映画『天空の蜂』ネタバレ・評価まとめ【江口洋介×東野圭吾】

2017年11月18日更新

2015年に公開された映画『天空の蜂』は、東野圭吾による小説を原作に、江口洋介が主演を演じたサスペンスストーリーです。原発が題材になっていることから映画に対しても様々な評価あったので、ネタバレ含む映画内容と一緒にご紹介します!

長編サスペンス小説の映画化!『天空の蜂』【2015年】

2015年9月12日公開の映画『天空の蜂』。東野圭吾によるサスペンス小説の映画化作品で、監督は『TRICK』シリーズや、『20世紀少年』3部作でも知られる堤幸彦が務めています。出演者には、主演の江口洋介をはじめ、本木雅弘や仲間由紀恵、柄本明など豪華キャストが顔を揃えました。

作品は、原子力発電を題材とした社会的サスペンス映画。天空の蜂を名乗るテロリストと、事件に関わる様々な人たちの姿を、危機感迫る事件と共に描かれていきます。

映画『天空の蜂』のネタバレ!犯人の正体・動機とは?【閲覧注意】

起:超巨大ヘリ「ビッグB」がテロリストに奪われる!

天空の蜂

1995年8月8日、愛知県小牧市にて新しく開発された大型無人操縦軍用ヘリ「ビッグB」の納入式が行われようとしていました。開発者である湯原一彰とその家族も式に向かっていましたが、突如ビッグBが遠隔操作されそのまま福井県で稼動中の高速増殖原型炉「新陽」の上でホバリングを始めます。

自身を「天空の蜂」と名乗るテロリストの要求は、ヘリの燃料が切れる8時間以内に日本全国にある全ての原子力発電所を止めろ、という物でした。しかし事件はそれだけではありません。開発者である湯原の息子・高彦が取り残されたまま、ビッグBは上空に飛び立ってしまっていたのです。

テロリストは、原発全てを止めなければ爆発物を積んだビッグBを新陽に墜落させるとも言っており、息子の身の危険を感じた湯原は警察に相談します。警察側は記者会見にて、要求には応じず警察や消防、自衛隊などを総動員して事態の収束を図ることを説明。ヘリ開発者の湯原は原発設計士の三島、警察らと協力し、息子奪還、日本国の安全の為の策を練っていくことになります。

承:西日本から人が居なくなる?!テロリストの正体が明らかに

このテロ事件を機に、かねてより脱原発を訴えていた抗議団体がデモを開始しました。稼動したばかりだった「新陽」は表向き、TNT火薬100kgでも壊れないと公表されていましたが、重さ数十トンもある鉄の塊が上空800mもの高さから落ちたのではひとたまりもありません。もしメルトダウンし放射能漏れが起きた場合、半径250kmが被害に及びます。これは近畿地方・中部地方はもちろんのこと、東京の西側まで人が住めない活動禁止区域になるという計算です。

湯原の息子・高彦が乗ったままヘリが飛び立ってしまったことは、犯人側も予測していない事態でした。子どもが巻き込まれてしまった事に対してはテロリストも協力的で、新陽を除く全ての原発を一時停止させる事、ヘリ一機のみを使い救出者はヘリの内部には入らない事を条件に、高彦の救出を許可します。

テロリストの要求には、原発停止の際は制御室での停止手順をテレビにより生中継しろというのもあり、それに従いテレビカメラを入れての停止操作を順次開始。そんな高彦の救出劇の間にも、警視庁の室伏刑事と関根刑事は、原発に恨みを持つ人間を捜査していました。そして27歳の若さで亡くなった新陽の元職員・田辺という男に辿り着きます。田辺には仲の良かった友人がいたといい、その友人は脱原発運動を行っていた雑賀勲という男だといういうことが判明しました。

転:テロリスト死亡で深まる謎。驚くべき事件の黒幕とは…?

全ての原発の停止の生放送を終えいざ高彦の救出を開始しますが、ヘリからヘリへの上空の救助は前代未聞で難航を極めます。上空の強い風に煽られながらも自衛隊員は高彦に近づきパラシュートで共に落下しようとしますが、救出直前にヘリが横揺れし高彦はヘリから投げ出されてしまいます。

真っ逆さまで落下してしまう高彦でしたが、隊員も即座にヘリから飛び降り上空で高彦をキャッチ。パラシュートも開き、救助は無事成功を収めました。

ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、テロリストから「改めて通告する 現在停止状態にある全ての原発のタービン棟を破壊せよ」という要求が届き、湯原らは新陽の停止を余儀なくされます。一方地道な捜査を続けていた刑事らは雑賀をテロリストだと断定し、雑賀の部屋を訪れます。しかしチャイムを鳴らしたとたん雑賀は部屋を爆破して逃走し、一時は刑事が手錠をかけて追い詰めましたが逃げられないと悟った雑賀は走行中のトラックに飛び込み死亡。ビッグBを遠隔操作していたコントローラーも轢かれ、バラバラに壊れてしまいました。

さらに、ビッグBに積まれた爆発物の搬入を手伝った共犯者は、内部の総務課・赤嶺だということが判明。警察の取調べを受けた赤嶺は、この一連の事件の首謀者である共犯者の存在を自供します。その正体は、湯原とも以前から親交があり、高彦救出の際も協力してくれた原発設計士の三島だったのです。

結:犯人の動機、事件解決後のその後…

三島は自身が原発の仕事をしている事から息子がクラスでいじめを受け、そのいじめを苦に自殺してしまったという過去がありました。その事から本当に原発が必要なのかと考えるようになったといい、政府に使い捨てにされた恨みを持つ雑賀、さらに雑賀の恋人だった赤嶺とも共謀し今回の計画を企てたのです。

そして、原発は一時停止の措置を取られていたかのように思われていましたが、生放送で流された停止措置の映像は全てシミュレーション用のダミーでした。政府はテロリストに屈さず原発も止めずに済む作戦を講じていたのです。それを知り始めから自分達の要求が通るとは考えていなかった三島は、はなからビッグBを新陽に落とそうと決意していました。その為、湯原に聞かれても最後までビッグBの制御方法を明かさず警察に連行されてしまいます。

午後3時50分、タイムリミットまであと10分。湯原はビッグBの墜落位置を海上にずらす為、修理したコントローラーを持って自らヘリに乗り込みます。ビッグBの自動操縦のエンジンが停止する一瞬の隙にコントローラーで操作し、ビッグBはすぐ横の海上に墜落。新陽への落下は免れ、事なきを得ました。

事件収束後、三島のパソコンには積んでいた爆発物はごく少量で新陽を狙ったのは被害が一番少ないと思ったこと、そして「子どもは刺されて初めて蜂の恐ろしさを知る。今度のことが教訓になることを祈る」という文章が記録されていました。湯原の脳裏からは、「本当に狂っているのは誰か、いつかお前は知る事になる」という三島の言葉が離れることはありませんでした。

時は過ぎ2011年3月13日。東日本大震災の現場に航空自衛隊のレスキュー隊員として被災者の救出にあたっていた高彦は、現地に来ていた父・湯原と共に国に命を賭ける覚悟を誓ったのでした。

綾野剛が演じた”雑賀勲”の謎

『天空の蜂』

コントローラーで遠隔操作を行い、ヘリを乗っ取りテロを実行する男。綾野剛演じる雑賀勲は、映画序盤から姿を現し、ニュース速報を聞いては笑みを漏らし、自宅にある原発模型にヘリを落とすなど、次々と怪しい行動を見せました。犯人として登場し、やがて警察に追いつめられ自ら命を絶つという強烈な存在感をみせます。

しかし、ストーリー展開と共に、単独犯ではないことが判明。軍用ヘリのプロジェクトを途中で放り出された元自衛官・佐竹恭平。国を恨んでいた佐竹は、原発で息子を亡くした三島幸一と出会ってしまったことでテロ計画を立て、三島の恋人・赤嶺淳子の手配によって雑賀勲という偽名を入手し犯行を実行します。雑賀勲の台詞はほとんどないものの、表情からその人物像が演じられていました。

向井理演じる湯原高彦の登場で映画の幕が下りる

天空の蜂

本作では向井理も出演しています。

主人公・湯原一彰の息子の湯原高彦(少年期役は田口翔太)は、両親に内緒で巨大ヘリ「ビッグB」に乗り込んだせいで、事件に巻き込まれます。テロリストが乗っ取ったヘリに取り残されるも、父親や自衛隊の力によって無事救出されました。

そして、映画の終盤。事件解決から幾年の時を超えて、場面は2011年3月13日へと移ります。向井理演じる湯原高彦。成人し、航空自衛隊でレスキュー隊の隊長となった高彦は、東日本大震災の現場へとヘリで向かいます。そして、ボランティアに参加していた父・一彰と会い、国に命をかけるという気持ちをモールス信号で伝えるました。過去を乗り越え成長した子どもの姿と、父子の絆を描いた感動のラストシーンとなっています。

映画『天空の蜂』評価まとめ【ネタバレ】

天空の蜂

yupiberry 原作が何せ素晴らしいので、映像化しても骨格がしっかりしていて迫力があり、充分見ごたえがあった。ヘリからの救出シーンはスリリングすぎて、全身から汗が吹き出したほど。

原作を読んだときには、原発に関して自分も「沈黙する群衆」だったし、設定もある意味突飛なものに思えたけれど、震災と原発事故を知った今ではこのストーリーのリアリティーが全く変わってくる。そういう意味では、もちろん原作にはなかった東日本の震災に関するシーンが出てくるのはとてもよかった。

映画もよかったけど、あらためて東野圭吾さんの先見の明が凄すぎる。

amazon02 邦画でも脚本とテーマでここまでできる、しかも今脂ののってる堤監督のツボを押さえた演出が冴えている。

原発の安全神話崩壊を、20年近く前に書き上げた東野圭吾の原作は、当時荒唐無稽に思えた。しかし東日本大震災を経験した今だからこそ、この作品の訴えるものは恐ろしいほどの現実味を持って我々の胸に迫る。 アラを探せばやすっぽい演出や表現はある。しかし、エンターテイメントも含み、問題提起もキチンと回収し、原作を尊重しつつ、アップデイトされたエンディングで心地よい裏切りも提供されたとなれば、久し振りに拍手喝采したくなる作品だと感じた。 まさか向井理がそう出てくるとは!ヤラレタ!

2015.09.14 TOHOシネマズベイシティ

#ネタバレ

原子力発電を題材とし、2017年現在も原発問題が多発していることから、改めて問題の深さを感じさせる作品という感想が多くみられました。原作が太い分、映画の評価は高いものの、緊迫感あるシーンは多少強引に見えてしまったというマイナス評価もあるようです。

また、キャストの豪華さだけでなく、作品の良さを引き出す演技も評価されています。

2jthd6up 2015.09.22 トーホーシネマズ日本橋

話が面白いって訳じゃないけど迫力あった! 日本もこういうの上手に作れるようになったんだなって感じ。 演出過多というか演技過剰なとこはあったし、ちょっと内容を理解しきれないところもあったので色々調べないと。これ原作には忠実なのかな? ラストはすごく現実的で良いと思う。

Ribeka_Izawa レッツ バンジーーー!! んなバカな。都合良く主人公に破片が当たらないっていうね。

映画『天空の蜂』メインキャスト

湯原一彰/江口洋介

江口洋介

錦重工業のヘリコプター設計士・湯原一彰。テロリストが乗っ取るヘリコプターの設計担当者でもあり、事件と大きく関わっていきます。また、技術者としては有能ながらも、父親としての責任を恐れ家族とうまく向き合えないという一面を持ちました。

湯原一彰を演じた江口洋介は、1967年12月31年生まれ、東京都出身の俳優です。1990年代頃に流行したトレンディドラマの常連俳優として活躍し、1993年ドラマ『ひとつ屋根の下』で主演の柏木達也を演じブレイク。その後、ドラマ『救命病棟24時』(1999年)や映画『GOEMON』(2009年)など幅広い役柄を演じ、俳優としての人気も確立させていきました。

三島幸一/本木雅弘

本木雅弘

錦重工業の原子力技術者・三島幸一。 錦重工業の原子力技術者・三島幸一。原子力発電所を狙ったテロが起こったため、捜査に協力する。原発開発に携わる一方で、原発によって苦しんだ過去を持ちます。しかし、彼こそが今回の映画の主犯人であり三島が雑賀勲を誘いテロを起こします。

三島幸一を演じた本木雅弘は、1965年12月21日生まれ、埼玉県出身の俳優です。1982年から、アイドルグループ・シブがき隊のメンバーとして活躍し、1988年のグループ解散後からは本格的に俳優活動を開始。2000年以降、映画『おくりびと』(2008年)や、映画『日本のいちばん長い日』(2015年)などに出演し、世界からも注目を集める俳優としても知られるようになりました。

赤嶺淳子/仲間由紀恵

海 仲間由紀恵

錦重工業総務課に籍を置くOL・赤嶺淳子。三島幸一の恋人でもあり、テロを起こす三島に協力します。

赤嶺淳子を演じた仲間由紀恵は、1979年10月30日生まれ、沖縄県出身の女優です。2000年から始まったドラマ『TRICK』で主演の山田奈緒子を演じブレイク。その後は、大河ドラマ『功名が辻』(2006年)や、ドラマ『美しい隣人』などにも出演し、コミカルからシリアスまで様々な役柄を演じる女優として活躍を続けています。また、2014年には俳優の田中哲司と結婚が報告されました。