名作『ライフ・イズ・ビューティフル』の心に響く名言・名セリフを紹介!
1997年公開のイタリア映画『ライフ・イズ・ビューティフル』。
主演、監督、脚本を担当したロベルト・ベニーニは、初めて英語以外の言葉を話す俳優としてアカデミー主演男優賞を受賞しました。ユダヤ人迫害という重いテーマを描いているにもかかわらず、笑いあり、涙ありのイタリアらしい演出で、暖かな後味を残してくれる本作。
どんな状況でも希望を持って生きれば「人生は美しい」と思わせてくれる、そんな名言をご紹介します!
ジョズエの名言
「これは素朴な物語。話すのは簡単ではないけれど。童話のように悲しみがあり、童話のように驚きと幸せにあふれている。」
このジョズエのナレーションから物語は始まります。まさに、悲しみと驚きと幸せにあふれた、童話のような物語の始まりです。
グイドの名言
「ここは一体どんな場所なんだ?なんて美しいんだ!鳩は飛び、おまけに女が空から落ちてくる!僕はここに引っ越すよ!」
イタリアの田舎町で偶然ドーラと初めて会った時のグイドの言葉。とっても陽気で、いかにもイタリア人らしい一言ですね!
エリゼオおじさんの名言
「お前は奉仕するが、召し使いじゃない。奉仕は最高の芸術だ。神は最初の奉仕者。神は人間に奉仕するが人間の召し使いじゃない。」
給士として働くグイドへの言葉です。給仕=奉仕は人に献身することであり、最高の芸術である、とエリゼオおじさんは説きました。
つまらないと思える仕事も視点を変えると意味のある大切なものになるのです。
グイドの名言
ジョズエ「“ユダヤ人と犬はお断り”。どうしてどのお店も“ユダヤ人お断り“なの?」 グイド「ああ、そうんなんだ。‘お断り“の張り紙は最近の流行なんだ。この間、カンガルーの友達と店に入ったら“カンガルーお断り”の張り紙があったんだ。だからダディは友達に言ったんだ。“じゃあどうしようか?店はカンガルーお断りだって”って。」
ジョズエ 「どうして僕たちのお店は“お断り”の張り紙を出さないの?」 グイド 「じゃあ明日、張り紙を出そうか。でも好きじゃないものならなんでもお断りすることができるんだよ。お前は何が嫌い?」 ジョズエ 「クモ。」 グイド 「よし、パパは西ゴート族。明日、“クモと西ゴート族お断り“のサインをだそう。」
子供のジョズエの目にも見える程、ユダヤ人迫害がだんだん厳しくあからさまになってきた頃。ジョズエの子供らしい素朴な質問に、グイドは状況を悟られないよう面白い作り話をして答えます。
グイドの狙い通り、二人のやりとりはまるで笑い話の一節のようですね。
エリゼオおじさんの名言
「沈黙は最も強い嘆きなんだ。」
言葉を発さない、発せないからこそ、耐えて内に秘めた強い意志、悲しみ、叫び、嘆きがあるものです。ユダヤ人であるがために受けた嫌がらせに対して、グイドに言ったセリフ。
これもまたエリゼオおじさんの重みのある言葉です。
ドーラの名言
「私の夫と息子があの列車に乗っているんです。私も乗ります。あの列車に乗りたいんです。」
強制収容所行きの列車に乗せられたグイドとジョズエを追ってきたドーラが、ドイツ軍将校に言った言葉。
夫と息子と運命を共にするという、ドーラの強い意志が感じられます。
グイドの名言
ジョズエ「エリゼオおじさんはどこに行くの?」 グイド「ああ、おじさんは違うチームでプレイするんだよ。じゃあね、おじさん!」 ジョズエ「じゃあね、おじさん!」
他の老人たちと共に違う建物に送リ込まれるエリゼオおじさん。
もうに度と会えないかもしれないことをうすうす感じるグイドですが、ジョズエに感づかれないようにあくまでもゲームを装います。ジョズエのさよならの言葉が無邪気に響きます。
グイドの名言
「さあ、ゲームの始まりだ。お前は1000ポイント貯めなきゃいけない。もし1000ポイント貯めたら、大砲のついた戦車を家に持って帰れるんだよ。」
収容所に入ったグイドとジョズエ。グイドは違和感を感じ始めたジョズエに、これはゲームだと言い、頑張って1000ポイント貯めたら戦車をもらえると作り話をつけて活気づけました。
グイドの名言
「これには3つの減点がある。1つめは泣くこ。、2つ目はママに会いたいって言うこと。3つ目はお腹が空いた、食べるものが欲しいって言うこと。」
グイドはゲームのルールの禁止事項を幼いジョズエに教えました。まだ小さく純粋なジョズエに、恐怖を与えずうまく収容所ですごせるよう、グイドはルールをうまく作って説明します。
幼い子供にとってこの3つは一番切実に感じるであろうこと。これを禁じなければならないグイドの父親としての痛みが感じられます。
グイドの名言
「お前はとってもいい子だ。眠りなさい。いい夢をね。多分私たちは二人とも夢を見てるんだ。多分これは全部夢でマミーが私たちを起こしてくれて、ミルクとクッキーを用意してくれるんだ。」
収容所での1日が終わり、疲れ切ったジョズエをベッドに抱えて寝かしつけたときのグイドの一言。収容所での悪夢のような生活は夢であってほしいとの、疲れ切ったグイドのはかない願望が感じられます。
ジョズエの名言
ジョズエ「僕たちは勝ったんだ!」 ドーラ「そうよ、私たちは勝ったのよ。本当に!」 ジョズエ「僕たちは1000ポイント貯めたんだ。だからゲームに勝ったんだよ!ダディと僕は一等賞になったんだ。だから本物の戦車をもらったんだ。勝ったんだ!」
ゲームに勝ったと思い込むジョズエ。何のことかわからず、戦争が終わったことを喜ぶ母。
父の言ったことをまだ疑いもせず、我慢して耐えて1000ポイントを貯めて勝ったと思っているジョズエの喜びと、もう我慢しなくていいんだという純粋な喜びが感じられます。
ジョズエの名言
「これが私の物語。父が命をかけて私にくれた贈り物。」
このジョズエのナレーションで物語は幕を閉じます。
強制収容所という最悪の状況下、全てをゲーム、遊びに変えて芝居し続けることで小さい頃の自分を守り、なんの恐れや苦しみさえも感じさせなかったグイド。それどころかいつもユーモアで笑わせてくれ、最後まで希望を持たせてくれたグイド。
「人生は美しい」という意味を教え、美しい人生という贈り物をくれた父・グイドの物語だったのです。