『ウエスト・サイド物語』あらすじ・キャスト・評価まとめ【名作ミュージカル映画】

2017年5月1日更新 928view

1961年に公開された映画『ウエスト・サイド物語』は、日本でも大ヒットを記録し日本の配給収入だけでも13億円を突破する大ヒット作となりました。そんな何度見ても楽しめる作品である『ウエスト・サイド物語』の魅力に迫ります。

今なお語り継がれる名作ミュージカル映画『ウエスト・サイド物語』

シェイクスピアの代表作である『ロミオとジュリエット』を元にして映画化された『ウエスト・サイド物語』(1961)は、アカデミー賞に11部門ノミネート(うち10部門で受賞)されたクラシック映画。

ロバート・ワイズとジェローム・ロビンスが共同で監督をつとめ、公開から50年以上たった今でも語り継がれるミュージカル映画の名作です。

不朽の名作『ウエスト・サイド物語』あらすじ【ネタバレ注意】

ウェストサイド物語 あらすじ

舞台は1950年代のニューヨーク・ウェストサイド。若者で溢れるこの街でポーランド系アメリカ人の少年非行グループジェット団とプエルトリコ系アメリカ人の少年非行グループシャーク団が毎日のように勢力争いを繰り広げていました。

ウェストサイド物語

トニー(リチャード・ベイマー/ジム・ブライアント)は以前ジェット団のリーダーでしたが今は真面目に働く青年。そんな彼はある日、マリア(ナタリー・ウッド/マーニ・ニクソン)という女性に出会い2人はすぐに恋に落ちるのです。しかし2人の間には大きな問題が。それは、マリアがシャーク団のリーダーベルナルド(ジョージ・チャキリス)の妹であるということでした。

その間にもジェット団とシャーク団の仲はさらに険悪さを増し、ついには決闘が行われることに。それを聞きつけたトニーは決闘を止める為に駆けつけますが、ジェット団の現リーダーであるリフ(ラス・タンブリン)はベルナルドに刺されてしまいます。そしてトニーもベルナルドを刺してしまい2人は死亡。

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出典: alchetron.com

ベルナルドの死を知ったマリアはトニーを責めますがと、同時に2人の境遇をなげくのでした。ベルナルドを殺されて怒りくるったシャーク団はトニーを血眼になって探し出します。そしてトニーまでもシャーク団の1人チノ(ホセ・デ・ヴェガ)によって殺されてしまう結果に。

絶望のどん底に陥ったマリアは自分もトニーの後を追おうとしますが、銃の引き金を引くことができないのでした。

『ウエスト・サイド物語』のキャストたち

マリア/ナタリー・ウッド

ウェストサイド物語 マリア

『ウエスト・サイド物語』のヒロインであるマリア役を演じたのはアメリカ人女優のナタリー・ウッドです。

本作をはじめとし、1947年の映画『三十四丁目の奇蹟』などに出演しました。1981年に映画『ブレインストーム』の撮影中、海で水死しているのが発見され43歳という若さで亡くなりました。彼女の死は最終的に事故死と断定されましたが、今なお殺人であったという見解もあり真実は闇の中であると言われています。

また、本作の中でマリアの歌の部分はマーニ・ニクソンが担当しており、自分が歌ったものが使用されると思っていた彼女は公開後に吹きかえられていることに激高したそうです。吹き替えを担当したマーニ・ニクソンものちに自身の映画そしてサウンドトラックでのクレジットに関して裁判を起こしています。

トニー/リチャード・ベイマー

ウェストサイド物語 トニー

マリアの相手役トニーを演じたリチャード・ベイマーは、幼い頃から劇団に所属し俳優としてのキャリアを積んできました。映画だけでなく1990年から1991年にはテレビドラマ『ツイン・ピークス』にも出演するなど、2016年現在も現役で活躍しています。

トニーの歌の吹き替えを担当したのはアメリカ人歌手のジム・ブライアントです。吹き替えを担当したにも関わらずクレジットされていませんでしたが、トニー役を演じたリチャード・ベイマーとはとても好意的な関係を築いていたようで、「彼(ベイマー)はインタビューの際にはいつも私(ブライアント)の名前を出してくれた。」と話しています。

ベルナルド/ジョージ・チャキリス

ウェストサイド物語 ベルナルド

マリアの兄でシャーク団のリーダー役ベルナルドを演じたのがオハイオ州・ノーウッド出身のジョージ・チャキリスです。

ミュージカルに出演していた彼は、『ウエスト・サイド物語』でスクリーンデビューを果たします。そしてベルナルド役でアカデミー賞助演男優賞をはじめとする数々の賞を受賞しました。

1956年のテレビドラマ『Ford Star Jubilee(原題)』に出演して以降、テレビドラマにも数多く出演しています。

アニタ/リタ・モレノ

ウェストサイド物語 アニータ

ベルナルドの恋人でありマリアの姉的存在アニタ役を演じたリタ・モレノ。プルエトリコから5歳の時にニューヨークへと移り住んできた彼女はテレビドラマ、舞台そして映画で活躍する女優です。

『ウエスト・サイド物語』で演じたアニタ役ではアカデミー助演女優賞とゴールデングローブ賞で助演女優賞を受賞。またこれまでに9人しか成し遂げたことのないと言われるアカデミー賞、トニー賞、グラミー賞、エミー賞のすべてを受賞した女優でもあります。

数多くの名曲を生んだ『ウエスト・サイド物語』

ウェストサイド物語 歌

『ウエスト・サイド物語』の成功は劇中に登場する歌なしで語ることはできませんよね。ミュージカル映画でもこれほど多くの名曲を生み出した作品は数少ないのではないでしょうか。

なかでもトニーがマリアを思って歌う「マリア」や、シャークスの女性たちが故郷プルエトリコを思いながらもアメリカでの生活に心躍らせる「アメリカ」。登場するキャラクターたちがそれぞれの思いをこめてうたう歌「トゥナイト」や最後のシーンで歌われる「サムホェア」など、それぞれのシーンにピッタリの曲が登場します。

だからこそ本作は何度見ても決して飽きることのない名作なのです。

1950年代のニューヨークの社会的背景を描いた映画『ウエスト・サイド物語』

ウェストサイド物語 歴史

1950年代のアメリカ・ニューヨークが舞台となっている『ウエスト・サイド物語』ですが、その時代のアメリカを色濃く表現している作品としても有名です。

1950年代のアメリカは第二次世界大戦に勝利し急激に経済も成長していく中、その影で経済を支えていたのが低賃金で働かざるを得ない移民たち(シャーク団)。違法移民もいた彼らの中には学校に通うこともなく英語がうまく話せない者も多くいました。

そんなシャーク団と敵対関係にあったのが、同じ移民でありながらも2世ということでアメリカ人として生きていたジェット団の面々。どちらもアメリカという地の底辺でせめぎ合いながらも自分たちの居場所を探そうと紛争している若者なのです。

『ウエスト・サイド物語』を見たCiatrユーザーの感想・評価をご紹介!【ネタバレ注意】

ミュージカル映画の王道

irisshoko ミュージカルの王様!!大好き ロミオとジュリエットに着想したストーリー それぞれの個性が強く、曲やダンスにうまく反映されている 名曲の数々 ダンスが素晴らしい 出会いの場面の演出は、一目惚れを経験したことのある人ならばだれでも共感できる ロミオとジュリエットとの共通点、相違点を探しながら見るのもおもしろい

様々な時代背景と素晴らしい音楽

HMworldtraveller NYのウエストサイドを舞台にした、ストリート版ロミオとジュリエット。

このミュージカルがロミオとジュリエットを下敷きにしていると知ったのは実は割と最近。だってかたや中世ヨーロッパの名家、かたや20世紀のNYの不良少年グループなんだもん、結びつかないのも無理はないよね。おまけに、どちらも悲恋は悲恋だけどラストに大きな相違点があるし。

下敷きにしたかもしれないけれど中身はまるで異なる。対立する2つの不良少年グループの抗争を基本軸にしているのでラブストーリー色は薄め。なんとなくジェームスディーンの映画を思い出すような若さゆえの怒りや鬱憤のエナジーが溢れていて、そのエナジーの爆発をダンスと歌にうまく転換させている。暴力や抗争は最もミュージカルに合わない素材の1つだという勝手な思い込みを見事に覆してくれた。

躍動感たっぷりのダンスシーンと聞き覚えのある音楽がてんこ盛りの前半は好き。映画やミュージカルを通しで見たことがなくても片脚をバーンと上げたショットは皆目にしたことがあるんじゃないかな。薄汚れた裏通りや、窓の灯りに照らされて夜の街に浮かび上がる外階段なんかも雰囲気を盛り上げてくれる。

ただ、中盤以降はトーンダウン。同じアメリカ国民でも、ポーランド系とプエルトリコ系移民という民族の問題から来る差別意識が抗争のベースにあるので一筋縄でいかないのはわかるけど、憎悪の連鎖で暗いしスカッとしない。そう!スカッとしないのよねー、冒頭の勢いとイキがったカッコ良さはどこへ行ったんだ!( ̄▽ ̄)

顛末の終着点があまり好きじゃないんだけど、それでも、『マリア』『トゥナイト』『アメリカ』『クール』などの音楽が好きなのと前半の躍動感は捨てがたい魅力があります。

人間の弱さが垣間見える作品

amemiyas2 未熟な若者のみなぎるパワー爆発!! 全身を使った感情表現に圧倒される。

これは不良たちのシマ取り合戦ではなく、ある種の戦争映画です。 憎しみの感情を、暴力という形で相手にぶつけてしまう人間の弱さよ。マリアの失ったものはあまりに大きすぎて、やり場のない怒りと切なさと悔しさから涙。。