映画の中にお手本が?うるさい上司も黙らせる方法
自分の意見や主張をはっきりと伝えることは、仕事を進めていく上で大切だとは分かっていても、実際にはなかなかうまくいかないものです。特に相手が厳しい上司ならなおさら。そんな時は、映画を参考にしてみてください。ビジネスや法廷を題材にした映画なら、その中にたくさんのヒントが隠されています。 主人公が知性や話術を武器に、それぞれの思いをぶつけていく様子は、実際のビジネスシーンでも大いに参考になることでしょう。うるさい上司も思わず納得してしまいそうな、素晴らしい演説が展開される作品をご紹介します。
1.時にはズルさやユーモアも!巧みな話術で敵も味方に変える
映画『サンキュー・スモーキング』(2006)では、タバコ業界で広報を務めている主人公のニック(アーロン・エッカート)の巧みな話術とパフォーマンスに注目。タバコが原因で健康被害を受けたと主張する人や、嫌煙家や団体を相手に少しもひるむことなく、時にユーモアを交えながら言葉巧みに周囲を丸め込んでいくのです。 世間の人の目にどのように映るかが何よりも大切だと主張するニックには、情報操作もお手の物。人気俳優などの有名人を利用してでも、イメージ戦略に大衆を巻き込んでいきます。人に嫌われることや自分のイメージが悪くなることも恐れないニック。ズルささえも感じさせる大胆なやり口で、自分の主張を通す姿勢に自然と勇気づけられます。 大胆不敵なニックの言動は、用意周到な事前準備と確かな自信に裏付けられたもの。豊かな経験とたゆまぬ努力があるからこそ、ニックの言動は常に人々の注目を集め、大衆さえも動かすのです。
2. 集団を説得するなら冷静さとリーダーシップが必要!
一人の陪審員だけが被告の無罪を主張し、残り11人の陪審員たちを冷静に論破していく様子が描かれる『十二人の怒れる男』(1959年)。この作品からは、集団に自分の主張を納得させたい時に役に立つ方法が学べます。夏の蒸し暑い日に、陪審員室に閉じ込められた男たち。誰もが、早く結論を出して帰りたいと考えていたことでしょう。 情熱や真摯に取り組む姿勢を忘れ、与えられた仕事を淡々とこなすだけ、というような状態は、毎日の仕事に追われる中ではよくあることです。また、集団の意見につい流されてしまうことも、実生活でよく起こることです。そのような状況で自分を信じ、冷静に無罪を主張し続けた8番陪審員(ヘンリー・フォンダ)の行動はとても勇気あるものでした。 反対意見を掲げる11人を冷静に説き伏せ、まとめていった8番陪審員のように、リーダーには冷静さと情熱が必要。同僚やグループの中で的確なリーダーシップで意見をまとめることができれば、うるさい上司も納得させることができるでしょう。
3.人の心を動かすには何よりも情熱が大事!
不利な立場に立たされていても、確かな信念に基づいた主張や力強い熱弁は人の心を動かすのだということを教えてくれるのが『セント・オブ・ウーマン夢の香り』(1993年)です。 主人公のチャーリー(クリス・オドネル)は、友人が校長の車にいたずらしているところを目撃してしまいますが、真実を語ることができないでいました。激怒した校長から、犯人の名前を明かせば進学の手助けをしてやるが、証言しないのなら退学だと言いつけられてしまいます。 仲間を思うあまりあいまいな証言しかできないチャーリーは、危うく退学させられそうになりますが、彼を弁護する人物が現れました。フランク(アル・パチーノ)です。 苦学生のチャーリーは、元軍人で盲目の男性・フランクの世話係としてアルバイトをしていました。自分の立場や将来を案ずるよりも、友人を心配し守り抜いたチャーリーの姿勢は素晴らしいと主張するフランク。彼の熱い訴えは、その場にいたすべての人の心を掴み、拍手喝采が起こります。 権力や圧力に屈することなく仲間を守り抜いたチャーリーと、その素晴らしさを力強く主張したフランクの姿から学べば、頑固な上司もうまく説得することができそうですね。
あなたはどのタイプ?自分に合った方法ならより効果的
まるでダークヒーローのような狡猾さを持つニック、誰よりも冷静で熱い8番陪審員、自分の信じたものに全力を傾けるフランク、とそのキャラクターやスタイルは三者三様。いちばん共感できたキャラクターや自分に通じるものがあるキャラクターのスタイルを参考にすれば、より効果的な説得方法を身に付けることができるかもしれません。