2017年8月25日更新

ネタバレ注意!『ゴースト・イン・ザ・シェル』のトリビア15選!【『攻殻機動隊』と比較して分かった共通点と相違点とは!?】

日本の傑作アニメ映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』をハリウッドで実写化した『ゴースト・イン・ザ・シェル』。スカーレット・ヨハンソンが主演をつとめ、大きな話題となった本作のトリビアをアニメ版と比較しつつネタバレありで紹介します。

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『ゴースト・イン・ザ・シェル』の必見のトリビア15選!アニメ版との比較も!?

日本のマンガ・アニメーション作品『攻殻機動隊』シリーズは、世界中で高い人気を獲得してきました。 1995年に公開された劇場版『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』をハリウッドで実写化した本作には、日本からビートたけしや桃井かおりも出演しています。 この記事では、ハリウッド実写版『ゴースト・イン・ザ・シェル』のトリビアを集めてみました。 アニメ版との比較から、ファンも思わずニヤリとしてしまうイースターエッグ、ハリウッドならではの裏話など、映画鑑賞後必見のトリビアをご紹介します。 ネタバレを含みますので、未見の方はご注意ください。

1.吹替にはアニメ版『攻殻機動隊』シリーズオリジナル声優が再集結!

実写版『ゴースト・イン・ザ・シェル』の吹替には、アニメ版『攻殻機動隊』シリーズで主要なキャラクターを演じた声優たちが再集結しています。 日本のアニメを原作としたハリウッド実写化作品で、オリジナル版の声優が吹替を担当するのは史上初の試みでした。 実写版の製作が世界的な注目を浴びるなか、吹替には誰が起用されるのか関心を持っていたという声優陣。 少佐役の田中敦子、バトー役の大塚明夫、トグサ役の山寺宏一らが6年ぶりに同じ役を演じ、なつかしい公安9課のメンバーたちとの再会に喜んだそうです。 収録中には「目を閉じるとアニメが浮かんでくる」という声もあがっていたとか。

2.スカーレット・ヨハンソンのキャスティングに大ブーイング!人種差別と批判される

日本のアニメーションである『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』をハリウッドで実写化するにあたって、スカーレット・ヨハンソンが主演としてキャスティングされたことに海外では激しい批判がありました。 その理由は“ホワイト・ウォッシング”と呼ばれる、白人以外のキャラクターを白人の俳優が演じる人種差別問題にあたると考えられたからです。 しかし日本では、ハリウッドで実写化される以上、白人の俳優が演じるのは当然と考える人が多かった様子。

3.キャスティング批判に押井守が反論!草薙素子は日本人とは限らない!?

先ほどご紹介したとおり、本作のキャスティングはホワイト・ウォッシングであると批判がありました。しかし、アニメ版の監督を務めた押井守は、「考えられる限り最高のキャスティング」とコメントしています。 押井監督によれば、草薙素子は完全義体化(サイボーグ化)されており、身体がそうであるように何がどこまで彼女本来のものであるかは不明とのこと。 義体化される前の彼女がどの人種・国籍であったのか、本当の名前はなんなのか、原作マンガでもアニメでも明らかになっていない以上、白人の女優が演じることにもなんの問題もないと反論しました。

4.近未来の街並みにはあの航空会社の広告が!

本作の街並みは1982年に公開された名作SF『ブレードランナー』を参考にしたと言われています。 『ブレードランナー』は2019年を舞台としていますが、街の広告の中には1991年に倒産したパン・アメリカン航空の広告も映し出されていました。 20世紀にはアメリカ繁栄の象徴と考えられていた同社が、2019年にはすでに無くなっていると想像した人は当時ほとんどいなかったのでしょう。 『ゴースト・イン・ザ・シェル』で描かれた街にも、『ブレードランナー』のオマージュとしてパン・アメリカン航空の広告が登場していたのです。

5.影響は一周回る?『マトリックス』との類似点

『ゴースト・イン・ザ・シェル』が公開された際、1999年の映画『マトリックス』の映像と類似点が多くあると指摘されていました。 たとえば電脳化された人間の脳に情報を送る、または抜き出すためのプラグが首の後ろにあること、建物内部を特別なゴーグルで覗いたときの緑色の映像など、数々の類似点が見られます。 しかし実際には逆で、『マトリックス』の監督・脚本を務めたウォシャウスキー姉妹は日本のアニメファンとしても知られており、同作製作時には『攻殻機動隊』シリーズの影響を強く受けたと語っていました。 影響を受けたものと、原作としたものが同じであるからには類似点があるのも当然でしょう。

6.大ヒットドラマ『ウェストワールド』にも酷似!?

2016年に放送され、大ヒットを記録した海外ドラマ『ウエストワールド』も、アンドロイドを扱った作品です。 同作にもアンドロイドをつくっていく過程が映し出されますが、そのシーンは本作の同様のシーンとよく似ています。 『ゴースト・イン・ザ・シェル』では基本的に元になったアニメ版を踏襲していますが、同時期に製作されていた『ウエストワールド』と似た映像になっているのは非常に面白いですね。 実は、本作の監督ルパート・サンダースと『ウエストワールド』の製作総指揮・脚本を務めたジョナサン・ノーランは隣同士に住んでおり、たびたびお互いのプロジェクトの話をしていたそうです。

7.少佐の名前はキラキラネーム?

『ゴースト・イン・ザ・シェル』で、主人公はほとんどの場合“少佐”と呼ばれていますが、彼女の人間としての名前はミラ・キリアンです。 兵器として利用するために完全義体化した人間を作るプロジェクトNo.2571で、責任者を務めていたオウレイ博士は、やっと成功例第一号として誕生した少佐を「彼女は奇跡だ」と言っています。 ミラ・キリアンという名前は、奇跡という意味の“ミラクル”から来ているそうで、生みの親であるオウレイ博士がつけたのでしょう。 ある種のダジャレ、あるいはキラキラネームのような感じがしますね。

8.スカーレット・ヨハンソンの髪色には『攻殻機動隊』テレビシリーズからの影響も

本作では、アニメ版『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の草薙素子と同様に、少佐の髪色は全体的に黒になっています。 しかし、顔の左右には青いメッシュの入った部分があり、この部分はクラブなどの暗いシーンでは紫色に光ります。 これは、テレビ版『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(以下、攻殻機動隊S.A.C.)』(2002〜2005)の草薙素子の髪が紫色であることからインスパイアされたものだとか。 ベースとなった劇場版だけでなくテレビシリーズも意識したこのヘアスタイルには、原作への敬意を感じますね。

9.光学迷彩スーツはCGではない!?衣装の秘密

アニメ版でも重要な小道具として登場している光学迷彩スーツを実写化するためには、本来ならグリーンやブルーのスーツを着用し、モーションキャプチャなどを使ってCG処理するのが最も一般的です。 しかし本作では、実際に密着性と伸縮性の高いシリコンで、シワの入らないスーツを作成したのだとか。 また、着用のためのジッパーなどを極力減らすため、胴体部分は頭のほうからかぶる構造になっており、肩などのパーツは磁石で留められるようになっています。 もちろん透明になるシーンではCGを用いていますが、スーツを着た少佐の姿がよりリアルに感じられるよう、この方法をとったそうです。

10.芸者ロボットの顔・動きについての驚きの事実!

実写版オリジナルキャラクターとして予告編でもフィーチャーされ、その不気味な造形が印象的な芸者ロボット。 この芸者ロボットは、『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)でハリウッドデビューした福島リラが演じています。 ロボットを演じるため、福島は自らの顔の型から作成されたマスクを被って演技をしたとのこと。彼女は、自分と同じ顔のマスクをかぶるのは不思議な経験だったと語っています。 また、ロボットの動きは撮影地であるニュージーランドのダンサーやスタントウーマンが担当し、あのねじれた動きの約80%を実際に演じたというのですから驚きですね。

11.芸者ロボットの元ネタはテレビシリーズ『攻殻機動隊 S.A.C.』から!?

本作に登場する芸者ロボットに酷似しているロボットが『攻殻機動隊 S.A.C.』の1話に登場します。 『攻殻機動隊 S.A.C.』は2002年に放送された攻殻機動隊のテレビシリーズで、映画『攻殻機動隊』に登場する人形遣いに草薙素子が出会わずに、公安9課に残っていたら、という世界が描かれています。 そのなかで原因不明の暴走を起こす少女型愛玩用アンドロイドが、芸者ロボットの元ネタとなっているのだとか。 無表情で突然人間に襲いかかり、人間では考えられない動きをするなど、『ゴースト・イン・ザ・シェル』の芸者ロボットとの共通点が多くあります。

12.エンドロールに使われたアニメ版テーマソングは、あの国では差し替えられた!?

アニメ版のテーマソングである「謡」は、オープニングを飾る曲です。様々なシーンに合わせて編曲されたバージョンも流され、映画全体に美しくも不気味な雰囲気を漂わせます。 実写版ではエンドロールでこの曲が使用され、原作へのリスペクトを感じて喜んだファンも多かった様子。 しかし、イギリスではエンドロールで流れたのはこの曲ではなく、ブライアン・イーノとU2による「ワン・ミニット・ウォーニング」という曲でした。 これは、アニメ版が同国で公開された際にも差し替えられていた曲で、実写版もそれに則ったものと思われます。

13.『ゴースト・イン・ザ・シェル』キャスト・スタッフには原作の大ファンが多数!

『ゴースト・イン・ザ・シェル』のキャストやスタッフには、原作のファン大勢いました。 「子どものころこのコミックが大好きだった」と言うチン・ハンは、お気に入りのキャラクターだったトグサを演じることになり、キャラクターを徹底的に分析したそうです。 クゼ役マイケル・ピットはアニメ版の大ファンで、役作りのためにクゼが登場する『攻殻機動隊S.A.C.』を全話見直したと語っています。 バトー役のピルー・アスベックは「漫画版がバイブル」と語っています。また、バトーが主役の劇場版第2作目『イノセンス』の実写化も希望しているとか。 特殊造形を担当したWATAワークショップのメンバーにも、原作ファンが多かったそうです。

14.【ネタバレ】実写版では『攻殻機動隊』アニメシリーズの敵2人が合体!?

『ゴースト・イン・ザ・シェル』の敵の正体は、義体化する前の少佐とともに反政府活動をしていたクゼ・ヒデオでした。 クゼはテレビシリーズ『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』(2004〜2005)に登場したキャラクターで、劇場版には登場していません。 1995年の『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の敵役は、他人の電脳をハッキングして操る“人形使い”と呼ばれる凄腕のハッカーであり、全く別のキャラクターです。 しかし実写版のクゼは少佐との過去を持ち、“人形使い”のように電脳ハックを行うテロリストとして描かれ、2つのキャラクターがうまく融合したかたちになっています。

15.【ネタバレ】徹底比較!『ゴースト・イン・ザ・シェル』にはアニメ版とそっくりなシーンがこんなに!?

オリジナルアニメ版に非常に敬意を払って作られた『ゴースト・イン・ザ・シェル』。本作には、アニメ版でも印象的だったシーンが再現されている場面がいくつもあります。 画面の色合いから構図、カメラワーク、キャラクターの動きなどを緻密に再現したシーンは、アニメ版を観たことのある人にはデジャヴのように感じられるでしょう。 そのいくつかをご紹介します。

オープニングクレジットでの少佐の義体化シーン

アニメ版も実写版も、オープニングクレジットでは同じように少佐が完全義体化されていくシーンが描かれています。 人間のような機械の身体が美しく出来あがっていく過程をじっくりと描くこのシーンは、“義体化”(サイボーグ化)という概念をアニメを知らない観客にも理解してもらうために必要でした。 ただし、アニメ版で明らかに全裸だったシーンは、実写版ではカメラワークで回避されています。

光学迷彩スーツでビルの屋上から飛び降りる少佐

予告編にもあるコートを脱いだ少佐がビルの屋上から後ろ向きに飛び降りるシーンも、ほぼアニメのとおりです。 しかし、実写版の方が光学迷彩スーツの機能が発揮されるタイミングが早く、飛び降りている最中から少佐は周囲の景色に同化していきました。 アニメ版では、ターゲットを狙撃してから再び飛び降りる際に光学迷彩の機能が発揮され、生き残った相手が少佐がスーツの機能によって風景の中に消えていくのを目撃しています。

記憶を失った男との戦闘シーン

こちらも予告編に含まれていますが、脳をハッキングされ、偽の記憶を埋め込まれた男と少佐が戦うシーンもアニメ版から引用されました。 このシーンはアニメ版の同シーンと戦いのシークエンス、地面に溜まった水の飛び散りかた、光学迷彩スーツで透明になった少佐が、男と戦うタイミングやカメラワークまで忠実に再現されています。 だたし実写版で少佐が男をボコボコに殴り倒した部分は、アニメ版にはありません。

少佐の趣味、ダイビングを見守るバトー

全身が義体化されている少佐は、人間と違って自然に水に浮くことができません。フローティング機能という技術によって、必要な場合に水面に浮かび上がることができるだけです。 そんな少佐は非番の日に海に潜るのが趣味。沈む身体でダイビングをする少佐を心配し、バトーはあるとき彼女に付き添い、ボートの上で信頼のおける仲間だからこそできる会話をていました。 このシーンは、アニメ版にも実写版にもほどんど同じように描かれていますが、ボートの上でふたりが語り合った内容はアニメ版の方が難解です。

いかがでしたでしょうか。これらのトリビアを踏まえて、実写版とアニメ版を見比べてみるのもいいかもしれませんね。