2018年8月24日更新

「ソウ」シリーズ、難解と呼ばれる映画を解説してみた⑩【アマンダ、ソウの目的】

「ソウ」シリーズは、2004年に第1作が公開され、2017年の『ソウ・ザ・ファイナル3』まで7作品もの続編が公開されました。複雑なトリックと謎が絡み合う、難解な「ソウ」の世界を作品ごとに解説してみました。

殺人鬼ジグソウの恐怖のゲーム!映画「ソウ」シリーズ

映画「ソウ」シリーズでは、連続猟奇殺人鬼のジグソウが仕掛けるゲームを中心に描かれます。このゲームは参加者全員が命の危険にさらされる、凄惨でグロテスクで狂気に充ちたゲームです。 ゲームの参加者には、ある関係性や共通点があり、ジグソウは明確な目的を持って彼らを選出していますが、複雑に絡み合うストーリーや謎だらけの展開で毎回難解を極めます。 そんな「ソウシリーズ」の作品ごとのジグソウの目的と参加者たちの関係性について解説してみました。

全てはここから始まった!『ソウ』【2004年】

『ソウ』のあらすじ

地下のバスルームに閉じ込められた二人の男、アダム(リー・ワネル)とゴードン(ケイリー・エルウィス)。彼らは足に鎖をはめられた状態で、ポケットの中にカセットテープが入れられていました。部屋にはもうひとり男がいましたが、すでに死んでいました。 死んだ男が握っていたのは、テープレコーダーと拳銃。二人に与えられたテープを再生すると、恐ろしいゲームの説明が流れ出しました。

『ソウ』でのジグソウの目的

連続殺人鬼ジグソウはどの事件も独自の信念と目的に基づき行動しています。ジグソウが凶行を重ねる理由は、自分の命も他人の命も粗末にする者に、生きている意味を実感させること。 今回いちばんのターゲットになっているゴードンは、日々の業務を淡々とこなすだけで患者と向き合わない医師です。患者ひとりひとりの命を軽く見ているとジグゾウに判断され、ゲームの参加者となってしまったのでしょう。

登場人物たちの関係性

ジグソウのゲームの参加者には意外な共通点や驚愕の関係性があります。ジグソウ事件をずっと追っていた元刑事のタップは、ゴードンのことを疑っており、カメラマンのアダムに調査と尾行を依頼していました。 また、末期の脳腫瘍に冒されている患者・ジョンに手術不可能だと告げたのはゴードンです。 ジグソウの正体は、この大病を患っている男・ジョンで、彼はゴードンに行いを改めさせるベく彼の周りの人間をゲームに参加させていたのでした。

再び始まるジグソウ・ゲーム『ソウ2』【2005年】

『ソウ2』のあらすじ

ジグソウ逮捕に向けて日々奮闘していた刑事のエリック(ドニー・ウォルバーグ)はある日念願かなってジグソウを捕らえました。 しかしジグソウはすでにゲームを始めており、その参加者の中にはエリックの息子のダニエル(エリック・ナドセン)もいました。動揺するエリックでしたが、ジグソウは自分と2時間話をするように命じます。 ダニエルとゲーム参加者たちは毒ガスが徐々に流れ出す部屋に監禁されており、2時間以内にゲームの勝者とならなければ命を落としてしまうのでした。

『ソウ2』でのジグソウの目的

刑事のエリックは自分の手柄を立てたいために、過去の事件で虚偽の証拠を提出していました。今回のゲームの参加者は、ダニエルを除き、皆エリックのその行いの被害を受けたものたちでした。 エリックの最愛の息子・ダニエルをエリックの被害者たちと共にゲームに参加させることで、ジグソウはエリックに何かを気づかせようとします。 また、余命幾ばくもないジグゾウことジョンは、次なる後継者を探していました。エリックに対するゲームと並行して、アマンダを試すゲームも行われていました。

登場人物たちの関係性と意外な協力者

今回のゲームの被験者となったエリックの息子ダニエルもまたジグソウのゲームに参加させられています。ダニエルと一緒に監禁されているゲームの参加者たちには皆エリックに恨みがありました。エリックは自ら作り上げた偽の証拠で彼らを逮捕していたのです。 また、『ソウ』でのゲームに参加し生還したアマンダが今作のゲームにも再び参加。彼女はジグソウに協力し恐怖のゲームの裏で暗躍を続けていたのです。

ジグソウに後継者が?『ソウ3』【2006年】

『ソウ3』のあらすじ

何者かに拉致された外科医のリン(バハー・スーメク)は、脳腫瘍の男・ジョン(トビン・ベル)の手術を命じられます。別の場所ではジェフ(アンガス・マクファーデン)という男を被験者としたジグソウのゲームが始められていました。 ジョンはすでに命が危ういほどの状態で、ジェフのゲームが終了するまで生かせることができなければリンは殺されてしまうのです。手術に成功すれば生きて帰れるのだと信じたリンは、恐ろしい装置を付けられながら手術を開始しました。

『ソウ3』でのジグソウの目的

息子を轢き逃げ事故で亡くしてからというもの、ジェフはその復讐のためだけに生きていました。そんなジェフに、息子の事件に関わっている人物を許すことができるかどうかをジグゾウはゲームを使って試します。 また、自分の後継者と見込んだアマンダが果たしてふさわしい人物なのかどうか判断するために、彼女にもゲームを仕掛けました。

登場人物たちの関係性とジョン、アマンダの死

拉致され手術を強要された医師のリンと、息子を事故で亡くしたジェフは夫婦でした。また、二人の間にはもう一人娘がいましたが、彼女もジグソウのゲームにより監禁されています。 ジェフに対するゲームに参加させられていたのは、皆ジェフの息子の事件に関わっていた人物たちです。ジェフはゲームのルール通り、彼らを許そうとしますが、誰ひとりとして助けることはできませんでした。 ジェフのゲームは、実はアマンダを試すためのもので、彼女が過去に何度もジグソウゲームの生還者を勝手に殺していたことがわかります。逆上したジェフはアマンダを撃ち殺し、このゲームを計画したジョンも手にかけました。 ジョンもアマンダも亡き後、ジグソウゲームは誰に継がれるのでしょうか。

ついに明らかになるジグソウ誕生の経緯!『ソウ4』【2007年】

『ソウ4』のあらすじ

ジョンが死に、ジグソウの後継者であったアマンダ(ショウニー・スミス)も命を落とした後、新たな恐怖が起こり始めます。SWATで隊長を勤めているリッグ(リリク・ベント)は、ジグソウのゲームの被害者となったエリックの行方を追うため、部下のホフマン(コスタス・マンディロア)と捜査にあたっていました。 ある日何者かに襲われ、監禁されてしまったリッグ。ジグソウは死んだはずだというのに、またしてもゲームが行われているのです。 共に捜査にあたっていたホフマンとエリックが監禁されている映像が映し出され、90分以内に彼らを助けることができなければ、二人とも死んでしまうというゲームの仕組みが明らかになりました。

『ソウ4』でのジグソウの目的

『ソウ3』のゲームで後継者にふさわしくないことが露呈してしまったアマンダ。ジグソウはそれを最初からわかっていたのか、ホフマンにもその後を託していたのでした。また、捜査に当たっている警察官に手がかりを与え、意識が元妻に行くように仕向けました。 ジョンの元妻・ジルは尋問にやってきた捜査官にジョンがジグソウへと変貌していった経緯を話します。ジグソウの正体を知った捜査官は、ジョンの遺体と対面し、自身もまたゲームに巻き込まれてしまいます。 自分が死んだ後もジグソウのゲームが途絶えることがないよう、綿密に計画が練られていたのでした。

登場人物たちの関係性

ジョンの元妻であるジルは、ジョンがジグソウへと豹変していった経緯を明らかにします。ジョンの解剖された遺体からカセットテープが発見され、テープは担当刑事のホフマンに託されました。 今回のゲームの被験者のリッグは、ホフマンとかつての被験者エリックの上司です。ジグソウの後継者となったホフマンは、エリックを監禁し続け、今回のゲームに利用したのでした。

ジグソウのゲームは終わらない……『ソウ5』【2008年】

『ソウ5』のあらすじ

ギデオン・ビルに捜査に入ったストラム(スコット・パターソン)でしたが、彼もまた襲われゲームの被験者となってしまいました。ホフマンの仕掛けた巧みな罠で、世間から疑いの目を向けられてしまうストラム。ホフマンもギデオン・ビルを訪れ、監禁されていたジェフの娘を連れ出し、注目を浴びます。 ホフマンの仕掛けたゲームから命からがら生還したストラムでしたが、ジグソウ事件の担当から外されてしまいました。ホフマンを怪しいと思い始めていたストラムは、一人でジグソウ事件に立ち向かうことを決意しました。

『ソウ5』でのジグソウの目的

ホフマンには、ジグソウを装って殺人事件を起こしていた過去がありました。それを知ったジョンは、ホフマンを脅し、自身の協力者として、また後継者とするべく彼をゲームに加担させます。 後継者として育ったホフマンは、ジグソウのゲームを受け継ぎ、自分を疑うストラムをゲームによって抹殺しようと目論みます。

登場人物たちの関係性とホフマンの暴走

ギデオン・ビルをジグソウのアジトだと突き止め、事件の核心に迫ろうとするストラムは、FBI捜査官です。自分を疑うストラムを抹殺するべくゲームを仕掛けるホフマンでしたが、それと並行して5人を別のゲームに参加させました。 参加者の5人はあるビル放火事件に関わっていました。放火犯以外の4名は、皆我が身可愛さにいつの間にか事件の証拠隠滅に加担してしまっていたのです。 ホフマンはストラムに疑いの目が向くようにさまざまな罠を仕掛けます。ゲームに参加していない上司を呼び出して、あたかもストラムがジグソウであるかのような証拠を見つけさせました。

衝撃の展開を見せるジグソウ・ゲーム『ソウ6』【2009年】

『ソウ6』のあらすじ

ジグソウの後継者となったホフマンによって罪を着せられたストラム。その同僚のリンジー(アシーナ・カーカニス)は疑いを持ち、もう一度ジグソウ事件を詳しく調べ直しました。彼女の執念の捜査の甲斐あって、証拠がいくつか見つかり、彼は疑いの矛先をホフマンに向けました。 自分に捜査の手が及んでいることを察知したホフマンは焦り、ジョンを疑い始めます。ジョンに陥れられ利用されていたのかも知れない、という思いに至ったホフマンは、ジョンの元妻のジル(ベッツィ・ラッセル)を問いただすことにしました。

『ソウ6』でのジグソウの目的

ジョンの遺した遺言を手に入れたホフマンは、被験者として選ばれたウイリアムに新たなゲームを仕掛けます。被験者のウイリアムは保険会社に努めており、彼には何人もの顧客の保険金支払いを無慈悲に断っているという過去がありました。 ジョンもまたウイリアムの会社の顧客であり、彼も保険金支払いを断られていました。命を左右する保険金支払いを断られた人たちの無念を晴らすために、自身の復讐のためにジョンはウイリアムをジグソウゲームの被験者としたのでした。

登場人物たちの関係性と意外な展開

保険会社に務めるウイリアムによって保険金の支払いを拒否されたハロルドには妻と息子がいました。妻のタラと息子のブレンドは、ジグソウによって試され、ウイリアムを助けるか罰を下すかを委ねられました。 一方、ウイリアムのゲームの後、ホフマン自身にもゲームが仕掛けられます。そのゲームは、ジョンの遺言を受けたジルの仕業でした。

真のジグソウ後継者は誰?『ソウ・ザ・ファイナル』【2010年】

『ソウ・ザ・ファイナル』のあらすじ

ジョンの遺言からジグソウの意志を継ぐことを決意したジルにより、ゲーム被験者とされたホフマン。しかし彼は脱出に成功し、ジルへの復讐の機会を伺います。 ジグソウゲームの継続も忘れないホフマンは、次なる被験者を突き止めました。ジグソウゲームから生還したという手記を発表しているボビー(ショーン・パトリック・フラナリー)です。ホフマンはボビーを被験者とする新たなゲームを開始しました。 一方、ホフマンの脱出を知ったジルは、警察に全てを話し、身柄の保護を依頼していました。

『ソウ・ザ・ファイナル』でのジグソウの目的

ジグソウゲームの手記によって名声と人気を得ていたボビーでしたが、それは全くのデタラメでした。ジグソウの名を利用して莫大な金を稼いだ男を許せず、ジョンはボビーを被験者としたのです。 ジグソウの後継者でありながら、遺言で被験者とされていたホフマンでしたが、今作ではそんなジョンの真意が明らかになります。 『ソウ』の被験者のゴードンをジョンは密かに協力者、後継者として育てていました。ジョンがジグソウとして覚醒したのは、命を大切にしない人間にその愚かさをわからせるため。 ジグソウの名をただの殺人の道具にしているホフマンの本性をジョンは見抜いており、最後の最後にゴードンを使って制裁を下したのです。

登場人物の関係性と明かされるジョンの真意

ボビーを被験者とするゲームに参加させられていたのは、彼のビジネスパートナーたちでした。ボビーの手記がデタラメだと知ってか知らずか、彼らはボビーの虚飾にまみれた成功に加担していたのです。ボビーのゲームと並行して、ホフマンは個人的な恨みを晴らそうとします。 かつての同僚・ギブソンに内部告発された苦い過去を持つホフマン。彼はギブソンに罠をしかけ、狙い通り復讐を果たしました。 ずっと前からホフマンのこの傾向を見抜いていたジョンは、密かに手を打っていました。以前の被験者・ゴードンを助ける代わりに協力を要請し、これまでのゲームに加担させていました。また、遺言で元妻・ジルを見守るようにジョンは頼んでいたのです。

「ソウ」シリーズは決して終わらない!

1作ごとに恐怖と複雑さが増している「ソウシリーズ」ですが、7作目の『ソウ・ザ・ファイナル』で一旦完結となります。2017年には『ジグソウ ソウレガシー』で新たな章が幕開けしました。 今後も続編が公開されるのか気になるところですが、その前にこれまでの「ソウ」シリーズをしっかりと振り返っておきましょう。