2018年6月30日更新

【ネタバレ注意】死に様が格好いい映画キャラクターランキング【ベスト10】

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ルドガー・ハウアー ブレードランナー

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格好いい死に方をする映画のキャラクターと言えば?

映画の中ではもちろん、登場キャラクターたちの死というものが重要な場面や物語のカギとして描かれることがしばしばです。主人公、悪役、脇役など立場もさまざまながら、その死に様もいろいろです。 そんな中から、ここでは強烈な印象を残した格好いい死に方をするキャラクターを10作品の中から選び、ランキング形式でご紹介します。 誰もが真っ先に思い浮かべる不朽の名作はもちろん、比較的新しめの作品、また日本映画やアジア映画からもバリエーション加えて選んでみました。彼らが格好よく死にゆく姿は、まさに映画ならではの名シーンだと言えるでしょう!

10位:ホロコーストの中、幼い息子のために全てを捧げた父

グイド・オレフィチェ/ロベルト・ベニーニ

ナチスによるホロコーストを生きるユダヤ系イタリア人の親子の姿を描き、カンヌ国際映画祭審査員グランプリや米アカデミー賞など各国で絶賛された感動作が『ライフ・イズ・ビューティフル』です。 強制収容所の過酷な状況下、父グイドは幼い息子を元気づけ、なんとか生存させようとあらゆるアイデアとユーモアをつくす姿は、哀しすぎる笑いと親子愛に満ちています。 結局、息子と妻はなんとか生還を果たしますが、その裏でグイド一人が銃殺による死を迎えます。「イタリアのチャップリン」とも称されるロベルト・ベニーニの名演、そして死に際まで息子に笑いと夢を与え続けた姿が圧巻の感動を巻き起こしました。

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9位:銃弾の嵐の中で死にゆく実在の犯罪者カップル

クライド・バロウ/ウォーレン・ベイティ、ボニー・パーカー/フェイ・ダナウェイ

1930年代に実在した銀行強盗カップルの破滅的な半生と青春をスタイリッシュに描いたアメリカン・ニューシネマの傑作です。 世界恐慌による不況でギャングによる強盗が横行する中、ひときわ悪名を轟かせた男女カップルのボニーとクライド。人には危害を加えず、無軌道なアウトローの犯罪を繰り返しますが、ついに罠にはまってしまいます。 87発もの一斉射撃を受け、まるで人形のように身を踊らせて絶命する2人の姿は、映画史に燦然と輝く屈指の名シーンです。ウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイのクールなスタイルが、ある種の社会現象を巻き起こしたばかりか、若者文化に多大な影響を与えました。

8位:我が子のため自ら手を汚し、潔く決着をつける母

犬神松子/高峰三枝子

横溝正史原作に市川崑監督、そして豪華キャストを揃えた70年代の邦画を代表する傑作『犬神家の一族』は、残酷な連続殺人事件の裏に隠れた一人の母の壮絶な愛と死を描いた物語だともいえるでしょう。 終戦直後の信州那須、大富豪の犬神佐兵衛が他界したあと、莫大な遺産相続と遺言状をめぐって佐兵衛の3人の娘や孫たちの間で次々と残虐な殺人が繰り広げられます。結局、真犯人は長女の松子であり、息子である佐清のためを思っての犯行でした。 犬神家の屋敷で一同が勢揃いした中、金田一が見事な推理と謎解きをしてみせますが、たった一つ大事なことを見逃してしまいます。それは、全ての責任を背負い、自ら決着をつけようとした松子の自害でした。 昭和を代表する名女優・高峰三枝子の圧巻の存在感もあって、淡々と遂行するその死に様は潔さと気高さに満ちています。

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7位:大事故の生存者たちがみせる美しき自己犠牲

フランク・スコット/ジーン・ハックマン、ベル・ローゼン/シェリー・ウィンタース

新年を祝う船内パーティで賑わう豪華客船ポセイドン号が大津波によって転覆します。辛うじて生き残った人々が、裏返った船内から必死の脱出を試みる姿を描いた70年代の傑作パニック映画です。 老若男女入り混じった生存者たちは、途中次々と脱落していきますが、そんな中とりわけ印象的な死に様をみせる2人がいます。ジーン・ハックマン演じる神父のフランク、シェリー・ウィンタース演じる老夫婦の太った妻ベルです。 ベルは若い頃水泳選手だったことで、皆を助けるために決死の素潜りを果たした末、夫を残して息絶えます。かたやフランクは、リーダーとなって導きながらも最後は神への祈りの中で命を散らします。こうしたあまりにも美しい自己犠牲の末、ついに6人が救出されるに至るのでした。

6位:クールで格好良すぎるハードボイルドな死に様

マーク/チョウ・ユンファ

「香港ノワール」という言葉を生み出すきっかけになったジョン・ウー監督の傑作ハードボイルド映画が『男たちの挽歌』です。その後、多様なシリーズ作品が生み出されたほか、クエンティン・タランティーノら欧米の映画人にも多大な影響を与えたことは有名です。 偽札シンジケートに絡むヤクザのホーと親友のマーク、そして殺された父のことで兄ホーのことを恨む刑事の弟キット。最後は、3人で組織に巣くう悪党とのド派手な死闘に挑みます。 とりわけ、二丁拳銃を駆使するマークの哀愁漂うクールな活躍ぶりが本作の大きな見どころになっており、演じたチョウ・ユンファを世界的人気スターに押し上げました。夜の波止場を舞台にしたクライマックスで、マークは圧巻ともいえる鮮烈な死を迎えます。

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5位:自由と自立のため、女同士が手を取り合って!

ルイーズ/スーザン・サランドン、テルマ/ジーナ・デイヴィス

ワンマンな夫との生活に満たされない主婦テルマとウェイトレスの親友ルイーズが逃避行を繰り広げる女2人のロードムービーです。リドリー・スコットがメガホンをとり、アメリカン・ニューシネマを彷彿とさせるスタイリッシュな展開が大きな話題をよびました。 ストレス発散のドライブの途中、立ち寄った店でテルマがレイプされそうになったのを見つけたルイーズは男を射殺します。2人は指名手配になりながらも逃避行の旅を続けますが、最後は警察によってついに絶体絶命の場所に追い込まれてしまいます。 逃げ場を失くした2人が手を取り合い、断崖に向かって車のアクセルを踏み込むラストシーンは、犯罪者であることはさておき、友情とも愛ともつかぬ深い絆、そして自由と自立への賛歌に満ちた名場面となりました。

4位:世界中の涙を誘った、厳寒の海底に消えゆく姿

ジャック・ドーソン/レオナルド・ディカプリオ

1912年に実際に発生した大型客船の沈没事故を壮大なスケールで描き、世界中で記録的大ヒットとなったパニック大作『タイタニック』ですが、事故のすさまじい実態とあわせて一組の男女の悲恋が観客の涙を誘いました。 レオナルド・ディカプリオ扮する貧しい画家志望の青年ジャックと、ケイト・ウィンスレット演じる上流階級の令嬢ローズが船上で運命の出会いを果たします。事故による困難や苦難を乗り越えて必死に生き延びる2人でしたが、最後はローズを一人残し、ジャックは冷たい夜の海へと消えていきます。 壮絶な状況を生き抜いた末、愛する女性のために死にゆく格好良すぎる姿が、感動を呼ばないはずはありません。

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3位:不愛想で気難しい男が最後に選んだ道は?

ウォルト・コワルスキー/クリント・イーストウッド

俳優のみならず監督としても名匠の名にふさわしい秀作を送り出し続けているクリント・イーストウッド。監督と主演を兼ねた2008年の感動作『グラン・トリノ』の主人公がウォルト・コワルスキーです。 ウォルトは愛妻に先立たれたあと、頑固で気難しいゆえに息子や孫たちとも疎遠の偏屈老人ですが、隣に住むアジア系少数民族の少年タオとその家族の無欲な優しさに触れ、少しずつ交流と友情を育むようになります。 そんな中、チンピラグループの残酷な魔の手がタオと彼の姉に及んだとき、ついに抑えてきた怒りを爆発させます。はたしていかなる復讐を果たすのか。単身で乗り込んだウォルトが自ら選んだ驚きの最期に、激しく心を揺さぶられるでしょう。

2位:レプリカントの哀しくも切ない生き様と死に様

ロイ/ルトガー・ハウアー

25年の時を経て2017年に公開された続編も記憶に新しい、SF映画不朽の名作『ブレードランナー』。主人公はもちろんハリソン・フォード扮する捜査官デッカードですが、もう一人の主人公とも言うべき存在がレプリカントのリーダー、ロイです。 ロイたち男女のレプリカント4人が、自分たちが人間ではなくタイレル社によって製造された人造人間だという正体と寿命を知ってしまい、地球に逃亡してきます。デッカードの手で次々と抹殺されていく中、最後に残ったロイとの壮絶な死闘が本作のクライマックスです。 ロイは、予め設定された自らの命がもう終わりに近いと知りつつ、デッカードに生と死の意味を問いかけ、圧巻とも言うべき崇高な終焉を迎えます。ただの悪役の最期ではない、むしろ美しくプライドに満ちた死に様は、まさに傑作にふさわしい名場面です。

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1位:爽快感すら伴う死に様で終わる、映画史に残る名ラストシーン

ブッチ・キャシディ/ポール・ニューマン、サンダンス・キッド/ロバート・レッドフォード

19世紀末に実在した銀行強盗コンビ、ブッチとサンダンスの物語を二大スターの共演で描いたアメリカン・ニューシネマを代表する傑作が『明日に向かって撃て!』です。主人公の2人を演じたポール・ニューマンとロバート・レッドフォードを一躍世界的人気スターの座に押し上げました。 アメリカ西部を舞台に、強盗でお金を得ているブッチとサンダンスの2人組は、やがて大きな夢を抱いて南米のボリビアに向かいます。ところが自由奔放でアウトローな生き方ゆえに時代から取り残され、次第に追い詰められていくのでした。 独特のダンディズムとユーモアを湛え、逃げ場のなくなった銃撃の場に果敢に飛び込む二人の姿、そしてストップモーション!映画史に残る有名な死に様であると同時に、忘れがたい名ラストシーンとなりました。

格好いい死に様は、秀作映画になくてはならないもの!

人の死というものをいかに描くかは、映画はもちろん小説やコミック、テレビドラマなどあらゆる創作において極めて重要な要素であることは言うまでもありません。 それは、英雄の勇敢な死や愛する者の哀しい死、あるいは悪役たちの自業自得の死であろうと変わることはありません。 ここでは格好いい死に様をテーマに、なるべくバリエーション豊かに10作品を選んでみましたが、ご紹介できたのはごく一部です。はっきりとわかることは、どんな形であれ死を格好よく描き上げることは、秀作の条件のひとつであることは間違いないということでしょう!