「カリオストロの城」クラリスを徹底解説!圧倒的ヒロインの声優や元ネタは?【ルパン三世】

スタジオジブリの宮﨑駿が監督したことでも知られる映画『ルパン三世 カリオストロの城』。数あるルパン作品の中でも異色作とも言われる作品です。そんな本作に登場するヒロイン・クラリスの隠された秘密を紹介していきます。 ※この記事は『ルパン三世 カリオストロの城』のネタバレを含みます。
『ルパン三世 カリオストロの城』クラリスのプロフィール!年齢は?

本名 | クラリス・ド・カリオストロ |
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性別 | 女性 |
年齢 | 不詳(推定16〜18歳) |
声優 | 島本須美 |
『ルパン三世 カリオストロの城』(1979)のヒロイン・クラリスは、カリオストロ公国・大公の娘。そして、大公家最後の生き残りにして、たった1人の正統な公位継承者です。 7年前の両親の不審死後は修道院にいましたが、「権力」と「財宝」を狙うカリオストロ伯爵に城へと戻され、結婚を強要されます。伯爵の非道な行いに反発し脱走、その道中でルパンに助けられました。
【モデル】クラリスの元ネタは?原作ではルパンと深い関係
クラリスの名前にはモデルとなった作品があります。それがモーリス・ルブランによって書かれた小説「アルセーヌ・ルパン」シリーズの『カリオストロ伯爵夫人』という作品です。 この作品の中で、ルパンの最初の妻として登場する人物の名前がクラリス・デティーグ。18歳の可憐な少女として描かれ、ルパンとの間には子どもがいる設定となっています。 クラリスはカリオストロ公国の亡き大公の娘であり、幼少時にはルパンが重傷を負った際に救ったことがあります。彼女は父親が亡くなった後にカリオストロ伯爵に結婚を迫られており、花嫁姿で逃げている時にルパンと再会しました。 またクラリスは宮崎駿監督が手掛けた「ルパン1stシリーズ」の11話“7番目の橋が落ちるとき”に登場した少女リーサと似ているところがあります。それはリーサが囚われの身であり、無力でありながらここぞというときには勇気を振り絞るという点。 また21話に登場するリエのエピソードも元ネタです。ラストシーンは銭形警部に追われたルパンがヒロインの元を去るという形で終わっています。
【その後】「カリオストロの城」クラリスはルパンと再会する?
映画公開から17年後に発売されたプレイステーション用ゲーム『カリオストロの城-再会-』にて、映画の後日談が登場しています。 映画から数年後、カリオストロ大公となったクラリス。しかし、カリオストロの腹心であったジョドーが再び裏切り、クラリスの身に危険が迫ります。そこで、映画のラストで交わした約束を守るため、ルパンが助けにやってくるのです。 ちなみに映画を手掛けた宮崎駿監督は、クラリスのその後について「国を維持していくためにローマの遺跡を観光資源にしたりと逞しく生きているだろう」と語っていました。
【名場面】クラリスの名シーンを解説!心に染みる名セリフも
数々の名シーンや名言を生み出してきた『ルパン三世』シリーズ。男のかっこいいところもかっこ悪いところもふんだんに描かれています。何と言ってもルパン一味のやり取りは面白いうえに深みもあり、観ている人を飽きさせません。 怪盗であるにも関わらず、ルパンがお金より女の救出を優先するあたりは男前と言っていいでしょう。普段はただの女好きなのに、時折みせるかっこよさは女性の心にも男性の心にも強く印象に残ります。 そんなルパンの人間性こそが作品内で名シーンや名言を生み出している要因となっています。『カリオストロの城』でも名シーンや名言はたくさん生まれました。そこで次では『カリオストロの城」での名言・名シーンをクラリスのシーンと共に振り返ってみたいと思います。
ルパンとの別れ

クラリスはなんとかルパンによって助け出されましたが、別れはやってきます。ルパンがクラリスの元を立ち去ろうとしたとき、彼女は「一緒に行きたい」と泣いてしまいました。 そこでルパンは「困ったことがあったら、いつでも言いな。おじさん、地球の裏側からでもすぐ飛んでくる」とクラリスに声をかけます。 直前で自分を救ってくれた人にこんな声をかけられたら、納得するしかありません。ルパンはクラリスのおでこにキスをし、彼女の元を去っていきました。 去り際もなんともかっこよく、ルパンの人間性が出ていますね。まさにエンディングにふさわしい名シーンと言えます。
ルパンがクラリスから盗んだものは

ルパンがクラリスのもとを去ったあと、銭形警部がクラリスに声をかけるシーンがあります。その時の会話で銭形警部は「奴はとんでもないものを盗んでいった。それはあなたの心です」とクラリスに言いました。 クラリスはそれに対し「はい」と返事をします。ルパンは怪盗でありそれを追うのが銭形警部の仕事。そんな銭形警部だからこそ出た名言でした。 またこのセリフはルパンに心を奪われた者同士であるからこその発言のようにも思います。銭形警部は何年もルパンを追っているわけですから、銭形警部もクラリスとは違う意味でルパンに心を奪われた1人と言えるでしょう。
【魅力】クラリスのドレス姿や彼女の運転する車が話題に
ウェディングドレス姿がかわいすぎる?

政略結婚が1つのテーマとなっている本作では、クラリスのウエディングドレス姿が度々登場。テレビ放送されるたびに「かわいすぎる」と話題になっています。 劇中の時代設定が1960〜70年代ということで、肌の露出を抑えたクラシカルなウエディングドレスが採用されており、そのシンプルな出で立ちがクラリスの美しさを際立たせていますよね。
クラリスが運転するピンク色のシトロエン 2CV
本作のヒロイン、クラリスが乗っている車はシトロエン2CV。1948年にデビューしたフランスの国民車です。車名「2CV」は「2馬力」の意味ですが、実際はもっと出力があるそうです。続く pic.twitter.com/JqaRLKUvag
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) May 5, 2023
宮崎駿監督といえば、メカへの並々ならぬ情熱で知られています。本作ではウェディングドレス姿のクラリスがシトロエン2CVを運転する、という印象的なシーンが描かれました。 このシトロエン2CVは宮崎駿の愛車であり、免許返納まで乗り継いできたそう。2025年現在はジブリパークに展示されています。
【裏話】クラリスの性格は当初の設定と違う!?
劇場映画第2作#ルパン三世カリオストロの城
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) May 1, 2023
金曜よる9時
清楚で可憐で美しい勇気と行動力がある名ヒロイン・クラリス#島本須美 pic.twitter.com/fqxNuOYdil
宮崎監督の当初の構想では、クラリスはアクティブな性格の少女として登場するはずでした。そしてアクティブなクラリスを引き立てるために、本作ではなんと峰不二子は登場しない予定だったのです。 しかしながらこれに反対したのが製作会社です。製作会社としては、ルパン作品に峰不二子が一切登場しないのは認められないということになりました。宮崎監督は活発なキャラクターである峰不二子を登場させてしまうとクラリスの存在が弱くなると考え、仕方なくおとなしい性格の設定に変更したのです。
【声優】クラリスを演じた声優は島本須美

「カリオストロの城」でクラリスの声を演じたのは、声優・島本須美です。かつては事務所に所属していましたが、現在はフリーで活動中です。 宮崎駿監督との関係は深く、多数の宮崎作品に声優として関わっています。はじまりは別の作品のオーディションに島本が参加したことからです。 そのオーディションは違う声優に決まりましたが、彼女はそこで宮崎駿監督の目にとまりました。島本は『カリオストロの城』のオーディションで宮崎駿監督の指名で参加し、クラリス役に抜擢されたのです。 その後は『となりのトトロ』でサツキの母親役、『もののけ姫』でトキ役を演じました。また『風の谷のナウシカ』では主役のナウシカ役をオーディションの末に獲得しています。 『それゆけ!アンパンマン』ではしょくぱんまんを演じているので、大人から子どもまでなじみある声優と言えますね。
知れば知るほど「カリオストロの城」のクラリスが可愛い

根強い人気を誇る『ルパン三世 カリオストロの城』のヒロイン・クラリス。緻密に練られた世界観の中で生まれたキャラクターであることがわかりますね。 またクラリスは宮崎駿が監督しただけに、ジブリ作品を彷彿させる魅力的なヒロインです。クラリスというキャラクターを深く知った後に作品を見直してみてはどうでしょうか。