2018年2月10日更新

やっぱ好きやねん!お笑いの町・大阪を舞台にした映画

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『プリンセストヨトミ』

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大阪を舞台にした映画を厳選ご紹介!

日本を代表する大都市のひとつ、大阪。独特の文化と歴史、風土、そして県民性をあわせもち、お笑いの町、商人の町、美食の町などいろいろな顔を持っています。 そんな大阪は、これまでさまざまな映画やテレビドラマの舞台になってきました。2018年現在放送中の朝ドラ『わろてんか』も吉本興業の創業者をヒロインとしており、新たな注目を集めています。 また、一口に大阪が舞台とは言っても、市川雷蔵主演の名作『大阪物語』などの時代劇から豪華なハリウッド大作までその内容や設定は実に多岐に渡っています。 ここでは、その中から戦後の大阪を舞台にしたものにしぼり、なるべくバリエーション豊かな5作品を選りすぐってご紹介したいと思います。

宮本輝の原作、愛憎渦巻く人間ドラマの秀作

1982年に公開された『道頓堀川』は、幼少時を大阪で過ごした芥川賞作家・宮本輝の同名小説が原作です。道頓堀川に面した一軒の小さな喫茶店を主な舞台に、因縁を抱えた父と息子、画家の卵と元芸者の愛など、さまざまな男女が織り成す濃密な人間ドラマが叙情豊かに描かれます。 監督を『仁義なき戦い』や『蒲田行進曲』の深作欣二が務め、松坂慶子や真田広之、山崎努、佐藤浩市ら豪華キャストが道頓堀に生きる男女を熱演しました。日本アカデミー賞では監督賞や主演女優賞などを受賞しています。 また宮本輝原作の映画化作品では、1981年公開の『泥の河』も戦後まもなくの大阪・土佐堀川が舞台となっており、両作をセットで鑑賞するのもおすすめです。

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赤井英和が主演した「浪速のロッキー」の物語

『どついたるねん』は「浪速のロッキー」と呼ばれた元プロボクサーの赤井英和の自伝を原作に、赤井本人が主演し、阪本順治が監督を務めた1989年公開のボクシング映画です。低予算ながら口コミで大きな評判をよび、ブルーリボン賞の作品賞、さらにキネマ旬報年間ベストテンの第2位にも選ばれました。 試合中に負った大怪我で再起不能になった元チャンピオンの安達英志。荒れた生活の中、自身のジムを設立するもうまくいかず、再び奇跡のカムバックにむけた厳しい練習に取り組みます。 物語の主な舞台は大阪ミナミの新世界です。自ら主演し、武骨な魅力を発揮した赤井英和は一躍人気俳優となり、また相楽晴子、麿赤児、原田芳雄ら脇役たちの気迫あふれる熱演も見ものです。

大阪を舞台に繰り広げられる奇想天外な歴史ミステリー

『プリンセス トヨトミ』は2011年に大ヒットした歴史ミステリー映画です。 1615年に勃発した大阪・夏の陣で断絶したと思われていた豊臣家の子孫が今も生き続けていたとしたら……。会計検査院の査察によって400年の封印が解かれてしまったことで、大阪中の公共交通機関や営業活動すべてが停止してしまうという一大騒動に発展していく様を壮大なスケールで描きました。 直木賞候補にもなった万城目学のベストセラー小説が原作であり、堤真一、綾瀬はるか、岡田将生という人気俳優3人がカギとなる凄腕調査官を演じています。 中井貴一扮する大阪国総理大臣を名乗る男の登場など、万城目ワールドらしい奇想天外な展開と緻密な構成が圧巻です。

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大阪船場にのれんを掲げる老舗問屋で勃発した遺産相続争いの顛末は?

『女系家族』は1963年に公開された、若尾文子、京マチ子、高田美和ら豪華なオールスターキャストがどろどろした遺産相続争いを繰り広げる、山崎豊子による同名小説の映画化です。その後何度もテレビドラマ化されるなど、多くが映像化されている山崎作品の中でも抜群の人気を誇っています。 大阪の船場にある木綿を扱う老舗問屋「矢島商店」で社長の嘉蔵が死去。すると代々婿養子をとってきた女系の矢島家で、三姉妹と嘉蔵の愛人、さらに叔母や大番頭ら周囲の人間を巻き込み、莫大な遺産をめぐる欲深い争いが巻き起こるのでした。 脚本・依田義賢と撮影・宮川一夫という黄金コンビ、そして脇に至るまで揃った達者な役者たちの名演による、したたかでいかにも大阪らしい人間模様が見どころです。

日米豪華スターが夢の競演!大阪が舞台のハリウッド映画

『ブラック・レイン』は1989年に公開された、日米豪華スター共演のハリウッド作品です 殺人事件の犯人としてヤクザの佐藤を逮捕し、日本に連行したニューヨーク市警の刑事ニックとチャーリー。ところが大阪に到着したとたんに佐藤を取り逃がしてしまいます。2人は府警の松本警部補と協力しながら、大阪の街で佐藤の捜索にあたるのですが……。 アメリカ人刑事ニックとチャーリーをマイケル・ダグラスとアンディ・ガルシア、そして松本警部補を高倉健、佐藤を松田優作という今は亡き二人の名優が演じています。 大阪各地でロケが敢行され、ハリウッド視点でとらえた大阪の街並みは何やら異色の雰囲気を湛えています。また、病を押して壮絶な凶悪犯を演じてみせた松田優作の遺作映画としても知られています。

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独特の面白さを放つ、大阪が舞台の映画たち

なるべく趣の異なる5作品を紹介しましたが、もちろんそれらはごく一部です。とりわけ山崎豊子原作ものはご紹介した『女系家族』以外にも、『ぼんち』や『不毛地帯』など多くの作品が大阪を舞台にしていますし、谷崎潤一郎原作の『細雪』も船場の物語です。 またさらに異色どころでは『ゴジラvsビオランテ』など特撮怪獣もので破壊される大阪の町、『難波金融伝』など「ミナミの帝王」シリーズのこってり系などもおすすめです。 これら作品を鑑賞したあと実際に大阪の町を訪れ、ロケ地となっている通天閣や道頓堀、大阪城、船場などを自分の足で散策し、物語をなぞってみるのはいかがでしょうか?