監督・大根仁×原作・大場つぐみで贈る超進化系エンタメ映画『バクマン。』
(C)2015映画「バクマン。」製作委員会
映画『バクマン。』は、映画『モテキ』など疾走感のあるエンタテイメントに定評のある大根仁監督による現役高校生漫画家たちの奮闘を描いた青春映画です。
原作は『DEATH NOTE』『プラチナエンド』などの原作・大場つぐみ、作画・小畑健のコンビです。
本作は、2015年に公開され、第39回日本アカデミー賞話題賞を受賞、主題歌『新宝島』と劇中歌を担当したバンド・サカナクションも最優秀音楽賞を受賞しました。
夢に向かって突っ走れ!青春まっしぐらなあらすじを紹介
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高い画力がありながらも将来の夢を決められずに、ただ流されるがままに生きていた高校生の真城最高(通称:サイコー)。
ある日、落書きをクラスメイトの秀才・高木秋人(通称:シュージン)に偶然見られたことから秋人に「俺と組んで漫画家にならないか?」と誘われます。
幼い頃から漫画家である叔父の苦労を傍で見てきた最高は、初めは秋人を拒絶しますが、最高の想い人で声優を目指している亜豆美保と「漫画家として、声優として、お互いの夢が実現したら結婚する」と約束したことから漫画家の道を目指すことに。
二人の少年がコンビを組み、「夢と恋」を叶えるため、目指すは「ジャンプ」の頂点!「友情」「恋」「努力」「勝利」、少年漫画の全てが詰まった超進化系ジャンプエンタテイメントの誕生です!
大根仁監督のもとに個性派&実力派俳優陣が大集結!映画『バクマン。』キャスト紹介
真城最高/佐藤健
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通称:サイコー。高い画力を持つ高校生。漫画家である叔父が過労死した後、人生の目的を見つけられずに淡々と生きているところを秋人に画力を見初められ、ともに漫画家の道へと進むことになります。
クラスメイトの亜豆と「ともに夢が叶ったら結婚する」という約束を交わし、「週刊少年ジャンプ」の連載作家を目指すことに。
最高を演じている佐藤健は、映画『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』で映画デビューを果たし、その後テレビ・映画で幅広く活動を開始。
2012年~2014年に主演を務めた映画『るろうに剣心』シリーズの累計興行収入は120億円を突破。2014年の日本映画No.1ヒット作となりました。
その後も映画『世界から猫が消えたなら』『何者』などに出演し、実写化キャラクターから等身大の若者まで幅広い役柄を演じることのできる役者として日本映画界をけん引する俳優の一人です。
高木秋人/神木隆之介
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通称:シュージン。最高のクラスメイトで秀才。文才と豊富なアイディアを持ち、作家志望でしたが絵が非常に苦手。最高の画力を知り、「俺と組んで漫画家にならないか。」と最高を誘います。
人間観察に長け、行動力があり明るい性格で、割とドライ、一本気な性格の最高を支えるコンビとして漫画家を目指します。
秋人を演じている神木隆之介は、子役時代に大ブレイクし、2017年現在に至るまで人気の変動がない稀有な俳優です。
実力派俳優として主演に捉われず、さまざまなテレビ・映画作品に出演し、2017年3月公開予定の映画『3月のライオン』では主演の桐山零を演じています。
その端麗な容姿から、二次元を実写化させたら神木に勝る者はいないと言われることも。日本映画歴代興行収入の1位から3位の映画『千と千尋の神隠し』『君の名は。』『ハウルの動く城』のすべてに声優として出演しており、声優としての実力も高く認められています。
新妻エイジ/染谷将太
最高や秋人と同じく現役高校生漫画家で天才。執筆スピードが速く、「シュッシュッ!」と効果音を発しながら執筆する癖があります。
基本、黒のスウェット姿で背中に差した羽ぼうきとパッツンで切りそろえられた髪型に猫背が特徴的。最高たちと「週刊少年ジャンプ」で毎週得票される人気ランキング1位の座を争うことに。
新妻エイジを演じている染谷将太は、7歳の時から子役として活動し、コンスタントにドラマ・映画に出演し続けている実力派俳優です。
2011年に出演した映画『ヒミズ』で第68回ヴェネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)を最年少で受賞。
2013年に第36回日本アカデミー賞新人俳優賞、2015年に第14回ニューヨーク・アジア映画祭ライジングスター賞を受賞するなど、日本映画界を担う若手実力派俳優の一人です。
亜豆美保/小松菜奈
最高と秋人のクラスメイトで本作のヒロイン。最高の想い人で声優を目指し、最高と「ともに夢が叶ったら結婚する」という約束をし、高校を退学し声優の夢に向かって邁進するなど、天使のような見た目からは想像もつかない行動派でもあります。
原作ではラストで最高と結ばれますが、本作では亜豆が声優として売れ出した頃に、事務所に最高との関係がバレてしまい、「先にいくから。」と言い残し、最高の元を去ります。
亜豆美保を演じている小松菜奈は、モデル・女優であり、2014年に出演した映画『渇き。』では主役の次のポジションを任せられ、鮮烈な映画デビューを飾ります。
その後もモデル業と並行しながら映画を中心に活躍し、漫画の実写化作品を完璧に再現することから「二次元ヒロイン」と呼ばれることも。
2017年に公開予定のマーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙 -サイレンス-』でハリウッド・デビューも果たす今最も旬な若手女優の一人です。
服部哲/山田孝之
最高と秋人の初めての連載を担当することになる「週刊少年ジャンプ」の有能な編集者。厳しくも的確なアドバイスと、作家と二人三脚でヒットを掴んでいくスタイルで、最高たちから信頼されています。
実際のジャンプ編集部に実在のモデルがいるキャラクターでもあります。
服部を演じた山田孝之は2003年のテレビ『WATER BOYS』の主演を務め大ブレイク。2005年に主演した映画『電車男』は社会現象を巻き起こしました。
その後、2013年頃までミニシアター系作品を中心に活躍し、2014年以後は再び映画『信長協奏曲』『何者』など大型映画にも出演するようになりました。
役作りや作品に対するこだわりの強さが結果を伴い、男女問わず支持されている実力派俳優の一人です。
他にも漫画家仲間に桐谷健太、新井浩文、皆川猿時、最高の叔父に宮藤官九郎、ジャンプ編集長にリリー・フランキーなど、主演の二人がどちらかといえば正統派マルチプレイヤーなのに対し、脇を一癖も二癖もある個性派俳優陣で固めてくる辺り、「わかってるね!」と大根監督に舌を巻いてしまいます。
主題歌はサカナクションの復帰第一作&書き下ろし曲『新宝島』
出典: www.amazon.co.jp
大根監督が本作の企画が立ち上がった時、キャストより先に、以前からフェスを観て注目していたロックバンド・サカナクションに音楽をやってもらうのが決まったそうです。
その結果、2015年の映画公開当時、一時活動休止中だったサカナクションの復帰第一作目として書き下ろし曲『新宝島』及び、劇中歌を担当することが発表されました。
しかし、その道のりまでは大変な苦労があったようで・・・
山口は「歌詞が書けなくて、大根(仁)監督とご飯を食べにいって書けない理由を相談したら、監督も脚本を書くまで6ヶ月くらい締め切りを延ばしたと聞いて、監督も苦しんで自分も苦しんでいるのは間違いじゃないと思った」といい、「最終的に気に入っていただけたのでよかった」と笑みを浮かべた。引用:oricon.co.jp
悩んで悩んで絞り出したものが評価されるのはアーティストも漫画家も同じなのかも知れませんね。
主題歌タイトルの『新宝島』は、サカナクションのボーカル・山田一郎が楽曲制作のため、漫画を研究していた中で見つけた故・手塚治虫氏の『新宝島』から名付けたそうです。
普段の彼らのロック・テイストな一面に加えて、テンポが良く耳に残るダンス・ミュージックが特徴的なナンバー。
大根監督は映画『モテキ』の際もさまざまなJ-ROCKナンバーを使用し、ドラマ・映画とともにブレイクさせましたが、本楽曲もBillboard Japan Hot 100のチャート首位を獲得するなど映画とともに大ヒットを記録しました。
漫画映画『バクマン。』にアクションバトルシーン!?
(C) 2015 映画「バクマン。」製作委員会
本作では「漫画を描く」と言うひたすら地味な作業を平坦に見せないため、作画シーンはまさかのアクションバトル仕様に。
CGグラフィックを駆使し、最高と秋人コンビ、新妻エイジの原画の世界で、ペンを剣代わりに戦う最高、カッターとスクリーントーンで加戦する秋人、それに応戦し、空を飛ぶエイジのアクションシーンは誰も観たことのない漫画映画に仕上がっています。
「役者の3人が非常に動ける方々なので、そのアクションに合わせるため、たくさんの素材を使った手数の多い作業になっています。撮影するショット数も40~50ショットとかなり多かったので撮影自体も心配でしたが、3人の身体能力のおかげでスムーズに撮影を終えることができました」引用:cgworld.jp
と阿部伸吾VFXディレクターが語っています。
この斬新なシーンの撮影中は、ちょうど佐藤と神木が映画『るろうに剣心』後、染谷が映画『寄生獣』後だったこともあり、佐藤たちは「『るろ剣』vs『寄生獣』だね。」と話していたそうです。
他にも、最高たちが作画の佳境に入るシーンでは、佐藤と神木の手元や背景にプロジェクトマッピングが映し出されるという演出により、スピード感と立体感ある映像が創り出されています。
とことんこだわったリアル志向と凝った演出にテンションMAX!!
(C)2015映画「バクマン。」製作委員会
本作は実在する集英社の「週刊少年ジャンプ」編集部が舞台ということもあり、オープニングから15秒くらいで一気に「週刊少年ジャンプ」の歴史を振り返ります。
もちろん、『北斗の拳』『キャプテン翼』『ジョジョの奇妙な冒険』『ドラゴンボール』『スラムダンク』など、ジャンプ読者でなくても知っている名だたるの有名作品のオンパレードで、映画のツカミはバッチリです!
舞台となるジャンプ編集部は、ジャンプの副編集長(2015年当時)も「こんなものまで作っていたのか、バカだなぁと思ってしまうようなものをたくさん見つけました。」と驚いてしまうほどの再現率の高さで、名刺からファンレターを仕分けするケースまでうりふたりに近いものもあったそうです。
本作で美術監督を務めた都築雄二は、「「ジャンプ編集部」は漫画家たちにとって大きな壁となる、巨大なマンガの世界そのものでなければならない。」と考え、編集部内に高く積み上げられた原稿や資料、さらに編集部の奥行や広さなどにもこだわったとプロダクションノートで明かされています。
そして極めつけがエンドロールの凝りっぷり!本棚にズラリと並べられているジャンプコミックス背表紙の作者の名前がスタッフクレジットになっているというお洒落さに驚愕です!
これらは「映画史上誰も見たことがないエンドロール」という大根監督のオーダーによって作られたもので、よく見てみるとタイトルも全部パロディになっていて、『キャプテン翼』が「キャスティング翼」など変化しているので、繰り返し観るたびに新しい発見がある映画に仕上がっています。
いかがでしたか?繰り返し観れば観るほど、ジャンプ編集部のように奥行きの深い映画『バクマン。』。
本作1本であと何本もの作品が作れてしまうほどの豪華なキャスト陣と大根監督の才能と映画スタッフたちの匠が結集した作品です。
2020年の東京オリンピックに向けて「MANGA/ANIME JAPAN」を紹介する映画としても最適かも知れませんね。