映画『デイ・アフター・トゥモロー』突然人々を氷河期が襲うSFパニック映画
『デイ・アフター・トゥモロー』は2004年公開の映画です。 温暖化が原因で巨大な雹や竜巻など様々な異常気象に襲われ、しまいには氷河期がやってきてしまった地球を舞台に、生き残りをかけて奮闘する人々を描いたSFパニック作品となっています。 全世界で約5億円の興行収入を記録して大ヒットした本作に関する、知られざる事実10選をご紹介します。
1.科学者限定で行われた試写会
『デイ・アフター・トゥモロー』を制作した20世紀FOXは、映画の公開前に科学者たちを招いて、劇中の科学的要素に対して彼らがどういう反応するかを見るための試写会を実施しました。 残念ながら試写を見た科学者たちは映画の科学的な要素には感心しませんでしたが、ほとんどが作品としてのの面白さを認めたそうです。
2.NASAにコンサルを断られていた
映画の制作チームは撮影開始前に、NASAに内容を確認して意見を欲しいという依頼をしていたそうです。 しかしNASAは、映画の内容が実際にはあり得ないことなのでNASAとしての見解を述べることはできないと断りました。それに加えて、NASAはすべての従業員に映画に関連するようなことには一切コメントしないよう注意喚起をしたそうですが、のちに取り消しています。
3.パロディ映画の企画があった
『サウスパーク』は、痛烈な社会風刺やブラックジョークを取り入れ人気となったアメリカのアニメ作品です。有名作品のパロディが多く登場することもこのアニメの特徴ですが、クリエーターであるマット・ストーンとトレイ・パーカーは密かに入手した『デイ・アフター・トゥモロー』の脚本を元に、全く同じ内容で映画のパペット人形版を作って同じ日に公開するという計画を練っていたそうです。 しかし、当然のことながら彼らの顧問弁護士に止められ、計画は中止になりました。
4.当初11歳の設定だったジャックの息子
『デイ・アフター・トゥモロー』の主人公は気象学者のジャックと、その高校生の息子サムです。 実は、脚本の初稿ができた時はサムは11歳の設定でした。しかし監督兼脚本家のローランド・エメリッヒが、ジェイク・ギレンホールをサム役として検討した時、11歳という設定は若すぎるということで17歳にまで年齢を引き上げたそうです。
5.赤十字国際委員会の気配り
映画がアメリカで公開された際、赤十字国際委員会は公開劇場にパンフレットを配布するためのスタンドを設置したそうです。 そのパンフレットには、竜巻や洪水などの災害が起こった際にどのように対処したらいいかという方法が書かれていました。
6.地球の写真にまつわるトリビア
劇中で、宇宙飛行士が「大気はとても澄んでいる」と叫ぶシーンで使用されている地球の写真は、1972年に宇宙船アポロ17号から撮影された写真を加工したものです。 「ブルー・マーブル」と呼ばれるこの写真は、オリジナルの写真を元に何枚もの衛星から撮影された画像を組み合わせ、雲の部分を複製したりして制作されています。
7.副大統領役キャスティングの裏話
劇中に登場するアメリカの副大統領ベッカーを演じているのはケネス・ウォルシュですが、ウォルシュの外見は当時ブッシュ政権下で副大統領を務めていたディック・ケニーに似ていました。 監督のエメリッヒは、地球温暖化防止を目的に温室効果ガスの国別の削減目標を定めた京都議定書に賛同しなかったブッシュとケニーの政権を批判するため、あえてウォルシュをキャスティングしたそうです。
8.実在のTV局との相違点
劇中でニューヨークのテレビ局という設定のFOX5で、嵐予報をしているマーク・トンプソンは、実際にロサンゼルスのテレビ局FOX11で天気予報をしている気象学者です。 また、ロサンゼルスに竜巻が到来するシーンで、FOX11の白いヘリコプターが登場しますが、本物のFOX11のヘリコプターの機体の色は黒です。
9.エミー・ロッサムとリンジー・ローハンの関係
サムの同級生のローラ・チャプマンを演じたのはエミー・ロッサムですが、最初ローラ役にはリンジー・ローハンがキャスティングされていたそうです。しかしスケジュールの都合でローハンが出演できなくなり、ロッサムに変更になりました。 面白いことに2006年公開の災害映画『ポセイドン』でも、ローハンの都合が悪くなった事によりロッサムがキャスティングされるということが起きています。
10.消えたライオン像
劇中にはニューヨーク公共図書館が登場しますが、図書館の象徴でもある入口に設置されたライオン像は映っていません。 図書館職員によると、撮影スタッフは映像への使用料が発生することを避けたかったので、費用が発生しない公共エリアのみ映画に使用することにしたそうです。