2020年9月25日更新

【ネタバレ】『インターステラー』を分かりやすく解説・考察!人類を救うのは「愛」だった

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インターステラー
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『インターステラー』を徹底解説!これを読めば丸わかり【ネタバレ注意】

『ダークナイト』(2008年)や『インセプション』(2010年)など、斬新で壮大な映像美を得意とするクリストファー・ノーラン監督が手がけたSF映画『インターステラー』。2014年に全世界で公開され、科学考証の正確さや視覚効果の巧みさから高い評価を受けました。 本作は人類が移り住める惑星を探して、別の銀河系へ有人惑星間航行(インターステラー)をする宇宙飛行士たちの物語です。そしてその裏側では、メインテーマとして「人類の愛」を描いているといわれています。 しかし宇宙空間や重力などが関わってくる難しい内容のため、いったい何が言いたかったのか、結局どういうあらすじなのかと疑問に思った人も多いかもしれません。 そこでこの記事では、作中に登場するSF・科学用語とともに本作の謎を徹底解説してきます。本作の内容を咀嚼しきれなかった人はぜひご一読ください! ※この記事には映画『インターステラー』のネタバレが含まれます。未見の方はご注意ください。

ノーラン監督によるSF映画『インターステラー』のあらすじ

異常気象による大規模な食糧問題に直面し、人類滅亡の危機にある近未来の地球。トウモロコシ農場を営む元宇宙飛行士のクーパーは、昔の仕事仲間だったブランド教授と地下組織となったNASAで再会し、人類救済のためのプロジェクト「ラザロ計画」を聞かされます。 第2の地球を探す宇宙の旅へ出る危険な任務に、娘のマーフィーは猛反対。しかしクーパーは「必ず戻ってくる」と言い残して、別の銀河系を目指す有人惑星間航行(インターステラー)するチームに加わることになるのです。 ブランド教授の娘・アメリアと物理学者のロミリー博士、地質学者のドイル博士との4人のチームで、宇宙船エンデュランスに乗って地球を後にしたクーパー。無事にワームホールを通過して、人類が住める惑星を見つけることはできるのでしょうか?

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『インターステラー』に登場したSF用語をシーンとともに解説

ここからは本作を読み解く上で必要なSF・科学用語を、映画の内容やシーンと絡めて紹介していきます。難しすぎる説明は省き、あくまで知っているとより楽しめるというライトな解説です。

宇宙の基礎知識

作中では銀河系や光年などがサラッと登場していますが、そもそも私たちが住む地球は、銀河の中の太陽系にあります。太陽は恒星、地球は惑星、月は地球の衛星です。 地球は太陽の周りを、月は地球の周りを回っています。こんな太陽系が無数に集まってできているのが「星団」、星団が100兆ほどの規模で集まっているのが「銀河」、さらに銀河が集まって形成しているのが「銀河団」です。 人類はいまだ、無人で太陽系の外に出るのが精一杯。宇宙は本当に広いのです!その広大な宇宙を旅するためには、ワームホールが不可欠になります。 「光年」とは光が1年間に進む距離のこと。宇宙の旅はこの光年が単位として使われます。銀河の端から端まで行くためには、10万光年かかるそうです。

ワームホールとブラックホール

では「ワームホール」とは何でしょうか?作中ではエンデュランスが別の銀河系に行くために、土星近くにあるワームホールを通るシーンがあります。そこを通り抜けると、一瞬で遠い場所へ移動することができるのです。いわゆるワープですね。 「ブラックホール」とは大質量を持つ天体で、重力が大きくて光すら吸い込まれてしまいます。エンデュランスのエネルギー補填のために、クーパーが自ら飛び込んだのは“ガルガンチュア”。これは“カー・ブラックホール”という自転するもので、中心となる“特異点”はリングの上にあります。 クーパーはガルガンチュアの特異点に向かって落ちていきますが、この時に重力の謎を解くためのデータをTARSに取らせていました。重力の謎はブランド博士でさえ解けず、「プランA」を諦めた要因です。 映画『インターステラー』最大の功績は、この未知の天体“ブラックホール”を科学的検証のもと映像で表現したこと!正直なところ、ブラックホールにクーパーのように落ちたらどうなるのかは、誰も知らないわけです。その後はまさに想像の世界。 作中ではクーパーが特異点の中心部を抜けて、“テサラクト”と呼ばれる空間にたどり着く様子を描いています。

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次元

よく耳にする「二次元キャラ」や「四次元ポケット」など、実は次元というのは意外と身近に存在するワード。私たちが住んでいるのは「三次元」という立体の世界です。 一次元は線、二次元は面、三次元は立体、そして四次元は超立方体(立体に空間という概念が加わったもの)。ドラえもんのポケットは何でも入ってしまう超立方体構造なのです!クーパーがブラックホールを通り抜けてたどり着いたテサラクトも、四次元超立方体でした。 われわれ三次元の人間は、紙など二次元の物体を自由に折ったり畳んだりできます。それと同じように、四次元では空間を歪めることができ、タイムトラベルをすることも可能です。ワームホールを作ったのは“四次元人”ということになります。 さらに『インターステラー』では“五次元人”が登場し、“彼ら”と呼ばれていました。“彼ら”は四次元を自由に動かして、テサラクトのような超立方体を作ったと考えられています。つまり五次元では、空間と時間を自由に操ることができるのです。

相対性理論

アインシュタインが提唱した「相対性理論」は誰でも耳にしたことはありますが、実際どのような理論なのでしょうか?「相対性理論」は現代物理学の基礎理論であり、特殊相対性理論と一般相対性理論の2種類があります。 最も有名な公式「E=mc2」は、エネルギー(E)=質量(m)×光速度(c)の2乗で、質量とエネルギーの等価性を表しています。光の速度を一定とし、それを基準にして比較することが“相対性”の所以です。 三次元に時間(空間)をプラスした四次元という観念が重要になり、「時間」は光速度を基準した時間の流れであることが、本作でも「重力と時間」の問題としてたびたび登場します。

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重力と時間

ガルガンチュアの周りを回っている水の惑星では、重力の影響で1時間が地球時間の7年に相当していました。重力が強い場所では、時間の進み方が遅くなります。クーパーたちはここで大津波に巻き込まれ、実に23年分もの時間を無駄にしてしまいました。 このように、重力は時間に大きな影響を及ぼします。重力が大きいブラックホール中心の特異点に到達する前、光すら戻れなくなる地点“事象の地平線”の存在から、重力は光の速度さえ遅くすることがわかります。 ブラックホールの外側にいる人からは、事象の地平線の先はほとんど時間が止まっているように見えますが、地球時間では何十年もの時が流れています。 しかし当のクーパーにとってはほんの短い「時間」。ラストで年老いた娘のマーフィーと再会しますが、クーパーはさほど年をとっていません。実際には、クーパーが地球を後にしてから92年が経っていることになります。

二進法(バイナリ)とモールス信号

二進法(バイナリ)とモールス信号は、クーパーがマーフィーへ重力の謎に関するデータを送るために、とても重要な役割を果たしています。彼はテサラクトから見えるマーフィーの部屋に重力で影響を及ぼして、データを伝えようとしました。 その方法が、二進法とモールス信号です。私たちが普段使っている十進法が「10」を基準にして進んでいくのに対して、二進法は「2」が一区切りになります。つまり、0と1を繰り返してカウントする方法です。 モールス信号はよく暗号に使用されるイメージがありますね。いわゆる「・(トン)-(ツー)」という短音と長音を組み合わせる方法です。2種類の記号を組み合わせてデータを送るという点で、二進法とモールス信号は似ています。 そこでクーパーが考えたのはこの2つを組み合わせて、重力のデータをマーフィーに伝える方法。マーフィーが持つアナログ時計の秒針で、情報を送り続けました。

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「ラザロ計画」を解説!結局プランA・Bは成功したの?

地球での生存が絶望的になった人類を救うための「ラザロ計画」。それは“ワールホールを通って別の銀河系へ飛び、人類が生存できる環境を持つ惑星を探し出す。見つけた場合はシグナルを発信して救助を待つ”というものです。 しかしこの「ラザロ計画」には2つのプランがあったのでした。

プランA:大規模スペースコロニーで全人類移住

まず1つ目の使命「プランA」は、もともと考えられていたものです。 それは世界の人口を宇宙で存続させるためのもので、“方舟のような大規模スペースコロニーを構築し、人類を移住させる”という使命。地球に今住んでいる全員を、そのまま別の星に送ろうという計画でした。 ブランド教授によって推し進められていたこの大規模移住計画は、作中で彼の不正が明らかになるとともに頓挫しています。彼自身も認めるように実現不可能な計画で、真の目的は、のちに述べる「プランB」だったのです。 しかし物理学者となったマーフィーによって、真の人類救済のプランとしてよみがえり、その使命は遂行されていきます。

プランB:人類の受精卵のみを移住先で人工培養する

ブランド教授の本命である「プランB」ですが、これは現在地球に住んでいる人類すべてを救うというものではありませんでした。 ブランド教授とマン教授によって推し進められることとなる「人類の受精卵のみを移住先で人工培養する」というプラン、つまり「種の保存」のみを目的とした使命。必然的に地球に住む人類は助かりません。 クーパーは「プランA」を本命の計画だと知らされていたため、こちらが本命だと知ったときには憤慨します。

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結局「ラザロ計画」は成功したの?

物語のラストでは、スペースコロニー「クーパー・ステーション」の成功と人類生存可能な「エドマンズの惑星」の発見が描かれていました。ということはつまり、これから「プランA」が再始動していく希望を見せたラストだったわけです。 種の保存だけを目的とした「プランB」は頓挫し、地球に住む人類の移住を目標としたプランAが復活したことは、本来のラザロ計画が成功のチャンスを得たといえるのではないでしょうか。

クーパーたちがたどった惑星の軌跡を振り返る

第1の惑星(水の惑星)

ワームホールを抜けたエンデュランスは、まずミラー飛行士が待つ水の惑星を目指しました。しかしそこはブラックホール「ガルガンチュア」の最も内側を公転する惑星で、ここでの1時間は地球の7年間に当たります。 水の惑星に降り立ったクーパーたちは、ミラー飛行士の着陸船の残骸を発見。その直後、山のような巨大な津波に襲われてしまいます。間一髪でエンデュランスに帰還しますが、すでに23年が経過していました。

第2の惑星(氷の惑星)

2番目に向かったのは、ラザロ計画の先駆者・マン博士が待つ氷の惑星。そこで冷凍睡眠から目を覚ましたたマン博士の口から、ラザロ計画「プランB」の存在とブランド教授の裏切りを知らされます。 さらに氷の惑星は人類生存には適しておらず、それを知りながら孤独に死ぬことを恐れたマン博士は偽のデータを送り続けていたのです。 エンデュランスを奪おうと企むマン博士に襲われたクーパーは、窒息寸前でアメリアに助けられますが、焦ったマン博士はレインジャーとエンデュランスのドッキングに失敗して事故死してしまいます。

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ブラックホール(ガルガンチュア)

事故による損傷で、エンデュランスは燃料と酸素をほとんど失ってしまいました。生き残ったクーパーとアメリアは、エンデュランスをガルガンチュアに接近させて「重力ターン」でエドマンズの惑星まで航行することを思いつきます。 エンデュランスに残したアメリアにミッションを託し、クーパーはレインジャー2号を切り離してランダーに乗せたTARSとともに、ガルガンチュアへ落ちていきました。そしてクーパーたちは、五次元人の“彼ら”が創造した「テサラクト」にたどり着くのです。

第3の惑星(エドマンズの惑星)

ガルガンチュアでクーパーと別れたアメリアは、最後の希望であるエドマンズの惑星へ向かいました。エドマンズはアメリアの恋人で、マン博士のいた氷の惑星に行く前に彼女が向かうことを主張した惑星です。 エドマンズの惑星に着いたアメリアは、エドマンズが亡くなっているのを見届け、彼の墓標を立てます。そしておもむろにヘルメットを脱ぎ、ここが人類が生きる環境の整った惑星であることを示しました。

本棚についての謎を解説!クーパーは空間と時間を超えたのか?

前述の通り五次元人が創造した四次元超立方体の「テサラクト」は、地球に住む過去のマーフィーの部屋に通じていました。クーパーはブラックホールの重力によって、空間と時間を超えたのです。 「テサラクト」では地球の過去と現在、そして未来の時間が繋がっており、空間さえも自在になっていると考えられるでしょう。 物語の冒頭で起こっていた、マーフィーの部屋での奇妙なポルターガイストのような現象。本棚から勝手に本が落ちていたのは、実はテサラクトからクーパーが重力波によって起こしていた二進法のメッセージだったのです。 不思議なことですが、空間と時間を超えてクーパー自身が自分の送った暗号を解き、地下組織NASAにたどり着いてエンデュランスに搭乗することになるのです。

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ラストシーンの意味を考察!人類の未来を鼓舞する教授の言葉

マーフィーはこうして、宇宙ステーション建設に必要なデータを受け取ります。そしてブランド教授にもなし得なかった重力の謎を解明し、クーパー・ステーションの打ち上げと人類の移住に成功。子や孫に囲まれて余生を過ごし、ラストには父との感動の再会を果たします。 これ以上ない幸せなエンディング!しかし『インターステラー』はここでは終わりません。マーフィーはクーパーに、エドマンズの星で待つアメリアのもとへ向かうように言います。 エドマンズの星へ向かうクーパーの顔は、使命感であふれていました。なぜなら宇宙ステーション建設の先には、第2の地球探しという大本命があったからです。間違いなくエドマンズの星がそれだと確信し、再び宇宙へ飛び立ったクーパー。 エンデュランスで地球を旅立つ時に、ブランド教授が引用したディラン・トマスの詩の一節「穏やかな夜に身を任せるな」「老いても怒りを燃やせ、終わりゆく日に」が印象的です。 これは人類のネクストステップ=宇宙への挑戦を、滅びゆく運命に抗おうとする人類を鼓舞する一節でもありました。

『インターステラー』の最重要テーマは「人類の愛」だった!

本作の主題はもちろん人類救済と宇宙への挑戦でしたが、さらに重要なメッセージとして根底に流れているのは「人類の愛」です。 クリストファー・ノーラン監督は、『インターステラ―』は宇宙の映画ではなく、家族の映画だと主張しています。この作品の撮影中、監督にとって初めての子が生まれていました。彼はこの作品の冒頭シーンを見た時、脚本を書いた頃とは全く違う感情が出てきたと語っています。 確かに合理的だけれど血も涙もない非情な「プランB」は、マン教授のエゴにより失敗しました。結果的に人類への「愛」や親子の「愛」によって達成された「プランA」が成功しています。 クーパーがなぜブラックホールを抜けて過去のマーフィーの部屋にたどり着いたのか、唐突すぎる展開にも思えますが、これも「愛」のなせる業なのかもしれません。四次元+愛=五次元だとしたら、なんというエモーショナルな展開! また恋人の星が正しいと主張して実際にその星へ向かった、つまり恋人の「愛」を信じたアメリアも救われています。 愛による救いを信じた登場人物たちが自らも救われたという展開は、実は非常にキリスト教的です。科学的な考証を重視しながらも、1番重要なテーマとして「人類を救うのは愛」という人間的かつ宗教的なメッセージが込められた作品なのです。

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散りばめられたキリスト教の要素を解説!クーパーの名前にも意味が?

主人公クーパーのフルネームはジョセフ・クーパーといい、これはイエス・キリストの父親ヨセフの英語読みの名前です。人類救済を使命とし、そのミッションに身を投じたジョセフは、まさに人類を救った神=父のような存在。彼の名のほかにも、キリスト教に関係する事柄が見受けられます。 ブランド教授からラザロ計画のことを知らされたクーパーが「不吉な名前だ」と呟くのは、その由来から来ています。ラザロはキリストによって死から蘇生された人物。 クーパーは、死んだラザロの名はミッションの失敗につながると思ったのですが、実際にはこの計画はラザロのように復活を遂げました。 またマン博士率いるラザロ計画に参加した乗組員たちの人数は12人で、イエス・キリストの12人の使徒とつながります。マン博士は使命感に囚われて独断的な行動を取ってしまいますが、彼のフルネームはヒュー・マンといい、いかにもヒューマン(人間)的な人物といえるでしょう。

映画が生まれるまでの背景 製作総指揮の科学者はノーベル賞を受賞!

『インターステラー』の企画は元々、理論物理学者の権威であるキップ・ソーンと、SF映画『コンタクト』のプロデューサーだったリンダ・オブストによって考案されたものです。 当初はスティーブン・スピルバーグが監督を務める予定で、ジョナサン・ノーランが脚本家として雇われました。 しかしスティーブン・スピルバーグが監督を降り、ジョナサン・ノーランが後任に兄のクリストファー・ノーランを推薦。キップ・ソーンの監修のもと、共同で脚本が練り上げられていったのです。 つまり企画の根本にあったのは、現代物理学を盛り込んだハードSFだったわけです。製作総指揮にも名を連ねたキップ・ソーンは、重力波研究の功績によって2017年にノーベル物理学賞を受賞しています。

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なぜ難解映画となったのか?ノーラン監督のインタビューから考察

多くを語らず、想像を掻き立てる『インターステラー』

クリストファー・ノーラン監督は「本作は、想像を超えて別の場所にたどり着く宇宙旅行について描いてるんだ。遥かな銀河には、悠久の時間と空間が存在しているからね」というコメントを残し、『インターステラー』について多くを語ろうとしませんでした。 ノーランが監督した『インセプション』(2010年)や『ダークナイト』三部作は、想像を掻き立てるために多くの要素が詰まっていた作品。これらの作品以上のものを目指す製作者たちの想いと、未知の宇宙を表現する特殊効果によって実現したのが、『インターステラー』だったのです。

原点は『スター・ウォーズ』自然体で自由な宇宙映画を目指して

ノーラン監督にとって、映画作りの原点は『スター・ウォーズ』とのこと。同作に感銘を受けた後、「宇宙に関する作品は何でも必見!」と決めて観るようになりましたが、「まだまだ宇宙映画の奥深さを、本当には理解できていない」と告白しています。 子どもの頃に何度も観た『スター・ウォーズ』によって、彼の宇宙への果てしない夢と映画作りが始まったのです。 加えて、ノーラン監督は自身が作りたい映画について次のように述べています。 「僕は家族映画をたくさん観る環境で育ったんたけど、批判や軽蔑する要素が含まれない、すごく自然体で自由な作品が多かったよね。僕が作りたい宇宙映画も、まさにそういうトーンのものなんだ」 製作の経緯と作品への想いを振り返ると、現代物理学を基本としたハードSF作品に、「愛」をテーマとした家族映画的要素が加わって本作が生まれたことがわかります。 この絶妙なバランスが、難しいSF映画なのに不思議な感動を覚える『インターステラー』という稀有な作品を作り出したのです。

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もう悩まない!『インターステラー』の解説を読んでもう1度観返そう

理論物理学の権威であるキップ・ソーンを科学コンサルタントに迎え、クリストファー・ノーラン監督が壮大な宇宙を舞台に「人類の愛」を描いた『インターステラー』。科学的な考証とエモーショナルな人間愛が見事に合致した、奇跡的な作品です。 確かに宇宙に関する難しい用語が多い作品ですが、あくまでも純粋に壮大な宇宙を体験することを意図したもの。そしてノーラン監督が何よりも伝えたかったメッセージが「人類を救うのは愛」であることがわかればもう大丈夫! 内容を理解しきれていなかった人も、意味がわからないと敬遠していた人も、この機会にぜひ観返してみてくださいね。