押井守が監督した強烈なアニメ作品10選【攻殻機動隊、パトレイバー】

2017年8月19日更新

映画監督押井守。『攻殻機動隊』で世界的に有名になった押井ですが『うる星やつら』『パトレイバー』など数々の魅力的な作品を制作してきました。今回は押井守が監督した、おすすめの10作品をご紹介します。

映画監督、押井守とは?

1.押井守の初監督映画作品『うる星やつら オンリー・ユー』

高橋留美子の同名漫画を原作としたアニメの劇場版です。宇宙レベルで女好きな事を除けばごく普通の高校生諸星あたると、彼にベタ惚れしてしまった宇宙人ラム、それを取り巻く面々の愉快な日々を描く『うる星やつら』ですが、ある日あたる友人達にあたるとエルという謎の女との結婚式の招待状が届きます。 心当たりがないながら、迎えに来た者からエルが美人だと聞いて、さっさとついて行ってしまうあたる。ラムはそんなあたるを取り返そうと一生懸命に立ち回りますが、結婚式当日まで取り返せないままでした。式に乱入してきたラムに応えてあたるも脱出を試みますが、UFOのワープに巻き込まれ過去にタイムワープしてしまう事に!そこで見た物とは……? アニメ版の魅力でもあるドタバタラブコメのスケールを大きくしたようなこの作品。あたるとラムの深い絆に、笑みがこぼれてしまう方も多いのではないでしょうか。 押井が初めて映画監督を務めた作品です。

2.本作で一気に「押井守」の名が有名に『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』

上記の『オンリー・ユー』に引き続き、押井が監督を務めた作品で、この作品で押井を知った方も多いのでは?と言えるぐらいに押井を有名にした作品の1つです。 あたる達の通う高校の文化祭前日、生徒達は毎晩のように泊まり込みで準備をしていました。 そんな時、あたる達の担任が、「文化祭の前日」がずっとずっと繰り返されているのではないか、という感覚を覚えるところから物語が動き出します。 学校を追い出されたあたる達ですが、自分達の住んでいた町、だと思っていた所が宇宙空間に浮かぶ亀の石像に乗せられているなんとも奇妙な光景を目撃します。そんな奇妙な事態を引き起こしていたのは夢邪鬼と呼ばれる妖怪で、夢邪鬼はラムのとある夢を叶えようとしていたのでした。 ループする奇妙な世界等、設定・展開が作りこまれ、見る者を引き込むとても魅力的な作品です。

3.難解だけれど、本作抜きに押井守は語れない『天使のたまご』

「ノアの方舟」が陸を発見出来なかった、というパラレル・ワールドで出会う少年と少女の物語。本作は劇場公開された作品ではなく、OVAです。 前2作と違って押井のオリジナル作品である本作は、シンボルや暗喩といった表現が細かく使われ、「よく考えないと理解出来ない」という意見もあり、あまり人気は出ませんでした。 しかし、押井が監督として本領を発揮するのはこの後であり、「ノアの方舟」といったモチーフがこの後の作品にも1度ならず登場する事から、押井作品を理解するにあたって避けては通れない作品です。

4.カルト的人気シリーズ映画1作目『機動警察パトレイバー the Movie』

近未来、二脚歩行で人間が乗り込めるロボット「レイバー」が当たり前に流通し、重機等に取って代わるようになっていました。そんな中で警察として犯罪に立ち向かう女性・泉野明と乗機「パトレイバー」、そして野明の同僚である警視庁特車2課の面々の活躍の日々を描く作品です。 劇場版第1作となる『機動警察パトレイバー the Movie』では、多発するレイバー暴走事件と、それを巡る人間たちのやり取りを描きます。 1980年代の公開ながら、近未来的な「コンピュータウイルス」を題材の1つとしてきっちり描いている点や、利権渦巻く世界での大人たちの汚いやり取り、それを受けての刑事達の葛藤など、刑事ものとしても魅力的な作品です。

5.押井節炸裂!『機動警察パトレイバー2 the Movie』

前作より3年後の世界、特車2課のメンバーは人事異動で散り散りになっていました。そんな中、横浜ベイブリッジで爆発が起きますが、その原因は自衛隊の戦闘機によるミサイル攻撃であった事がニュースで流れます。 爆発事件を皮切りに自衛隊を取り巻く状況は悪化の一途を辿りますが、早期解決を図ろうとした政府は警察に責任をなすりつけ、自衛隊を東京の治安維持部隊として出動するよう命令するのでした。孤立していく自衛隊と襲われる警察。戦争状態に陥っていく東京。 事態を収集するため、元特車2課のメンバー達は集まり、動き出すのでした。

6.世界的評価を獲得した押井守の出世作『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』

押井守を世界的アニメ監督に押し上げた出世作。士郎正宗の同名漫画が原作です。人間の電脳化・義体化が進んだ近未来を舞台に、政府機関である公安9課のメンバー達と、国際的ハッカー「人形遣い」との戦いが繰り広げられます。 漫画で緻密に描かれた世界観を丁寧に、美しく映像化し、その世界観をさらに深めた本作。1995年に公開されたものですが、何年たっても褪せることなく楽しめる名作です。

7.ダークで血なまぐさい作品も得意『人狼 JIN-ROH』

実写映画を含めた「ケルベロスシリーズ」の1作で、反体制派と帝国主義体制を「アカ」と「狼」、赤ずきんのイメージで配置した作品です。本作では監督ではなく、原作・脚本として参加しています。 第2次世界大戦でドイツが勝ち、日本を占領したパラレルワールドを舞台。首都圏治安警察機構こと首都警に所属する主人公と、反体制派で「赤ずきん」と呼ばれる少女が出会う事で、首都警と反体制派の膠着状態が崩れ内戦状態に突入していきます。 これまでの作品とは違い、血生臭く、グロテスクな表現も多い作品ですが、また新たなファン層を獲得したのではないでしょうか。

8.攻殻機動隊の前日譚、ファン必見『イノセンス』

『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の続編となる作品で、公安9課のメンバーであり、主人公であった草薙素子が失踪し、4年が経ったところから物語は始まります。 少女の姿をした人造人間が暴走し、持ち主を殺してしまう事件が多発。それだけでも怪しい事件ですが、遺族とメーカーの示談があっさりと済んだり、被害者に政治家や公安関係者がいる等の不審な点が多く見つかったため、公安9課のバトーとトグサが調査を始めます。 前作でも触れられてきた「ゴースト」と呼ばれる魂のような存在、草薙素子の行方といった謎や、公安9課のメンバーの男臭い活躍など、見どころが満載です。

9.押井守初のセルフリメイク『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0』

後述の『スカイ・クロラ』公開時に、以前押井が監督した『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』をリニューアルして公開した作品です。 新カットの追加や一部3DCG化、色調変更等で印象はガラっと変わっています。「1度公開した作品をリメイクやリニューアルしない」と公言していた押井でしたが、本作品には特別な思い入れがあったのでしょう。

10.ミステリーテイストな作品『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』

森博嗣の同名小説を原作としており、原作の『スカイ・クロラ』はシリーズの最終巻にあたるため、映画ではシリーズ第1巻となる『ナ・バ・テア』と『スカイ・クロラ』のエピソードを合わせて脚本としています。 現実とは異なる歴史を歩んだ世界を舞台に、傭兵の戦闘機乗り達の戦いと世界の謎を描く物語です。「キルドレ」と呼ばれる人の姿をした人ならざる存在と、主人公はどう関わっていくのか。 少しずつ明かされていく謎について考えながら見るのがとても楽しい一作です。この点はミステリ作家の森博嗣の作品ゆえのものと言えるでしょう。