2017年7月6日更新

ハンス・ジマー、『インセプション』などの作曲を手掛けたドイツの超凄腕作曲家に迫る!

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インセプション

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ハンス・ジマーとは?

西ドイツ(当時)フランフルト出身の作曲家であるハンス・ジマーは、ハリウッドで最も革新的な才能ある音楽家の一人とされています。 6歳の頃から音楽家を目指すようになり、1970年代に渡英。そこで著名な映画音楽作曲家スタンレー・マイヤーに出会うことによって、作曲家としての道を歩み出すことになります。2016年現在はアメリカ在住です。

MTVで最初に放送されたミュージックビデオに出演!

キーボードとシンセサイザーの演奏者としてバグルスと仕事をしていたことがあり、世界的にヒットしたバグルスの「ラジオ・スターの悲劇」のミュージックビデオに出演。 2:50頃に映し出される黒いジャケットを着てキーボードを演奏している青年がなんと若かりし頃のジマー!このビデオはMTVで放送された最初のミュージックビデオとして、新しいエンターテイメントの時代の礎となりました。

映画音楽の世界に

ジマーはロンドンで有名な作曲家スタンレー・マイヤーズに師事します。1985年に公開されたイギリス映画『マイ・ビューティフル・ランドレット』等で、マイヤーズと一緒に働いている間に映画音楽の世界に足を踏み入れることになりました。

電子音楽とオーケストラの融合の父!

そしてジマーはまもなく彼自身で幾つかのプロジェクトで成功することになります。高い評価を得た『ワールド・アパート』もその一つ。 ジマーはこの時期、新旧の音楽のテクノロジーを合わせる方法を開拓。今日、電子音楽の世界と伝統的なオーケストラの融合の父と彼が呼ばれている所以です。

キャリアの転機は『レインマン』!

ジマーのキャリアの転機は1988年に訪れます。バリー・レヴィンソン監督のために『レインマン』の音楽を担当するよう頼まれたのです。この映画は作品賞でオスカーを獲得し、ジマーは初めてアカデミー歌曲賞にノミネートされました。 ダスティン・ホフマンとトム・クルーズの主演によるサヴァン症候群の兄と自由奔放な青年の出会いとお互いの関わり合いを描いたヒューマンドラマ『レイン・マン』。ジマーはこの映画の音楽のキーはダスティン・ホフマン演じるサヴァン症候群の兄であるレイモンドだとし、彼の世界を見事に音楽に表現したのでした。 次の年、ジマーは、またもやアカデミー作品賞受賞作である、ジェシカ・タンディとモーガン・フリーマンが共演した『ドライビングMissディジー』の音楽も手がけました。

『ライオンキング』でその地位を不動のものに!

すでに2つのアカデミー作品賞受賞作の作曲を手掛けたジマー。アカデミー賞、ゴールデングローブ賞を受賞した1994年の『ライオンキング』の音楽で、彼の才能ある映画作曲家としての地位を確固たるものにしました。また、サウンドトラックはアニメ作品としては世界一の記録である1500万枚を売り上げました。
エルトン・ジョンとティム・ライスがディズニーの長編大作に歌と歌詞を提供していますが、ジマーの音楽こそが、群れの王となるためのシンバの道のりの感情をかき立てるものとなっています。 この後も、『グラディエイター』(2000年ゴールデングローブ賞受賞)、『パール・ハーバー』、『ハンニバル』、『ダ・ヴィンチ・コード』等多くの名作映画の音楽を担当し、数多くのグラミー賞、アカデミー賞など数々の賞をノミネーションを含め受賞しています。

ハンス・ジマーの手掛けた映画音楽の数々をご紹介!

90年代を代表するコミカルバイオレンスラブロマンスの傑作!【1993年】

当時の新人クエンティン・タランティーノによるシャープな脚本と、ハンス・ジマーによるテーマ曲”You’re So Cool”が象徴的なトニー・スコット監督作品。 ”You’re So Cool”は『地獄の逃避行』のテーマ曲であるドイツ人作曲家カール・オルフの「Gassenhauer」を意識したものになっています。

鬼才テレンス・マリック監督が詩的な映像で戦争の真実を描いた【1998年】

テレンス・マリック監督による太平洋戦争の激戦地ガダルカナル島の戦いを舞台にした3時間に及ぶ戦争映画。ジマーのクラシックな音が“ジャーニー・トゥ・ザ・ライン”にはっきりと現れています。

ラッセル・クロウが無敵のグラディエイターを演じたスペクタクル活劇【2003年】

ラッセル・クロウが復習に燃えるグラディエイター(剣闘士)に身を落とした元ローマ軍将軍を演じた 帝政ローマ時代中期を舞台とした歴史映画『グラディエイター』。その映像美とストーリーから大ヒットしました。 この壮大な歴史ドラマのために、リドリー・スコット監督はジマーに映画音楽を依頼。ジマーはリサ・ジェラルドを起用し、その忘れがたく感情に訴える歌声を『ついに自由に』だけではなく、サウンドトラック全般に提供しています。

ジョニー・デップによるアクション・アドベンチャー巨編【2003年】

ジョニー・デップ主演の大ヒット作『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ。 ジマーは第1作の『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』にはクレジットされていませんが(クラウス・バデルトにその任務を負わせたのです)、おなじみの『彼こそが海賊(He's a Pirate)』を始め続編全ての映画音楽を担当しました。

キャメロン・ディアスとケイト・ウィンスレットによる恋愛映画【2006年】

キャメロン・ディアスとケイト・ウィンスレット演じる恋愛に悩む女性二人がお互いの家を交換するホーム・エクスチェンジを題材にしたナンシー・マイヤーズ監督によるロマンティック・コメディ『ホリディ』。 ジャック・ブラック演じるメインキャラクターの一人が映画音楽家ということもあり、音楽はこの映画で重要な要素を占めています。チャーミングで軽快な、流れるようなジマーの音楽が『ホリディ』の映画を心地よく盛り上げています。

想像を超えた次世代アクション・エンターテイメント大作【2010年】

レオナルド・ディカプリオと渡辺謙の共演ということで日本でも大ヒットしたクリストファー・ノーラン監督のSFアクション映画『インセプション』。相手の頭の中に入るという発送とそのダイナミックな映像でも話題となりました。 ノーランとは『バットマンビギンズ』、『ダークナイト』に次ぐ3回目のコラボレーションになったジマー。彼はその映像をエレクトロニックな音楽で壮大に表現しています。

ハンス・ジマーのトリビア

完全なる独学!

ハンスは合作や検証作業を通して全て自分で学んだそうです。

存命中の天才100人の一人!

ジマーは2007年に出版されたディリー・テレグラフの“存命中の天才100人”の一人に加えられました。

ジマーのお気に入り!

ジマーのお気に入りの映画のテーマ曲はジョン・カーペンターによる『ジョン・カーペンターの要塞警察』のテーマ曲だそう。

『料理の鉄人』のBGMも!

今でも耳に蘇るフジテレビ系『料理の鉄人』のBGM。これもなんと、ジマーの作曲。これはジマーが音楽を手掛けた『バックドラフト』のテーマ曲なのです。

ジマーの音楽の融合の源は彼の両親にあった?!

2013年2月のニュースサイト、マッシャブルのインタビューでジマーは彼の両親についてこう語っています。
私の母はとても音楽の才能がある、いわゆる音楽家で、一方私の父は技術者であり、発明家でした。そして私はピアノを改造して育ったのです。 そのことは母に恐怖を与え、チェーンソーや似たようなものをピアノにつけた時、父はテクノロジーの進化だと受け止め、素晴らしいと思ってくれました。
母の音楽の才能と父のテクノロジーの才能をジマーは受け継ぎ、それを見事に融合させたというわけですね。