2017年7月6日更新

ネタバレ注意!『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』ストーリー超解説【SAC】

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攻殻機動隊
出典 : eiga.com

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『SAC』を始めとする『攻殻機動隊』ってどんな作品?

攻殻機動隊 stand alone complex
もともとは、士郎正宗の同名漫画が原作となっており、押井守の『GHOST IN THE SHELL』・『イノセンス』、神山健治の『STAND ALONE COMPLEX』、冲方丁らの『ARISE』と多数の映像作品が展開されています。

テレビシリーズ第一弾『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』とは

2002年にスカパーの有料チャンネルで放送された作品で、『GHOST IN THE SHELL』と原作を同一にしながらも、別の世界として新たに物語を描き出しました。「STAND ALONE COMPLEX」はファンの間では頭文字をとって「SAC」と省略されることが多いです。 人の魂は別のものでありながら、いつの間にか同じ動きをしてしまう「STAND ALONE COMPLEX」を軸にした、謎解きあり、刑事ドラマチックな要素ありで、色々な視点で楽しめる作品に仕上がっています。

『攻殻機動隊 SAC』を見るにあたって、知っておきたい用語集

公安9課

首相直属の特殊部隊で「攻殻機動隊」と呼ばれています。警察の手に余るサイバーテロにカウンターを行う事を主たる目的として設立された組織です。

電脳

人間の脳をサポートするシステムで、マイクロマシンを脳に直接入れ、自己の思考を他者や、コンピュータと無線で繋ぐ事が出来ます。舞台となる世界では9割方の成人が電脳化済と言われています。

電脳硬化症

電脳に起こる障害の1つで、電脳化している部分が硬化し、脳死に至る病です。不治の病として、人々には認識されていますが・・・?

義体

人工的に作成された肉体を総称して「義体」と呼称しています。不全となった部分のフォローだけでなく、人体が持っている以上の能力を得ることも出来るようです。

『攻殻機動隊 SAC』 物語の始まり

攻殻機動隊
2030年、電脳や義体が普及した近未来の世界で、外務大臣が料亭で芸者をしていたロボットに襲われるという事件が発生します。警察では対応しきれない事態の発生により、主人公草薙素子らの「公安9課」に出動が命じられるのでした。 9課は迅速に料亭に突入し外務大臣を救出する事は出来ましたが、2名の秘書官は死亡。その裏には何者かが張り巡らせた陰謀の陰が見え隠れするのでした。

「笑い男事件」とは

攻殻機動隊 笑い男
「笑い男事件」とは、物語が始まる6年前の2月1日、マイクロマシン国内製造大手であるセラノ・ゲノミクス社の社長の誘拐に端を発した一連の事件の総称です。 2月3日、天気予報の生中継中に、犯人(笑い男)が誘拐した社長と共にテレビカメラの前に現れ、マイクロマシンの製造を中止するよう社長を脅している映像が映し出されます。しかし社長は脅しには屈さず、犯人は社長を置いて逃走。 その際多くの人間に目撃されたはず犯人でしたが、彼は逃走系路上のカメラやネットワークに映った映像や、目撃された警察官や一般市民の脳内の自分の顔の視覚情報を、直接それぞれの対象にハッキングすることで「笑い男」と呼ばれるマークにリアルタイムで上書き処理を行いました。彼の顔を覚えている人間は誰一人存在しなまま事件はニュースになります。 間もなくハッカーによるマイクロマシンへのウイルスが投入されるという事件が発生。さらにそれを後ろ盾としたマイクロマシン製造会社への脅迫が立て続けに行われました。 犯人の高度なハッキングテクニックは伝説化し、「笑い男」マークのポップな印象から事件は社会現象にまで発展していきます。 そしてマイクロマシンには実際にウイルスが混入され、販売停止に追い込まれましたが、政府は企業への補償を決定。その後は笑い男の模倣犯こそ数多く現れましたが、本人は遂に現れることなく事件は収束していったのでした。

笑い男、再び

攻殻機動隊
「笑い男」事件は収束していましたが、警視庁では捜査が続けられていました。公安9課トグサの友人は、警視庁上層部に不審な点がある事に気づきましたが怪死。トグサには何枚かの「何でもない風景を撮影した写真」が残されたのです。 その写真はカメラを使わず撮影されたもので、「インターセプター」と呼ばれる視覚素子を利用している事が判明。人の目に仕掛け、見た物全てが記録されるこの素子は、犯罪者を取り締まるために利用されるはずでしたが、秘密裏に特捜部の刑事達にも何者かによって仕掛けられていることが判明。 この写真をきっかけに警察とマイクロマシンメーカーの繋がりが明らかとなり、警視庁上層部へアクションを行う9課。そんな黒い警察の前にインターセプターを利用して「笑い男」が再び現れます。 警視総監を粛清しようとする「ナナオ」という自称「笑い男」の計画や、その他の模倣者の暴走は、9課の活躍によって辛くも阻止されます。結果ナナオは死んでしまいましたが、どうやら本物の「笑い男」ではなかった様子。事件はどのような形で推移していくのか?

閑話休題

タチコマ
上記までがアニメ第6話までの話で、第7話から第19話までは、9課が直面する「笑い男事件」以外の事件を1話ずつ解決していくような展開となります。 9課に配備されている多脚型戦車で意思をもっている「タチコマ」の自我の芽生えを描いたり。無関係の連続殺人事件の捜査から、ネット上での「笑い男」の正体に関する討論会への潜入、気づかぬうちに「笑い男」本人との邂逅してしまう回など、本筋としては大きな動きはないながらも「笑い男」に関する伏線が散りばめられており、1話1話目が離せません。 また、9課のコミカルな立ち振る舞いもあって、一話完結型の刑事ドラマのような雰囲気でカジュアルに楽しむ事もでき、『攻殻機動隊』の幅を広げるのに一役買っていると言えるでしょう。神山版攻殻はポップだと言われている所以ですね。

「笑い男」事件の黒幕

攻殻機動隊
9課の一員、トグサは操作を進めるうちに、「電脳硬化症」に対して発明された「村井ワクチン」の接種者リストが失われていることを発見します。村井ワクチンは、症状に対して効果があることが証明されていながら、マイクロマシンによる治療と比較され、認可がされなかった過去があるのでした。その背景にはマイケロマシンの利権に関する医学会と厚生省とズブズブの癒着が絡んでいたのでした。 手がかりを持っているNPO法人に接触しようとするトグサは厚生省の手先に襲われ重傷を負います。9課は厚生省とぶつかる事になり、裏で手を引いていた厚生省局長を逮捕。しかし局長の裏には更なる黒幕が控えていました。 政府連合与党の幹事長である薬島。笑い男事件発生時に厚生大臣だった薬島は、セラノ・ゲノミクス社社長達と癒着し、村井ワクチンの認可を握りつぶした事で利益を得ていたのです。「笑い男」はそれを許せず、セラノ社社長に事実を公表するよう脅していたのでした。 薬島の手配で自衛隊に襲撃される9課。自体は急を告げます。圧倒的な敵戦力を前に草薙素子はついに9課を解散、散り散りになってしまうのでした。そしてある者は捕獲され、ある者は逃走し、ある者は銃弾に倒れることに。

STAND ALONE COMPLEX、終幕

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『攻殻機動隊 SAC』最終話、公安9課が壊滅してから半月後に逮捕されていたトグサは突然釈放されます。9課が残した証拠と本物の「笑い男」の活躍によって薬島の不正は暴かれ、逮捕されていました。 しかし9課自体を失っていることに憔悴したトグサは、自らの手で薬島を裁こうと銃を手に取ります。 しかし暗殺決行の直前、トグサの前に9課のメンバーであるバトーが現れます。草薙素子をはじめ、死んだと思っていた9課のメンバーは全員生存していたのです。本来秘密の機関という位置付けの公安9課の存在が公知となってしまったがために、課長である荒巻の作戦で9課が壊滅した「ことにした」作戦であったことを知るのでした。 表向き「公安9課」は消失しましたが、彼らは世の不正や悪と戦い続けていくのでした。

広がり続ける『攻殻機動隊』ワールドの中でも重要な『SAC』

攻殻機動隊 SSS
2017年にハリウッドでの実写映画の公開も決定している『攻殻機動隊』。これからもその世界の広がりが期待できそうです! ぜひシリーズの中でもかなり重要な話である『SAC』について知った上で、他の作品もご覧になってください。