『シザーハンズ』人造人間の悲恋を描く名作ファンタジー
1991年公開のロマンチックダークファンタジー『シザーハンズ』は、ティム・バートン監督とジョニー・デップが初めて組んだ作品です。
公開当時高い評価を受け、アカデミー賞や英国アカデミー賞などにノミネートされました。バートン監督のお気に入りというこの作品のあらすじやキャストなどをご紹介します。
『シザーハンズ』あらすじ【ネタバレ】
発明家の屋敷に1人残された人造人間エドワード
年老いた女性が孫娘に、なぜ町に雪が降るようになったのかというお話を語る場面から始まります。ある発明家が人造人間エドワード・シザーハンズを作り出しましたが、間に合わせで手はハサミのままになっていました。発明家はシザーハンズに手を与えようとしたときに発作で死んでしまったのです。
キムとの出会い
町に住むセールスレディ、ペグが偶然屋敷を訪ね、1人で暮らしているエドワードを発見して家に連れて帰ることに。彼はペグの娘のキムと仲良くなり、恋に落ちます。
ペグの近所の人々は彼の垣根を刈り込む技術や髪を切る技術に感心しますが、キムの彼氏ジムは気に入らず、さらにエドワードのハサミを悪用し盗みを働きます。ジムの代わりに逮捕されたエドワードは町の人々から仲間はずれされるようになってしまうのでした。
氷の彫刻を作り、雪を降らせるエドワード
クリスマスの飾り付けをするペグの家族のために、氷で出来た大きな天使の像を彫刻するエドワード。削った氷のかけらが雪のように舞ってキムは喜びますが、彼はあやまってキムの手を傷つけてしまいます。ジムはわざとキムを傷つけたのだと責め、エドワードは逃げ出します。
気持ちを確かめあうも、別れてしまうキムとシザーハンズ
さらにキムの弟のケヴィンもあやまって傷つけてしまったエドワードは屋敷へ逃げ帰ります。彼を心配したキムが追いかけますが、嫉妬に狂ったジムもやってきて彼女を殴ったため、エドワードはジムを殺してしまいます。
キムはエドワードを愛していることを告白し、別れる前にキスをします。彼女は町の人々にはエドワードとジムが戦って2人とも死んでしまったと語り、発明家の実験室から持ち帰ったハサミを見せました。
今もキムのために雪を降らせるシザーハンズ
エドワードの話を語る年老いた女性は、最後に自分がキムであることを明かします。そして別れてから2度と彼とは会っていないこと、今でもエドワードが生きていて氷の彫刻を作っているから、クリスマスの頃には町に雪が降るのだと語るのでした。
『シザーハンズ』キャスト
エドワード・シザーハンズ/ジョニー・デップ
ハサミの手を持つ人造人間エドワード・シザーハンズを演じたのはアメリカの人気俳優ジョニー・デップです。当時は1980年代にアメリカで放映されたテレビドラマ『21ジャンプストリート』に主演し、人気ティーンアイドルになっていました。
この作品以降、バートン監督とデップは2005年公開のファンタジー映画『チャーリーとチョコレート工場』ウィリー・ウォンカ役や2010年公開のファンタジーアドベンチャー映画『アリス・イン・ワンダーランド』マッド・ハッターなど7つの作品でタッグを組んでいます。
キム/ウィノナ・ライダー
エドワードを好きになる娘キムを演じたのは、アメリカの女優ウィノナ・ライダー。ティム・バートン監督による1988年公開のコメディファンタジー映画『ビートルジュース』に出演して高い評価を受け、1990年公開の『シザーハンズ』でも一番にキャスティングされました。共演したジョニー・デップとは婚約もしていましたが、後に解消しています。
近年では2011年公開のナタリー・ポートマン主演の映画『ブラック・スワン』にベス役で出演しているほか、ティム・バートン監督による2012年公開のストップモーション・アニメ映画『フランケンウィニー』で声優をつとめていました。
キムの母親ペグ/ダイアン・ウィースト
シザーハンズを家に連れ帰るセールスレディで、キムの母親であるペグを演じるのは、アメリカの女優ダイアン・ウィーストです。彼女は1987年公開のコメディドラマ『ハンナとその姉妹』と1995年公開のクライムコメディ『ブロードウェイと銃弾』という2つのウディ・アレン監督の映画でアカデミー助演女優賞を受賞しています。
キムの父親ビル/アラン・アーキン
キムの父親であるビルを演じるのは、アメリカの俳優アラン・アーキン。
オードリー・ヘプバーンと共演した1968年公開のサスペンス『暗くなるまで待って』や1969年公開の映画『愛すれど心さびしく』などで有名です。近年では2006年公開のコメディ『リトル・ミス・サンシャイン』で孫娘にダンスを教える祖父の役を演じアカデミー助演男優賞を獲得しています。
シザーハンズを作り出した発明家/ヴィンセント・プライス
シザーハンズを作り出した発明家を演じたのは、アメリカの俳優ヴィンセント・プライスです。ホラー映画に多く出演し、「三大怪奇スター」の1人と呼ばれていました。美声であることで知られ、マイケル・ジャクソンの「スリラー」のPVやアルバムなどでボイスオーバーをつとめたことでも有名です。
監督は多くの人気映画を制作しているティム・バートン
『シザーハンズ』の原案、制作そして監督をつとめたのは、多くのヒット映画を生み出しているティム・バートンです。バートンはウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオでのアニメーターやストーリーボード・アーティストとしてキャリアをスタートさせました。
彼の生み出す物語が子供には怖すぎるという理由でディズニーをクビになると、実写版の監督としても活躍するようになります。1989年公開のスーパーヒーロー映画『バットマン』とその続編や、『アリス・イン・ワンダーランド』シリーズなどのヒット作を次々手がけていました。
2016年には『ミス・ペレグリンと奇妙な子供たち』が全米で公開されているほか、2018年にはディズニーのアニメ映画『ダンボ』の実写版が公開予定です。
最初『シザーハンズ』はミュージカルになる予定だった!!
『シザーハンズ』は最初の草稿ではミュージカルとして描かれていました。
このコンセプトをティム・バートン監督は後に1994年公開のストップモーション・ミュージカルアニメ映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』や2005年のファンタジーアニメーション映画『ティム・バートンのコープスブライド』などで活かしています。
シザーハンズ役には多くの俳優の名前が挙がっていた!
シザーハンズ役をキャスティングするにあたり、多くの俳優が候補に挙がっていたそうです。20世紀フォックスはトム・クルーズを推していました。バートン監督はトムに会ってみましたが、彼が話をハッピーエンドにすることを望んだため、話が合わなかったようです。
またゲイリー・オールドマンやトム・ハンクスがこの役を断った一方で、ウィリアム・ハート、ロバート・ダウニー・Jr、そしてマイケル・ジャクソンなどが興味を持ったそう。ただし、監督の第1希望はジョニー・デップだったようです。
ヴィンセント・プライスの出演を熱望したバートン監督
シザーハンズを作り出した発明家の役は「三大怪奇スター」ヴィンセント・プライスの大ファンだったティム・バートンが、彼のために特別に用意したものでした。もっと活躍するはずだったのですが、当時プライスは肺気腫とパーキンソン病を患っていたため、最小限のシーンにとどめられることになりました。
『シザーハンズ』は1993年に死去した彼の実写映画での遺作となりました。1982年にティム・バートンが制作した、ヴィンセント・プライスファンの少年を描いたストップモーションアニメの短編『ヴィンセント』ではナレーターをつとめています。
映画『シザーハンズ』で言葉を使わない表現を試みたジョニー・デップ
『シザーハンズ』の脚本を読んでジョニー・デップは涙し、すぐにこの物語に個人的な、そして感情的なつながりを感じたそう。役を演じるにあたりチャップリンの映画を多く見て、会話を使わずに共感を生み出す方法を研究しました。シザーハンズはこの映画の中でわずか169ワードしかしゃべっていません。
『シザーハンズ』のCiatrユーザーの感想・評価を紹介!【ネタバレ注意】
幻想的でユニークなラブストーリー
ErikaEle
幻想的でユニーク!
ファンタジックな設定と幻想的なシーンが産んだ唯一無二のラブストーリー。単純なストーリーだけど、観終わったあとには温かい気持ちになれる。
chi_aaaaaa
純粋で、切なくて、悲しくて、美しくて。
泣かされます。
エドワード可愛いです。
ティム・バートンの世界観がすき
Satoko_Suzuki
気がつけば、このciatrのレビュー、1000本目です。
やっぱり大好きなコレを上げておきましょう。
今や名作、みたいになっていますが、映画館で(確か2本立てだった、、)観た時のショックたるや、、、今でも鮮明に思い出せます。何もかもが私のツボで、「わかる〜」「そうそう!」「ああ、もう!!」と心の中で叫んでいました。これ一本で、ティムへの一生の忠誠を誓ったのでした。
今思うと、主人公エドワードには、郊外の住宅地で凡庸に育たなかった自分の姿が色濃く反映されており、劣等感・疎外感・孤独感の映画と言えますよね。
エドワードにはハサミ、ティムには映画(イラストでも)。最強の武器を持って、愛を勝ち取っていくのです!
arasan2060
いい映画。ティムバートンの世界観。好きです。
エドワードの純粋さに惹かれる
t_u333
子供の頃に見たかったなぁ、と思った。
完璧な人間を作ろうとした博士が、後は人間らしい手を着けるだけという時に突然他界してしまい、エドワードはハサミの手のままになる。エドワードのハサミの手はとても器用で、庭師に向いているし理髪師にも向いているんだけど、やっぱりその手は、誰かと手を握ったり、抱き締めたり愛し合ったり……そういったことが出来ない。だから見ていてとても悲しかったし、いじらしかった。
そして初めて愛した女性のキムの為に罪を一人で被って悪者になったりと、純粋なエドワードに胸が締め付けられた。
たくさんな映画がある今では、この映画は物足りなく感じると思う。でも、可愛くて悲しくて純粋なストーリーは見て損はないと思う。
子供の頃に見たかった、と思った映画だった。
maaa1242
気になっていた作品。ジョニーデップの切ない表情の中の優しさがなんとも言えない。ストーリーにいくつも山があってどうやって終わるの?と思うほどだった。また観たい!
arsktm
ハサミの手を持つ人造人間の恋を描く切ないファンタジー。街並みや住人たちの服装がカラフルで可愛い。青白い顔で無表情が多いけど、純粋で心優しいエドワードの行動や発言には心動かされます。あの名シーン、切なかったな〜。
ジョニー・デップとティム・バートンのタッグのバランスがよい
AtsushiUmezawa
監督ティムバートンとシザーハンズ役のジョニーデップ、この作品が一番バランスが良くていいと思う。ジョニーデップの演技がクサくない、素直な気持ちで見られる映画。
雪のシーンが可愛くて切ない
kappy421
どうして雪が降るか?の問いにこんな切ない素敵な話が。雪のシーンがどうしようもなく幸せで可愛くてせつない。ちょっとコメディーで愛される作品だと思った。
雪を降らせるシーン、今まで見た映画の中でナンバーワンの好きなシーンかも。自分でもなんだか意外。笑
カラフルな町並みや服装など世界観がいい
saayoo
ティムバートンの中で一番。きゅんと切なくなるのに絵本のような世界観。曲もいい。
Tomoaki_Tanaka
まだまだジョニーデップ駆け出しというのがよく分かって良かったです。
街の雰囲気や世界観など良かったです。
今だったらもっと技術的にすごい映画ができるだろうけどあえてこの作りがいいのかもなと思えた作品でした。
名作ですがストーリーとしてはまずまずかなと個人的には思いました。
63_htm
最高に切ないダークファンタジー。
何回見ても泣けます。
街並みも登場人物も、みんなカラフルでポップで
かわいい。
でもエドワードは白黒で、お城だけは不気味に
街外れに建ってる。
このコントラストもすごく切ない。
ウィノナライダー、文句なしにかわいい。