【食人】やめて食べないでー!身の毛もよだつカニバリズム映画22選

2018年1月28日更新

人が人を食べる行為、カニバリズム。そんな禁忌を題材にした映画はたくさんあります。しかも種類は様々にあるのです。中にはホラー映画ではなく、グロテスクが苦手な方でも楽しめる初心者向けの映画まで存在しています。この記事では、そんな食人映画を4つのジャンルに分けて紹介します。

人類最大のタブー、「食人」がテーマの映画

肉 (フリー画像)

人間が人間を食べるとどうなるのでしょうか。そもそもどんな味がするのでしょうか。人間を食べるためには人間を解体するしかありません。当然解体される人間の命は既に無し。食人という目的のために、殺人は過程の一つでしかない。 私たちが普通に生きていれば、人肉を口にする機会なんてありません。食人は経験できないことなのです。経験できないことならば映画体験にしてしまおう。食人映画は在るべくして在ると言えます。 この記事では食人映画の特徴で以下の4つに分類しました。 最もスタンダードな【1 食人族系】 怖くてグロいぞ【2 『悪魔のいけにえ』系】 怪しくて不思議な【3 肉屋系】 一番観易い【4 恋愛・青春系】 オススメの食人映画22作品を以上の分類に振り分けて紹介します。あなたにぴったりな食人がきっと見つかるはずです。

1 食人族系カニバリズム映画

食人映画の起源は一つではありませんが、その内の一つにイタリアがあります。ネオレアリズモ、ジャーロ、マカロニウエスタンなど様々な映画ジャンルを生んだイタリア、食人映画は発生しました。ここで紹介する食人映画は「ジャングルの奥地で食人をする部族に遭遇する」というもの。この類の映画のほとんどはイタリアで撮られているのです。あまりに人種差別的でいかがわしいのですが、一部の熱狂的なファンも存在している一大ジャンルです。

1 - 1/5 食人映画の起源

食人族系映画の起源とされているのがグァルティエロ・ヤコペッティ『世界残酷物語』です。世界各国の奇習をカメラに収めたドキュメンタリー映画ですが、その多くにやらせが含まれています。日本の奇習としてビールを飲む牛が登場しますが本当なのでしょうか……。 似たような映画はヤコペッティ自身やさらに多くのイタリア映画監督によって撮られ、これらの作品群を総称してモンド映画と呼びます。実は食人族系映画はこのジャンルの派生です。 ちなみに『世界残酷物語』では数年前まで食人をしていた部族が登場するのみです。

1 - 2/5 食人映画への入り口

初めてモンド映画を血みどろに塗り替えたとされるのがウンベルト・レンツィ『怪奇!魔境の裸族』です。ジャングルへ取材に来たイギリス人が原住民と遭遇、そこに住み着くというお話。人が人を食う描写をドキュメンタリー風映像に収めたこの映画が大ヒットし、そこから食人族系カニバリズム映画という派生ジャンルが確立します。

1 - 3/5 食人族映画の真打登場

『怪奇!魔境の裸族』の大ヒットを受けて、次に食人族系映画を撮った(撮らされた)のがルッジェロ・デオタード『カニバル』です。こちらも大ヒットしますが、次作『食人族』の方が遥かに有名です。 本作は食人映画としてよりも、最古のファウンド・フッテージものとして知られています。ファウンド・フッテージとは、死亡もしくは行方不明の人物が撮影した映像という設定の映画作品です。後に『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』『REC/レック』などで認知度を高め、現在までコンスタントに採用されているホラー映画の一大ジャンルです。 『食人族』ではジャングルの奥地で拾われた映像と、その映像を再生しているシーンとが交互に描かれます。肝心の食人シーンもありますが、ジャケットにある串刺人間の方がインパクト大です。

1 - 4/5 食人映画の始祖による食人映画

食人映画の始祖はウンベルト・レンツィですが、有名なのはルッジェロ・デオタードの方です。『怪奇!魔境の裸族』以降しばらく食人映画から離れていたレンツィの食人復帰作が『食人帝国』です。 宗教団体のメンバーになった姉を探しにジャングルの奥地へ入り、食人族と遭遇します。人民寺院の集団自殺事件をモチーフにしたこの映画ですが、同じ題材ならイーライ・ロス製作『サクラメント 死の楽園』の方が断然面白い。 食人族系映画はウンベルト・レンツィとルッジェロ・デオタードとがしのぎを削りながら発展させたおかしなジャンルなのです。

1 - 5/5 食人族系映画好きによる食人族映画

意識高い学生グループを載せた飛行機がジャングルで落下。若者たちが遭遇したのはおなじみ食人族だった。食人映画好きであることが間違いないイーライ・ロスが、自身で食人映画を撮った映画です。過去の食人映画への熱いオマージュを捧げた本作はファンが喜ぶポイントを突いています。残酷描写はもちろんですが、あまりにど真ん中な食人映画に思わず笑みがこぼれること間違いなし。主演を務めるロレンツァ・イッツォとイーライ・ロスはこの映画をきっかけに結婚しています。食べちゃった結婚ですね。

2 『悪魔のいけにえ』系カニバリズム映画

文字通り映画『悪魔のいけにえ』に派生する食人映画です。食人する人々は大抵サイコキラーで、罪なき若者を殺して食べます。彼らの思考は常人には理解できず、常軌を逸しているのがポイントです。もちろん殺し、食べる人間たちに愛などは無く、単なる食料としています。 映画としては恐怖描写の延長戦として食人シーンが描かれており、多くはホラージャンルです。グロい映画が苦手な方は鑑賞が難しいかもしれません。

2 - 1/8キング・オブ・ホラーは食人一家

今尚語り継がれる伝説のホラー映画『悪魔のいけにえ』は食人映画です。若者たちがレザーフェイス率いる狂った一家に嬲り殺されていきます。レザーフェイスと兄貴が人を殺し、その肉で作ったソーセージを父親が売るとい最悪のファミリービジネスです。 捕らえられた女性が椅子に縛り付けられレザーフェイス一家と食卓を囲むシーン、家族が食べているのはソーセージです。人肉を食べたことで狂ってしまったのか、狂っているから人肉を食べるのか、悪夢を具現化したようなこの映画の前ではそんな陳腐な論理は風の前の塵に同じです。食人の気味悪さを凌ぐ圧倒的な恐怖が描かれています。

2 - 2/8『悪魔のいけにえ』の後継映画

後に『エルム街の悪夢』『スクリーム』などの傑作を残したホラー映画の職人、ウェス・クレイヴン初期の傑作が『サランドラ』です。車が故障し砂漠で立ち往生となる一家と、それに迫る食人一族との戦いを描いています。明らかに『悪魔のいけにえ』に感化された映画ですが、『悪魔のいけにえ』のように人食い一族にやられっぱなしではなく、ちゃんとリベンジするところ。ちなみに同監督『サランドラⅡ』は登場人物を引き継いだ続編なのでこちらもおすすめです。

2 - 3/8 声に出して読みたいタイトル

スプラッタ・カニバリズム映画の人気により、多くの映画が大量に製作されました。『サランドラ』のような名作も生まれましたが、もちろん観るに堪えない映画も多いのも事実。その内の一つを紹介します。 メシマズな妻への不満を爆発させた夫が妻を殺害。食べてみたら意外と美味しいので、ほかの人の人肉にも挑戦してみちゃう映画です。ホラー要素や残酷要素はとても少なく、スキルをコメディに振っていますが、全然面白くありません。面白いのはタイトルだけ。食人映画のカルト枠代表です。

2 - 4/8 食人映画の金字塔

食人映画を語る上で重要な立ち位置となっているのが、『羊たちの沈黙』です。トマス・ハリスの同名小説を映画化した本作は、アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞の5部門を受賞する快挙を成し遂げました。残酷表現も厭わないホラー・サスペンス映画である本作がアカデミー賞を受賞するのは異例とも言えます。 収監中の食人鬼レクター博士と、彼に別の事件の助言を求めようとするFBI捜査官見習いクラリスとの関係性は徐々に変化していく……。実は食人映画と言えど、この映画のレーティングはPG12。小学生でも助言、指導があれば鑑賞することができるのです。上品で知的なレクター博士から、野蛮で残酷な殺人、食人の気配はしません。その表裏一体の危うさがこの作品の大きな魅力です。

2 - 5/8 異質なカニバル・サスペンス

山奥の砦に左遷されたヘタれ軍人の元に一人の遭難者が現れる。彼は同行していた仲間を食い、なんとか生き延びたのだと言う。残された人を救うために洞窟へ向かうが……。 食人により戦闘能力と治癒能力が向上する、という独自の設定が特徴的な食人映画です。この恵まれた設定を存分に活かしているため、とりあえず『悪魔のいけにえ』系にカテゴライズしましたが、映画はホラーというよりもサスペンス要素が強いと言えます。展開が二転三転し、なかなか先が読めません。食人という際物ジャンルであるが故に鑑賞していない方がいるのであれば、少しもったいない映画です。

2 - 6/8 実は続編の方がエグめのカニバル描写

世に放たれてしまったレクター博士を追う大富豪の策略により、捜査官のクラリスは再び博士を追う身となります。『羊たちの沈黙』の続編である本作は、レクター博士を再びアンソニー・ホプキンスが演じましたが、クラリス役がジョディ・フォスターからジュリアン・ムーアに変更されています。ジョディ・フォスター続投辞退の理由は様々に囁かれていますが、その一つには本作があまりに残酷すぎるという理由もあります。 衝撃的なシーンは物語のクライマックス。椅子に座る男の被り物を博士が取れば、脳が露出した状態に。博士は脳を少し切り取り、軽く火を通したものをその男の口に運び食べさせるのです。このシーンが品のある雰囲気で描かれています。前作に勝るとも劣らない食人映画の名作です。

2 - 7/8 古典食人映画のリメイク

『サランドラ』のリメイク版となるのがアレクサンドル・アジャ『ヒルズ・ハブ・アイズ』です。オリジナル版の荒削りな部分を削り取り、アイディアはそのまま、凄惨さをマシマシにしています。製作にはオリジナル版の監督ウェス・クレイヴンも参加し、良い部分はリメイク版に踏襲されています。オリジナル版よりもリメイク版の方がオススメできる映画です。 アレクサンドル・アジャは本作の他にもロジャー・コーマン製作『ピラニア』を過激リメイクしており、こちらもオススメです。

2 - 8/8 人肉食べてる人はもしかして……

『ホステル』シリーズは拷問を道楽とするクラブを舞台に繰り広げられる名作残酷ホラーです。シリーズの二作目『ホステル2』では食人シーンが描かれています。男を生きたまま拘束し、足の肉を切り取ってパクり。実はこの食べている人、すっかりこの記事内ではおなじみのルッジェロ・デオダート監督です。そしてこの映画の監督は食人大好きイーライ・ロス。劇中のデオダート監督もなんだか嬉しそうに肉を食べており、大変微笑ましい。

3 肉屋系カニバリズム映画

人間を殺し、肉切り包丁で捌き、お客に食べさせる……。そんな想像するのも悪趣味なジャンルが肉屋系食人映画です。先ほど紹介した『悪魔のいけにえ』系の亜種とも言えます。このジャンルの特徴は、人肉を誰かに食べさせること。もちろんホラージャンルが多いのですが、中にはSFやコメディなどのジャンルもあります。

3 - 1/6 カニバリズムへのSF的アプローチ

リチャード・フライシャー『ソイレントグリーン』は人口が爆増した近未来を舞台にしたSF映画です。資源が枯渇した人々の主な食物はソイレントグリーンと呼ばれる合成食品でした。ある殺人事件を追う内に刑事がある真実にたどり着いてしまいます。そのある真実とは……。 ここでは書きませんが、この記事で紹介しているということはそういうことです。血の滴る肉をもぐもぐする食人映画ではありませんが、倫理的な嫌悪感とディストピアな世界観に浸ることのできるSF映画です。

3 - 2/6 怪奇!人肉畑への誘い

クリスチャンである兄妹が営むモーテルでは自家製のソーセージを売っている。怪しげに思った検査官が農園に向かうと、声帯を潰された人々が首から下を地面に埋められ栽培されていた……。 『悪魔のいけにえ』がベースになった映画であることは間違いないのですが、本作は実にコミカル。土から顔がぴょんと出ている人々は大変シュールです。

3 - 3/6 食人映画史上、最も美しい傑作

レストランの常連客である泥棒の男は汚い言葉と暴力を同伴する妻に向ける。妻はレストランで愛人とイチャイチャするが、その行為が泥棒にバレてしまう……。監督のピーター・グリーナウェイがたどり着いた映像美術の極致とも言える映画です。隅々まで行き届いた豊かな色彩とジャン・ポール・ゴルチエによる映画衣装、どのシーンを切り取ってもまるで絵画のように配置された全ての被写体。それらの材料で描かれるのが醜悪な愛と欲望の物語なのです。この映画がなぜ肉屋系映画に属すのは最後まで観てのお楽しみ。 最強の悪役である泥棒を演じるのは、『ハリーポッター』シリーズのダンブルドア役で同じみマイケル・ガンボン。役の振れ幅がすごいですね。

3 - 4/6 『アメリ』監督によるカニバリズム映画?!

フランス・パリを舞台にした恋愛映画『アメリ』は日本でも大ヒットとなりました。その監督であるジャン=ピエール・ジュネ初の長編映画が『デリカテッセン』です。肉屋で働き始めた掃除夫の青年、彼を解体し人肉を売ろうとする店主、青年に恋をする店主の娘、その他個性豊かなキャラクターたちによるコメディ映画です。食人がテーマなので倫理的にはアウトですが、それを笑い飛ばせるユーモアがあります。独特な世界観で『アメリ』好きな人にも受け入れてもらえそうな映画です。

3 - 5/6 よい子はもちろん、大人も観ちゃダメ

香港で生まれたこの映画からは上品さや知的さは微塵も感じられません。この記事でも繰り返し紹介してきた肉屋系食人映画ですが、本作はその中でもダントツの下劣さと言えます。真っ当な倫理観を持って臨むと、鑑賞は厳しい。泣き叫ぶ子供にも刃を向け、容赦無く惨殺し、肉饅頭(肉まん)に変えていくのです。 この映画に主演したアンソニー・ウォンは香港のアカデミー賞で主演男優賞を受賞しました。ちなみに翌年の受賞者は『恋する惑星』のトニー・レオンです。すごい賞があったもんですね……。

3 - 6/6 ティム&ジョニデの名コンビによる食人映画

独特のファンタジーな世界観が癖になるティム・バートン監督作品。しかし一作品だけお子様が鑑賞できない映画があります。それが『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』です。ティム・バートン映画の常連ジョニー・デップ演じる理髪師が客を殺し、同じく常連のヘレナ・ボナム=カーター演じるパイ屋が人肉パイを作り売る。なんとも滑稽な設定ですが、実は男の目的は人生を狂わせた男への復讐。ティム・バートンによるダークファンタジーの雰囲気も相まった食人映画の名作です。 実は同じ原作で1997年にも映画化されていますが、こちらはかなり雰囲気が異なります。

4 恋愛・青春系カニバリズム映画

『食べちゃいたいほど愛してる』なんて漫画もありますが、本当に食べちゃったのがこの映画たちです。もちろん残酷描写が含まれているものも多いのですが、ストーリーは恋愛映画なのでそれ程怖くありません。他の食人映画に比べ取っ付き易いと言えます。最初から『食人族』を観ろ!だなんて言いません。

4 - 1/3 愛の果てに、食べちゃう

人気アイドルとファンの少女。偶然が重なりアイドルに近づいた少女だったが、少女の片思いは暴発し猟奇的な行動へと駆り立てていく。壮絶な愛の果てにあるのは、食人でした。食人映画ながら、残酷描写は極力抑えられています。グロテスクな描写が苦手な方にオススメの食人入門映画です。

4 - 2/3 徹底的に残酷描写を排した食人映画

服の仕立てを生業とする物静かな独身男性が実は食人鬼だった。そんな彼はある殺しをきっかけに女を好きになります。愛と食人は両立するのか、それとも……。 グロテスクなシーンはほとんどありません。殺害シーンすら大胆に省略しています。あくまで愛を描くことに終始したとても上品な映画と言えますが、やっていることは倫理の欠片もない食人行為。このバランスが異様な雰囲気を生んでいる怪作です。

4 - 3/3 ベジタリアンがお肉を食べて、覚醒

ベジタリアンの少女が新入生へのイニシエーションとして生肉を食べる。そこから彼女の秘めたる本性が露わになっていく……。伝説の変態映画監督デヴィット・クローネンバーグに影響を受けたと言われるジュリア・ドゥコノによる初長編監督作。食人というホラーなテーマを扱いながら、描いているのは大学への進学を機に愛や社会を知った少女の成長譚。つまり青春映画なのです。ただ青春のトリガーが食人だっただけ。 映画『RAW 少女の目覚め』の日本公開は2018年2月2日です。

お腹空いてきましたか?

カニバリズム映画が好きだ、という人はあまり知りません。好きを自称すると相手によっては嫌悪感を抱く人いるはずです。こういう映画は一人で観るのがおすすめ。人が人を食べるアンダーグラウンドな世界はあなたを誘惑し、虜にするはずです。 鑑賞後にはしっかりお肉でお腹を満たしましょう。もちろん人間以外の肉で。