第3作『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』の謎をあらすじ・ネタバレと共に解説!
『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』をネタバレ解説
これまでに『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981年)、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年)、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989年)、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008年)の4作品が公開されている「インディ・ジョーンズ」シリーズ。 2022年には5作目の全米公開が予定されており、ハリソン・フォードがインディ役を続投。今回は1989年公開の3作目「最後の聖戦」の謎に注目し、ネタバレを含めてあらすじやキャスト、トリビアを紹介していきます!
『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』のあらすじ
考古学者であり冒険家でもあるインディ・ジョーンズと、その父ヘンリー・ジョーンズ教授との聖杯探索の冒険物語。聖杯とは、イエス・キリストの血を受けた伝説の杯であり、永遠の命を得られるという宝です。 大富豪のドノヴァンから聖杯調査隊の隊長を探してほしいという依頼を受けたインディ。しぶっていると、その隊長が父ヘンリーであることを知らされます。結局インディは依頼を受けて、ヘンリーが消息を絶ったベニスへ向かうことに。 ベニスでヘンリーの助手だったエルザに会い、聖杯の在り処を示す手がかりを発見したインディは、父がナチスに囚われていることを知ります。オーストリア、そしてドイツへと向かうインディたち一行は、無事聖杯を見つけることができるのでしょうか?
【ネタバレ】父ヘンリーを救出の冒険へ
ナチスの根城に潜入
ヘンリーが囚われているザルツブルクに、エルザとともに到着したインディ。早速ナチスの根城へ潜入し、ヘンリーを探します。 ヘンリーのいる部屋を見つけ出したインディは鞭で窓から窓へ渡って突入し、父と再会。ナチスの狙いがヘンリーの研究成果が書かれた手帳であること、さらにはエルザがナチスと手を組んでいたことが判明し、親子は手帳を奪われて窮地に。 加えてドノヴァンもナチス側であることがわかりますが、手帳には重要な地図だけ破られていました。インディは自分の上司でヘンリーの友人マーカスにその地図を託していたのです。 縛られた縄を焼き切ろうとしたヘンリーはライターを下に落としてしまい、あっという間に部屋は炎に包まれます。逃げ込んだ暖炉の隠し扉が回り、ナチスの秘密部屋へ入り込んでさらなる危機に陥りますが、隠し部屋から外への出口を見つけ出しました。
父子はベルリンから脱出!
バイクで逃げだした2人は、ナチスの追っ手を次々と撃破。しかしベルリンとベニスへの分かれ道で、手帳のあるベルリンか、地図を持つマーカスのもとへ向かうかでケンカに。 実はヘンリーは手帳に書いた内容を覚えておらず、聖杯を手に入れるには「3つの試練」の謎を解かなければなりません。 結局、インディたちはナチスの大会が開催されているベルリンへ向かうことに。ナチス将校に変装したインディは、大会の最中エルザから手帳を取り返します。そうして、ベルリン空港から飛行船に載ってドイツ脱出に成功するのです。
【ネタバレ】聖杯にたどり着くための3つの試練
ヘンリーが生涯をかけて作り上げた、聖杯研究の全てが書かれている「聖杯手帳」。ここには太陽の神殿で聖杯のある場所へ行き着くための「3つの試練」を解くカギが記されていました。 ドノヴァンにヘンリーが撃たれ、インディは否応なく3つの試練に挑戦することになってしまいます。
1.神の息
第1の試練は《神の息》。「悔い改めて通れ」と手帳には記されています。先に行った者が無残に首を切られた上を通るインディですが、この言葉を繰り返し唱えて「悔い改めた者はこうべを垂れる」と考え、円盤状の刃が出る瞬時に身を屈めました。
2.神の言葉
第2の試練は《神の言葉》。「神の言葉をたどって進め」というヒントを、インディは床に書かれたアルファベットを見て、神の名はエホバ(Jehova)だと「J」から踏み出します。しかしここではラテン語Iehovaで「I」から!危うく床が崩れるところでした。
3.神の道
第3の試練は《神の小道》。手帳には「獅子の頭から飛び降りて勇気を示せ」とあります。明らかに飛び越えるには無理がある谷間に出ます。後には戻れないインディは腹をくくって、神を信じて一歩を踏み出します。 すると、目の錯覚で見えなかった細い岩の橋があることに気が付きました。
【ネタバレ】聖杯は誰の手に?ラストシーンを解説
聖杯について迫られる選択
聖杯の力で永遠の命を得た十字軍の3兄弟の伝説が伏線として語られていましたが、ついにインディは3つの試練をくぐり抜けて、その3兄弟の最後の生き残りと出会います。聖杯の騎士は700年もの間、1人で聖杯を守ってきた騎士でした。 そこへドノヴァンとエルザが後を追って入ってきて、聖杯はどれかを問います。そこにはたくさんの黄金に輝く杯が並んでいました。騎士は「正しく選べば永遠の命が、誤って選べば命を落とす」と告げます。
インディの選択
ドノヴァンは学者のエルザに選択を託し、彼女が選んだ黄金の美しい杯で水を飲み干します。するとドノヴァンの顔はみるみるミイラ化していき、ついには朽ちて灰になってしまいました。 インディは「イエスは大工だった」と、一見なんの変哲もない、黄金でもない普通の杯を選び、無事ヘンリーを救うことができました。インディを演じるハリソン・フォードも以前大工をしていたことを考えると、なかなか粋なセリフですね。
インディと父・ヘンリーの関係
本作にはインディの父ヘンリーがシリーズ初登場し、2人の親子関係が伏線として描かれています。 インディの少年時代のシーンでは、ヘンリーのしつけの厳しさが垣間見えます。聖杯手帳に没頭しているヘンリーは、コロナードの十字架を持ち帰ったインディを制して「1から10まで数えろ、ギリシャ語で」と言います。よくよく考えてみると、ギリシャ語で数えられるインディすごいですね! 飄々として暴力を嫌っているヘンリーと冒険を好むインディとはまるで性格が逆のようで、そんなところも相容れなかったのかもしれません。しかし2人の確執の1番の原因は、ヘンリーが妻の病にも気付かずに研究に没頭し、結果インディは早くに母親を失ったこと。 インディがナチスに囚われたヘンリーを助けに来る場面や、インディが自分の思春期にも何も会話してくれなかったことを愚痴るシーンでも、やはり会話が噛み合いません。それでいて、この親子は最終的にはお互いを信じていることがクライマックスでわかります。
「最後の聖戦」のロケ地を紹介
本作でもインディは世界各地を飛び回りますが、まず彼の勤める大学があるニューヨークから、ヘンリーを探しにベニスへ向かいます。父同様に、エルザに入れ込んだインディはベニスでの滞在を楽しんだ様子。実際にベニスではロケが行われました。 そしてヘンリーが囚われているザルツブルクへ。そこでヘンリーを助け出しベニスへ戻ろうとすると、エルザに奪われた聖杯手帳を取り戻さなければ「3つの試練」の謎が解けないとわかります。ナチスが大嫌いなインディは渋々ドイツへ! ドイツから逃げる時には、1930年代当時流行していた飛行船も登場します。そして聖杯があるハタイ共和国へ向かい、ナチスに協力しているエルザと再会することになります。聖杯のある場所は「三日月の谷およびその中にある太陽の神殿」とされ、ヨルダンのペトラ遺跡「エル・カズネ(宝物殿)」でロケが敢行されました。
「最後の聖戦」の登場人物/キャスト
インディアナ・ジョーンズ役/ハリソン・フォード
冒険しながら遺物を手に入れ、博物館へ持ち帰る行動派の考古学者。貴重な遺物は博物館に収められるべきという強い信念を持っています。たまに冒険が過ぎて、危険に巻き込まれることも多く、本作では父を助け出すためにナチスと死闘を繰り広げることになります。 インディを演じているハリソン・フォードは、1942年シカゴ生まれのアメリカの俳優です。1966年に『現金作戦』で映画デビューした後、一度大工に転職しています。 大工を続けながら俳優として活躍するチャンスを伺い、1973年の『アメリカン・グラフィティ』に出演して転機が訪れます。1977年には「スター・ウォーズ」のハン・ソロ役で人気スターの仲間入りを果たしました。
インディアナ・ジョーンズ(少年時代)役/リバー・フェニックス
「最後の聖戦」の冒頭シーンには少年時代のインディが登場しています。1912年のユタ州、ボーイスカウトの活動中に盗掘現場に居合わせたインディは、「コロナードの十字架」と呼ばれる貴重な遺物を取り返して博物館に収めようと、盗掘団と格闘します。 インディの少年時代を演じたリバー・フェニックスは、1970年オレゴン州生まれのアメリカの俳優です。映画デビューは1985年の『エクスプロラーズ』で、翌年の『スタンド・バイ・ミー』にクリス役で出演して注目されました。 1988年の『旅立ちの時』、1991年の『マイ・プライベート・アイダホ』での演技も高い評価を受け、これからの活躍が期待される中、1993年に23歳で麻薬中毒によって急逝しました。
ヘンリー・ジョーンズ役/ショーン・コネリー
インディの父親で、聖杯調査隊の隊長。インディとは真逆のタイプで、書斎派の考古学者であり大学では中世文学の教授を務めていました。聖杯の研究に余念がなく家庭を顧みなかったため、インディとはろくに会話もしたことがないという親子でした。 ヘンリーを演じたショーン・コネリーは、1930年スコットランド生まれのイギリスの俳優です。様々な職を経た後、1954年頃からテレビや劇団で演じ始めています。スコットランド人であることを誇りにし、演技においてもスコットランド訛りを直すことはなかったそうです。 1962年に『007 ドクター・ノオ』で初めてジェームズ・ボンドを演じてからは、世界的知名度を得て5作品に出演した後、一度ボンド役を引退しています。しかしその後1971年と1983年に2度もボンド役に復帰しており、7本の作品を残しています。
エルザ・シュナイダー役/アリソン・ドゥーディ
本作のヒロイン、エルザ・シュナイダーはオーストリア人の考古学者。ヘンリーの助手を務めており、ヘンリーを探すインディを手伝うことになります。 エルザを演じたアリソン・ドゥーディは、1966年11月11日生まれ、アイルランド・ダブリン出身の女優。1985年に史上最年少のボンドガールとして『007 美しき獲物たち』で映画デビューしました。1994年に結婚した後は女優業から遠のいていましたが、2004年のテレビ映画『キング・ソロモンの秘宝』で復帰しています。
ウォルター・ドノヴァン役/ジュリアン・グローヴァー
ウォルター・ドノバンはアメリカの大富豪で、マーカスの博物館のスポンサー。ヘンリーやインディに聖杯捜索を依頼した張本人ですが、ナチスを利用して聖杯を手に入れようと画策していました。 ドノヴァンを演じたジュリアン・グローヴァーは、1935年3月27日生まれ、イギリス出身の俳優。『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980年)のマキシミリアン・ヴィアーズ役で知られ、『007 ユア・アイズ・オンリー』(1981年)ではジェームズ・ボンドの敵役を演じました。
「最後の聖戦」トリビア
インディの顎の傷
Unlike young Indiana, Harrison Ford scarred his chin by crashing his first car! #indyfacts pic.twitter.com/mC5Bn5sJ
— Indiana Jones (@IndianaJones) July 2, 2012
インディのアゴに細く古い傷があるのをご存知ですか?実はインディ役のハリソン・フォード自身にもアゴに傷がありますが、本作ではこの傷がいつ付いたのかが明らかになっています。 冒頭の少年時代インディが盗掘団と格闘していた時に、逃げ込んだサーカス列車の中にライオンがいる貨車があり、そこで初めて鞭をふるいます。この時に失敗してアゴを傷付けてしまいました。ライオンに挑む少年インディ役のリバー・フェニックスが初々しくもあります。 同じ冒頭シークエンスで、なぜインディが蛇嫌いになったのかも明かされています。サーカス列車には蛇がうじゃうじゃいる貨車もあり、追いかけられて落ちたのが蛇プールでした。 ヘンリーに「ジュニア」と呼ばれる度に嫌がるインディですが、実はインディの本名はヘンリー・ジョーンズ・Jr.です。そしてインディアナという名前が、実は飼っていた犬の名前だということがラストシーンで判明します。父への反発心が、こんなところにも!
ショーン・コネリーの出演は007へのスピルバーグの憧れ
そもそもスティーヴン・スピルバーグはいつか「007」シリーズの映画を監督したいと願っていたそう。「インディ・ジョーンズ」シリーズの発端は、そんなスピルバーグ監督がジョージ・ルーカスに話を持ちかけたことで実現したものだったといいます。 「最後の聖戦」でインディの父親を登場させることになった時には、スピルバーグ監督の頭には初代ジェームズ・ボンドのショーン・コネリーしか思い浮かばなかったとか!
『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』は名作冒険映画!
1989年に公開された「インディ・ジョーンズ」シリーズ3作目『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』。見返しても全然古さを感じさせず、インディの冒険譚にハラハラドキドキさせられるのは今も同じ! 2022年にはハリソン・フォードが現役でインディ役を務める5作目も公開予定。これを機会にぜひシリーズを復習してみては?