2020年11月30日更新

映画『TENET テネット』の重要人物ニールの正体って?「マックス説」を5つの根拠から紐解いてみた

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テネット、ロバート・パティンソン
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『TENET テネット』のニール=マックス説を徹底考察してみた!【ネタバレ】

テネット
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2020年に公開されたクリストファー・ノーラン監督作『TENET テネット』は、ほかのノーラン作品同様、鑑賞後の考察が盛り上がる作品となっています。 なかでもファンのなかでもっとも熱く議論されているのは「ニールはキャットの息子ではないか?」という説です。今回はこの疑問について、5つの視点から徹底的に考察していきましょう。 ※この記事には『TENET テネット』の結末までのネタバレが含まれます。作品を未鑑賞の方、ネタバレを知りたくない方はご注意ください!

まずは『TENET テネット』におけるニールの活躍をおさらい

オペラハウス

『TENET テネット』
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ニールの初登場シーンは、実は“未来を救う任務を負った”主人公と相棒として顔を合わせたときではなく、映画冒頭のオペラハウスのシーンでした。 テロの被害を最小限に抑えようと奔走していた主人公を救った謎の人物。彼のバックパックには、オレンジ色のコードがついていました。これはのちに、ニールのバックパックにも同じものがついていることがわかります。 ここで主人公を救ったのはニールだったのです。

オスロ空港

キャットの弱みであるゴヤの贋作を奪うため、オスロ空港の金庫にやってきた2人。しかし彼らはそこで、時間を逆行してきた何者かと遭遇します。 主人公はその人物を殺そうとしますが、ニールはそれが「未来の主人公自身」であると知っていたため阻止しました。このときニールは男の正体について何も言いませんでしたが、主人公はのちにそれが自分であったことを知るのです。

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スタルスク12

テネット ニールの行動解説図
©︎ciatr

セイターの部下たちがスタルスク12でアルゴリズムを起動するのを、阻止しに向かったテネットの面々。主人公とアイブスは時間を順行して、アルゴリズムが隠してある場所に向かいます。 一方で時間を逆行して任務にあたっていたニールは、隠し場所の入口に敵が爆弾を仕掛けるのを目撃。順行して主人公たちに警告しようとしますが間に合わず、彼らは閉じ込められてしまいました。ニールはそのまま順行し、丘の頂上を目指します。 そして隠し場所の地下に通じる穴にロープを投げ入れ、これがあとあと穴から抜け出す術をなくしてピンチに陥った主人公たちを救うことに。 そしてさらにニールは時間を逆行して地下に入って主人公たちを待ち、彼らを阻む扉をのカギを内側から開けました。しかしそのとき、彼は敵に撃たれて命を落としてしまいます。

つまり、彼の行動が「テネット」の成功に必要不可欠だった!

テネット、ロバート・パティンソン
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主人公がピンチに陥ったとき、ニールは必ず彼を救ってきました。まるで彼の任務が「主人公を死なせないこと」だったかのようです。 主人公は未来で「テネット」を組織するため、現在の彼を死なせるわけにはいきません。作戦を成功させるためにはニールの行動すべてが必要不可欠だったのです。 彼の印象的なセリフに、「起こったことは仕方がない(What's done is done.)」というものがあります。未来から来たニールにとっては、スタルスク12の戦いで自分が命を落とすことも“すでに起こったこと”だったのです。 ラストシーンで彼はそれすらも知っていて、自分の運命に飛び込んだのでした。

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ニールはキャットの息子?根拠①:ニールとマックスの名前

ここからは、ファンの間で熱心に議論されている「ニール=キャットの息子説」について考えていきましょう。 その根拠の1つとして注目されているのが、彼の名前にまつわるもの。キャットの息子マックスの正式な名前はMaximilien(マキシミリアン)ですが、その最後の4文字を反転させるとNeil(ニール)になります。 さらに言えば、ハイフンで区切って“Max-imi-lieN”とすると、“Max I'm”と“Neil I'm”が回文のようにつながっているのです。本作にはタイトルをはじめ多くの回文が散りばめられていることを考えると、偶然とは思えませんね。

ニールはキャットの息子?根拠②:初対面(?)で主人公にかけた言葉

『テネット』ジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン
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劇中で主人公と初めて顔を合わせたとき、ニールは彼のためにダイエットコーラを頼みます。それは彼が未来から来たため、主人公は任務中は酒を飲まないこと、そしてなにを飲むかも知っていたということです。未来から来たニールは、すでに主人公と親交があったことがわかります。 また彼はこのシーンで、主人公に任務のためなら女性や子供を人質にとるかと尋ねました。これはキャットや彼女の息子マックスのことなのではないでしょうか。彼は主人公が「自分たち」を守る気がある人物なのか確かめたかったのかもしれません。

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ニールはキャットの息子?根拠③:エストニア語が話せる

テネット、ケネス・ブラナー
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カーチェイスのシーンで主人公は、ニールに「エストニア語が話せるんじゃないのか?」と訊きます。 ここで注目したいのは、セイターがエストニア人であるということ。エストニア語は、英語を母国語とする人にとってもっとも習得の難しい言語の1つといわれており、幼少期から接していないと完全に理解することは難しいのだとか。 マックスはキャットの息子であり、セイターの息子でもあリます。ニールがマックスだとすれば、“エストニア語がわかる”というのも簡単に説明がつきそうです。 またニールはキャットと同じくイギリス英語を話します。イギリス英語とひとくちに言っても地域によって発音はさまざまですが、キャットとニールの発音は少なくとも同じ地域出身のようです。

ニールはキャットの息子?根拠④:セイターが犯した唯一の間違い

セイターは死ぬ間際、「唯一の間違いは子供を設けたことだ」と言っています。もちろんこれはマックスのことですが、未来から来たセイターは自分の息子が将来どうなるかを知っていたのではないでしょうか。 マックスが成長してニールと名乗り、テネットのメンバーとして父の計画を阻止することになるのかもしれません。劇中でニールとセイターが1度も顔を合わせていないのも、そのためではないでしょうか。

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ニールはキャットの息子?根拠⑤:主人公がキャットの命を救う

テネット、エリザベス・デビッキ
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映画のラストシーンで、主人公はプリヤがキャットを暗殺しようとするのを阻止します。それは同時に、マックスを救うことでもありました。 ここで注目したいのは、このとき画面に映っているのがキャットとマックス2人の後ろ姿だということです。主人公が単なる私情からキャットの命を救ったのであれば、彼女だけが映されるほうが自然かもしれません。 しかしマックスの存在に意味があるからこそ、2人の姿を主人公が見つめているのだと考えられます。

クリストファー・ノーラン監督の答えは?

クリストファー・ノーラン
©︎Lia Toby/WENN.com

監督のクリストファー・ノーランは、「ニール=キャットの息子説」について明確な答えとなる発言をしていません。 しかし彼は、本作公開前のEntertainment Weeklyによるインタビューで「(ロバート・パティンソンが演じるキャラクターは)ニールと呼ばれているけれど、複数のアンデンティティを持っているかもしれない」と語っています。 ノーランはこれまでの作品でも謎の残るエンディングについて確信に迫る発言をしてこなかったことから、ニールに関してもこれから明らかになることはないのでしょう。

謎多きニール演じたのは、英俳優のロバート・パティンソン

ロバート・パティンソン
©Brian To/WENN.com

ニールを演じたロバート・パティンソンは、イギリス出身の俳優です。 2005年の『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』でセドリック・ディゴリー役で注目を集めた彼は、大人気となった「トワイライト」シリーズでヴァンパイアのエドワードを演じ、世界的な人気と知名度を獲得しました。 そのほかの出演作には『ディーン、君がいた瞬間』(2015年)などがあり、2019年に主演を務めた『ザ・ライトハウス』はカンヌ国際映画祭で上映され、その演技が絶賛されました。 Indie Wireによると、彼は本作の脚本を読んだ段階で、あまりに複雑なストーリーのため役に対してぼんやりとしかイメージできなかったのだとか。撮影中も主演のジョン・デイビッド・ワシントンと「いったい何が起きているんだろう?」と話し合っていたそうです。 またこちらも「ニール=マックス説」の根拠のひとつと言われていますが、彼はニール役を演じるために髪をブロンドに染めています。

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想像が膨らむばかり!『TENET テネット』のニールはいったい何者なのか

テネット、スペイン版ポスター
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『TENET テネット』のなかでも特に謎めいたキャラクターであるニールは、同時にとても魅力的なキャラクターでもあります。 主人公の相棒として、初対面からそれほど時間が経っていないにもかかわらず息の合った活躍を見せる彼。2人のコンビネーションは多くの観客の心をつかみ、それが「ニール=マックス説」にも影響しているのかもしれません。 マックスが成長してニールになる、その過程で主人公と絆を深めてきたのであれば、かなりアツい設定なのではないでしょうか。