2019年6月2日更新

「ヘルレイザー」シリーズってば、10作もあるのでざっくりまとめる【リブート企画が始動】

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謎の箱、地獄への扉、そして顔面釘だらけの男…。そうこれは『ヘルレイザー』!2019年5月にはリブート企画が進んでいることも発表され、今なお人気は上昇の一途を辿る「ヘルレイザー」シリーズの全10作品についてざっくりまとめました。

大人気!「ヘルレイザー」シリーズとは

シリーズ化される人気ホラー映画にはある一つの特徴があります。それは抜群のアイコン。『悪魔のいけにえ』ではレザー・フェイスが生まれ、『13日の金曜日』ではジェイソンが生まれました。日本でも『リング』により貞子が生まれています。 ではピンヘッドを産んだ「ヘルレイザー」シリーズをご存知でしょうか。白塗りスキンヘッドで頭には釘が等間隔で打ち付けられている圧倒的なビジュアルは一度見ると頭から離れなくなります。箱を開けると地獄への門が開き、そこから出てくる魔道士ピンヘッド。意外とよく喋ってくれるピンヘッドは一部のファンの間でカルト的とも言える人気を誇っています。 そんなピンヘッド(愛称、おピン)が活躍する「ヘルレイザー」シリーズについてざっくりまとめます。各作品について私のレビューに加え、他シリーズとの関係性や比較についても述べていきます。

第1作目にして至高。地獄の世界へようこそ『ヘル・レイザー』

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謎の四角い箱を開いてしまった女の子がSM地獄の扉を開きそうになるお話(結局開かない)。圧倒的にビジュアルのインパクトのある修道士と呼ばれる恐怖対象ですが、それらがほとんど出てこない。出し惜しみするからこそ出てきたときにグイグイ魅力増しますし、そもそも彼らが出てこなくてもストーリーがかなり面白い。前半は蘇った義兄のために男を誘って殺しまくる女のサイコサスペンスの様相を呈します。この女、ジーナ・ローランズに似ていてなかなかいい感じなんです。そこからその娘が箱を見つけて畳み掛けるかのようにオカルトへ。結局謎が謎のまま不親切に取り残されて、こりゃあ脳内補完が捗ります。そもそもSM地獄ってなんぞ。それほどSMな展開がなく、ただグロテスクなだけです。 あの暗闇を逃げるシーンって『パンズ・ラビリンス』がオマージュしてるような気がするんですが、いかがでしょうか。

『ヘル・レイザー』は、小説家であり映画監督でもあるクライヴ・バーカーが自身の著書『ヘルバウンド・ハート』を映画化した作品です。クライヴ・バーカー自身がメガフォンを取ったのは本作のみ。原点にして頂点とも言える作品。 ピンヘッドはもちろん例の箱やその他様々なアイテムが後のシリーズに登場するので、当然ですがなるべく最初に観ることをおすすめします。

異様な2作目。悪趣味地獄めぐりへ『ヘルレイザー2』

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1と比べてめちゃくちゃにバカ。2の方が好き!という方が多いのも十分わかります。前作で完結していたと思われる物語なのですが、前作を本作のための序盤的な存在にしたという点で高い評価があります。前作は地獄への門が開いた、という映画でしたが、本作では地獄めぐりをします。この続編はまさに『死霊のはらわた』的続編であり、『死霊のはらわた』同様に見事な続編となっています。 少し見づらさも増しています。血の量、痛さ度も増していますが、追加して虫の気持ち悪さもあるので映画としては前作と比べて一般化の逆を進んでいます。確かにラストのバカさ加減は凄まじいです。思わず大笑いしてしまいました。多分バタリアンズのオーディオ・コメンタリーで観ていたからなんでしょうね。バタリアンズ最高。

第1作目の主人公カーティスが精神病院にいるところから始まる本作。「ヘルレイザー」シリーズは1,2だけ!その他は認めない!という強硬派もいるとかいないとか。荒唐無稽なおバカ悪趣味地獄めぐりをニコニコしながら楽しめるあなたはもう既にシリーズのファンと言えます。 前作からの繋がりも強いため、本作からの鑑賞はおすすめできません。第1作とセットで鑑賞してください。

シリーズ路線へ。手堅い作りの『ヘルレイザー3』

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テレビリポーターが人体破壊の瞬間に遭遇。その謎を追うためにキーとなる女の子と共にとあるクラブに近く。そこではヤバそうな彫刻があり…。 人気ホラーシリーズ第三弾。前作はオカルトホラーのテイストが強く、かなり観る人を選ぶタイプの映画だったかと思うのですが、本作は一転。街を舞台にしたパニックホラーへと仕上がっています。ストーリーもよりわかりやすくなっており、さらに1,2作との繋がりも薄いので本作だけでも鑑賞することができます。2を観てから数年経っていたので心配していたのですがなんら問題はない。 圧巻なのがクラブでの殺戮シーン。もう無茶苦茶で完全な地獄絵図。いろいろな方法で人が死んでいきます。『パーフェクトトラップ』(『ワナオトコ』の続編)を思い出したので、この映画のオマージュなのでしょうか。その後、死んだ人物たちが地獄の住人となって再登場。みんなSM風味で人体加工が施されているため見応えがあります。僕が好きなのはDJマン。武器のCDをぶん投げて人を殺すよ。

始祖クライヴ・バーカーがイギリスの小説家・映画監督だったこともあり、第1作目はイギリス映画、第2作目はイギリス・アメリカ合作映画でしたが、第3作目となる『ヘルレイザー3』はアメリカ映画。90年代アメリカホラーの雰囲気が匂い立つ、堅実なホラー映画というイメージです。1,2ほど人を選ぶ映画ではありませんし、前作との繋がりも薄いと言えます。本作からの鑑賞もギリギリで耐えますが、やっぱりすぐに1,2を観るべきでしょう。 本作ではピンヘッドの過去について触れられ、彼の起源について知ることができます。最初から地獄の住人ってわけじゃないんです。最初からピンが刺さってたわけじゃない。

現代、18世紀、そして宇宙…?『ヘルレイザー4』

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そう遠くない未来。宇宙船でとある研究者が「箱」を開ける。研究者は何者なのか、それは18世紀、あるいは現代(1990年代)まで遡る。 ピンヘッドおじさんもいよいよ宇宙へ!第三作ではピンヘッドおじさんの過去について解き明かされましたが、本作では箱の起源。どのようにして箱が生まれたのかについて語られます。舞台となるのは上記3つの時代。ひとまずは同じ俳優が演じるキャラクターが主人公となるのですが、時代が3つもあるためやや感情移入しづらく。特に宇宙船パートの主人公と思われる女の人は存在感が薄く、どうにも。ただスプラッター志向は相変わらずであり、特に18世紀の雰囲気などはかなり好きです。黒魔術とかそういうのが好きなんです。 本作にも地獄のモンスターが何体か。ダントツで好きなのは双子ですね。

シリーズ中盤で宇宙に行く…、これは「007」シリーズなどを押さえている方たちならなんとなく胸騒ぎがするかと思うのですが、その胸騒ぎは現実のものとなります。 本作では玩具職人(トイ・メーカー)という重要なキャラクターが登場します。例の箱、地獄へ通ずる門を作ったその人(または子孫)です。第5作以降でも重要なポジションになる玩具職人ですので、以降のシリーズを鑑賞する際には観ておいた方が良い作品です。

大幅な路線変更!第5作『ヘルレイザー ゲート・オブ・インフェルノ』

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天才的な才能で事件を解決に見に導く刑事が例の箱を発見。開けた途端に地獄を見る。 シリーズ第5弾にして大転換。これが多いに成功しています。主人公は箱を開けた途端に超難題の事件に遭遇。なんとか解決させようとしますが、それは全てピンヘッドおじさんたちが仕組んだことなのです。びっくり!とはならず、そこに映画の重きは置かれていません。これまでの映画で描かれてこなかった、地獄に連れて行かれた人間がどういう風になるのか、が丁寧に描かれているような映画です。箱を開けちゃった人が随分罪深い人間だったので、ピンヘッドおじさんが嬉々として丁寧な地獄を用意してあげたのかな。主人公はかなり腹の立つ人間として描かれますが、こんなにひどい地獄を見せてあげなくてもと思います。因果応報とはいえ、あまりにかわいそう。 現実と幻想が巧みに組み合わされてかなり良い世界観を構築しています。ちなみに好きな地獄のモンスターは目のないお姉さん二人組。

シリーズ第5作目となる本作は邦題からナンバリングが外されています。ここから本作だけでも鑑賞できるよ!という意図を汲むことができます。2まで鑑賞して「合わないなあ」と思った方は3,4を飛ばしてここから鑑賞するのもあり。あくまでホラー映画であった前作から、本作はサスペンス映画になっています。『セブン』などがお好きな方にはぴったり。 本作の監督を務めたスコット・デリクソンはベネディクト・カンバーバッチ主演『ドクター・ストレンジ』(2016)のメガフォンを取った人物。『ドクター・ストレンジ』の幻想的な映像は、『ヘルレイザー ゲート・オブ・インフェルノ』でその片鱗を味わうことができます。

幻覚幻覚幻覚!第6作『ヘルレイザー リターン・オブ・ナイトメア』

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妻を亡くした夫。彼は日常生活に戻ろうとするが、世界がどうも歪んでいる…。 シリーズ第6作目。本作は前作からの路線であるサスペンス調ですが、重要な点が一つ。それは最初に死ぬ妻がシリーズ1,2のヒロイン・カースティであるということ。これ、僕は鑑賞後のネットサーフィンで気づきました。ここに気づかなかったせいで、物語の終盤に追いついていけませんでした。この映画、残された夫視点で描かれます。時間と空間とが断絶され、どこまでが現実で幻想かわからなくなります。5作目ほどではありませんが、本作も十分悪夢感が強い。所々に繰り返し同じ俳優が別のキャラクターで登場しているのがよいですね。サスペンス風悪夢、というシリーズならではという感じがします。 前作もそうですが、ピンヘッド氏他地獄の住人は明確なルールの元で行動しているわけではないのです。それは時に御都合主義的ですが、割とピンヘッドの一存でその個人への地獄が決定。ここをさっさと受け入れてしまうことが本シリーズを楽しむコツだと思います。

第6作目となる『ヘルレイザー リターン・オブ・ナイトメア』は前作の路線を引き継いでいます。本作だけの鑑賞でもいいのですが、主人公の妻が1,2のヒロインであるカースティであることだけは知っておいてください。 前作同様ピンヘッドがそれほど登場せず、「ヘルレイザー』」シリーズかと言われれば微妙。ただしオチの衝撃度はシリーズ随一だと思うので本作は単独で楽しめる映画だと思います。

舞台はルーマニア。第7作『ヘルレイザー ワールド・オブ・ペイン』

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アングラ系新聞記者が人を生き返らせる術を持つ怪しげな組織に潜入するため、ルーマニアへ。証拠のビデオを送った女の家を尋ねると彼女は死んでおり、手には例の箱が。 シリーズ第7弾。現実と妄想が…、というのが全面に押し出された5,6と違ってそのような描写はやや少なめ。言うなればちゃんと地に足がついているような印象です。今回の地獄に関しては主人公が自ら足を突っ込んでしまったので、自業自得感は否めません。途中ルーマニアの駅で謎の電車に乗り込むシーンがありますが、これが非常に良いシーン。電車の中はアングラなものと人がこれでもかと詰め込まれています。駅のシーンなどは『サブウェイ』を彷彿とさせました。 おピンは今回も出番は少なめ。地獄の住人さんも出番は少なめです。復活を期待!

5,6作目同様の路線ですので単独でも十分に楽しめる映画かと思いますが、本作は特に『ヘルレイザー』の要素が数多く登場します。ですので1と4は観ておくことをおすすめします。 舞台となるアパートや駅、そして組織の隠れ家などの陰惨とした雰囲気は「ヘルレイザー」シリーズととてもよくマッチしています。

再方向転換!シリーズ第8作『ヘルレイザー ヘルワールド』

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ヘルレイザーのゲームで友人を失った若者たち。二年経った後もまだそのゲームに興じていた。ある日彼らはゲーム・パーティの招待状を手に入れて屋敷へと誘われる。 シリーズ第8弾。劇中ではピンヘッド、例の箱が登場するゲームが登場します。これは『スクリーム2』以降のオマージュと一緒。ただし本作は前7作とはどれとも似ません。屋敷のパーティーに参加した青年たちが1人、また1人と殺されていくのです。最後にはヘルレイザーたちから逃げ惑う若い男と女。つまり、ごく普通のホラー映画をヘルレーザーでやった、というところに本作の見どころはあります。なるほど、確かにこれは面白い。次々と罠にはまるのは『ソウ』っぽさもあります。オチは無理やりながらもしっかりとついており、十分に満足できる。この感じでもう何作か作れるんじゃないの…?と思わせるシリーズの展開でした。

シリーズ第8作またも路線が大きく転換しています。評でも書いていますが、「ヘルレイザー」シリーズがこれまでやってこなかったティーンたちが酷い目に遭う定番ホラー映画です。他シリーズと直接のつながりはありませんが、ファンムービーのような映画であり、「ヘルレイザー」シリーズにどっぷり浸かっていればいるほど楽しめる映画です。 本作で長らくピンヘッド役を務めたダグ・ブラッドレイは退きます。しかとその勇姿を目に焼き付けましょう。

原点回帰なシリーズ第9作『ヘルレイザー:リベレーション』

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若者2人が車でメキシコへ。そこで例の箱を発見する。 シリーズ第9作。メキシコに行った2人と、その後失踪した2人の残された家族とが交互に描かれます。残された家族の元に2人のうち1人が帰宅。何があったのかが語られる。 予算も大きく減らされたのであろうCGは少なめ。シーンも少なく、一部POVも採用され、低予算で製作されたことが伺えます。なによりピンヘッドの俳優が変わっています。クリクリした可愛い目のピンヘッドにはなかなか慣れませんでした。本作は原点回帰。リベレーション、というだけあって、無印『ヘルレーザー』に現代的な要素を加えたような映画になっています。さらに最近抑え気味であったスプラッタ描写にもこだわりがあるようで、きちんと皮を剥いだ後の顔がしっかり映されており好感が持てます。

シリーズ第9作は前作から6年、ピン・ヘッド役も変更となっています。ストーリーとしては初代『ヘルレイザー』に近いこともあり、本作からの鑑賞も可能。

鑑賞困難?シリーズ第10作『ヘルレイザー ジャッジメント(原題)』

『ヘルレイザー ジャッジメント(原題)』は2018年の映画です。日本国内版はまだ発売されておらず、2019年現在、amazonで輸入盤の購入が可能なのを確認できました。 YouTubeには予告編が公開されています。かなり過激なスプラッタ描写が含まれており、閲覧には注意が必要ですがファンを喜ばせる作品になっていそうです。

『ヘルレイザー』が再リブートへ!

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2019年5月、『ヘルレイザー』がリブート企画が進行中であると発表されました。『ヘルレイザー:リベレーション』をリブート作品とするならば二度目のリブートとなります。 脚本・製作を務めるのはクリストファー・ノーラン「ダークナイト」シリーズの原案で知られるデヴィッド・S・ゴイヤー。ビッグネームが携わることとなり、かなり大きな予算が確保されていることが予想できます。 2019年現在、タイトルや公開日は未定。新しいピンヘッドは誰が務めるのかも注目です。