2018年11月17日更新

映画『グラディエーター』のあらすじ・キャストほか作品解説【ネタバレ】

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グラディエーター

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映画『グラディエーター』!ローマ帝国の剣闘士を描いた歴史大作

『エイリアン』、『ブレードランナー』を手掛けた巨匠リドリー・スコット監督による傑作歴史大作『グラディエーター』は、歴史大作映画ブームの先駆けとなる作品です。 当時ハリウッドではヒットが見込めないとして敬遠されていた歴史映画ですが、本作の大成功を受け、その後『トロイ』、『アレクサンダー』、『キングアーサー』などが製作されました。 今回は第73回アカデミー作品賞、主演男優賞、衣装デザイン賞、視覚効果賞、音響賞の5部門を獲得した名作を徹底紹介します。

映画『グラディエーター』のあらすじ

領土を拡大し続けるローマ帝国で武勲を誇り皇帝マルクス・アウレリウス(リチャード・ハリス)からの信頼も厚い将軍マキシマス(ラッセル・クロウ)は、皇帝から次期皇帝の座を継いでほしいと打ち明けられます。 しかし、野心家で皇帝になることに固執する皇帝の息子コモドゥス(ホアキン・フェニックス)の企みにより、皇帝が殺害されてしまうのです。 マキシマスは処刑を命じられながらも、逃げ出し故郷へ戻ります。しかし遠征中、心の支えであった妻子はコモドゥスの命令で殺されていました。心身ともに極限状態にあった彼は気を失い、意識を取り戻した時には奴隷として自由を奪われていました。 奴隷商人プロキシモ(オリバー・リード)のもとで剣闘士として人気を得たマキシマスは、首都ローマへと連れられます。そこでは皇帝となったコモドゥスが元老院の反対を押し切り巨大コロシアムで剣闘技大会を開催していました。 その試合で活躍したマキシマスはコモドゥスと再会し、亡き皇帝マルクス・アウレリウスと愛する妻子のために復讐することを宣告します。

映画『グラディエーター』の出演者

マキシマス/ラッセル・クロウ

ローマ帝国の将軍マキシマスを演じるのはラッセル・クロウです。将軍でありながら騎兵隊の一員として自らも最前線で戦うマキシマスは、皇帝への忠誠を誓い、部下からの人望が厚い人物。そして彼は何より故郷で待つ妻子を愛していました。 ニュージーランド出身の俳優ラッセルは、本作でアカデミー主演男優賞に輝いています。名作ミュージカルを映画化した『レ・ミゼラブル』では、主人公ジャン・バルジャンを追うジャベール警部を演じていました。

マルクス・アウレリウス/リチャード・ハリス

一代でローマ帝国を拡大した賢帝マルクス・アウレリウスを演じるのはリチャード・ハリスです。自身に死が迫っていることを悟り、ローマ帝国の将来を案じるアウレリウスはマキシマスを後継者として指名しますが、息子コモドゥスの手により無念の死を遂げます。 リチャードは『孤独の報酬』や『ザ・フィールド』でアカデミー主演男優賞に2度ノミネートされた名優。『ハリー・ポッターと賢者の石』、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』ではホグワーツの校長ダンブルドアを演じていました。

コモドゥス/ホアキン・フェニックス

野心家で皇帝マルクス・アウレリウスの愛情を感じられなかったために、歪んだ性格を持つ皇帝の息子コモドゥスを演じるのはホアキン・フェニックスです。 子役として活躍していた彼は休業を経て出演しアカデミー助演男優賞にノミネートされた本作をきっかけに実力派俳優として知られるようになりました。 第86回アカデミー脚本賞を受賞した『her世界でひとつの彼女』では人工知能OSに恋をする主役セオドアを演じています。

ルッシラ/コニー・ニールセン

皇帝マルクス・アウレリウスの長女ルッシラを演じるのはコニー・ニールセンです。ルッシラは皇帝となった弟コモドゥスの横暴な振る舞いに不満を持つ元老院とコモドゥスの仲を取り持ち、皇位継承者である息子ルッシラを命がけで守る強い女性です。 デンマーク出身の女優コニーは『ディアボロス 悪魔の扉』、『ストーカー』、『コンテンダー』などに出演しています。

ルシアス/スペンサー・トリート・クラーク

ルッシラの息子で、コモドゥスの甥ルシアスを演じるのはスペンサー・トリート・クラークです。ルッシラから惜しみない愛情を受け、マキシマスに憧れ将来は剣闘士になりたいと話すルシアスに、コモドゥスは嫉妬し命を狙います。 スペンサーは幼少期から子役として『隣人は静かに笑う』、『アンブレイカブル』に出演していました。また、ドラマでも活躍しておりアベンジャーズのスピンオフドラマ『エージェント・オブ・シールド』にも出演しています。

グラックス/デレク・ジャコビ

コモドゥスの退任を狙う元老院グラックスを演じるのはデレク・ジャコビです。元老院の腐敗が蔓延するローマ帝国で信頼のおける人物としてルッシラはグラックスをマキシマスに引き合わせます。 英国出身の俳優デレクは第83回米アカデミー賞で作品賞など3部門を受賞した『英国王のスピーチ』で、大司教コスモ・ラングを演じていました。

プロキシモ/オリバー・リード

かつては剣闘士で皇帝マルクス・アウレリウスのおかげで自由の身となった奴隷商人プロキシモを演じるのはオリバー・リードです。 英国出身の俳優オリバーにはエキセントリックな性格ゆえの数々の逸話があります。本作の衣装デサインを担当したジャンティ・イェーツによると、彼は衣装に名前を付ける習慣があり、本作で着用したズボンは”バンビ”、ローブは“ウェンディ”と呼んでいたそうです。 本作の撮影中である1999年に急死し、本作が遺作となりました。

ジュバ/ジャイモン・フンスー

マキシマスのグラディエーター仲間ジュバを演じるのはジャイモン・フンスーです。故郷に残した家族を思うジュバの気持ちに共感したマキシマスと親しくなります。 西アフリカのベナン出身でモデルから俳優へと転身したジャイモンは、『ブラッド・ダイヤモンド』ソロモン役でアカデミー助演男優賞にノミネートされました。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のコラス役や『ワイルド・スピード SKY MISSION』のジャカンティ役といった大作にも出演しています。

ハンス・ジマーの音楽が映画『グラディエーター』を盛り上げる

リドリー・スコット監督の迫力ある映像をさらに盛り上げているのが、ハンス・ジマーによる音楽です。 オープニングのローマ帝国とゲルマニアの戦闘シーンで流れる『闘い』、エンディングで使用される主題歌『ついに自由に』などが高く評価されています。 ジマーは『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、『ダークナイト』3部作、『インセプション』、『それでも夜は明ける』など数々のヒット作の音楽を手がけてきました。

オープニングを飾る戦闘シーンの撮影秘話

冒頭のローマ帝国とゲルマニアの決戦シーンは、イギリス・ファーナム近郊の森で撮影されました。この戦闘でローマ帝国軍は火矢を放ち、森は炎に包まれます。 この森林はもともと伐採が予定されており、そのことを知ったリドリー・スコットはこの撮影をするために森林保護委員会から木を取り除く許可を得ました。 この森林は映画撮影のロケーションとして有名で『ハリー・ポッター』シリーズ、『戦火の馬』、『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』などでも使用されています。

ラッセル・クロウの傷は特殊メイクではない

物語冒頭のローマ帝国とゲルマニアの決戦シーンで、将軍マキシマスの顔には傷がありますが、これは特殊メイクではありません。 マキシマスを演じるラッセル・クロウはスタントなしで撮影に臨んだ際、馬に乗って後退した時に枝が顔に刺さるアクシデントがあり傷を負いました。 激しい剣闘技のために右手人差し指の感覚が撮影後2年間は麻痺したほか、アキレス腱の損傷や足の骨折、腰骨のヒビ、数か所の脱臼など、撮影中は多くの怪我に苦しんだそうです。

グラディエーターが戦うトラは本物

剣闘技のある試合で地面に作られた仕掛け扉からトラが現れ、グラディエーターに襲い掛かる場面があります。トラがマキシマスを襲うカットは緊張感が増し、刺激的な映像に仕上がっていました。 このトラはCGIによりつくられたものだと思われることが多いようですが、撮影には本物のトラが使用されていたのです。映像は実写合成で作成され、トラがマキシマスの肩に飛び掛かる場面は餌を持った調教師の背後からトラが飛びついて撮影されました。

映画『グラディエーター』の名セリフ

「勇敢なる者に、永遠の栄光を」

冒頭、ローマ帝国軍がゲルマニアと戦うシーンで、将軍マキシマスが仲間を鼓舞する言葉です。 マキシマスに応え兵士たちが雄叫びを上げる様子は気迫に溢れています。

「我が名はマキシマス・デシマス・メリディアス。北軍指令官にしてフィリックス団将軍。真の皇帝マルクス・アウレリアスの忠実なる僕。殺されし子の父にして殺されし妻の夫。今世か来世で復讐は必ず果たす」

グラディエーターとして戦うマキシマスを称えたコモドゥスから名前を問われ、彼が自身の正体を明かし復讐を宣言する言葉です。 処刑されたはずのマキシマスが目の前に現れたことに恐れおののくコモドゥスは、その場で再度処刑を命じます。しかし絶大な人気を誇るマキシマスの処刑に、民衆からはブーイングが起こりコモドゥスは刑の執行を諦めるのでした。

「また会える。いつか…」

物語のラストシーンでマキシマスを弔うジュバが空を見上げてつぶやく言葉です。 ともに愛する家族と引き離された2人は、天国での家族との再会を信じています。ジュバはマキシマスにも、いつか天国で会えると語りかけるのです。

『グラディエーター』のCiatrユーザーの評価感想を紹介【ネタバレ注意】

主人公マキシマスだけでなく、宿敵コモドゥスにも支持が

HMworldtraveller ラッセル・クロウの風貌が、実直で骨太で男達に信頼される強い男マキシマスのキャラにピッタリはまり魅せてくれました。古代ヨーロッパ史を題材にしたものはあまり得意じゃないけどこれは良かった。その強さと人望の厚さ故に運命に翻弄され生きる主人公が男っぽくてカッコいいです。アカデミー主演男優賞も納得の円熟味ある渋い演技でした。対照的なキャラの新皇帝を演じるホアキン・フェニックスも力演と言えるのではないでしょうか。小心者で卑怯な皇帝ですが、父にも姉にも愛されず愛に飢えた彼は彼で哀れで、悪人だけど憎めませんでした。この作品は歴史もの・アクションものとしてではなく人間ドラマとして好き。ラッセルとホアキン、2人の熱演と物哀しくて美しい音楽がシンプルな物語を補って余りある重厚なドラマにしています。少々強引な設定や矛盾もありますが、もともと史実に忠実なドキュメンタリーではなくフィクションだし、そこは許容範囲かな。薄れていく意識の中で夢見る、故郷に帰って麦の穂を撫でながら歩くシーンが切なく印象的で心に残ります。
traumereiii 映画で世界史を学ぼう 第?回目。 ローマの時代長すぎ。笑 今回はとても有名な映画、グラディエーターです。 主人公のマキシマスはラッセル・クロウ。 何であんなに甲冑が似合うの…。 マキシマスはとても戦いに長けた将軍で、皇帝のマルクス・アウレリウスからも息子のように可愛がられていたにもかかわらず、政権交代したらその息子のコモドゥスに目の敵扱いされ、突然の死刑宣告。持ち前の強さで逃げ切るものの、妻子は殺され、奴隷にまで身分を落とすという悲惨さ。その後グラディエーターとなり、これまた持ち前の強さと人徳でローマ市民の人気を得て、憎きコモドゥスに復讐するような流れ。 本当にマキシマスが救われないお話です。彼の人生は一体なんなんだ。 そして、同じように可哀想なのがこの映画のヒール役のコモドゥス。 大好きな父親には認めてもらえず、その辛さあまりに自らの手で殺害。大好きな姉もどんどん自分から離れて行き、最終的には裏切り行為。コモドゥスがやり過ぎなのはわかるけど、そんな自暴自棄な皇帝になるにはそれまでの切ない過程があったのだろうと思わざるを得ない、そんなコモドゥス。 頑張っても頑張っても、マキシマスの人徳には敵わないコモドゥスにはちょっと同情しました。 映像美が高く評価されていたというグラディエーター。スリーハンドレッドよりキラキラしてなくて、現実的な美しさだったと思います。 それにしてもWikipediaのグラディエーターページは映画より詳しく内容が書かれていて驚きました。

約3時間という長さを忘れる引き込まれるストーリーも見どころ

yamamo26 約3時間という長編ですがグイグイ引き込まれあっという間でした。 マキシマスの安寧を願うばかりです。
YukiSato こだわりを感じる映画。 ストーリーが秀逸で、エクステンデッド版だと3時間弱あるが、それだけの時間が必要だと思える。 個人的には、ジャイモン・フンスーのジュバが好き。