2020年5月8日更新

この復讐がすごい!映画史に残るリベンジ映画19選

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傑作リベンジ映画19選!あなたは復讐に立ち上がれるか?

映画においてキャラクターが行動する動機というのはとても重要で、感情移入できるかどうか、大切なポイントの1つです。 自分や家族、友人、恋人が悲惨な目に遭った時、人は復讐に囚われてしまうのではないでしょうか!?この記事ではciatr編集部が厳選した映画史に残るリベンジ映画19選を紹介します。

『ファーナス/訣別の朝』(2013年)

さびれた製鉄の街を舞台にした、熱いながらもやるせない兄弟もの

タイトルのファーナスとは、鉄鉱石から鉄を取り出すための高熱炉。映画の舞台になった米ペンシルベニア州ノース・ブラドックは、70年代以降のアメリカ鉄鋼業衰退によってさびれた製鉄の街です。 その街で裕福ではなくても真面目に生きている交通前科犯の兄と、イラク戦争から帰還した弟の運命が、暗い筆致で描かれます。 どんな役でもこなすクリスチャン・ベイルの主役に加えて、ウィレム・デフォーやフォレスト・ウィテカーといった個性的な脇役が豪華。 パール・ジャムのデビュー・アルバム『Ten』(1991年)のなかの1曲を使ったオープニングとエンドクレジットが暗く重い雰囲気に絶妙にマッチしています。

『グラディエーター』(2000年)

将軍から奴隷に身分を落としたマキシマスが、グラディエーターになり再び這い上がる! 

古代ローマ、宮廷の陰謀で将軍から剣闘士に転落した男の復讐劇です。 強さと人望の厚さゆえに運命に翻弄される主人公・マキシマス。ラッセル・クロウの風貌が実直で骨太なマキシマスの役にピッタリで魅了されます。アカデミー主演男優賞も納得の、円熟味ある渋い演技でした。 対照的なキャラの新皇帝を演じるホアキン・フェニックスも力演といえます。小心者で卑怯な皇帝ですが、父にも姉にも愛されなかったことが哀れで、悪人ですが憎めません。この作品は復讐もの、アクションものとしても、また人間ドラマとしても楽しめます。 主人公が故郷に帰って麦の穂を撫でながら歩くシーンが切なく印象的で心に残ります。

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『トゥルー・グリット』(2010年)

父親を殺された少女マティが保安官と共に復讐の旅へ出る!

父親を殺した男を縛り首にするために14歳の娘・マティが立ち上がり、曲者保安官とともに繰り広げる復讐の旅。 原作の小説はすでに1969年に『勇気ある追跡』として映画化されていました。往年の名優ジョン・ウェインが保安官・ルースター・コグバーン役でアカデミー主演男優賞を受賞した傑作西部劇です。 名作を再び映画にするのは勇気のいることですが、監督のコーエン兄弟は罪と罰と正義を問う重厚なヒューマンドラマに仕上げました。 マティス役のヘイリー・スタインフェルドは大人びた少女を見事に演じきっています。ジェフ・ブリッジスも凄腕にしては憎めない保安官・ルースターで円熟した演技を見せてくれました。

『96時間』(2008年)

娘を誘拐された父親が犯人たちを容赦なく追い詰める!犯人がターゲット選びを完全に誤った作品!

元CIA工作員のブライアンがフランス旅行中にアルバニア系人身売買組織に誘拐された10代の娘を取り戻そうと活躍するスーパーお父さん映画。 シンプルなストーリーで入りやすく楽しみやすいです。 ブライアンに扮するリーアム・ニーソンは、普段は優しくソフトな印象で、いざとなると力強い男性役にうってつけの俳優です。 製作・脚本はフランス・アクション映画の巨匠・リュック・ベッソン。ピエール・モレル監督は、『トランスポーター』の撮影監督をつとめるなど、リュック・ベッソンとの相性抜群です。この作品もスピード感あふれる作品にまとまっています。

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『マッドマックス』(1979年)

荒野のハイウェーでは「復讐」が法律だ!

1979年公開、今でもカルト的人気を誇るオーストラリア・アクション映画の古典的作品です。若かりし頃のメル・ギブソンを一躍スターの座に押し上げた映画でもあります。 近未来のオーストラリア、ハイウェイは暴走族と警察が追撃戦を繰り広げる無法地帯。暴走族の復讐で妻子を襲撃された警官・マックスは、改造パトカーで暴走族一味に単身立ち向かっていきます。 冷静で家族思いのマックスが怒り狂う姿はとてつもない恐ろしさです。車やバイクのアクションが人気でシリーズ化されました。 2015年公開の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、第1作の公開から四半世紀ぶりに製作されたシリーズ第4作というから驚きです。

『レオン』(1994年)

愛する弟を殺された少女マチルダは、復讐のため殺し屋レオンから殺しの技術を学ぶ

1994年公開のリュック・ベッソン監督によるアクション映画です。 主人公のレオンはニューヨークで孤独に生きるプロの殺し屋。隣に住む12歳の少女・マチルダの一家が腐敗した麻薬取締局の捜査官に殺されたことから、レオンは彼女を引き取ります。やがて2人の間に絆が生まれ、マチルダはレオンの弟子として殺しの技術を学ぶことに――。 レオンとマチルダが抱える「孤独」が、この映画に感情移入させられる秘密です。オスカー女優のナタリー・ポートマンのデビュー作。年齢のわりに大人びたマチルダに魅了される人は多いでしょう。 ちなみに後述する『REVENGE リベンジ』の主演女優・マチルダ・ルッツも、お気に入りの映画の1つにあげています。

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『キル・ビル』(2003年)

夫を殺され、昏睡状態から目覚めた女殺し屋は4人の人物への復讐を決意する 

主人公ザ・ブライドは妊娠を機に引退した殺し屋。結婚式のリハーサルの最中、ビルとその部下に襲撃され頭を撃ち抜かれ、4年間昏睡状態に陥る重傷を負います。回復したザ・ブライドはビルへの復讐に動き出し――。 登場人物1人1人のアクションやセリフがシック。よい意味で見た後に重くのしかかってこない、爽快な映画です。プロットは梶芽衣子主演、小池一夫原作の『修羅雪姫』(1973年)の影響を強く受けています。 クエンティン・タランティーノ監督は日本の映画やアニメに造詣が深く、この作品も随所にパロディ・オマージュ・引用が見られます。日本からは千葉真一などが出演したばかりでなく、殺陣の指導も担いました。

『ジョン・ウィック』(2014年)

殺された子犬の復讐に燃える凄腕の殺し屋!

かつては凄腕の殺し屋であったジョン・ウィックは結婚を機に足を洗っていました。しかし最愛の妻は子犬を身代わりに残して病死。 子犬と静かな暮らしを送っていたジョンの家に、ある日愛車フォード・マスタングを狙った強盗が押し入り子犬を殺してしまいます。封印していた武器を掘り出したジョン・ウィックの壮絶な復讐の始まりです。 「マトリックス」シリーズのキアヌ・リーブスが製作して、自ら主演を務めました。監督は同シリーズでスタントやスタントコーディネーターのチャド・スタエルスキ。 監督が崇拝する日本のアニメやマーシャル・アーツ映画、殺陣、香港映画のガンフー、マカロニ・ウェスタンからの影響が色濃い作品です。

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『狼の死刑宣告』(2007年)

息子を殺され、無力な司法に失望した父親は、自らが法律になり変わった!

チャールズ・ブロンソン主演の復讐映画『狼よさらば』(1974年)の原作者ブライアン・ガーフィールドの小説にもとづいた復讐アクション映画です。 妻と2人の息子を持つビジネスマン・ニックは幸福な家庭生活を送っていました。ある日、強盗事件に巻き込まれ長男を殺されてしまいます。裁判で満足できる判決を得られないとわかったニックは証言を拒否。家族も巻き込んだギャング団との熾烈な戦いに挑むのでした。 監督のジェームズ・ワンはホラー映画「ソウ」シリーズで有名になりましたが、『狼の死刑宣告』でアクション映画にも進出。2015年には『ワイルド・スピード SKY MISSION』で大成功を収めています。

『REVENGE リベンジ』(2018年)

レイプされて砂漠に捨てられた美女の凄惨な復讐

若くて美しいジェニファーは、金持ちリチャードの愛人。リチャードと砂漠の中の別荘で2人きりの休日を過ごしていたところ、リチャードの友人2人がやってきて事情が一変します。彼女の肉体に夢中になった男に強姦されたあげく、口封じに崖から突き落とされます。 奇跡的に一命をとりとめたジェニファーが復讐に立ち上がるという、リベンジ・ムービーの典型的なストーリーです。 この映画の魅力は映像美にあります。特に砂漠の情景描写が素晴らしいです。ジェニファーに扮するイタリア出身のマチルダ・ルッツは両親とも元ファッションモデルという恵まれた生まれ。スタイル抜群にもかかわらず、難しい役を大胆に演じきりました。

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『女は二度決断する』(2017年)

法廷で復讐できなかった女が下した決断とは?

爆弾テロで家族を奪われた女性の悲劇を描いたドラマ。トルコ系ドイツ人であるファティ・アキン監督の実体験も着想のもとになった作品です。 舞台はドイツ・ハンブルク。移民を狙った爆弾テロで主人公カティヤの夫と子どもが殺され、ネオナチの夫婦が逮捕されたものの裁判で無罪に……。その時カティヤが下した決断とは? 映画の核になるドイツの刑事裁判は、被害者が検察とともに起訴・公判に参加するという独特の仕組み。殺人、傷害、婦女暴行の被害者が法廷で加害者に立ち向かう、「復讐」ともいえる制度です。 ダイアン・クルーガーが最愛の夫と子どもを失った女性の悲しみと怒りを体当たりで演じ、カンヌ国際映画祭女優賞を獲得しました。

『オールド・ボーイ』(2003年)

パク・チャヌクの復讐3部作の第2弾!15年間監禁されていた男がその理由を探る

ある日突然誘拐され、15年間監禁されたのちに開放された男が、その理由を探るために奔走する5日間の物語です。原作は日本の漫画『ルーズ戦記 オールドボーイ』で、舞台を日本から韓国に変えています。2003年カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞しました。 「復讐」というテーマをここまでじっとり表現するのは韓国映画の特質かもしれません。 執念・引き金・暴力、それぞれの描き方に深い思い入れを感じます。

『復讐者に憐れみを』(2002年)

パク・チャヌクの復讐3部作の第1弾!ドロドロのバイオレンスがいっぱいの悲劇

目を伏せたくなるようなシーンがいっぱいの残酷な復讐悲劇です。 聾唖の青年リュウは腎臓病の姉の治療資金を得るため、会社社長の娘を誘拐。身代金は首尾よく手に入りますが、姉は自殺、人質の娘は不慮の事故で溺死してしまいます。 後半は復讐を誓う社長や、臓器売買マフィアまでからんだドロドロのバイオレンスの連続。貧困や障がい、病気といった社会問題を取り上げつつ、悪趣味過ぎて笑えないブラックジョークをからめる独特の作風です。 痛々しいシーンと爽快なシーン、突然現れるユーモアに揺られるリズムは、パク・チャヌク作ならではかもしれません。

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『 レヴェナント:蘇えりし者』(2015年)

殺された息子の復讐のために、父は雪原から生還した!

アメリカの西部開拓時代。実在の猟師・ヒュー・グラスがハイイログマ(グリズリー)に襲われ瀕死の重傷を負った後、生還した伝説にもとづいた映画です。 毛皮猟師のグループに息子とともに加わっていたグラスは、パトロールのときクマに襲われ全身に傷を負い動けなくなります。グラスが助からないと思った仲間はグラスの息子を殺したうえで逃亡。息子の復讐のため、グラスは折れた足を引きずりながら雪原を居留地に向かって移動し始めるのでした。 アメリカ中西部サウス・ダコタ州のミズーリ川沿いの荘厳な雪景色が圧倒的な印象を残します。主演のレオナルド・ディカプリオはこの作品で念願のアカデミー主演男優賞を獲得しました。

『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』(2010年)

レイプ被害に遭った女性が加害者へ復讐を決意する!過激なバイオレンス描写が話題に

執筆のために田舎の別荘を訪れていた美人女性作家ジェニファー。地元の男たちに襲われ1日のうちに何度も性的暴行を受けて身も心もボロボロになります。命からがら逃げ切ったジェニファーは男たちへの壮絶な復讐をはじめることに――。 女性が性的暴行を受けるシーンや凄惨な暴力描写が印象的で、後にシリーズ化されています。 実は『発情アニマル』というタイトルで1978年に日本公開されたアメリカ映画のリメイクで、オリジナル映画の監督は、ニューヨークの公園で1974年にレイプされて暴力を振るわれた女性の話から着想をえたそうです。

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『告白』(2010年)

娘を殺されたシングルマザー教師の周到な復讐

湊かなえのミステリー小説を映画化した作品。 娘を殺されたシングルマザー教師が、自分の担任するクラスのなかにいる犯人の生徒を追い詰めていくサイコ・スリラーです。 クラスの前で、名前こそあげないものの犯人の2人の生徒を特定し、「命」を噛みしめてほしいと冷然と告げる女教師。演じる松たか子の能面のような表情の少なさが恐ろしいです。 犯人を知った生徒たちの動揺する心理。次第に追い詰められていく犯人たちを待ち受ける復讐とは何か……?最後まで緊張感が途切れない映画です。

『ミスミソウ』(2018年)

雪国を舞台にした、家族を焼き殺された少女の命をかけた復讐

押切蓮介の同名のサイコホラー漫画を実写映画化した作品。 舞台はある雪国の小さな過疎の町です。東京から転校してきた女子中学生・野咲春花は同級生達から陰惨なイジメを受けたあげく、両親を焼き殺されてしまいます。犯人たちから自殺するよう促された春花は、逆に犯人への凄惨な復讐を始めることに――。 ユキワリソウ(雪割草)の名で知られるミスミソウが作品のなかでどのような役割を果たすかは、見てのお楽しみ。 この映画だけではありませんが、真っ白な雪に真っ赤な血が映えて凄惨なシーンが美しくなるから不思議です。 さまざまな理由からいじめる側にまわる子どもたち、それを放置する親や教師の性格描写は説得力があります。

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『その夜の侍』(2012年)

「お前を殺して、俺は死ぬ」 妻をひき逃げされた男の執念

東京の小劇場・下北沢ザ・スズナリで上演された舞台劇をもとにした人間ドラマです。 小さな鉄工所を経営する中村は、妻をひき逃げ事件で亡くしてから、犯人に復讐することだけを考えて生きてきました。 一方、刑期を終えて出所したひき逃げ犯人・木島のもとには「復讐決行日」までをカウントダウンする脅迫状が届きます。運命の日、ついに対峙した2人の間で何が起きるのか? 復讐に狂う中村役は堺雅人。「半沢直樹」とはちがって、狂気に近い執念を表現しています。対照的に山田孝之が演じるひき逃げ犯・木島はやりたい放題だがどこか憎めないクズ男。 2人の対決後の結末の意味は、観る人ごとに異なった解釈になるでしょう。

『重力ピエロ』(2009年)

「大丈夫、落ちないから」と言ったのは母だった。家族の絆が主題のミステリー

伊坂幸太郎のミステリー小説を映画化した作品です。 「春が二階から落ちてきた」という原作の有名な冒頭から絶妙に映像化されています。仙台の街で起こる連続放火事件の謎解きに乗り出す学生・奥野泉水と春の兄弟が主人公。放火現場の近くに必ず出現する奇妙なグラフィティアートと遺伝子のルールの関連は何か? 謎解きと並行して家族の楽しい思い出と暗い過去が相互に回想されます。出生の秘密に関連する復讐劇がストーリーの重要な要素ですが、グロテスクなシーンはありません。 「大丈夫、落ちないから」という母の言葉に象徴される、家族の絆の強さが最後に印象に残る作品です。

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映画ファンは復讐好き?

復讐というテーマは、サイレント時代から映画で頻繁に取り上げられてきました。 人生は不条理なことばかり。だからこそ不条理で悲惨な目にあった主人公が復讐に立ち上がるストーリーに私たちは共感するのかもしれません。