映画『たかが世界の終わり』あらすじ・キャストまとめ【天才グザヴィエ・ドラン新作】

2017年7月6日更新

繊細に語る「愛」の形が評価される天才監督グザヴィエ・ドランの新作が2017年2月に日本でも公開されます。フランスを代表する名優たちを集めて描きたかった「家族の愛」とは…?大注目の今作を観る前に押さえておきたいあらすじやキャストなどの基本情報を紹介します。

天才グザヴィエ・ドラン監督の新作映画『たかが世界の終わり』が公開!

若干27歳にしてカンヌ映画祭の常連であるグザヴィエ・ドラン監督の待望の新作が2017年2月に日本でも公開されます!

マリオン・コティヤール、レア・セドゥ、ヴァンサン・カッセルといったフランスを代表する役者を豪華に使った『たかが世界の終わり』は、カンヌ映画祭でグランプリを獲得した作品。ドランらしい繊細な感性で「家族」の形を描いた良作です。

この記事では公開前に押さえておきたい本作の基本情報をまとめて御紹介します。

『たかが世界の終わり』あらすじ

家族と関係を絶っていた作家のルイ。彼が12年ぶりに突然帰郷したのは、自分が病に侵され余命わずかであることを告げるためでした。12年ぶりの感動の再会になるはずであった帰郷。しかし現実はそう簡単ではなかったのです。

母、赤の他人に近い妹、兄、そして兄の妻。ルイを取り巻く家族の中で、怒りや憎しみといった感情が飛び交います。その果てに彼が見つける愛とは何か。家族とは何か。絶望の中に希望はあるのでしょうか?

人間なら誰もが悩む問題に、成長したグザヴィエ・ドランが独自の視点で斬り込みます。

『たかが世界の終わり』の豪華なキャスト陣

主人公ルイを『ハンニバル・ライジング』などで知られる新星ギャスパー・ウリエルが演じる

主人公で、余命の短い作家のルイを演じるのが、フランスが誇るイケメン俳優ギャスパー・ウリエル。2016年現在31歳のウリエルは、注目の新星です!

大学で映画を学んだ後俳優としての活動を始めた彼は、2004年の『ロング・エンゲージメント』でセザール賞の有望若手男優賞を受賞。以後活動の幅を広げ、2007年の『ハンニバル・ライジング』で若き頃のハンニバル・レクター博士を演じて世界的に有名になりました。

最近だとデザイナー・イブ・サンローランの生涯を描いた『SAINT LAURENT/サンローラン』で主役を務めました。その甘いマスクを生かしてシャネルの香水モデルとしても活躍中です。

妹スザンヌを演じるのは『アデル、ブルーは熱い色』で知られるレア・セドゥ

ルイとは関係の浅い妹スザンヌを演じるのは2000年代からフランスを代表する女優の一人として活躍してきたレア・セドゥです。

問題作『アデル、ブルーは熱い色』で魅惑的な主人公エマを演じ、カンヌ映画祭で監督と並んでパルムドール賞を受賞しました。2009年の『イングロリアス・バスターズ』でハリウッドデビューも果たしており、活動の場は広がるばかり。近年では『007 スペクター』でボンド・ガールを務めたことでも有名ですね。

アーティスティックでパンクな美大生にもなれば、美しいボンドガールにも扮したりと、彼女は正真正銘のカメレオン女優。本作では腕にたくさんのタトゥーを入れた若い女性を演じますが、どのような役どころなのか、気になるところですね。

母マルティーヌを演じるのはフランスの大女優ナタリー・バイ

ルイの母親を演じるのはフランス映画界の大御所ナタリー・バイ。ドラン監督とは『私はロランス』以後2回目の共同作です。

フランス国立高等演劇学校で学んだ彼女は1970年代に映画女優としてのキャリアをスタートし、フランソワ・トリュフォーやジャン=ルック・ゴダールといった名監督の作品に多く出演しました。ハリウッド映画の中では『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』が最も有名です。

ルイの好きな料理を準備し、浮き足立って息子を迎える母親の姿を、ベテラン女優ナタリー・バイはどのように描くのでしょうか。

兄アントワーヌを演じるのは『ブラック・スワン』出演のヴァンサン・カッセル

興奮気味の母とは違ってそっけなく弟を迎える兄アントワーヌ役には、ヴァンサン・カッセルが起用されています。

1995年のシリアスな社会ドラマ『憎しみ』で注目されて以来、フランス国内外を問わず活躍を続けるカッセル。『オーシャンズ12』で怪盗「ナイト・フォックス」ことフランソワ・トゥルアーを演じ名を馳せました。また『ブラック・スワン』では主人公ニナを狂気に追い詰める演出家を演じています。

もともと本作のアントワーヌ役を演じる予定はなく、直前になって急遽採用されたと言います。

兄嫁カトリーヌ/マリオン・コティヤール

そしてメンバーの中で唯一ルイとは初対面であるアントワーヌの妻カトリーヌ役には、フランスだけでなく世界を代表する名女優のひとり、マリオン・コティヤールが選ばれています。

90年代からフランス映画界で活動してきたコティヤールは2003年の『ビッグ・フィッシュ』でハリウッドデビュー。以後『プロヴァンスの贈りもの』『インセプション』『マクベス』といった映画で名だたる俳優と共演を重ねていきました。

2007年の『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』では世界中の名だたる賞にノミネートされ、アメリカ映画でないにもかかわらずアカデミー主演女優賞を受賞しました。また「世界で最も美しい人」ランキング上位の常連でもあります。

監督はあのグザヴィエ・ドラン!

今やグザヴィエ・ドランの名を知らない人はいないでしょう。

カナダ・ケベック州の生まれであるグザウィエ・ドラン監督は、2016年現在なんと27歳!メインキャストの5人よりも若いのです。しかし既にカンヌ国際映画祭で4度の受賞経験を誇るベテランです。

幼い頃から子役として活動してきたドランですが、19歳の時に監督した長編映画『マイ・マザー』が高評価を獲得したことから、映画監督として名を知られるようになります。

それから『胸騒ぎの恋人』『わたしはロランス』や『Mommy/マミー』といった話題作を次々と発表しました。

自身も同性愛を公言している彼は、同性愛、家族、愛といったテーマに鋭い切り込みを入れることが多く、本作もその一つです。本作について

(原作となった演劇の脚本を)初めて読んだ時は何とも思わなかったけど、5年後に読み返して見たら、深く感動した。この映画の登場人物たちはみな愛し難い存在だけど、だからこそ人間味に溢れているんだ。
引用:heyuguys.com

と語っています。

豪華キャスト集結の背景

『たかが世界の終わり』の見どころの一つはやはり、フランス映画界の名だたる俳優たちが集まっていることでしょう。若手監督のもとにこれだけのメンバーが集まるのは珍しいこと。

本作はもともとは舞台作品であり、物語もある一度の夕食を軸に進むために、セリフや演技に重点が置かれます。だからこそドラン監督は最高のキャストを手に入れるべく奔走したのです。

しかし多忙な彼ら皆がオファーを受けたことには、プロデューサーも監督自身も驚きだった模様です。出演者は全員以前にドラン監督の作品を見たことがあり、その映像作家として手腕や語り方に深い印象を受けていました。いつかは彼とともに仕事をしたいと、自ら願っていたのです。

俳優陣が語るドラン監督の人物像

今作で初めてグザヴィエ・ドラン監督と組んだレア・セドゥは、以下のように彼を評しています。

彼は自分が何をしたいのか良く分かっている。だからとても厳密に映画撮影を進めていくの。また自分自身が俳優であることもあって、演技指導もとても厳しく細かくなされたわ。
引用:indiewire.com

一方でドランよりも一回り年上のヴァンサン・カッセルは、彼を「実験的」であると述べています。

全てのことが撮影前から明確に決まっているのに、それでも僕たちはとても自由に演技ができるんだ。
引用:indiewire.com

カット前にダメ出し!?規格外の演出

たかが世界の終わり

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ドラン監督の撮影手法は独特で、現場でもかなり演技に干渉する主義だそうです。

頭の中に明確なアイデアがある監督で、新しいアイデアが思い浮かぶと撮影中でもダメ出しをする規格外な撮影方法で、俳優陣もフィルムが回りきるまで気を抜けなかったようです。

また、口数の少ない主人公を演じる役者には、「セリフ以外での表現方法を一緒に探っていこう。」と直筆の手紙を送ったそうです。

演劇脚本を映画化したドランの工夫

原作であるジャン=リュック・ラガースの演劇脚本についてグザウィエ・ドランは、

ラガースの文章が面白いのは、登場人物たちの緊張がひしひしと伝わってくること。また、彼らが延々と無意味なことについて喋り続けることなんだ。彼らはたくさん喋るのに、誰も自分の本当の感情は口にしない。
引用:heyuguys.com

と語っています。

そう、登場人物の言動こそが今作の一番の焦点。それを強調するために、この映画ではクローズアップが多用されているといいます。また、色彩にも強いこだわりがあり、回想シーン以外は青と茶色のみが基調となっているそう。

ドラン監督がインタビューで語った魅力は?

原作は、共演したナタリー、マリオンと共演するための媒体となってくれたと語るグザビエ・ドラン監督。原作の戯曲には

嘘、秘密、表情、葛藤、沈黙、僕の撮りたい全てが揃っていた。

映画『たかが世界の終わり』の気になる日本公開日は?

2016年5月にカンヌ国際映画祭で上演され、同年9月にフランスとケベックで公開されたグザヴィエ・ドラン作品『たかが世界の終わり』。日本での公開は2017年2月11日(土)と予定されています。春休みは映画館に直行ですね!