2017年7月6日更新

『海辺のリア』あらすじ・キャスト【仲代達矢が往年の映画スターを演じる】

仲代達也『遺し書き』

俳優人生65年のキャリアを持つ名優、仲代達也主演の映画『海辺のリア』が2017年に公開されます。本作では往年の映画スターが人生の最期を迎える時を描かれています。仲代が自身を重ねるようにして演じたという本作の魅力をお伝えいたします。

目次

新作映画『海辺のリア』とは?

俳優人生65年のキャリアを持ち、御年84歳となる仲代達也を主演に迎えた映画『海辺のリア』が2017年6月に公開します。小林政広が監督を担当する本作品では、映画の往年のスターの最期の人生を描いており、仲代本人が「自分を描いていると言えるかもしれない」とコメントしています。

共演には黒木華や阿部寛などの実力者がキャスティング。海外でも評価を得ている小林監督作品だという事もあり、現在既に国内のみにとどまらず海外からも注目されている作品です。

『海辺のリア』のあらすじ

桑畑兆吉は、半世紀以上に渡り舞台や映画で活躍した往年の大スターでした。芝居を愛し、情熱を注ぎ、芝居に人生を捧げてきた兆吉でしたが、認知症の疑いが出始め、長女の由紀子と、その夫であり弟子でもある行男に裏切られ老人ホームへと入れられてしまいます。

兆吉は老人ホームを抜け出し、シルクのパジャマにガウンにスーツケースという恰好で、海辺を彷徨います。そして、かつて妻とは別の女性に産ませ、忌み嫌って家を追い出してしまった娘・伸子に出会います。

長い俳優人生の中で演じた事のなかったシェイクスピアの名作「リア王」。兆吉は信子にリア王の娘、娘コーディリアの影を見ます。長い俳優人生を送って来た兆吉の、人生最後の輝きは、どのようなものになるのでしょうか。

『海辺のリア』主演キャストを演じるのは大御所俳優・仲代達也

桑畑兆吉/仲代達也

仲代演じる兆吉は、半世紀以上に渡り、舞台や映画で活躍してきた往年のスターです。認知症の疑いがあり、娘夫婦の裏切りから老人ホームに入れられてしまいます。今回の役を演じるにあたり、仲代は

人は誰でも『変わらないもの』を持っています。兆吉にとって、それは『演じること』。役者の魂を解き放つかのように、リア王のセリフを滔々(とうとう)と述べるクライマックスには、そんな思いが込められています」と作品の核心を語る。「小林監督の描く、人間の光と影、納得できる終末……、人間の生き方を皆さまも想像していただけたらと思います

と語っています。

仲代達也は俳優の養成所に通っていた1954年に映画『七人の侍』にてデビューして以来、長年に渡り舞台や映画、ドラマで活躍しています。日本を代表する名優の1人にも数えられており、その代表作も数多く存在します。

代表作としては映画では、1962年にブルーリボン賞を受賞した『椿三十郎』、1974年に山崎豊子の小説を映像化した『華麗なる一族』、1975年に冷酷な主人公を演じた『金環蝕』などがあげられます。2016年に文化勲章を受章するなど、文化の功労者としての受賞もあります。

『海辺のリア』に出演するその他の豪華キャスト

信子/黒木華

『海辺のリア』黒木華

桑畑兆吉の娘であり、兆吉が妻とは別の女性との間に設けた子である理由から、家から追い出されていました。老人ホームを抜け出した兆吉と海辺で再会します。

黒木華はNODA・MAPが公演した『ザ・キャラクター』のオーディションが初舞台で、そこから女優の仕事を始めています。2011年からは映画にも出演し、『東京オアシス』が初の映画出演です。

2013年に出演した映画『舟を編む』では、日刊スポーツ映画大賞やキネマ旬報ベスト・テン 、ブルーリボン賞などで新人賞を受賞しています。そして、2014年の山田洋次監督作品『小さいおうち』に出演すると女優賞となる銀熊賞を受賞し、大いに話題を呼びました。国内外でその演技力が高く評価されている女優です。

由紀子/原田美枝子

『海辺のリア』原田美枝子

桑畑兆吉の長女で、兆吉の正式な妻との間に生まれています。

原田美枝子は、彼女が18歳だった1976年に公開された映画『青春の殺人者』でキネマ旬報主演女優賞を受賞しており、10代の頃より演技力に定評のある女優です。多くの映画、ドラマで活躍し、1986年の映画『火宅の人』では日本アカデミー賞の最優秀自演女優賞を受賞。

1998年にも映画『愛を乞うひと』で日本アカデミー賞を受賞しています。ドラマでは、1981年放送の、北海道の大自然で暮らす一家を描いた『北の国から』や2007年に山崎豊子の小説を映像化した『華麗なる一族』などが代表作です。

行男/阿部寛

『海辺のリア』阿部寛

由紀子の夫であり、兆吉の弟子でもあります。由紀子と共に兆吉を裏切り、老人ホームへ入れてしまいます。

阿部寛はモデルを経由して俳優の仕事を始めており、1987年の『はいからさんが通る』がデビュー作となっています。現在は、個性的な演技派俳優といったイメージが強く、迫力のある渋い役からコミカルな3枚目役まで、幅広い役を演じています。

1995年にNHKの『八代将軍吉宗』で注目されるようになって以来当たり役が増え、2000年のドラマ『TRICK』で大ブレイクしました。40を過ぎても独身だったため、2007年に演じた『結婚できない男』のイメージが定着していましたが、2008年に結婚し現在は2児の父になっています。

運転手/小林薫

小林薫『深夜食堂』

ドラマ『深夜食堂』で知られる小林薫が本作で演じるのは、由紀子の愛人である謎の運転手です。

本作を視聴したあとは、仲代演じる力強い老人に影響され「年を取る」ことがいいことだと思えたという小林。仲代達矢と共演し、近くで彼の演技を見ることが出来て感激することが多かったと話しています。

仲代がTwitterを開始!

今回の映画を記念し、「仲代達矢 84歳、Twitterはじめました。」というタイトルで仲代が84歳にしてTwitterを開始しました。本人の呟きや情報ほか、映画についてのコメントなども寄せられています。往年のスターの生の声が見られるなかなか貴重な場所なので、気になる方は是非アクセスしてみて下さい。

監督・小林政広と俳優・仲代達也

今回、監督と脚本を務める小林と主役を演じる仲代は、3回目の共演となりました。小林は社会問題を扱った作品を数多く手掛け、少女による同級生の刺殺事件を扱った映画『愛の予感』(2007年)で、ロカルノ国際映画祭の最高金賞を獲るという快挙を成し遂げています。

そんな小林と仲代の初の共演は2010年の映画『春との旅』でした。この映画は家族との絆と愛の物語で、今回の『海辺のリア』と同じく小林が監督と脚本の両方を担当しています。仲代はこの時、主人公を演じており、仕事を通して小林と意気投合したのだそうです。この映画以外に年金不正受給問題をテーマに崩壊する家族を描いた『日本の悲劇』でも共演しています。

映画『海辺のリア』の公開日

映画『海辺のリア』は2017年6月3日よりテアトル新宿や有楽町スバル座をはじめとする全国で公開されます。

どちらも心に深く響く人間ドラマを描いた作品となっており、今作品で2人がどのような人間ドラマを見せてくれるのか楽しみです。