リアルハンガーゲーム?物議をかもした『Game2Winter』とは?
— Game2:Winter (@game2winterr) January 5, 2017
ロシアでサバイバル・リアリティーショー『Game2Winter』の企画が発表され、まるでリアルハンガーゲームだと話題になっています。 当初はなんと殺人、レイプ、なんでもあり、というショッキングな謳い文句が注目を浴びた上にネット上で大物議をかもし、制作側がそのキャッチコピーを削除するといったハプニングも。 すでに参加者の応募は締め切られ、番組のウェブサイトではスタートまでのカウントダウンがはじまっています。その注目される苛酷なサバイバルとはいかなるものなのでしょうか? 『ハンガーゲーム』と比較しながらその実態を追ってみましょう!
『Game2Winter』の舞台は?
ロシアの西シベリアを流れるオビ川流域で、なんと東京ドーム192個分という莫大な地域が舞台になるそう。
極寒の地シベリアのタイガ(寒帯針葉樹林)!
シベリアは、 冬はマイナス50度にもなるという極寒の地域。 体力を温存するためにじっとしているわけにも行きません。寒さによって体力が奪われ、寒い中でじっとしていれば凍死してしまいます。生存するだけでも困難な場所なのです。
危険な野生動物が生息!
舞台となるシベリアのオビ川流域には、野生のクマ、オオカミも生息。命の危険を脅かすのは寒さだけでなく、こういった野生の危険な動物達もいるのです。
乏しい食料源
Summer is just around the corner, but mountain hares on Chukotka are still white
— The Siberian Times (@siberian_times) May 14, 2017
Pictures by Tatyana Pridorozhnaya pic.twitter.com/YSDMSK6tiT
食料も自給自足だとか。といっても極寒の地、シベリアでどうやって食べ物を確保するかも大きな課題です。 氷はあっても飲料水となると話は別。 南の島だったら期待できる食料の果物や木の実は無理。想像できるのはアイスフィッシングや寒いシベリアでも生息しているシカやウサギの捕獲といったところでしょうか? 極寒の地、シベリアでの食料の確保は困難を極めます。
『ハンガーゲーム』の舞台は?
それに対し、映画『ハンガーゲーム』の舞台はどんなところだったのでしょう。 文明が崩壊した後の現在の北アメリカ当たる場所に位置する国家パネムの野外の広大な競技場が『ハンガーゲーム』の舞台となっています。
ヴァーチャル闘技場が舞台
湖や森林を改造したヴァーチャル闘技場ということで 、サバイバルの舞台自体としては苛酷な条件ではなかったようです。
生命を脅かすものは?
気候、地形、自然などではなく、サバイバルの最大の敵は闘技場に仕掛けられた様々な罠と、互いの生き残りを懸けて戦うプレイヤー達。あとは主催者によって送り込まれる危険なクリーチャー。第1作の『ハンガーゲーム』ではどう猛な犬のようなクリーチャーが送り込まれ、プレイヤーを襲っていました。
『Game2Winter』と『ハンガーゲーム』の舞台の違いは?
Patterns and semitones of winter in the Altai mountains, by photographer Alexei Ebel pic.twitter.com/PBobRxGniE
— The Siberian Times (@siberian_times) February 8, 2017
『ハンガーゲーム』の舞台はあくまでもヴァーチャル闘技場であって作られたもの。自然の脅威も天敵もなく、自分達のライバルであるプレイヤーとの戦いにのみ集中することが可能です。 それに反して『Game2Winter』では、その舞台の地である極寒のシベリアでまずは根本的な“生きる”ことが最大の課題であり、そのほかにもクマやオオカミなど自然の脅威が立ちはだかります。 つまり『Game2Winter』では基本的なスタートラインがすでに生きるか死ぬかのサバイバルになっているので、その大変さは想像を絶します。
『Game2Winter』のルールは?気になる番組構成は?
ルールはなし!?
— Game2:Winter (@game2winterr) December 22, 2016
ルールはたった一つ、生き残ること!そのためのルールは一切なし! 番組の企画者であるロシアの大富豪、エフゲニー・ピャトゥコーブスキー曰く、参加者が死亡したり殺人やレイプがもし起こったとしても、番組企画者サイドは一切関わらず責任は取らないとのこと。参加時にその旨を綴った誓約書にサインさせられるそうです。 もちろんロシアの法律に基づいて、違法な行為が行われれば、当然警察に捕まるということは明確にされています。
参加者は?
У нас есть лидеры голосования! На https://t.co/sX7W0XCWbN
— Game2:Winter (@game2winterr) December 26, 2016
We have leaders of voting! .https://t.co/sX7W0XCWbN pic.twitter.com/DW3rHlvVAi
応募締め切りの2017年4月18日の時点で340名あまりが応募。投票で同年5月 1日までに120人に絞られ、さらに7年1日には最終的に人気トップ30名が参加者として決定するとのこと。 最終投票集計日までこの120人は自分たちの写真やビデオをアップし、さらにはファンとチャットでコミュニケーションを取り人気票を集めることもできるそう。 ちなみに韓国の元軍人やスェーデンの学生、ロシアの美人スイミングコーチや自称“プロの金髪美人”なんていう応募者もいるそうです。 ただし、参加するには賞金のファンドのためということで1000 万ルーブル(約2000万円)を支払はなければならないのだとか。
シベリアのタイガへの準備
2017年6月 15日にカメラが撮影開始。選ばれた30名はメンタル・ヘルス・チェックやサバイバルに参加するにあたって影響すると思われる様々な病気のチェックを受けます。なんと性病の検査もその検査の中に含まれているとか。 これらのチェックをクリアした後、元ロシア連邦軍参謀本部情報総局のスペシャリストから特訓を受け、その他にも毎月変わるプロジェクトの指導者と会うことになります。 視聴者は投票によって参加者を6人ずつ、5つのグループに分けることになります。
武器と備品の選択
参加者は備品倉庫でチームごとに順番にサバイバルに必要な備品を選びます。チーム合計600kgまで持っていくことが可能。それぞれが服につけるポータブルカメラも支給されます。 そしていよいよ参加者が備品とともにヘリコプターでシベリアはサバイバルの舞台であるタイガへ運ばれます。この時点からタイガに設置された2000個ものカメラが一斉に中継を開始!
タイガでの生活
指導者が来てタイガで生活するために、家を作ったり、食べ物を収穫したり、冬の準備をしたりといったことを教えます。 また、参加者達はタイガから脱出するためのデバイスも受け取ります。万が一参加者がもうプロジェクトを続けたくないと判断した場合、このボタンを押せば、60分以内にこの棄権者はプロジェクトから外されることになります。 しかし同時に、敗者として先に支払った賞金のファンドである1000万ルーブル(約2000万円)も奪われることになります。これは参加者にとったらどんなことがあっても避けたい事態でしょう。
家を建てる
まず、それぞれのチームは冬を過ごすための家を建てることになります。家の建築は最初の積雪まで続きます。しかし、家を建てなかったものは何も支払われることもなく、このプロジェクトから外されることになります。
勝者は?
9ヶ月間を生き残った人全てが勝者。賞金である1億ルーブル(日本円で約2億円!)はサバイバー達でシェアすることになります。
なんでもありの番外編
なんでもあり、の言葉通り、男女間の関係にも一切関与せず。番組企画者の大富豪エフゲニー・ピャトゥコーブスキーによると、もし妊娠してしまった場合でも、ベビーが生まれてしまっても全然問題なし。番組が終わってからそのベビーをお披露目すると言っています。そこまで考えているあたりもすごいです。
『ハンガーゲーム』のルールとは?
武器は
闘技場に存在しているものはすべて武器として使用できます。ただし使われていたものは弓矢とナイフといった原始的なものでした。
監視カメラ
闘技場での言動は全て監視される上、TV中継され、視聴者が視聴することが可能。
プレイヤーはまるでタレント?
プレイヤーには専属の教育係、スタイリスト、PR担当がつきます。ショー的要素が高く、サポーターは重要な存在となり、スポンサーがつけば援助物資も調達できます。
チームプレイ可
最後は結局一人にならなければなりませんが、途中までチームを作って戦うことも認めらています。
勝者は?
勝者は最後に生き残った1名だけ。最後の一人になるまで戦わなければなりません。
『Game2Winter』と『ハンガーゲーム』のルールの違いは?
参加者
『Game2Winter』では18歳以上であくまでも志願者で人気投票によって30が選出されます。『ハンガーゲーム』では独裁国家であるパネムの12の奴隷地区から、それぞれ12から18歳までの男女の若者を抽選で24名が選出。本人達の意思とは別の強制的なものでした。
カメラとプライバシー
『ハンガーゲーム』では全ての言動が視聴者に生中継され、プライバシーはありません. 『Game2Winter』ではカメラが2000台のカメラが設置されていますが、あくまでも固定されたカメラ。 死角になる所はもちろんのこと、カメラの映らない所で行われた行為は視聴者には見ることはできません。
武器は?
『ハンガーゲーム』では闘技場にあるものはすべて武器として使用可ということですが、使われていたものは弓矢やナイフといった原始的なもの。 『Game2Winter』では銃は禁止、基本的に最初に渡されたナイフのみが武器と、やはり『ハンガーゲーム』と同じく原始的なものとなっています。
勝者とその賞金
『Game2Winter』では9ヶ月後にサバイバルして生き残った者全てが勝者。複数のサバイバーがでた場合には、賞金である1億ルーブル(約2億円)は山分けとなります。 対して『ハンガーゲーム』では最後の一人になるまで戦って生き残らなければなりません。その最後の一人の勝者には生涯遊んで暮らせるだけの富と名声が与えられます。
”サバイバル”の意味が違う?
『Game2Winter』と『ハンガーゲーム』は“サバイバル“という点では同じですが、”サバイバル“の基本的な目的が異なり、『Game2Winter』は9ヶ月という定められた期間をその苛酷な自然の条件下で生き抜きサバイバルすること。 そして『ハンガーゲーム』では相手を倒して最後の一人になるためにサバイバルすることなのです。 とはいっても、もちろん『Game2Winter』でも賞金を独り占めしたければ、殺人も何でもオーケーということですので、最後の一人になるために『ハンガーゲーム』同様相手を倒してサバイバルする戦いがおこる可能性もあるわけです。
『Game2Winter』は本当に実現されるの?
Anger as controversial Siberian 'Hunger Games' creator claims his idea was a 'fake' |https://t.co/gjv9xI5IB1 pic.twitter.com/YNZaqvhRaH
— The Siberian Times (@siberian_times) June 2, 2017
『Game2Winter』はその番組製作発表後、あまりに過酷で無謀、そしてショッキングな内容から、放送の実現は無理ではないかと言われていました。しかし、その予想に反して既に参加者も集まり、その公式ウェブサイトではスタート開始までカウントダウンに入っています。 2017年7月1日がスタート日となっており、番組配信予定は2017 年7月1日から2018年 4月1日までとなっていましたが、放映されるのは7月24日からになっています。 一方で、スタート日を目前にして『Game2Winter』のプロジェクトはマーケティングのリサーチのための社会的実験だったとの暴露も。 カウント・ダウンは着々と進んでいますが、いったいどうなるのでしょう。今後の進展に注目です。
その放映予定は?日本でも観れる?
ロシア語はもちろん、英語、中国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語そしてアラビア語での放送が配信される予定となっており、すでに5カ国からその配信の希望がきているそうです。 日本語での放送は未定ですが、実現した場合はネット配信で見ることは可能かもしれません。