、俳優としてその名を世に知らしめたのです。
『ゴーストバスターズ』以前のマーレイは「サタデー・ナイト・ライブ」に出演するコメンディアン。ヴェンクマン博士の役はもともとジョン・ベルーシが演じる予定でしたが、撮影開始直前にベルーシが急死したことにより、マーレイがこの象徴的な役を手にしました。
ちょっと気の抜けたような彼の演技には独特な雰囲気があり、2004年の『ロスト・イン・トランスレーション』ではアカデミー主演男優賞にもノミネートされました。
非常に気まぐれで気難しい性格らしく、ビル・マーレイと仕事をするのはなかなか大変だという声がハリウッドでは上がっています。また、演技中に脚本を変えてアドリブを挟むのも日常茶飯事なんだとか。
ダン・エイクロイド:レイモンド・スタンツ博士
ちょっと臆病なスタンツ博士の役はダン・エイクロイドが演じています。エイクロイドはカナダ出身のコメディアン。1980年にはジョン・デルーシと共演して『ブルース・ブラザーズ』をヒットさせています。
このデルーシやマーレイ、さらにはエディ・マーフィといった味の濃い役者と組んで演技をすることが多いからか、エイクロイドはちょっと地味な役を演じることが多いです。
しかし彼の本当の才能が発揮されるのは脚本!『ブルース・ブラザーズ』も『ゴーストバスターズ』もエイクロイドが脚本を手がけています。次々とこの世に名作を送り出す天才なのです。
ハロルド・ライミス:イゴン・スペングラー博士
ハロルド・ライミスもまた脚本・監督・俳優となんでもこなす才人。『ゴーストバスターズ』の脚本もエイクロイドとライミスの共同作品です。
後の1993年にはビル・マーレイを主演とした『恋はデ・ジャヴ』を監督したことでも知られています。この作品もアメリカでは大ヒットとなりました。
2016年公開の新『ゴーストバスターズ』にも出演が予定されていましたが、残念ながら2014年に難病のため亡くなってしまいました。そのため脚本が書き直されることになったそうです。
アーニー・ハドソン:ウィンストン・ゼドモア
当初ウィンストン・ゼドモア役に、と考えられていたのはエディ・マーフィ。しかしマーフィが同時期に撮影された『ビバリーヒルズ・コップ』を優先させたため、アーニー・ハドソンがこの役を手にし、大ブレイク。
今となっては『ゴーストバスターズ』のこの役こそがハドソンの代名詞となっています。思い入れも深いようで、2016年のリブート版にゼドモアが登場しないことに最初は腹を立てていました。
第1作目でも笑いを誘う役どころですが、『ゴーストバスターズ2』ではさらにパワーアップしたコミカルな演技が観られます!
シガニー・ウィーバー:ディナ・バレット
そしてゴーストバスターズの最初の依頼人となるディナを演じるのはシガニー・ウィーバー。息を呑むような美貌の持ち主でありながら、スタンフォード大学トイェール大学で学んだ才女でもあるウィーバーにとって、ディナはまさにハマリ役と言えるでしょう。
シガニー・ウィーバーと言えば、シリーズ化もされた『エイリアン』のリプリー役が最も有名です。リブート版『ゴーストバスターズ』にも小さな役で出演しています。
頭から離れない『ゴーストバスターズ』のテーマソング
『ゴーストバスターズ』を語る上で外せないのが、キャッチーなテーマソング。”Who ya gonna call? Ghostbusters!”というのこのフレーズは、一度聞いたら忘れられず思わず口にしてしまいますね。ベースラインも印象的です。映画が公開された年のアカデミー歌曲賞にもノミネートされました。
レイ・パーカー・Jr.が『ゴーストバスターズ』の主題歌を作るようにアプローチされた時、「お化け退治と」いうとっつきにくいテーマで一体どのように歌を作ったものか、非常に悩んだそうです。
彼にインスピレーションを与えたのは、深夜にやっていたある低予算のコマーシャル。それを見たパーカーは「ゴーストバスターズ」社のチープなコマーシャルソングを作るイメージで、一気に書き上げました。
愛すべきキャラクター&ロゴのデザイン
『ゴーストバスターズ』がこれだけ愛されている理由の一つに、独特なキャラクターデザインがあります。「お化け=怖い」という固定概念を打ち破り、気味が悪いけれどもどこか可愛らしいゴーストたちは、この映画の主役と言っても良いでしょう。
特に、クライマックスとなるシーンに登場するマシュマロマンは、姿を見ただけでは悪役とは信じられない可愛さ。このギャップが視聴者を引きつけて離さないのかもしれませんね。このマシュマロマンのデザインを担当したのは、日本の特殊メイクアーティストの江川悦子です。
またロゴの「ノーゴーストサイン」もまた、映画の枠を超えて有名ですよね。デザインしたマイケル・グロスは、とある航空ショーで爆撃機の先端にこのロゴが描かれているのを見た時初めて、自分がいかに大きな発明をしたのか気付いたと言います。
どうして『ゴーストバスターズ』はこんなに愛されているの?
21世紀の今日に初めて『ゴーストバスターズ』を見た人にとっては、どうしてこの映画が映画文化の中で高い地位を占めているのか、分かりにくいかもしれません。しかし『ゴーストバスターズ』が受けている評価は決して過大なものではありません。
『ゴーストバスターズ』はコメディ映画の全く新しい境地を開拓しました。音楽、コスチューム、主役から脇役までの登場人物たち、そして台詞の一つひとつまで全てが独特で、時代を超えて人々の心に残っているのです。熱狂なファン層が生じるのも無理ありませんね。
誰でも共感できる「オタクのサクセスストーリー」という設定も素晴らしいもの。また舞台となる街ニューヨークの情景をふんだんに活用した撮影方法のために、この映画は壮大な「ニューヨークへのラブレター」とも言えるのです。