ウイルス・感染病を描いたおすすめ映画 極限のパンデミックで浮き彫りになる人間の本性
感染症・パンデミックの恐怖を描いたおすすめ映画を紹介
どんなに科学が発達しても、人類を襲うウイルスによる感染症はなくならないもの。感染力の強いウィルスの蔓延は、ときに社会にパニックを引き起こします。 今回はそんな感染症をテーマにしたおすすめ映画を紹介。一般的にも評価の高い作品を中心に、感染症だけでなく、パニックになった人間の恐ろしさ、愚かさを考えさせられる作品を選びました。 また、記事の後半ではciatrが選んだゾンビパンデミック映画も紹介します。
『コンテイジョン』(2011)
感染症の脅威に直面した社会のパニックを描く
香港出張から帰国して2日後に死亡したアメリカ人女性。時を同じくして香港で青年が、ロンドンでモデルが、東京でビジネスマンが相次いで倒れ、謎のウイルス感染が発生します。感染地区で医師たちが治療に当たり、WHOは発生源を突き止めようと奔走するなか、ある過激なジャーナリストは「政府は事態の真相とワクチンを隠している」とブログで主張し、人々の恐怖を煽ります。 その恐怖はウイルスよりも急速に広がり、パニックに陥った人々によって社会は崩壊していき……。 感染症の恐怖のみならず、必要以上に恐怖を煽る人々、それによって招かれる社会の混乱など、病気以上に恐ろしい人間の業も描き出しています。
『アウトブレイク』(1995)
アフリカから持ち込まれた非常に高い感染力と死亡率を持つウイルスによるバイオハザード(微生物災害)と、それと闘う人々の姿を描く『アウトブレイク』。エボラ出血熱の事件をモチーフに、しっかりとした科学的根拠をもとにリアルなドラマが展開されます。 1967年。アフリカの内線に参加していた傭兵部隊に原因不明の出血熱が流行し、多数の兵士が死亡。調査のために現地を訪れたアメリカ陸軍は、事態の隠蔽のために部隊のキャンプを爆破しました。その数年後、同じ地域で謎の出血熱が流行し、“医学防衛”を専門とするチームが現地に派遣されます。 ウイルス撃退に当たる軍医や、組織の板挟みに悩む軍人、隔離される感染者、感染拡大防止のために街を閉鎖する軍隊など、人々がパニックに陥る描写も恐ろしい作品です。
『12モンキーズ』(1995)
人類の99%を死滅に追いやった細菌とは?時空を超えてその謎を追う
ウイルスによって全人類の99%が死滅した2035年。生き残った人々も、地下での生活を余儀なくされていました。犯罪者として服役中だったジェームズ・コールは、ある任務を遂行する代わりに特赦を与えられます。それは、ウイルスを散布したとされる集団「12モンキーズ」を探り、ワクチンを作るための純粋なウイルスを入手すること。 彼はタイムマシンで1996年に戻り調査を開始する予定でしたが、たどり着いたのは1990年のフィラデルフィアで……。 タイムスリップとウイルス拡散をモチーフにしたSFミステリー。ウイルス拡散の謎を追いかけるうちに、意外な事実が明らかになっていきます。
『感染列島』(2009年)
未知のウィルスが病院内で次々を人々を襲い、日本中を恐怖に陥れた一作。
救命救急医・松岡剛のもとに、ある日ひとりの急患が運び込まれました。患者は高熱、けいれん、吐血の症状を併発する多臓器不全を起こしており、新型インフルエンザと診断されます。しかし、あらゆるワクチンによる治療も虚しく患者は死亡。さらに病院スタッフや患者たちも正体不明のウイルスに感染し、院内にはパニックが広がっていきます。 日本で新型ウイルスの感染が蔓延した場合、どのような事態になるかをリアルに描いた本作は、シミュレーション・ムービーとしても注目を集めました。
『FLU 運命の36時間』(2013年)
死までのタイムリミットは36時間!ウイルスとは別の脅威も!?
ある郊外の街に密入国者たちを運んだ男が、謎のウイルスに感染して死亡したことをきっかけに、24時間足らずで市内の病院に似た症状の患者が続出。次々と感染者が命を落としていくなか、なすすべのない韓国政府は、街の完全封鎖を発令します。 36時間で人を死に至らしめるウイルスと医師や救急隊員が格闘するなか、世界的感染拡大を恐れたアメリカ軍は街をまるごと消滅させる攻撃計画を立てていました。 手に汗握るスリリングな展開と、濃厚な人間ドラマが展開される本作は、徹底した医学考証に基づいたリアルな描写も見どころです。
ciatr厳選!おすすめゾンビパンデミック映画
ここまでは、現実にも起こりうる感染症に関する映画を紹介しました。 ここからは、非現実的ではありますが、ゾンビパンデミックを描いたciatrおすすめ映画を紹介します。 ゾンビ映画も命の危険にさらされる極限状態で、人間の本性が明らかになってしまうという意味では、リアルな人間ドラマが展開される作品も少なくありません。 今回は数あるゾンビ映画のなかでも、比較的新しく、人間ドラマにも比重をおいた作品を選んでみました。
『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)
走行中の高速列車内でゾンビパンデミックが発生!
ソウル発プサン行きの高速列車KTX101。発車直前、体調の悪そうな女性が電車に乗り込んできます。感染者を凶暴化させるウィルスに感染した彼女は、やがて乗務員に噛みつき、すぐに車内はパンデミック状態に。 時速300kmで疾走する列車、停車駅にも大量のゾンビという脱出不可能な密室空間のなかで、死闘がくり広げられます。また、本作では乗客同士の衝突、そしてこれまで家庭を顧みなかった主人公と娘の関係の変化など、ただのパニック映画に収まらない重厚な人間ドラマも展開されます。
『28日後...』(2002年)
ウィルスによって凶暴化した人間たちから生き残ることはできるか!?
動物愛護活動家が、危険な感染症に罹ったチンパンジーを研究施設から逃す事件が発生。活動家はチンパンジーに噛まれ、直後に仲間に襲いかかりました。そこから人の脳を破壊し、凶暴性をむき出しにしてしまうウイルスがロンドンで蔓延しはじめます。事件から28日後、交通事故で昏睡状態だったジムは目を覚まし、変わり果てた世界を目にすることに……。 全力疾走で追いかけてくるゾンビなど、パニック映画としても楽しめる本作。しかし、人類滅亡の危機のなかで、人間性とはなにかを訴えかけてきます。危機的な状況をなんとか生き延びようとする人々の中でも、人間性を失わない主人公の姿に注目です。
『ワールド・ウォー Z』(2013年)
未知のゾンビウィルスを謎を突き止めるべく奮闘!
元国連職員のジェリーは、ある日妻と娘たちを乗せた車で渋滞にはまっていました。すると突然前方でトラックが爆発し、パニックになった人々が逃げ惑います。人を凶暴化させるウイルスが蔓延していることを知ったジェリーはその後、過去の実績を買われてその感染原因を突き止めよう依頼されます。 ゾンビ映画史上もっとも速く走ると話題になった本作のゾンビ。大挙して防護壁を乗り越えようとするなど、その描写は画期的かつ恐ろしいもので、一気に感染が拡大していきます。ブラッド・ピット演じる主人公のジェリーは、そんな状況下でもあくまでクールに現状を分析し、原因を突き止めていきます。
パンデミック映画を観て緊急事態にもパニックにならない心がまえを!
感染症・パンデミックを題材にした映画を紹介しました。今回ピックアップした作品の多くは、科学的な考証に基づいたリアルな展開が含まれており、ただのパニック映画ではなく、現実に重ね合わせて観ることもできるのではないでしょうか。 恐ろしい感染症に罹らないために、そして間違った情報に踊らされないためにも、手洗いうがい、正しい情報収集などを徹底していきたいですね!