『るろうに剣心 京都大火編』あらすじ・ネタバレと感想・評価 結末と志々雄の計画を史実から解説
実写化映画としては異例の高評価・大ヒットを記録し、世界から高い評価を受ける「るろうに剣心」シリーズ。2012年に一作目が公開されてから、10年にわたり壮大な物語を展開してきました。 今回はそんな同シリーズの中でも特に人気の高い2作目「京都大火編」のあらすじ・ネタバレと、気になるファンの感想や評価を紹介します。
公開年 | 2014年8月1日 |
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監督 | 大友啓史 |
メインキャスト | 佐藤健 , 武井咲 , 藤原竜也 , 神木隆之介 , 伊勢谷友介 |
上映時間 | 139分 |
シリーズ | 「るろうに剣心」シリーズ2作目 |
『るろうに剣心 京都大火編』あらすじ
簡単なあらすじ
かつて人斬り抜刀斎と恐れられた緋村剣心は、不殺の誓いを立て、神谷活心流道場で師範の神谷薫らとともに暮らしていました。そこへ現れた大久保利通は、剣心同様に恐れられた人斬り・志々雄真実が京都で暗躍していると告げ、剣心に彼を討つよう協力を要請します。
明治政府設立の立役者となった同志や政府に裏切られ、その身を焼かれた志々雄は、明治政府への復讐と転覆を狙っていたのです。
大久保利通は剣心に会った一週間後、志々雄の特攻部隊「十本刀」の1人である瀬田宗次郎によって暗殺されます。それを聞いた剣心は志々雄を討つ決意を固め、薫に別れを告げて京都へ向かうのでした。
結末までのネタバレ
道中で出会った廃墟の村
京都へ向かう途中、小田原で巻町操という少女と出会い、同行することに。ここで新月村という廃墟と化した村を救おうとした剣心は、意図せず志々雄と対峙することに。 しかしそこで剣心は、瀬田宗次郎との激闘の末、居合いで逆刃刀の刀身を折られてしまいました。一方、志々雄は隠れ家で十本刀を集結させる命令を下し、ついに「国盗り」を始めようと動き出します。
新たな刀を求めて
京都にたどり着いた剣心は操と再会し、旧幕府の隠密御庭番衆の先代お頭である翁と知り合います。そこで今は修羅に堕ちた彼らの最期の御頭・四乃森蒼紫について話を聞きました。 新たな逆刃刀を手に入れるため、翁の協力を得て逆刃刀を打った刀鍛冶・新井赤空の居所を探し出した剣心。しかし赤空はすでに亡く、息子の青空は刀は作らないと誓っていました。 そこへ十本刀の「刀狩の張」が現れ、赤空が最後に打った刀を狙い赤子を誘拐します。 赤子を守る剣心と打ち合いの最中、青空から刀を投げ渡され、張を一撃で倒した剣心。実はその刀こそが赤空の最後の刀「逆刃刀・真打」であり、青空は剣心を見込んで改めて刀を託します。
ついに始まった京都大火
その頃、志々雄一派は京都を火の海へと沈めようと動き始めていました。剣心は彼を追って京都にやってきた薫たちと再会。捕縛した張の供述から京都大火決行の日時を突き止めた警察と剣心たちは、計画阻止に奔走します。 御庭番衆も動き、京都を火の海から救うことに成功。一方蒼紫は葵屋に現れて翁を襲い、操は慕っていた蒼紫が翁を斬り倒した姿を目撃して茫然自失に陥っていました。 剣心は志々雄や十本刀たちが姿を現さないことに違和感を覚えていました。そんな中、共に戦っていた薫は宗次郎にさらわれてしまいます。
真の目的は東京!?【ネタバレ注意】
実は京都大火は計画の第1段階であり、志々雄の本当の目的は東京を襲撃することだったのです。薫が拉致されたのを目撃した剣心は宗次郎を追って、志々雄一派の隠れ家である軍艦「煉獄」に乗り込みます。 剣心は志々雄一派と剣を交える中、薫が海へと放り込まれたのを目撃。彼女を助けようとして自らも海へと飛び込んでいくのでした。 海原を漂い、気を失って砂浜に打ち上げられた剣心。そして謎の男に助けられたところで「京都大火編」は幕を閉じます。
続き「伝説の最期編」のネタバレはこちら
感想・レビュー
前作よりもさらに迫力がすごすぎる!原作を読まずに2作目まで観たけど、話や世界観がよくできていてとても面白い!モデルになった人物と重ねて観るとさらに深く楽しめそう。続きが早く観たくなる、絶妙な終わらせ方。
前作も殺陣に見とれたけど、今作も見どころは殺陣!というくらい釘付け。でもそろそろ終わるかと思ったら続くような展開で、少し長く感じられた。終わり方がかなり微妙で、3作目と合わせての評価にしたいところ。
映像も音楽も終始ずっとかっこいい!芸術作品!志々雄様のダークな世界観が持ち込まれた分、シビアにかっこいい映像ができあがってた。そしてやっぱりワンオクとも相性良すぎ!戦闘シーンの和風なBGMも剣心たちのスピード感・臨場感を際立たせててめっちゃよかった。
原作でも特に面白い京都編の映画化、待ってました!志々雄様がちゃんと超グロいし、宗次郎めっちゃサイコパスだし終始楽しかった。でも薫がおとなしくて、存在感がなかった。京都まで追いかけてきただけの足手纏いな人になってしまっていたのがちょっと残念。
「京都大火」の歴史を解説 志々雄が模倣したのは?
京都大火の計画を聞いたとき、志々雄真実の本当の狙いが東京だったと気づいたとき、剣心も斎藤も、史実と絡めて志々雄の狙いを読み解いていました。 以下では「京都大火」に関係する幕末の出来事を解説し、志々雄の真の狙いを考察していきます。
①池田屋事件
刀狩の張が囚われ「京都大火」の計画を漏らしたとき、剣心と斎藤は「池田屋事件の皮肉」と話していました。池田屋事件とは、幕末の京都にて新撰組が、池田屋に集った維新志士たちを一掃した出来事。明治を築いた維新志士たちもかつて、京都大火を計画していた(と言われている)のです。 長州藩・土佐藩などから京都にやってきた尊攘派の志士たちは、池田屋という民宿に集って京都を火の海にし、天皇を拉致する計画をたてていました。事前に拷問によってこの計画を知った新撰組は、計画を阻止するため彼らのアジトを探し襲撃します。 最初踏み込んだのは近藤勇や沖田総司など4人だけでしたが、宮部鼎蔵など主要な志士たちが多く犠牲になり、「明治維新が1年遅れた」と言われるほど尊攘派は大きな打撃を受けました。ちなみに桂小五郎は会合に遅刻したため助かっています。 志々雄が火災の混乱に乗じて薫を拉致したのは、この計画を皮肉ったからかもしれませんね。 ちなみに沖田総司が途中で病に倒れたというこの事件、「最終章 The Beginning」にも登場しています。剣心も現場にかけつけようとして、途中で弱りかけの沖田総司と交戦していました。
②鳥羽・伏見の戦いと慶喜の敗走
京都大火があまりにも簡単に阻止できてしまうと、剣心と斎藤一は事態を訝しみ始めました。そして京都大火がただの囮の計画であり、志々雄の真の狙いが東京だったことに気づきます。なぜ志々雄の狙いは東京だったのでしょうか。 江戸時代最後の戦い・戊辰戦争。その初戦となったのは、京都や大阪で繰り広げられた鳥羽伏見の戦いです。この戦いでは幕府の将軍・徳川慶喜が早々に敵前逃亡。敗走先の江戸にて無血開城が成り立ち、維新側が勝利することになりました。 しかし慶喜敗走の直後に、志々雄は同志から燃やされることになります。新政府の拠点となる東京まで行けなかった志々雄。口封じのため京都で切り捨てられたのです。 だから志々雄は今度こそ東京を目指そうとしていたのではないでしょうか。歴史をなぞり、東京で明治政府を根幹から覆そうとしていたのではないでしょうか。 京都で切り捨てたはずの明治政府の“暗部”が、東京を支配し国を作り替える。それこそが志々雄の考える「国盗り」ではないでしょうか。
「京都大火編」はどこが高評価なのか?
シリーズの中でも超迫力のあるアクション
前作も殺陣を中心としたハイスピードなアクションが高評価を得ましたが、今作ではそれがさらにスケールアップ!魅力的なキャラがそれぞれ個性豊かに戦う、作り込まれた映像が立て続けに織り込まれており、より実写「るろ剣」ワールドを確立した作品といえます。 今作で特に見どころなのが、剣心と宗次郎の戦いの場面。神木隆之介による徹底的な役作りで、宗次郎の技「縮地」も完璧に再現され、多くのファンを納得させました。佐藤健も縮地と互角の動きを見せており、飛天御剣流どうしのスピーディーな打ち合いから目が離せません!
志々雄の登場で雰囲気がダークなテイストに
今作で存在感を示したのは、志々雄真実を演じた藤原竜也。冒頭から登場し、いきなりダークなテイストに作品を染め上げてしまいました。志々雄の登場によって、前作にはない緊迫感が加わっています。 ビジュアルも原作に近づけ、おどろおどろしい雰囲気を再現。志々雄が放つ威圧感や狂気を、舞台演劇で培った説得力ある発声法と演技力で見事に表現しています。
評価を下げたのはラスト?
【???????????????? ???????????? ????????????????????????】
— 映画『るろうに剣心 最終章』公式アカウント (@ruroken_movie) March 16, 2021
4/9(金)~4/15(木) 期間限定上映????
『るろうに剣心 京都大火編』
最狂の敵・志々雄真実役で #藤原竜也 さんが参戦????
スケールもさらに壮大に…!!#るろうに剣心最終章 #るろうに剣心10thAnniversary pic.twitter.com/uJkcFSeLnx
実写「るろうに剣心」シリーズの第2弾は、「京都大火編」と「伝説の最期編」の2部作構成。そのためどうしても前半の「京都大火編」は後半に続く導線を確保しておかなければなりません。 それが後半への期待感になるか、あるいは満足感を損なうものになるかは個々の感じ方次第。評価もラストについては賛否両論があるようです。「伝説の最期編」と2作合わせて完成する作品であることを踏まえた上で鑑賞したいところですね。
キャスト紹介・演技評価
緋村剣心役/佐藤健
主人公の緋村剣心を演じるのは、佐藤健。1作目からビジュアルや表情、そしてアクションも合わせて総合的に高い評価を得ています。暗殺者・人斬り抜刀斎としてのダークな部分も含め、彼以外に剣心を演じられる人物はいないのでは? 作品を追うごとに殺陣の迫力も増し、中でも今作では瀬田宗次郎や刀狩の張との1対1での対決シーンが大きな見どころ。大勢を相手にしたスピード感あふれるアクションシーンも見逃せません。
志々雄真実役/藤原竜也
2014年1月1日4時40分(ししお)になりました!志々雄真実&十本刀の皆さまより新年のご挨拶を申し上げます(c_c) 8月1日、9月13日連続公開も決定! #ruroken_movie pic.twitter.com/2mPSQAw0bT
— 映画『るろうに剣心 最終章』公式アカウント (@ruroken_movie) December 31, 2013
今作で剣心の宿敵となる志々雄真実を演じるのは、藤原竜也。原作に忠実なビジュアルから威圧感ある物言いまで、細部にわたってこれ以上ない実写版の志々雄像を作り上げています。志々雄が持つ狂気と悲壮感も漂わせながら、異様なカリスマ性をも体現! 「京都大火編」と「伝説の最期編」合わせた2部作を成功に導いたのは、そんな志々雄を演じた藤原竜也の功績も大きいでしょう。
瀬田宗次郎役/神木隆之介
もう1人の立役者と言っても良さそうなのが、瀬田宗次郎を演じた神木隆之介。宗次郎の技「縮地」の再現や、彼が持つイノセントな狂気にこだわり抜いて演じたことが評価を高めました。 瀬田宗次郎はこの2部作での暗躍を経て、シリーズ4作目『るろうに剣心 最終章 The Final』に再登場。そのサプライズにはファンの多くが歓声を上げました。
四乃森蒼紫役/伊勢谷友介
【それぞれのクライマックスへ】
— 映画『るろうに剣心 最終章』公式アカウント (@ruroken_movie) April 14, 2020
四乃森蒼紫と巻町操。
志々雄との死闘から時を経て、再び戦いの地へ戻ってきたふたりの決意を捉えた姿も到着しました‼️
緊張感ある佇まい…。
ふたりは縁の攻撃に、どう応戦するのでしょうか!?#るろうに剣心最終章 pic.twitter.com/piQbGnP49O
伊勢谷友介が演じた隠密御庭番衆の御頭・四乃森蒼紫も、本作を彩った重要なキャラクターの1人。旧幕府に利用されて見捨てられた悲哀を、静かな佇まいの中にもたぎる炎のような怒りで表現していました。 剣心を探し求め、大火に見舞われた京都をさまよっていた蒼紫。彼はこの後、「伝説の最期編」で大きな役割を演じることになります。
神谷薫役/武井咲
剣心を近くで見守り、彼が二度と人を殺す剣を振るわないよう祈ってきた薫。そんな芯の強い薫を演じたのは武井咲です。薫は父親が大切にしてきた道場を引き継ぎ、師範代として剣の腕も持っています。 意志が強く、心優しく強い薫を自然な演技で魅せ、京都大火のシーンではアクションもこなしています。今作のラストでは海に投げ込まれてしまいますが、この先の彼女の活躍にも注目です!
『るろうに剣心 京都大火編』ネタバレは「伝説の最期編」へ続く
シリーズの中で最も高い興行収入を記録した「京都大火編」。物語は「伝説の最期編」へ向けてクライマックスに!キャストの役作りや革新的なアクションシーンで確立した世界観が、後半でさらに磨かれていきます。 2部作後半「伝説の最期編」では志々雄真実や四乃森蒼紫など、幕末の亡霊たちが抱える悲哀がより丁寧に描かれていきます。後半と合わせて楽しみましょう!