ブラッド・ピット主演映画『ファイトクラブ』の名言をご紹介!
チャック・パラニュークの同名小説をデヴィッド・フィンチャー監督がブラッド・ピット主演で映画化した『ファイトクラブ』。1999年の公開当時には、その暴力的な内容と、ブラピ演じるタイラー・ダーデンの正体に関する衝撃的なラストが大変話題になりました。
本作の作品中には多くの名言が登場します。この記事では、その中から厳選した名言中の名言をご紹介!
「僕」(ナレーター)の名言
「違う時間に違う場所で目を覚ましたら、僕は違う人間になれるだろうか?」
物質的には何不自由ない暮らしを送りつつも満たされない生活を送っていた、平凡な会社員の主人公「僕」。心の中にモヤモヤとしたものを抱え、自分とは違う人間になりたいと思うようになります。
この感情は本作の根底となるテーマであり、私たち現代人は誰でも一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
「僕」(ナレーター)の名言
「腫瘍ができたらマーラと名付けよう」
自分より不幸な人々を見るために重病患者の会に「ニセ患者」として潜伏するようになった「僕」。束の間の癒しを得るものの、自分と同じことをしている女性マーラの存在に気づきます。
マーラに対して「腫瘍のように邪魔で忌々しい女だ」と嫌悪感を剥き出しにする「僕」。なぜなら、彼女は自分とすごく似ているから。
私たちが誰かを嫌うとき、もしかするとその感情はその人によく似た自分に向けられたものかもしれませんね。
タイラー・ダーデンの名言
「お前は物に支配されている」
「僕」の前にあらわれた、正反対の性格を持つワイルドな男タイラー・ダーデン。彼は「僕」の目を見てこう言い切ります。
このセリフにギクリときた人は多いでしょう。今までなんとなく気づいてはいたものの、心の中で見て見ぬふりをしていた事実。必需品ではないものを購入するために働くなんて、意味のない行為かもしれません。
タイラー・ダーデンの名言
「我々は消費者だ。ライフスタイルに仕える奴隷。殺人も犯罪も貧困も誰も気にしない。それよりアイドル、テレビ、ダイエット、毛生え薬、インポ薬にガーデニング…。何がガーデニングだ!タイタニックと一緒に海に沈めばいいんだ!」
現代人は企業広告やイメージに踊らされて消費“させられている”とタイラーは主張します。もっと気にかけるべき問題は山積みなのに、目先の快楽に気を取られてしまっていると。そして「完璧を目指すことはない、自然な生き方をしろ」と続けます。
たしかにダイエット薬も毛生え薬も、生活必需品というわけではないかもしれません。それらを買うために働き続けて一生を終えるのは悲しいことですね。
タイラー・ダーデンの名言
「ファイトクラブへようこそ。第1のルール、クラブのことを口外するな。第2のルール、クラブのことを口外するな。」
「僕」とタイラーの殴り合いに興味を持った人々が次第に集まり、地下室で1対1の喧嘩をする秘密結社ファイトクラブが設立されます。リーダーであるタイラーが会員たちを前にクラブのルールを説明するシーン。
「秘密だ」と強調されるほど興奮してワクワクしてしまうのは、人間の性ですね。
タイラー・ダーデンの名言
「ワークアウトは自慰行為だ。男は自己破壊を!」
ジムに通って下着モデルのような肉体を目指すなんてアホのすることだと、タイラーは主張します。本当の男とはなにか?血まみれになりながらもすべてを捨て去り殴り合いに勝つことができる人物。そう、ファイトクラブのメンバーのように…。
いくら外見だけを強そうに見せかけても、実際の闘いで勝利できなければ意味が無いのです。
タイラー・ダーデンの名言
「痛みを感じろ。苦しみと犠牲が尊いんだ。痛みから逃げるな。人生最高の瞬間を味わえ」
タイラーは「僕」に本当の痛みとは何かを教えるため、「僕」の手の甲に薬品を浴びせて火傷させます。痛みに耐えられず逃げ出そうとする「僕」を押さえつけて言ったセリフがこちら。
痛みから目を逸らして生活を続けるのはラクかもしれませんが、最後にはもっと大きな痛みを伴うことになるでしょう。本作の「僕」のように…。
「僕」(ナレーター)の名言
「この男が疑問にも思わずやってきたこと。それが悪を生んできた」
タイラーが出した宿題のために、「僕」が会社の上司と喧嘩をするときに心の中で言うセリフがこちら。
今までの不満や恨みをすべてぶつける時がやってきた「僕」は、予想外の方法で戦い無事上司に「負ける」ことができます。「負けるが勝ち」とはよく言ったものですが、こんな喧嘩の方法が存在したなんてと驚いてしまいます。
タイラー・ダーデンの名言
「いつか必ず死ぬって事を恐れず心にたたき込め!すべてを失って真の自由を得る」
こちらもタイラーが「僕」に向けて言うセリフ。たしかに人生は一度きりでいつか必ず死が訪れると考えると、なんにでも挑戦できる気がしてきますね。同時に、限られた時間の中で無駄なことは一切したくないと思えてくるから不思議です。
マーラ・シンガーの名言
「クロエが死んだの。死ぬなんて彼女は利口だわ」
マーラはこのような厭世的なセリフをたびたび口にし自殺未遂もしますが、自分の胸に腫瘍があるかもしれないと気づいたときには、青ざめた顔で大騒ぎしました。皮肉なことです。
彼女がいつも「死にたい」と言うのは、本当は「生きたい」という心の叫びの裏返しなのかもしれません。
「僕」(ナレーター)の名言
「これは証拠品じゃない。僕の友人で、名前のある人間だ。ボブ・ポールセンだ」
タイラーは徐々にファイトクラブをスペース・モンキーズというテロ組織に変えていきます。最初は街にちょっとしたイタズラを仕掛ける程度でしたが、次第に銃や爆弾を用いた大掛かりで凶悪なものになり、「僕」の手には負えなくなります。
とうとう警察に撃たれて命を落とすメンバーも。それは孤独な中年男性のボブでした。
「死体があると捕まるから、早く埋めてしまおう」と言うメンバーに対する、「僕」のセリフがこちら。人間をモノのように扱うなんて、スペース・モンキーズも実社会も結局は一緒だという皮肉な事実が判明し、違和感を覚えて葛藤する「僕」でした。
タイラー・ダーデンの名言
「お前が俺を創ったんだ」
タイラー・ダーデンが高層ビルの同時爆破テロを企てていることを知った「僕」は、なんとか阻止しようと彼を探し回ります。必死に記憶を辿り、街で聞き込みをしたところ判明した衝撃の事実…。
そう、タイラーは「僕」だったのです。「僕」が作り出した、自分の願望をすべて叶えてくれる理想の友人がタイラー。当然周囲の人々からは、彼らは一人の人間として見えています。
本作を初めて見る人はきっと驚いてしまうでしょう。映画史上に残る衝撃的なオチです。
「僕」(ナレーター)の名言
「タイラーしっかり聞け。僕は目を開いてる!」
すべてを理解した「僕」はついにタイラー・ダーデンと対決する決意をします。しかし彼は「僕」のなりたかった理想の姿。「僕」はどうやっても敵わないでしょう。
しかしなぜ「僕」がタイラーを作り出したか思い起こせば、彼を倒すことが出来そうです。「僕」がしっかりと目を開き、自らの心の叫びや葛藤を見つめることができれば、もう彼は必要ないのですから。
「僕」はもう現実から目を逸らさない。その決意と覚悟とともにタイラーに別れを告げるクライマックスシーンです。
「僕」(ナレーター)の名言
「心配するな。これからはすべて良くなる」
タイラー・ダーデンを倒しビルの上で再会した「僕」とマーラ。安心するのも束の間、2人の目の前でタイラー(「僕」)の仕掛けた爆弾により高層ビルが次々と破壊されていきます。
ラストシーンのこのセリフをどうとらえるかは人によって解釈がわかれそうですが、倒壊するビルを見つめながら手をつなぐ2人の表情に注目してください。
すべてを受け入れた「僕」はうっすら微笑み、マーラはどことなく安心した顔をしています。