「バック・トゥ・ザ・フューチャー1/2/3」全シリーズのあらすじ解説【ネタバレ】
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)あらすじ・解説
1985年、カリフォルニア州ヒルバレーに住む高校生のマーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)は、ミュージシャンになることを夢見る青年。ガールフレンドであるジェニファー・パーカー(クローディア・ウェルズ)や、うだつの上がらない父親ジョージ・マクフライ(クリスピン・グローヴァー)らと共に平凡に暮らしていました。 ある夜、ドクことエメット・ブラウン博士(クリストファー・ロイド)が開発した乗用車型のタイムマシーン”デロリアン”の実験を行うため、ショッピングモールの駐車場へとやってきたマーティ。実験で1955年11月5日にタイムマシンをセットしたところで、リビア人集団に襲われドクは命を落としてしまいます。 マーティはタイムマシーンに乗ってその場から逃げようと試みますが、不本意にタイムトラベルのスイッチを入れてしまいます。 そして彼がたどり着いたのは30年前のヒルバレーでした。30年前のドクを探し出し助けを求めようとするマーティでしたが、ドクは疑心暗鬼。 しかし、自分しか知るはずのない情報を知っている彼を信じ未来へ戻る手助けを始めます。 果たしてマーティは無事1985年に戻り、ドクを救うことができるのでしょうか……。
そして1955年で父・ジョージを助け、代わりに車にはねられたマーティ。運転していた男の自宅に運び込まれ、そこで若かりし頃の自分の母・ロレイン(リー・トンプソン)に好意を持たれてしまいます。本来の歴史では、事故をきっかけにジョージとロレインが出会い、結婚へと至るはずだったのです。 過去が変わったままだと、マーティが誕生した未来は訪れません。存在が消滅しそうになったマーティは、弱虫のジョージが不良のビフ(トーマス・F・ウィルソン)をやっつける手助けをし、無事に2人が結ばれる未来を守ります。 そして落雷を利用して1985年に戻ったマーティでしたが、あと一歩ドクが撃たれるのに間に合いませんでした。しかし1955年で事件のことを聞いていたドクは、銃撃に備えて防弾チョッキを着こんでいたのです。 ドクの無事を喜んだマーティが自宅へ帰ると、以前よりも裕福になっていることに驚きます。ビフに勝ったことで自信をつけたジョージが小説家として大成していたのでした。 すべて丸く収まったと思ったマーティの前に、ドクの乗ったデロリアンが現れます。未来で重大なトラブルが発生したと聞き、マーティは解決のために未来へと旅立ちました。
1作目の解説
記念すべき第1作目は、全米公開からまたたく間に人気を獲得。「フューチャー現象」という社会的なブームを巻き起こしました。 監督はスティーブン・スピルバーグの弟子として知られ、のちに『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994年)でアカデミー賞作品賞・監督賞を受賞するなど、ヒットを連発するようになるロバート・ゼメキスです。 タイムトラベルをテーマとし、マーティの両親が高校生だった1955年のカルチャーを色濃く反映しているている本作ですが、脚本家のデヴィット・ゲイルは「本作は家族の物語」と断言。「家族に関する物語の物語は常に共感を呼びますし、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は“自分の両親も前は子どもだったんだ”という気づきを描いている」と説明しています。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989年)あらすじ・解説
前作で過去へとタイムトラベルをした主人公のマーティは、無事に自分がそれまで生活してきた1985年の世界へと戻ることができ、平穏な日常を送るかに思えました。しかしそんな矢先にドクが現れ、マーティと彼の恋人ジェニファーをタイムマシン、デロリアンに乗せて2015年の世界に向かいます。 2015年という“未来”は、薄型のコンピューターや宙に浮いているボード「ホバーボード」など画期的なものに溢れた場所でしたが、ドクがマーティたちを未来へ連れてきた理由は、2人が将来授かる子供が窃盗事件を起こし、家庭を崩壊させるからでした。その後、危機的状況を防げたことに安堵し、彼らは再び1985年の“現代”に戻ってきました。 しかし、彼らがタイムマシンを利用して未来へやってきたことを知ったビフによって、“現代”であったはずの1985年はそれまでとは全く異なる世界へと様変わりしていたのでした。こうして、あるべきはずの現代を取り戻そうとするマーティたちの奮闘が始まります。
2015年のビフはマーティとドクの目を盗み、デロリアンを使って1955年の自分にスポーツ年鑑を渡していました。その結果、スポーツ賭博で大富豪となっていたビフ。しかもジョージはビフに殺され、ロレインは彼と結婚させられていたのです。 スポーツ年鑑によって彼が成り上がったと聞き出したマーティは、再びデロリアンに乗り1955年へ。紆余曲折の末、ビフの手から年鑑を取り戻すことに成功しました。 マーティは事件を解決し現代へ帰ろうとしますが、落雷によってドクをデロリアンが消えてしまいます。困惑するマーティの前に電報会社の男が現れ、ドクが1885年へと飛んでしまったことを知るのでした。
2作目の解説
1作目をは打って変わって、公開当時から30年後の未来を描いた2作目。日常生活の至るところでテクノロジーの進化が見られる劇中の2015年は、観客に夢やロマンを与えました。 実は脚本の初稿では、物語の舞台は60年代だったとか。しかしのちに、タイムトラベルと時間のパラドックスを描くことを意識するようになったゼメキスらは、「普通では絶対にできないことをしよう」と舞台を未来に変更したそうです。 また「PART2」では、1つの画面上に同じ俳優が2〜3人登場するという、当時としては画期的な演出も。これを実現するために、米VFX制作会社Industrial Light & Magic社依頼して、新たなカメラを開発してもらったのだとか。 「PART2」の舞台となった2015年は、今では過去になっています。すでに実現しているテクノロジーや、そうでないものを比べながら観るのも楽しいでしょう。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』(1990年)あらすじ・解説
前作のラストで1955年に立ち往生してしまったマーティは、ドクから手紙を受け取り、彼が落雷により1885年に飛ばされてしまったことを知ります。 西部劇の時代を気に入ったので迎えに来なくていいと手紙には書かれていましたが、マーティは偶然、ドクが手紙を書いた直後に殺されてしまうことを知るのです。 そしてドクを助けるためマーティは1885年に向かうのでした。
ドクと共に未来へ帰ろうとするも、ガソリン漏れでデロリアンは走行不能に。時速140キロを超えないと装置が作動しないため、蒸気機関車で車を押す作戦を思いつきます。しかしドクはクララという女性と恋に落ち、しかもマーティはドクを殺すこととなるビュフォード・タネンと決闘をする羽目に。 見事決闘に勝利し、2人は機関車をジャックして作戦を決行します。そこへクララが現れ、機関車からあわや転落しそうになったため、ドクは彼女を救出。マーティは一人で未来へと帰るのでした。 現代へ戻った途端に機関車でひかれてしまい、デロリアンはバラバラに。ドクとの別れを悲しむマーティが残骸を眺めていると、蒸気機関車型のタイムマシンが現れます。乗っていたのはドクとクララ、そして2人の子供。彼らがマーティとの挨拶を終えると、タイムマシンは空へと消えていくのでした。
3作目の解説
シリーズのしめくくりとなった「PART3」の舞台は、なんと西部開拓時代。SF映画でこの時代を舞台とすることはあまりないと思いますが、そこにはどんな背景があったのでしょうか。 主演のマイケル・J・フォックスによると、彼は同作の打ち合わせの際にゼメキスから「もしどこかに行けるなら、どこに行きたい?」と聞かれたのだとか。それに対してフォックスは「西部開拓時代かな。誰もがカウボーイになりたいと思ってる」と答え、それが実現しました。 19世紀後半のアメリカを再現するために、本作では既存のセットは使わず、アメリカ西部のモニュメントバレーに「1885年のヒルバレー」を1から作りあげたそうです。細部まで徹底的にこだわったセットに、俳優たちの士気も上がったでしょう。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー4」は公開される?
世界中で絶大な人気を誇る「BTTF」シリーズは、かねてから続編の製作を望む声が上がっていました。近年は「ゴーストバスターズ」や「ジュマンジ」など、1980年代〜1990年代のヒットシリーズの続編やリブートがヒットしていることもあり、「BTTF」も続編がありえるのでは、と期待するファンもいます。 MCUの「スパイダーマン」シリーズで知られるトム・ホランドは、2020年2月ごろ1時期「BTTF」の続編についての交渉があったことを明かしています。しかし、2022年現在続編の製作の予定はない様子。 シリーズの脚本を担当してきたボブ・ゲイルは米Colliderによるインタビューで、シリーズの主演を努めたマイケル・J・フォックスはパーキンソン病を患い、演技から距離を置いているため、彼抜きで続編を作ることはありえないと語りました。 またお金のために続編を製作することはしたくない、と言い「誇り高き親として、子供を簡単には売り出したくない」とシリーズへの愛ゆえに続編を製作しないと説明しています。
キャスト・制作陣が再集結していた?
2020年には新型コロナウィルスの支援を目的とした、俳優のジョシュ・ギャッドが司会を務めるYouTubeの番組 『Reunited Apart』に、キャスト・制作陣が再集結。マイケル・J・フォックスをはじめとするメインキャストや監督、脚本家がZoomで出演したことで話題を呼びました。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズの感想・評価
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)の感想
何度見てもワクワクする。テンポの良い展開でとても見やすいのもいい。洋画が好きになったきっかけの作品。
(30代男性)
タイムスリップし両親の恋を応援するストーリー。マイケル・J・フォックスの前向きなキャラクターがばっちりハマってる!音楽も好き。
(20代女性)
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の感想
1作目に引き続き面白かった。未来の世界が楽しい。続編が気になる終わり方だけど、それもワクワク感が増す。
(30代女性)
1作目派か2作目派か永遠に決まらない。当時考えていた未来がどのくらい実現しているのか、答え合わせ的な意味でも楽しい。
(40代男性)
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』の感想
3作目の舞台が西部劇だったり、ドクの最後だったりが全く予想つかなくてワクワクドキドキ。マーティとドクの成長がものすごく良い。
(30代男性)
3作全部面白いってどういうこと?とにかくずっと面白いしワクワクする。未来は自分で作る!っていうテーマもすごく爽やか
(20代女性)
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのトリビアを紹介
ここからは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズに隠された意外なトリビアを紹介しましょう。あのタイムマシンの秘密から、役のモデル、キャスト、そして知られざる裏設定まで、興味深いものばかりです。
タイムマシーンは洗車機型の予定だった
製作総指揮のスティーヴン・スピルバーグによると、当初タイムマシンは大型の動かない物にしようと考えていたのだとか。洗車機や冷蔵庫、または部屋のようなものを想定していたそうです。 しかしその後、監督のロバート・ゼメキスと脚本家のボブ・ゲイルがタイムマシンを車型にするというアイディアを思いつき、「それですべてが納得できるようになった」と語りました。 冷蔵庫に入るというアイディアは、後にスビルバーグが『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』で使っています。
ドクのペットはチンパンジーの予定だった
科学者ドクのペットといえば犬のアインシュタインですが、製作者は本当は犬ではなくチンパンジーを使いたかったそう。しかし、ゼメキスとゲイルは当時のユニバーサル・スタジオのトップからこんなことを言われたそうです。 「調査をしたら、チンパンジーが登場した映画にヒット作はない」。ゲイルは「「ダーティファイター」シリーズはどうなんだ?」と反論しましたが、「あれはオランウータンだ」と言われてしまったのだとか。
ビフのモデルはドナルド・トランプ
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズに登場するビフ・タネンは、ヒルバレーに住むマーティの両親・ジョージやロレインの高校時代の同級生です。シリーズを通して悪役に回っている人物で、PART2では、高層カジノのオーナーをしている大富豪として登場しています。 この大富豪の姿の元ネタは、なんと第45代アメリカ大統領のドナルド・トランプだったのです。カジノの形はトランプ・プラザホテルにそっくりで、本作の共同脚本ボブ・ゲイルもその影響を認めています。
メジャーなスタジオから40回以上断られた
1作目の企画書を持って映画会社を回った製作者は、コロンビアピクチャーズやディズニーなどのメジャーなスタジオから、40回以上断られてしまったそうです。 特にディズニーの幹部は、脚本を読み「近親相姦的な映画だ」とカンカンに怒ったとか。どうやらタイムスリップしたマーティが若いころの母親とキスするシーンが、そう捉えられてしまったようです。
PART2と3は、2本でひとつの作品
製作側は最初、PART1のみで終わらせるつもりでした。 しかし、ビデオ版のラストに、「彼らの冒険はまだまだ続く」という意味で「To Be Continued(続く)」というテロップを入れたところ、続編の存在に関する問い合わせが殺到。結果的にシリーズ化されることが決まったのです。 そんな中で企画された続編は、1本だけ作られる予定でした。しかし次々に浮かぶアイデアを1作にまとめると長過ぎることがわかり、2本に分割することになったといいます。つまりPART2と3は、2つで1本の作品になるのです。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART4」の可能性は限りなくゼロに近い?
監督のロバート・ゼメキスは言い切ります。「3はドラマチックな数字で、この映画は3部構成であることに意味があるんです。4なんか作ったらありきたりで退屈でしょう」。 また、脚本のボブ・ゲイルは2015年のThe Hundredsのインタビューで、やはりさらなる続編は作らないと明言。彼はその理由の1つとして、マイケル・J・フォックスの出演の可能性が低いことを挙げています。 パーキンソン病を患ったフォックスは、1998年に病気を公表し、俳優業を一時休業。2010年以降、少しずつ俳優活動を再開しました。 ゲイルはそのことに触れ、「誰がマイケル・J・フォックスのいないBTTFを観たいでしょう?」と語っています。また、キャストを変えるという案にも「誰かを新たなマーティ役にしても、それを見たいとは誰も思わない」と否定的です。 やはり4作目は、少なくとも彼らの手によっては作られないのでしょう。
スピルバーグはPART3がお気に入り
ロバート・ゼメキス監督が一番気に入ってるのはPART2。自身の最高傑作と考えているそうです。 一方、製作総指揮を務めたスティーブン・スピルバーグの意見は、そうでもない様子。 彼はEmpire誌のインタビューで「2作目は『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』のように、通過点に過ぎない作品です。内容は暗いし、観客には1作目と同じものを期待しないでほしいと伝えたほうがいいかもしれないと思いました。3作目が一番好きです。西部劇の雰囲気が」と語っています。
幻のアンハッピーエンドバージョンも考えられていた!?
製作者の2人ロバート・ゼメキスとボブ・ゲイルは、当初エンディングとしてかなりヘビーなものを考えていたのだとか。 その中には「未来に絶望したマーティが自殺する」とか、「原子力で動くデロリアンをネバダ州の核実験施設に持っていき、爆発によって1985年に送る」という、かなりアンハッピーなものもあったとか。しかし脚本を書きすすめるうちに「どのキャラクターも殺したくない」という気持ちになり変更したそうです。
暗すぎてクビになったマーティ役
製作者が最初にマイケル・J・フォックスに主人公マーティ役のオファーを出したときは、スケジュールの都合で断られてしまいました。かわりにマーティ役に選ばれたのが、現在はプロデューサーや監督としても活躍するエリック・ストルツ。ところが撮影開始から6週間が経ってからエリックは降板させられます。 理由は、彼の演技が暗すぎてコミカルなテンポのBTTFには合わないから。 そして再度マイケル・J・フォックスに頼み込み、なんとかスケジュールを調整して引き受けてもらったそうです。
ドク役候補に名前のあがったスターたち
マーティの親友で科学者のドク役には、さまざまな俳優の名前が候補として挙がっていたようです。 『愛と追憶の日々』で知られるジョン・リスゴー、『ミスター・アーサー』で知られるダドリー・ムーア、『ジュラシック・パーク』や『インデペンデンス・デイ』でも科学者を演じているジェフ・ゴールドブラムなど、錚々たる面々です。
マーティの父ジョージはマーロン・ブランド風?
PART1でマーティの父ジョージ・マクフライを演じたのは、演技派でありながらもハリウッドきっての変人として知られるクリスピン・グローヴァー。当時の彼が心から尊敬し憧れていたのは、『ゴッドファーザー』『地獄の黙示録』などでおなじみの大物俳優マーロン・ブランドでした。 そんなクリスピン、ことあるごとにマーロン・ブランド風の演技を取り入れたがるので、周囲は頭を抱えていたそう。「君の演技は作品の雰囲気に馴染んでないからやめなさい」と注意されたクリスピンは「マーロンが馴染んでたことなんて一度もなかったよ!」と言ったという逸話が。
ビリー・ゼインの映画デビュー作
『タイタニック』でのイヤミな恋敵役で有名になったビリー・ゼインですが、実はBTTFが映画デビュー作です。彼はビフの手下の1人、マッチを演じていました。 他にも、「山猫は眠らない」シリーズや吸血鬼ホラー『ブラッドレイン』などに出演しています。
イライジャ・ウッドの映画デビュー作
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの主人公フロド・バギンズ役で有名なイライジャ・ウッドも、BTTFが映画デビュー作。2015年の世界が舞台となったPART2の中で、カフェで射撃ゲームをする子どものうちの一人です。ぜひ探してみてください。
レーガン元大統領はBTTFファン?
1955年にタイムスリップしたマーティがドクに未来の大統領を尋ねられ、その当時は俳優だったレーガン大統領の名を答えるやりとりは印象的ですが、レーガン元大統領本人はこのシーンで大爆笑したのだとか。 また彼は、1986年の一般教書演説のなかで、1作目の最後のセリフを引用しています。
時計ぶら下がりシーンには元ネタがあった
PART1冒頭部分に登場する、針に人がつかまっている時計。まさかラストでドクがあの時計と同じ状態になってしまうとは、想像もつきませんでしたよね。 あの有名なシーンは、1923年のハロルド・ロイド主演『ロイドの要心無用』という無声映画からインスピレーションを得て作られたそうです。
試写会で大ブーイングが
1985年にPART1が公開される以前に行われた試写会では、会場が観客の悲鳴と大ブーイングで包まれたシーンが1か所ありました。 それは、ドクがタイムマシーンのテスト走行として、愛犬アインシュタインを1分先の未来に送るシーン。映画を初めてみた人々は、ドクが愛犬を殺してしまったと勘違いしたそうです。
タイムマシーンはマスタングになっていたかも
BTTFを見たことがあれば、自動車に詳しくない人でもデロリアンという車種はご存知ですよね。製品が映画に使われるということは、それほどの影響力を持つのです。 撮影中の製作者のもとに、フォード社から一通の手紙が届きました。 それは「タイムマシーンをデロリアンからフォード社製マスタングに変更してもらえたら7万5千ドル(現在の約17万ドル)を払う」という内容だったそう。それに対するゲイル答えは「ドクは(高級車の)マスタングには乗らない!」だったとか。
デロリアンが選ばれた理由
実はデロリアン社は、PART1が公開されるより前の1982年に倒産しています。なぜ既に製造終了している車種が、タイムマシーンのベースカーに選ばれたのでしょうか。その理由は、ガルウィングドアの個性的な見た目はもちろん、設計者ジョン・デロリアンの波乱万丈な人生にもあったようです。 コカインの取引で2億4000万ドルを失い、会社を倒産させた彼は、のちにゼメキスとゲイルに、映画にこの車を使ってくれたことに対する感謝の手紙を送りました。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は何度観ても飽きない名作シリーズ
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズは、過去と未来ストーリーがわかりやすく描かれており、大人から子供まで楽しめる作品です。 その上でマーティやドクはもちろん、ビフのような個性的なキャラクターが登場することで、長くファンから愛される作品に仕上がっています。まだ観たことがないという人にも、もう既に何度も観ている人にとっても、いつ観ても面白い映画と言えるでしょう。